JP3034254B2 - アンチスキッド制御方法 - Google Patents

アンチスキッド制御方法

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JP3034254B2
JP3034254B2 JP63027950A JP2795088A JP3034254B2 JP 3034254 B2 JP3034254 B2 JP 3034254B2 JP 63027950 A JP63027950 A JP 63027950A JP 2795088 A JP2795088 A JP 2795088A JP 3034254 B2 JP3034254 B2 JP 3034254B2
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克正 五十嵐
清一 石関
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Fuji Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車のアンチスキッド制御方法に関する
ものである。
従来の技術 自動車の液圧式制動装置において、制動操作により制
動液圧が各車輪の制動装置に供給され該制動装置内液圧
が加圧状態となったとき、車輪速度の低下に応じて該制
動装置内液圧の減圧を行い、該減圧による車輪速度の回
復をまって再び制動液圧の加圧を行い、以後同様の減圧
と加圧を繰返して効果的なる制動作動が行われるように
した自動車のアンチスキッド装置は従来より種々開発さ
れ、例えば特開昭60−61354号公報にて公開されてい
る。
発明が解決しようとする課題 上記のようなアンチスキッド装置は、一般に各車輪毎
に設けられている車輪速度センサの各車輪速度信号によ
って減圧,加圧の制御が行われるものであるが、通常は
制動液圧系統は例えば対角線上の2輪を同一系統として
独立した2系統に分ける等複数系統とすることにより、
かりに一方の系統に欠陥が生じても他方の系統で一応当
面の制動力を確保できるようになっているので、同一系
統の2輪の各車輪速度のうちの低い方の車輪速度をセレ
クトし、この低い側の車輪速度でその系統の制動液圧制
御を行い、これによりすべての車輪にロックが生じるこ
とのないようにしているのが普通である。
ところが、Jターン時(Jターンとは所定値以上の車
速でカーブに進入し急転舵した状態であり、当業界で一
般に用いられている用語である)急ブレーキをかけた場
合、上記したようなアンチスキッド装置が作動すると、
内外輪の車輪速度差が大きく且つ横加速度によって内輪
側が浮上りぎみになり内輪側の接地反力が減少するの
で、内輪側の車輪速度は外輪側よりかなり低くなり、従
って制動液圧の減圧,加圧の制御は主として内輪側の車
輪速度に基づいて行われることになる。すると内輪側は
上述のように接地反力が低いので、制動液圧のわずかな
加圧により車輪速度は急速に低下しロックに近い状態と
なりそこで減圧しても車輪速度はなかなか回復せず減圧
状態が長くなり、全体として制動力不足を生じることに
なり、Jターン時の急制動という極限状態における制動
距離が意図に反して長くなってしまい安全性の面で好ま
しくないと言う問題を生じる。
本発明は、上記のような従来のアンチスキッド制御に
おける課題を解決することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明は上記のような自動車のアンチスキッド制御装
置において、アンチスキッド制御用コントロールユニッ
トが例えば対角線上の2輪等、左右2輪の車輪速度差を
求め、該車輪速度差がしきい値以上である状態が少なく
ともアンチスキッド制御装置の減圧,加圧のサイクルよ
り長い所定時間以上継続した場合Jターン状態であると
判定し、アンチスキッド制御モードをノーマルモードか
らJターンに対応したモードに切換え、該Jターンに対
応したモードでアンチスキッド制御を行うことを特徴と
するものである。
作 用 上記において、設定車速以上のスピードでカーブに進
入し大きく舵を切ったJターン時における制動操作時、
左右2輪の車輪速度差がしきい値以上となり且つその状
態が少なくともアンチスキッド制御装置の減圧,加圧の
サイクルより長い所定時間以上継続することからコント
ロールユニットはJターン状態にあると判定し、Jター
ンに適応したモード,例えばアンチスキッド制御の基礎
となる演算にて求める擬似的車体速度をノーマルモード
の場合より低い値に設定したり或は制動液圧の減圧のタ
イミングを決定する車輪速度の設定値及び減圧から再加
圧に転じるタイミングを決定する車輪速度の設定値をノ
ーマルモードの場合より低下させたりしたモードに切換
え、このJターンに適応したモードでアンチスキッド制
御が行われ、Jターン時のブレーキの効きを良好とし、
制動距離の短縮,安全性の向上をはかり得る。
又、上記のように、左右2輪の車輪速度差がしきい値
以上である状態が少なくともアンチスキッド制御装置の
減圧,加圧のサイクルより長い所定時間以上継続したと
きJターン状態であると判定するようにしたことによ
り、左右2輪の車輪速度差がしきい値以上となることが
あるスプリットμ路での制動時との判別を行ない、Jタ
ーン判定を確実に行うことができる。
実施例 以下本発明の実施例を付図を参照して説明する。
第1図は本発明を適用したアンチスキッド装置の一例
を示すもので、第1図において1はブレーキペダル、2
はマスタシリンダ、3は車輪4のブレーキ装置であり、
上記マスタシリンダ2からブレーキ装置3に至る制動液
圧系路途中には、マスタシリンダ2からブレーキ装置3
への液圧供給を閉止する液圧保持弁と該液圧保持弁の閉
止状態においてブレーキ装置3の制動液圧をリザーバに
逃がす減圧弁と該リザーバに逃がした液を汲出しアキュ
ムレータを介して上記液圧保持弁の上流側に供給するポ
ンプ等からなるハイドロリックコントロールユニット
(以下HUと称す)5が設けられ、車輪4の車輪速度を検
出する車輪速度センサ7の車輪速度信号に基づきエレク
トロニックコントロールユニット(以下ECUと称す)6
が上記HUの各弁及びポンプの作動を制御すべき信号を発
し、以下に述べるような制動液圧制御を行う。
即ち、通常時は液圧保持弁は開,減圧弁は閉となって
おり、ブレーキペダル1を踏み込みマスタシリンダ2が
作動すると制動液圧は液圧保持弁を通ってブレーキ装置
3に供給され、ブレーキ装置3の液圧は上昇する。ブレ
ーキ装置3の液圧上昇に伴ない制動力が生じて車輪4の
車輪速度は低下するが、その低下率が設定値になるとEC
U6は保持信号を発し液圧保持弁は閉となりマスタシリン
ダ2からの液圧供給をシャットオフし、ブレーキ装置3
の液圧はそのときの状態に保持される。
その液圧保持状態において車輪速度が更に後述するあ
る設定値まで低下したときECU6は減圧弁に開信号を発し
て減圧弁を開とし、ブレーキ装置3の液がリザーバ内に
流入しブレーキ装置3の減圧を行う。
リザーバ内に流入した液はポンプの作動にてアキュム
レータに送り込まれる。
上記ブレーキ装置3の減圧を行うと車輪4の車輪速度
は接地反力によって徐々に回復し車体速度に近づく。そ
の車輪速度の回復が所定値に達したところでECU6が減圧
弁に閉信号を与えると共に液圧保持弁に開信号を与え、
減圧弁は閉,液圧保持弁が開となり、前記ポンプにて汲
み上げられアキュムレータに蓄圧された液が液圧保持弁
を通ってブレーキ装置3に供給され加圧状態とし、これ
により再び車輪速度は低下して行き、それ以後は上述の
ような減圧と加圧を繰り返す制御を行うことにより車輪
ロックを生じることなく所定の車体減速度をもって効率
の良い制動が行われる。
上記において、ECU6は前後左右の4輪のうち最も高い
車輪速度から車体速度を演算にて推定し、該車体速度に
対し所定値だけ低い値或は所定割合だけ低い値を減圧弁
開信号の設定値とし、又該減圧弁開により車輪速度が減
少から増加に移行したとき例えば上記車体速度と車輪速
度のローピーク値との差に対し所定割合だけ車輪速度が
回復した時点を減圧弁閉,液圧保持弁開として加圧に転
じる設定値とする等、減圧,加圧の制御タイミングをハ
イセレクトされた車輪速度より得た車体速度と車輪速度
とから決定するものである。
又第1図では4輪のうちの1輪のみのアンチスキッド
制御系統を示しているが、実際にはマスタシリンダ2か
ら車輪4のブレーキ装置3に至る制動液圧配管は、例え
ば左前輪に右前輪が同一配管,右前輪と左後輪が他の同
一配管と言うように通常それぞれ独立した2系統配管に
構成され、それぞれの配管系統に1個のHU5が設けら
れ、同一系統の2輪は1個のHU5によって共通した制動
液圧制御が行われるようになっている。そこで同一系統
内の2輪についてはECU6は車輪速度の低い方を選択し、
該ローセレクトした車輪速度と上記車体速度とでその系
統2輪の減圧,加圧の制御タイミングを決定しその系統
のHU5に信号を発することにより車輪ロックが決して生
じることのないアンチスキッド作動が得られるようにな
っている。
上記のような通常走行状態即ちノーマル状態でのアン
チスキッド制御4がJターン時における制動操作時に行
われると著しい不都合が生じる。
即ち、第2図に示すようにある程度以上の車速でカー
ブに進入し、SP点で急操舵したJターン状態において、
BP点で急制動をかけたような場合、内外輪の走行軌跡差
により車輪速度から演算にて求める車体速度の誤差が大
きくなるばかりか、内輪側は接地反力減少により制動初
期における車輪速度の低下が外輪側に比して急速とな
り、比較的低い制動液圧状態で減圧が行われると共に、
減圧状態では該内輪側は接地反力が少ないので車輪速度
が設定値まで回復する時間が長く、従って減圧状態が長
くなり、全体として通常走行状態での制動時よりブレー
キの効きが悪くなってしまう。
そこで本発明では、Jターン状態であるかどうかの判
定を簡単且つ確実に行い得る方法を提供することによ
り、この方法にてECU6がJターン状態であると判定した
ときは前記減圧,加圧の制御タイミングを決定するため
の車輪速度の設定値を前記ノーマル状態での設定値から
Jターン状態に対応したJターンモードに切換え、上記
のようなブレーキの効きが悪化すると言う不具合を解消
することができるようにしたものである。
即ちJターン時は、第4図に示すように前後左右の各
車輪の走行軌跡が異るので所謂内外輪の車輪速度差が大
きくなる。そこで第3図に示すように左前輪と右後輪,
右前輪と左後輪と言うように対角線上の左右2輪の車輪
速度差を求め、未だ制動操作を行っていない状態におい
てはその車輪速度差がしきい値以上であったときJター
ン状態であると判断する。
制動時には直進走行状態でも、左右の路面の摩擦係数
が大きく異るスプリットμ路では、左右2輪の車輪速度
差が大となる場合があり、この場合は車輪速度差だけで
はJターンかスプリットμ路であるか区別できない。
そこで、制動後のJターンであった場合は、上記車輪
速度差がしきい値より大となった状態がある設定時間
(例えば200msec程度に設定される)以上継続している
かどうかをチェックし、設定時間以上継続しているとき
Jターン状態であると判断する。即ちスプリットμ路で
の制動時はアンチスキッド制御によって減圧,加圧を繰
り返すので車輪速度はそれに応じて増減し車輪速度差も
大きく増減し、しきい値以上の車輪速度差が長く続くこ
とはあり得ないので、上記のように左右2輪の車輪速度
差がしきい値より大となった状態が、少なくともアンチ
スキッド制御装置の減圧,加圧のサイクルより長い所定
時間(例えば200msec程度)以上継続したとき、Jター
ン状態であると判断することにより、Jターンの判定を
確実に行うことができる。
但し操舵以前に制動を行った場合は、車体の旋回以前
に既に制動効果が効き車体はかなり減速状態になってい
るものと見なして、Jターンと判定しないようにしても
良い。
上記車輪速度差のしきい値は例えば第5図に示すよう
に、車体速度(前記したように車輪速度から演算にて求
めた擬似的車体速度VV)の増大に応じて減少する減少関
数に設定され、該車輪速度差のしきい値は例えば車体車
速の低いところで7〜8Km/H,車体速度の高いところで2
〜3Km/H程度に設定されるのが適当である。
このようにしてECU6がJターン状態であると判定した
ときは、アンチスキッド制御をJターンモード即ち例え
ば減圧弁を開とすべき車輪速度の設定値及び減圧弁を
閉,減圧保持弁を開として再加圧状態とすべき車輪速度
の設定値をノーマル状態に比し低下させたり、車体速度
の演算方法を変え制御の基準となる制御速度VVの値を低
下させたりしたモードに切換えることにより、減圧状態
にある時間を短くしブレーキの効きを良くし、制動距離
の短縮をはかることができる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、Jターン状態にあるこ
とを極めて簡単なる施策によって的確に判定することが
でき、自動車におけるアンチスキッド制御をJターン状
態に対応した好ましい特性に切換え、Jターン時におけ
る安全性の向上をはかることができるもので、実用上多
大の効果をもたらし得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用したアンチスキッド装置の制御系
統概略図、第2図はJターン状態を説明する図、第3図
は本発明方法の一例を示すフローチャート、第4図はJ
ターン時の車輪走行軌跡を説明する図、第5図はJター
ンと判定するための車輪速度差のしきい値の一例を示す
図である。 1……ブレーキペダル、2……マスタシリンダ、3……
ブレーキ装置、4……車輪、5……ハイドロリックコン
トロールユニット、6……エレクトロニックコントロー
ルユニット、7……車輪速度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 克正 東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富 士重工業株式会社内 (72)発明者 石関 清一 東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富 士重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−252058(JP,A) 特開 昭62−218259(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制動操作時、車輪速度から車輪ロックの前
    兆をとらえ制動液圧の減圧を行った後車輪速度の回復を
    まって再加圧を行うと言う制御パターンを繰り返す自動
    車のアンチスキッド制御装置において、アンチスキッド
    制御用コントロールユニットが左右2輪の車輪速度差を
    求め、該車輪速度差がしきい値以上である状態が少なく
    とも上記アンチスキッド制御装置の減圧,加圧のサイク
    ルより長い所定時間以上継続したときJターン状態であ
    ると判定してアンチスキッド制御をノーマル特性からJ
    ターンに対応した特性に切換え、該Jターンに対応した
    特性に基づきアンチスキッド制御を行うことを特徴とす
    るアンチスキッド制御方法。
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US07/308,123 US4902076A (en) 1988-02-09 1989-02-09 Antilock brake control method for motor vehicle
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