JP3034217B2 - 合焦装置 - Google Patents
合焦装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動合焦(A
F)機能を装備する装置、例えばAFカメラの合焦用移
動自在レンズを合焦位置まで正確に移動させるための装
置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、レンズ交換式カメラの中にもAF
機能を装備したものが現われてきている。 【0003】図17はこのようなカメラの一般的な構成
を概略的に示したブロック図である。尚、この図は、A
F機構に係る部分につき主に示したもので、カメラ及び
レンズに通常備わる構成成分を一部省略して示してあ
る。 【0004】図17において、11はカメラボディを、
31はこのカメラボディに着脱が可能な撮影レンズをそ
れぞれ示す。これらは互いに、ボディ側クラッチ13及
びレンズ側クラッチ33を介して機械的に接続され、又
ボディ側電気接点群15及びレンズ側電気接点群35を
介して電気的に接続される。 【0005】撮影レンズ31は、光軸に沿って移動自在
で合焦に寄与するレンズ37を含むレンズ系39と、こ
の移動自在レンズ37を合焦位置に移動させるためカメ
ラボディ11の駆動源(後述する)からの力を伝達する
駆動力伝達機構41と、撮影レンズの絞り値情報や移動
自在レンズ37の位置情報等を格納するレンズROM4
3とを具えている。 【0006】一方、カメラボディ11は、被写体からの
光のうち撮影レンズ31を通過してきた光の一部を受光
し結像するために、例えばCCD(Charge-Coupled- De
vice) センサを用いた撮像部17を具える。さらに、こ
のカメラボディ11は、この撮像部17からの信号に基
いて合焦位置からのズレ量を示すデフォーカス量(非合
焦量)Dを算出したり、合焦のために適正なレンズ移動
方向を決定したりする機能をはじめとした種々の機能を
有する制御部19を具える。さらに、このカメラボディ
11は、撮影レンズ31内の移動自在レンズ37を駆動
するために例えばモータ21と、このモータの回転数を
管理するためのエンコーダ23とを有する駆動機構25
を具える。駆動機構25の駆動力はクラッチ機構13,
33及び駆動力伝達機構41を介して移動自在レンズ3
7に伝達され、この結果、レンズ37は駆動される。 【0007】ところで、移動自在なレンズ37を合焦位
置まで移動させるための駆動量は、モータ21の回転数
を検出するエンコーダ23のパルスカウント数Pによっ
て決定することが出来る。従来のAFカメラでは先ずデ
フォーカス量Dを制御部19で求め、この量に応じたパ
ルス数Pを例えば下記(2)式に従い求めていた。 【0008】P=K・D……(2) 但し、(2)式において、Kはレンズ移動量変換係数を
示す。この移動量変換係数Kは、Dの値に応じて移動自
在レンズ37を合焦が確実に行なわれる位置に移動させ
得るパルスカウント数Pが求まるように予め設定されて
いるものであって、撮影レンズ毎に固有な値である。こ
の係数Kは、撮影レンズのレンズROM43内に予め格
納されていて、さらには、撮影レンズがズームレンズの
ような場合では、複数の値が格納されていた。 【0009】このような従来のカメラにおいては、エン
コーダ23で計数したパルス数が(2)式で求めたパル
ス数Pに等しくなるまで移動自在レンズ37を連続的に
移動させて合焦を行なっていた。 【0010】又、さらに精度良く合焦を行なわせようと
する場合には、移動自在レンズを少し移動させては合焦
のためのパルス数を新たに求めなおす等の間欠的な駆動
が行なわれていた。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デフォ
ーカス量Dに応じて求めた移動自在レンズの駆動量に従
い、このレンズを一時に移動させる場合、移動後の合焦
精度が所望値にならない場合が生じるという問題点があ
った。 【0012】このような問題点は、デフォーカス量が大
きな場合ほど顕著に現れる。すなわち、ピントが大きく
ずれた状態の被写体を撮像して得たデフォーカス量はか
ならずしも正確な数値ではなく誤差を含むものであるこ
とが多い。従って、このデフォーカス量から求めた合焦
位置までの駆動量も誤差を含むものになるため、満足の
ゆく合焦が得られ難い。 【0013】一方、移動自在レンズを合焦位置に徐々に
近づけながら、このレンズを間欠的に停止させこの時の
レンズ位置で新たな駆動量を求める場合、確かに精度の
高い合焦を行なうことが出来る。しかし、合焦に要する
時間が長くなるという問題点があった。カメラにおいて
は、瞬間的なシャッターチャンスをのがすことなく撮影
出来ることも重要な要件であるから、このような問題点
は好ましいことではない。 【0014】また、自動合焦カメラにおいて合焦を行な
う際に、前ピン及び後ピンの間を行き来したあげくに合
焦許容範囲となるような合焦は、撮影者に対し不快感を
与える。従って、このような不快な合焦動作が生じにく
い合焦装置が望まれる。 【0015】この発明はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従ってこの発明の目的は、移動自在レンズを
合焦位置まで移動させながらこのレンズの合焦位置まで
の適正な駆動量を新たに求めることができ、しかも、前
ピン及び後ピンの間を行き来することなくスムーズに合
焦を行ない易い合焦装置を提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】そこで、この発明の合焦
装置によれば、被写体を撮像する撮像部と、合焦用移動
自在レンズと、該合焦用レンズを等速度で移動させる駆
動機構と、前記被写体に対する非合焦量を算出する手段
と、該非合焦量に基づいて前記駆動機構の前記合焦用レ
ンズを合焦位置まで移動させる駆動量を求める手段と、
該駆動量に従って前記合焦用レンズが等速度で移動中に
非合焦量及び合焦位置までの新たな駆動量を求める手段
と、該新たな駆動量から、該新たな駆動量を求めるため
の時間期間中の前記合焦用レンズの駆動量を差し引く手
段とを具えた合焦装置であって、前記非合焦量をDと
し、前記駆動機構の合焦位置までの駆動量又は新たな駆
動量をPとしたとき、該駆動量Pを下記(1)式に従っ
て求める構成の合焦装置において(ただし、下記(1)
式中のKi は、レンズ移動量変換係数である。しかも、
該係数Ki は、前記合焦用レンズの繰り出し位置に応じ
て予め定めた適正な値に変化する。)、前記新たな駆動
量を求める手段として、前記合焦用レンズが等速度で移
動中に前記非合焦量を求める際に前記撮像部が必要とす
る被写体光量を前記撮像部に撮像させるための、積分開
始時刻および停止時刻としての第1の時刻および第2の
時刻(以下、非合焦量を求めるための基準となる第1の
時刻および第2の時刻とも称する。)それぞれでの、前
記合焦用レンズの繰り出し位置に応じた係数Ki 同士の
大小関係を比較し、小さい方の係数を下記(1)式に代
入して前記新たなレンズ駆動量を求める手段を含むこと
を特徴とする。 【0017】 【数2】 【0018】以下、この発明の合焦装置の作用について
図16を参照して説明する。ここで図16は、この発明
の合焦装置による合焦処理の原理を説明するための図で
ある。尚、合焦処理の説明中における個別の処理につい
ての詳細な説明は、後の実施の形態の項において行なう
ので、この項では省略する。 【0019】例えば、自動合焦機能装備のカメラを考え
る。このカメラは、移動自在レンズを合焦位置まで移動
させるためモータ及びエンコーダ等を含む駆動機構と、
被写体の合焦・非合焦を判定するための情報を得るため
この被写体を撮像する撮像部等とを具えるものとする。 【0020】被写体の初期のデフォーカス量(D0 とす
る)を求め、このデフォーカス量D0 を解消するために
必要なレンズ移動量が得られるモータ駆動量を求める。
既に説明したように、この駆動量はエンコーダのパルス
数として求まる。D0 に対応するパルス数P0 を例えば
P0 =K・D0 に従い求める(Kはレンズ移動量変換係
数である。)。そして、このP0 を目標値としてモータ
を駆動すると、モータを等速度で回転させている間にお
いては移動自在レンズは合焦位置方向に等速度で移動す
る。 【0021】この発明においては、移動自在レンズが等
速度運動中においても被写体に対する非合焦量を新たに
求める。具体的には、この非合焦量を求めるための基準
である第1の時刻t1 において撮像部に被写体像を撮像
させる。撮像部には、被写体からの光をある光量以上で
撮像させる必要があるから、非合焦量を求めるための基
準である第2の時刻としての例えば時刻t3 まで受光
(撮像)を続けて行なう。一方、この(t3 −t1 )の
時間期間において移動自在レンズは移動し続け、モータ
回転開始時からのエンコーダのパルス累計数は、p1 か
らp3 に増加する。 【0022】ここで、(t3 −t1 )の時間期間に撮像
部で得たデータに基いて非合焦量DX を求めると、この
DX は(t3 −t1 )の時間期間の中点つまり時間t2
における非合焦量と云える。又、時間t2 におけるエン
コーダのパルス累計数をp2とすると、モータは等速度
回転しているから、p2 =(p1 +p3 )/2になる。
さらに、このDX に基いてこのデフォーカス量DX を解
消させるために必要なレンズ移動量が得られる新たなモ
ータ駆動量、すなわち新たなパルス数PX を、例えばP
X =K・DX なる式に従い求める。 【0023】ここで、この係数Kは、合焦用レンズの繰
り出し位置に応じて予め定めた適正な値に変化する。そ
こで、この発明では、PX =K・DX なる式中のKの値
としていかなる値を用いるかを工夫する。すなわち、こ
の発明では、上記の時刻t1(第1の時刻)での合焦用
レンズの繰り出し位置に応じた係数K1 と、上記の時刻
t3 (第2の時刻)での合焦用レンズの繰り出し位置に
応じた係数K3 との大小関係を比較する。そして、両者
のうちの小さい方の係数をPX =K・DX なる式中のK
の値として用いてパルス数PX を求める。係数Ki とし
て値の小さい方の係数を用いるので、合焦用レンズは合
焦位置より手前の合焦許容範囲に入り易くなる。したが
って、合焦用レンズが前ピン後ピンを行き来すること
は、生じにくくなる。 【0024】ところで、DX 、p2 及びPX を求めるた
めの演算を行なっている時間期間中にも移動自在レンズ
は移動し続けている。従って、演算が終了してPX が求
まった時刻をt4 とすると、この時のエンコーダのパル
ス累計数はp4 に増加している。すなわち、この新たな
駆動量PX は時刻t2 での合焦用レンズの位置から合焦
位置までのパルス数にすぎず、時刻t4 での合焦用レン
ズの位置から合焦位置までのパルス数ではない。 【0025】そこでこの発明では、移動自在レンズを時
刻t4 における位置から合焦位置まで移動させ得るパル
ス数PZ を、時刻t2 で得た非合焦量DX に基づいて求
めるために、以下に示す(3)式のような演算を行な
う。 【0026】PZ =PX −(p4 −p2 )…(3) そして、時刻t4 以後においてはこのPZ を目標値とし
てモータを駆動する。これにより初期駆動量P0 は補正
されたことになり、より正確な合焦が可能になる。 【0027】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。尚、説明に用いる各図
はこの発明が理解出来る程度に概略的に示してあるにす
ぎない。又、これらの図において同一の構成成分につい
ては同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略
することもある。 【0028】ところで、図17を用いて既に説明したよ
うに、デフォーカス量(非合焦量)Dに基づいて、撮影
レンズ内の移動自在レンズを合焦位置まで正確に移動さ
せ得るエンコーダのパルス数Pを求めるためには、非合
焦量Dを解消させ得るレンズ移動量に応じたエンコーダ
のパルス数Pを撮影レンズ毎に予め調査し、DとPとの
関係を正確に示す近似式を求めておくことが必要であっ
た。この発明の実施例においては、この近似式を、下記
(4)式即ち上述の(1)式中のnを1としたもの、又
は、下記(5)式即ち(1)式中のnを2とし二次項ま
で考慮したもので説明する。 【0029】P=K1 ・D…(4) P=K1 ・D+K2 ・D2 …(5) 但し、K1 及びK2 は、レンズ移動量変換係数をそれぞ
れ示し、この場合単位像面移動量当りのパルス数を意味
し、移動自在レンズをDの値に応じて合焦が確実に行な
われる位置に移動させ得るエンコーダのパルス数Pが求
まるように撮影レンズ毎に予め定めた係数である。尚、
(4)式及び(5)式においてK1 なる共通文字をそれ
ぞれ用いているが、各K1 は式毎で独立のものであり、
同一の値を示すものでないことは理解されたい。 【0030】なお、(4)式および(5)式を比較した
場合、(5)式のほうが、非合焦量Dの大小にかかわら
ず、より正確なレンズ駆動量が求まることから好適であ
る。しかしながら、用いる近似式は合焦装置の設計によ
って選択されるもので、上記両式に限られるものではな
く、より精度の高い新たな近似式を用い得ることは明ら
かである。 【0031】また、この発明では上記係数Ki は、合焦
用の移動自在レンズの繰り出し位置に応じて予め定めた
適正な値に変化するものとする。すなわち、一つの撮影
レンズであっても移動自在レンズの繰出し位置に応じ係
数Ki の値が変化するものとする。さらには撮影レンズ
がズームレンズの場合は、ズーミングによって係数Ki
の値が変化し、然も、合焦用の移動自在レンズの繰出し
位置に応じ係数Ki の値が変化するものとする。ただ
し、以下の説明においては、合焦用の移動自在レンズの
繰り出し位置が変わっても係数Ki が変わらない場合に
ついても参考例として説明をする。 【0032】(合焦装置の構成)先ず実施の形態の合焦
装置の構成につき説明する。図1は、この発明の合焦装
置を具えたカメラの一構成例を概略的に示すブロック図
である。尚、以下の実施の形態においては、カメラ及び
レンズに通常備わる構成成分のうちこの発明の説明に必
要でないと思われる構成成分についての説明を省略す
る。 【0033】図1において、51は撮影レンズを示し、
81は撮影レンズ51が装着されるカメラボディを示
す。 【0034】撮影レンズ51は、光軸に沿って移動自在
で合焦に寄与するレンズ53を含むレンズ系54と、こ
の移動自在レンズ53を合焦位置に移動させるためカメ
ラボディ81の駆動源(後述する)からの力を伝達する
クラッチ55a、ギヤ55b及びヘリコイドネジ55c
等で構成された駆動力伝達機構55と、撮影レンズの絞
り値情報や合焦用の移動自在レンズ53の位置情報等を
格納するレンズROM57と、この撮影レンズ51及び
カメラボディ81間を電気的に接続するレンズ側電気接
点群59とを具えている。 【0035】さらに、この撮影レンズ51は、図1では
図示を省略してあるが、移動自在レンズ53の動きに連
動する距離環と、この距離環に固定されていてこれの回
転に伴い移動されるブラシと、このブラシによって表面
がこすられる距離コード板とを具える。 【0036】図2は、この距離コード板の説明に供する
平面図である。図2中、61で示すものが距離コード板
であり、57は上述のレンズROM、59は上述のレン
ズ側電気接点群をそれぞれ示す。尚、距離コード板の機
能については後述する動作説明の項で説明する。 【0037】一方、カメラボディ81は、メインミラー
83、サブミラー85、ピント板87及びペンタゴナル
プリズム89等の光学系を具える。さらに、カメラボデ
ィ81は、撮影レンズを透過してきた被写体からの光の
一部を受光し結像するための撮像部91を具える。この
撮像部91は焦点位置検出方式に応じた構成とすること
が出来る。この実施の形態の場合の撮像部91は、相関
法(位相差方式)に適合するようなセパレータレンズを
含む光学系と、二つの撮像領域を有するCCD(Charge
-Coupled- Device) センサとを具える。さらに、このカ
メラボディ81は、この撮像部91の制御及び移動自在
レンズ53を駆動する駆動機構(詳細は後述する。)を
制御する機能を有するAF用制御部(PCU)93を具
える。さらに、このカメラボディ81は、撮影レンズ5
1内の移動自在レンズ53を駆動するために例えばAF
用モータ95a、ギヤ95b、クラッチ95c及びこの
モータ95aの回転数を管理するためのエンコーダ95
dを有する駆動機構95を具える。駆動機構95の駆動
力はボディ側クラッチ95c及びレンズ側クラッチ55
a等を介して移動自在レンズ53に伝達出来、この結
果、このレンズ53を光軸に沿って移動させることが出
来る。さらに、モータ95aを等速度回転させることに
よって移動自在レンズを等速度で移動させることが出来
る。 【0038】さらに、このカメラボディ81は、AE
(自動露出制御)のための受光素子97a,97b及び
AE用制御部(DPU)97と、表示動作を制御する表
示用制御部(IPU)99と、AF用、AE用及び表示
用の各制御部93,97,99を制御する中央制御装置
(CPU)101と、レンズ側電気接点群59に対応す
るボディ側電気接点群103とを具える。CPU101
は、撮影レンズ51のレンズROM57も制御する。 【0039】尚、この実施の形態の場合、PCU93及
びCPU101を例えば以下のような構成としてある。
図3は、PCU93及びCPU101の機能を説明する
ための機能ブロック図である。これらの理解を深めるた
め、既に説明した構成成分との接続関係をも併せて示し
てある。 【0040】PCU93は、撮像部91のCCDの積分
時間比較手段93aと、AFモータ95aを駆動する際
に駆動パルス数Pの大きさに応じモータを等速度で駆動
させるか(DC(直流)制御)、或いは微細に駆動させ
るか(PWM(Pulse WidthM0dulation)制御)を切り
換える手段93bとを具える。 【0041】又、CPU101は、CCDの基準積分時
間、AFモータの駆動制御をDC又はPWM制御のいず
れかで行なうかを切り換えるための基準パルス数、デフ
ォーカス量が有効か否かを判定する基準値及び合焦判定
基準値等を格納するメモリ手段101aと、デフォーカ
ス量D及びパルス数P等を算出する演算手段101b
と、デフォーカス量D等とメモリ手段内に格納された基
準値とを比較するための比較手段101cとを具える。 【0042】このように構成されたカメラにおいて、こ
の発明の合焦装置に備わる各手段を例えば以下のように
構成することが出来る。 【0043】被写体に対する非合焦量Dを算出する手段
を、撮像部91と、PCU93と、CPU101とを以
って構成することが出来る。 【0044】又、(4)式等の近似式の係数K1
((5)式を用いる場合であればK1 及びK2 )は、撮
影レンズ51のレンズROM57に予め格納することが
出来る。既に説明したように、係数Ki は、レンズ繰出
し位置に応じて変更される。このような係数の変更は、
レンズROM57に多数の係数を予め格納させておくこ
と、及び、レンズ繰出し量によって距離環の位置が変化
しこれに伴いコード板61(図2参照)のコードが変化
してレンズROM内のある係数が読み出されること、で
行ない得る(詳細は後述する。)。 【0045】又、レンズROM57に格納した係数Ki
を読み出しこの係数及び非合焦量Dから(4)式または
(5)式に従い、駆動機構の移動自在レンズ53を合焦
位置まで移動させる駆動量を求める手段をCPU101
を以って構成することが出来る。 【0046】又、移動自在レンズ53が等速度で移動し
ている際に、このレンズのある位置における非合焦量及
びこの位置からの合焦位置までの駆動量を求める手段
を、撮像部91と、PCU93と、CPU101とを以
って構成することが出来る。 【0047】又、新たなレンズ駆動量を求める際の係数
として、この発明でいう第1の時刻および第2の時刻そ
れぞれのレンズ位置の係数Ki のうちの小さい方を決定
する手段は、例えばCPU101により構成することが
できる。 【0048】又、移動自在レンズ53の移動中に求めた
新たな駆動量から、この駆動量を求めるための時間期間
中のこのレンズ53の駆動量を差し引く手段を、CPU
101を以って構成することが出来る。 【0049】(合焦装置の動作)次に、実施の形態の合
焦装置の動作につき説明する。尚、この説明を、レンズ
移動量変換係数Ki が、移動自在レンズの繰出し位置
にかかわらず一定値である場合(すなわち参考例)、
移動自在レンズの繰出し位置に応じ係数値が変化する場
合(すなわち実施の形態)、それぞれにつき行なう。 【0050】<係数値が一定の場合の動作例(すなわ
ち参考例)>先ず、図3と、図4〜図6とを参照して、
レンズ移動量変換係数Ki の値が移動自在レンズの繰出
し位置にかかわらず一定である場合の合焦装置の動作例
(すなわち参考例)につき説明する。ここで、図4〜図
6はこのときの動作を概略的に示す流れ図である。 【0051】手動或いは自動的に写真撮影を自動合焦モ
ードで行なうことが選択される(ステップ201)。 【0052】撮像部91においては、被写体からの光の
うち撮影レンズ51(図1参照)を通過してきた光の一
部を積分する。撮像部91のデータ(出力信号)を、P
CU93の積分時間比較手段93a及びCPU101の
演算手段101bにそれぞれ取り込む。この演算手段1
01bにおいて、初期のデフォーカス量D0 を求める
(ステップ203)。ただし、D0 の値が大きい場合に
は、合焦位置までのレンズ移動量に対応するモータ駆動
パルス数は、正確なものとは云えない場合が多い。 【0053】尚、この実施の形態の場合デフォーカス量
を相関法(位相差方式)で求める。この方法は、撮像部
91の基準用CCD及び参照用CCD(詳細は後述す
る。)上にそれぞれ撮像された像の像間隔がデフォーカ
ス量にほぼ比例することを利用するものであるが、従来
公知の方法であるからその説明を省略する。 【0054】次に、ステップ203で求めたデフォーカ
ス量D0 がモータ駆動パルス数P0を求めるための数値
として有効か否かの判定を行なう(ステップ205)。
図7(A)〜(C)を参照してこの判定方法の一例につ
き説明する。 【0055】図7(A)において、91aは撮像部91
の基準用CCDを示し、91bは撮像部91の参照用C
CDを示す。被写体からの光をこれらCCD91a,9
1b上にそれぞれ撮像させ、CCDからの出力信号(デ
ータ)を得る。図7(B)はCCD91aからの出力信
号を示す特性曲線図であり、図7(C)はCCD91b
からの出力信号を示す特性曲線図である。 【0056】CCDからの出力信号は上述した如くCP
U101の演算手段101bに供給されており、この演
算手段101bにおいては、この出力信号に基づき下記
(a)式からコントラストy1 を求める。 【0057】 y1 =∫|(d/dx)f(x)|dx ・・・(a) さらに、相関計算を下記の(b)式に従って行なう。 【0058】 y2 =∫|f(x)−g(x−t)|dt ・・・(b) ここで、tはCCDセンサ上での横ずらし量を示す。 【0059】次に、求めたコントラストy1 と、CPU
101のメモリ手段に予め格納されているある基準値C
1 とをCPU101の比較手段101cを用いて比較す
る。又、相関計算y2 の最小値をy2 (tmin )とした
とき、y2 (tmin )とCPU101のメモリ手段に予
め格納されているある基準値C2 とを比較する。さら
に、(b)式に従い求めたy2 の合焦点での微分値dy
2 /dxの絶対値と、CPU101のメモリ手段に予め
格納されているある基準値C3 とを比較する。これら比
較結果が下記、及び式を満足した時、求められて
いるデフォーカス量D0 が有効であると判定する。 【0060】 y1 >C1 ・・・ y2 (tmin )<C2 ・・・ |dy2 /dx|>C3 ・・・ デフォーカス量D0 が有効な場合は、合焦か否かの判定
を行なう(ステップ207)。この判定をCPU101
の演算手段101bと、比較手段101cとを用い例え
ば次のように行なうことが出来る。合焦時のtをt0 と
したとき、このt0 と(b)式において求めたtmin と
から求めた|tmin-t0 |が、メモリ手段101aに予
め格納されている基準値ts より小さい場合に合焦と判
定する。尚、合焦時には撮影準備が完了になる(ステッ
プ209)。 【0061】又、デフォーカス量D0 は有効であるが合
焦ではない場合には、移動自在レンズ53(図1参照)
を合焦位置に移動させることを以下に説明するように行
なう。 【0062】撮影レンズ51のレンズROM57から係
数K1 ((5)式を用いる場合にはK1 及びK2 )をC
PU101の演算手段に読み込む(ステップ211)。 【0063】このK1 と、デフォーカス量D0 とから、
上述した(4)式(K1 及びK2 を読み込んだ場合には
(5)式)に従い、移動自在レンズの合焦位置までの移
動量に対応するエンコーダのパルスカウント数P0 を求
める(ステップ213)。 【0064】次に、AFモータ95aを適正な方向に回
転させながら回転に伴うエンコーダ95bのパルス数p
n を計数する。この計数は、PCU93若しくはCPU
101に備わる、又は別途に用意した、アップカウンタ
を用いて容易に行なうことが出来るからその説明は省略
する。 【0065】AFモータ95aの駆動中においては、A
Fモータ95aの駆動力はボディ側クラッチ95c及び
レンズ側クラッチ55a等を介して移動自在レンズ53
に伝達され、この結果、移動自在レンズ53は合焦位置
に移動する。 【0066】尚、この実施例の場合、デフォーカス量D
が大きい場合と小さい場合とに応じAFモータ95aの
駆動方式を以下のように切り換える。先ず(4)式から
求めたパルス数P0 と、CPU101のメモリ手段10
1aに予め格納しておいたある基準パルス数PSTとを比
較手段101cで比較し(ステップ215)、この比較
結果をPCU93の切り換え手段93bに出力する。切
り換え手段93bにおいては、P0 >PSTの場合はDC
制御によってAFモータ95aを等速度で高速に回転さ
せる(ステップ217)。又、このDC制御によるモー
タ駆動中においても、エンコーダ95dのパルス累計数
pn を管理し、初期駆動パルス数P0 と、回転開始から
のパルス累計数pn との差(P0 −pn )が、(P0 −
pn )≦PSTとなったら、PWM制御によってAFモー
タをパルス駆動する(ステップ219,231)。この
ようにAFモータを駆動することによって、デフォーカ
ス量Dが大きい場合にはレンズの移動を高速で行なえ、
又デフォーカス量が小さい場合にはレンズ移動を緻密に
行なえるから、精度及び効率共に優れた自動合焦を行な
える。 【0067】DC制御でモータ95aを駆動している
間、移動自在レンズ53は合焦位置方向に等速度で移動
する。この発明においては、この等速度移動中に、モー
タ95aのレンズ53を合焦位置まで移動させるための
新たな駆動量PZ を求める処理を順次に行なう。(ステ
ップ221〜227)。 【0068】先ず、移動自在レンズ53が等速度運動中
のある時刻t1 において撮像部91のCCDの積分を開
始する。又、モータの回転開始時から時刻t1 までのエ
ンコーダのパルス累計数p1 をCPU101のメモリ手
段101aに取り込む(ステップ221)。又、上述の
CCDに所定の光量を受光させ得る時間期間経過後の時
刻t3 において、このCCDの積分を停止する。尚、移
動自在レンズは、(t3 −t1 )の時間期間においても
移動し続けているから、エンコーダのパルス累計数は、
p1 からp3 に増加する。このパルス累計数p3 をCP
U101のメモリ手段101aに取り込む。さらに(t
3 −t1 )の時間期間中のCCDのデータをPCU93
に取り込む(ステップ223)。 【0069】次に、ステップ203でデフォーカス量を
求めたと同様にして、(t3 −t1)の時間期間に撮像
部91で得たデータに基いてデフォーカス量DX を求め
る。このDX は(t3 −t1 )の時間期間の中点つまり
時刻t2 における非合焦量と云える。さらに、時刻t2
におけるエンコーダのパルス累計数p2 を、p2 =(p
1 +p3 )/2に従い演算手段101bを用い求める。
さらに、この演算手段101bを用い、DX の値に基い
て(4)式に従い、時刻t2 における移動自在レンズ5
3の位置から合焦位置までこのレンズ53を移動させる
ためのパルス数PX を求める(ステップ225)。 【0070】ところが、DX 、p2 及びPX を求めるた
めの演算を行なっている時間期間中にも移動自在レンズ
は移動し続けている。従って、演算が終了してPX が求
まった時刻t4 では、エンコーダのパルス累計数はp3
からp4 に増加している。このp4 をメモリ手段101
aに取り込む(ステップ225)。 【0071】次に、時刻t2 で得た非合焦量DX に基づ
いて、移動自在レンズを時刻t4 における位置から合焦
位置まで移動させるために必要なパルス数PZ を、演算
手段101bを用いて以下に示す(3)式に従い求める
(ステップ227)。 【0072】PZ =PX −(p4 −p2 )…(3) このようにして、移動自在レンズ53が合焦位置にさら
に近づいた位置で求めたデフォーカス量から駆動量PZ
を求めることが出来る。 【0073】ステップ229において、PZ と基準パル
ス数PSTとの比較を行なって、PZの大きさに応じモー
タ駆動をDC制御或いはPWM制御のいずれかで行なう
かを選択する。PZ >PSTの場合であれば切り換え手段
93bはDC制御によるモータ駆動を選択し、又、処理
についてはステップ217〜229を行なう。PZ ≦P
STの場合であれば、PWM制御でモータを駆動する(ス
テップ231)。 【0074】時刻t4 でエンコーダ95dのパルス累計
数をリセットし、その後計数したエンコーダのパルス数
pn と求めたパルス数PZ とが等しくなった時モータ9
5aを停止する(ステップ235)。 【0075】時刻t4 以後において、このPZ を目標値
として上述の如くモータを駆動することによって、初期
駆動量P0 は補正されたことになり、これがため、より
正確な合焦が可能になる。又、上述の一連の処理(ステ
ップ217〜233)を必要に応じてサイクリックに行
なえば一層正確な合焦が可能になる。 【0076】一方、ステップ205において、デフォー
カス量D0 が無効であると判定された場合を考える。こ
のような例としてはコントラストが実質的にないような
被写体を撮像した場合やデフォーカス量D0 が非常に大
きい(大ボケ状態)場合が考えられる。 【0077】無効判定の場合、先ず、CCDの積分時間
IT と、メモリ手段101aに予め格納されている基準
積分時間ISTとを比較手段101cによって比較する
(ステップ301)。積分時間IT がIT ≦ISTであっ
て、CCDにはあるデータが供給されているにもかかわ
らずD0 が無効である場合は、大ボケ状態であると判断
し、AFモータ95aをある量駆動させて移動自在レン
ズの位置を変更させる(ステップ302,303)。こ
の際、回転方向を適時切り換えてデフォーカス量D0 が
有効になるような回転方向を見出すことが出来る。 【0078】又、積分時間IT がIT >ISTであるにも
かかわらずD0 が無効である場合は、コントラストが実
質的にないような被写体を撮像していると判断し、補助
投光装置によって被写体にコントラストをつける(ステ
ップ310,311)。次に、CCDの積分を開始しデ
フォーカス量D0 の算出及びこの値D0 の有効・無効を
既に説明したと同様に求める(ステップ312,31
3)。それ以後の処理については、ステップ207〜2
35に従い行なうことが出来る。 【0079】<係数値が変化する場合の動作例(この
発明の実施の形態)>次に、レンズ移動量変換係数Ki
の値が移動自在レンズの繰出し位置によって変化する場
合の合焦装置の動作例について説明する。なお、その説
明に先立ち、[1] 係数の格納及び係数の呼び出し、[2]
上記の参考例の変更点、とう2つの事項につき先ず説明
する。 【0080】[1] 係数の格納及び係数の呼び出しの説明 先ず、レンズ繰出し位置に対応する多数個の係数の準備
及びこれら係数の中から所望の係数を呼び出す方法につ
き説明する。 【0081】ある撮影レンズにつき、レンズ繰出し位置
に対応する各係数を予め求める。これらの係数の個数
は、撮影レンズの種類に応じた適正なものとする。求め
た多数の係数(例えば、Ki0〜Kimとする)は、撮影レ
ンズ51のレンズROM57の所定のアドレスにそれぞ
れ予め格納する。尚、レンズ繰出し位置変化に対する係
数の値の変化は、撮影レンズ毎で異るものであり、単調
増加するものもあれば、単調減少するものもあれば、複
雑に変化するものもある。 【0082】一方、レンズROM57に格納させた係数
の読み出しは、この実施の形態の場合、図2に示した距
離コード板61等を用いることによって以下に説明する
ように行なう。 【0083】移動自在レンズ53の移動に伴って距離環
が回動すると、距離環に固定させたブラシは、距離コー
ド板61の長手方向をこの距離コード板61に接触しな
がら行き来する。又、距離コード板61のブラシと接触
する面には所定の配線パターンが形成されている。例え
ば、図2に示す場合、a1 〜a4 で示す4本の配線パタ
ーンがレンズROM57から距離コード板61上に延在
してきている。そして、これら配線パターンは、それぞ
れは所定の関係を有するが、かつ、それぞれは独立に距
離コード板の長手方向に沿って幅が広くなったり狭くな
ったりする構成としてある。又、ブラシを4個の接点で
構成しておき、かつ、一個の接点は一本の配線パターン
の上を行き来し然もブラシ及び配線パターンは配線パタ
ーンの幅広の部分でこの接点を介して接するように構成
しておく。 【0084】このような構成において、移動自在レンズ
53の繰出し位置が変化しブラシが移動されると、距離
コード板61のある位置z1 においては、ブラシの接点
と配線パターンa1 〜a4 との接続状態は、a1 ,a2
及びa4 で接触状態、a3 で非接触状態(a1 〜a4 の
順に(1,1,0,1)と示す。)になる。又、z4の
位置においては、(1,1,1,1,)という接続状態
になる。従って、距離コード板61においては、移動自
在レンズの繰出し位置の変化に伴い複数の信号が生成さ
れる。又、これら信号はレンズROM57に供給される
から、これら信号によってレンズROMの係数格納アド
レスのいずれかを指定出来、よって、所望の係数が読み
出せる。 【0085】[2] 参考例との変更点の説明 又、以下の動作例においては、レンズ移動量変換係数を
レンズ繰り出し位置に応じた適正な値とする他に、さら
に、レンズ駆動量の管理と、非合焦量が無効と判定され
た後の処理とを、以下に説明するように参考例とは異る
方法で処理することとしている。なお、以下に説明する
処理は上述の参考例に対しても適用することができる。 【0086】[a] レンズ駆動量の管理 上述の参考例においては、移動自在レンズ53がレンズ
駆動量P分だけ駆動されたか否かの管理を、移動自在レ
ンズ53が移動開始した時からの累計パルス数pn をア
ップカウンタ及びCPU101で監視し、この累計パル
ス数pn がpn=P0 となったか否かによって行なって
いた。しかし、以下の動作例においての駆動量管理は、
求めたレンズ駆動量Pを減算カウンタに設定し、この設
定値に対する減算カウンタの出力がエンコーダからのパ
ルスに応じて減ってゆくことを利用して行なう。さら
に、移動自在レンズ53を移動させながら、減算カウン
タからの出力値即ちレンズ駆動量Pに対する残り駆動量
(以下、pR と称する)を割り込み処理によって監視
し、この監視結果に従いAFモータの制御方法の切り変
え及び停止を行なう。 【0087】図8は、レンズ駆動量Pの管理を上述の如
く行なうための具体的な装置構成の一例を示したブロッ
ク図である。 【0088】図8において、105は上述の減算カウン
タを示す。この減算カウンタ105には、CPU101
で求めたレンズ駆動量Pが設定される。尚、この減算カ
ウンタ105は、非合焦量が大きい場合や撮影レンズの
種類によってこの駆動量が大きくなってもオーバーフロ
ーしない程度に、充分大きな容量を有したものとしてあ
る。又、この減算カウンタ105は、設定された駆動量
Pからエンコーダ95dのパルス数を減じた値をCPU
101に対し出力すると共に、減算カウンタ105の出
力が0になった時、割り込み信号としてのINT1 を出
力する。CPU101は、INT1 の許可状態において
信号INT1 を受けるとAFモータを停止させると共
に、次にINT1 が許可になるまでの間INT1 の入力
を禁止する。図9(A)は、CPU101のINT1 に
対する動作を示す流れ図である(詳細は動作説明の項で
説明する。)。 【0089】又、図8において107は、タイマを示
す。この実施例のタイマ107は、1×10-3秒(1m
sec)毎にCPU101に対し割り込み信号としての
INT2 を出力する。CPU101は、INT2 の許可
状態において信号INT2 を受けるとメモリ手段101
aに格納してある基準パルス数PSTと、減算カウンタ1
05から送られてくる残り駆動量pR とを比較する。こ
の比較においてPR ≦PSTの場合、AFモータをPWM
制御で駆動すると共に、次にINT2 が許可になるまで
の間INT2 の入力を禁止する。図9(B)は、CPU
101のINT2に対する動作を示す流れ図である(詳
細は動作説明の項で説明する。)。 【0090】[b] 非合焦量が無効の時の処理 又、非合焦量が無効と判定された場合、上述の参考例に
おいては図6のステップ301〜313の如き処理を行
なっていたが、以下の動作例においては、非合焦量を素
早く有効なものとするべく、図12〜図14を参照して
後述する如く合焦装置は動作する。 【0091】**係数が変化する場合の動作例** 次に、図3、図8及び図9〜図14を参照して、上述の
[1] 及び[2] の各事項を考慮した合焦装置の動作例につ
き、駆動量は(4)式を用いて求める場合を例に挙げて
具体的に説明する。尚、図9〜図14はこの動作例を概
略的に示す流れ図である。 【0092】参考例と同様に、デフォーカス量D0 の算
出及びD0 の有効無効の判断が順次に行なわれる(図1
0のステップ501〜505)。D0 が無効の場合、こ
の動作例においては、図12〜図14に示すステップ6
01以後の手順に従って動作する(詳細は後述する**
D0 無効の場合の説明**の項を参照。)。 【0093】ステップ505 においてD0 が有効であると
判定されると、参考例と同様に合焦か否かの判定がなさ
れ、合焦であれば、撮影準備が完了した旨を撮影者に知
らせる(ステップ507,509)。 【0094】又、デフォーカス量D0 は有効であるが合
焦ではない場合には、移動自在レンズ53(図1参照)
を合焦位置に移動させることを以下に説明するように行
なう。 【0095】先ず、移動自在レンズ53の現在の繰出し
位置に応じたレンズ移動量変換係数K1nが撮影レンズ5
1のレンズROM57から読み出される。この読み出し
は、既に説明したように、移動自在レンズ53の繰出し
位置に応じ距離コード板61から生成される信号が変化
することでなされる。読み出された係数(K10と称する
ことにする)は、CPU101の演算手段101bに取
り込まれる(ステップ511)。 【0096】このK10をK1 とし、このK1 と、デフォ
ーカス量D0 とから、上述した(4)式に従い、演算手
段101bは、移動自在レンズ53の合焦位置までの移
動量に対応するエンコーダのパルスカウント数P0 を求
める。さらに、この動作例においては、求めたP0 を図
8に示した減算カウンタ105にセットする(ステップ
513)。 【0097】又、比較手段101cは、メモリ手段10
1aに予め格納してある基準パルス数PSTと、求めた駆
動量P0 とを比較し、比較結果をDC/PWM制御切り
変え手段93bに出力する(ステップ515)。ここ
で、P0 ≦PSTの場合は、PCU93はPWM制御によ
ってAFモータを駆動し(ステップ539)、又、CP
U101は割り込み信号INT1 が到来するのを待ち
(ステップ541)、INT1 が到来すると(ステップ
543)、AFモータ95aの駆動を停止する信号をP
CU93に対し送出し(ステップ545)又、次にIN
T1 が許可されるまでINT1 の入力を禁止する(ステ
ップ547) 。さらに、合焦装置は、ステップ503か
らの処理を実行する。 【0098】又、ステップ515において、P0 >PST
の場合は、CPU101は、INT1 及びINT2 を共
に許可し、又、PCU93はDC制御によってAFモー
タ95aを等速度で高速に駆動する(ステップ51
7)。又、INT1 及びINT2は共に許可状態にある
ことから、DC制御によるモータ駆動中においてもCP
U101は、INT1 が到来した時はステップ543〜
547及び503に従って動作する。さらにCPU10
1は、減算カウンタ105から出力されるモータの残り
駆動量pR と、基準パルス数PSTとを1msec毎に比
較し(ステップ549,551)、pR ≦P0 となった
ときINT2 を禁止し(ステップ553)、続いてPW
M制御によってAFモータを駆動する動作を行なう(ス
テップ539)。 【0099】レンズ駆動量の大小に応じAFモータ95
aを上述の如く駆動するようにすれば、デフォーカス量
Dが大きい場合には移動自在レンズ53の移動を高速で
行なえ、又デフォーカス量が小さい場合にはレンズ移動
を緻密に行なえるから、精度及び効率共に優れた自動合
焦を行なえる。 【0100】DC制御でモータ95aを駆動している
間、この動作例においても参考例と同様、モータ95a
のレンズ53を合焦位置まで移動させるための駆動量P
Z を求める処理を順次に行なうが、この発明に係る動作
例ではこのことを、以下に説明するように行なう。尚、
図15は、動作例における駆動量PZ を求める方法の原
理を図16に対応させて示した図である。この図15に
おいては、縦軸が減算カウンタの値となる。 【0101】先ず、移動自在レンズ53が等速度運動中
のある時刻t1 において撮像部91のCCDの積分を開
始する。この時刻t1 は、この発明でいう、移動自在レ
ンズを等速度で移動させている際に非合焦量を求めるた
めの基準となる第1および第2の時刻のうちの、第1の
時刻に相当する。又、時刻t1 における減算カウンタ1
05の値pR1と、時刻t1 における移動自在レンズの繰
出し位置に対応するレンズ駆動量変換係数(K11と称す
る。)とをCPU101のメモリ手段101aに取り込
む(ステップ519)。又、上述のCCDに所定の光量
を受光させ得る時間期間経過後の時刻t3 において、こ
のCCDの積分を停止する。この時刻t3 は、この発明
でいう、移動自在レンズを等速度で移動させている際に
非合焦量を求めるための基準となる第1および第2の時
刻のうちの、第2の時刻に相当する。尚、移動自在レン
ズ53は、(t3 −t1 )の時間期間においても移動し
続けているから、減算カウンタ105の値は、pR1から
pR3に減少すると共にレンズ繰出し位置も変化する。時
刻t3 における減算カウンタ105の値pR3と、時刻t
3 におけるレンズ繰出し位置に対応するレンズ移動量変
換係数(K13と称する。)とをCPU101のメモリ手
段101aに取り込む。さらに(t3 −t1)の時間期
間中のCCDのデータをPCU93に取り込む(ステッ
プ521)。 【0102】次に、ステップ503でデフォーカス量を
求めたと同様にして、(t3 −t1)の時間期間に撮像
部91で得たデータに基いてデフォーカス量DX を求め
る。このDX は(t3 −t1 )の時間期間の中点つまり
時刻t2 における非合焦量と云える。さらに、時刻t2
における減算カウンタ105の値pR2を、pR2=(pR1
+pR3)/2に従い演算手段101bを用い求める(ス
テップ523)。 【0103】次に、求めた非合焦量DX がレンズ駆動量
を求めるためのものとして有効か無効かをステップ50
5で行なったと同様な方法で調べる(ステップ52
5)。DX が無効な場合は、ステップ519からの処理
を再び行なう。 【0104】又、ステップ525においてDX が有効と
判定された場合、この動作例においては、CPU101
の比較手段101cを用いて、K11と、K13との大小関
係の比較を行ない、両者のうちの大きくないほう(小さ
い方)の係数をK1 として採用する(ステップ527,
529,531)。このK1 と、上述のDX とを用い演
算手段102bによって(4)式に従い、時刻t2 にお
ける移動自在レンズ53の位置から合焦位置までこのレ
ンズ53を移動させるためのパルス数PX を求める(ス
テップ533)。 【0105】尚、DX 、pR2及びPX を求めるための演
算を行なっている時間期間中に、減算カウンタ105の
値は減少し続けているから、CPU101は演算の終了
した時刻t4 における減算カウンタ105の値pR4をメ
モリ手段101aに取り込む(ステップ535)。そし
て、これらPX 、pR2及びpR4に基き、移動自在レンズ
を時刻t4 における位置から合焦位置まで移動させるた
めに必要なパルス数PZ を下記(6)式に従い、演算手
段101bを用いて求める(ステップ537)。 【0106】PZ =PX −(pR2−pR4)…(6) 新たな駆動量PZ を減算カウンタ105にセットし(ス
テップ537)、続いて、ステップ519〜537のス
テップを順次サイクリックに行なう。又、ステップ51
9〜537の連続処理の最中において、INT1 或はI
NT2 の割り込み信号が到来した場合は、合焦装置は既
に説明したステップ503或はステップ529の中のい
ずれか適切な動作に移行する。 【0107】上述の如く求めた新たな駆動量PZ は、初
期に求めた駆動量P0 よりも、精度良く合焦を行ない得
るものとなる。しかも、このPZ は、レンズ移動量変換
係数が小さい方を採用して求められていることから、合
焦位置よりも手前の合焦許容範囲内に移動自在レンズが
達し易いと云える。自動合焦カメラにおいて合焦を行な
う際に、前ピン及び後ピンの間を行き来したあげくに合
焦許容範囲となるような合焦は、撮影者に対し非常な不
快感を与えるが、この動作例の如く合焦を行なうように
すれば、前ピン又は後ピンのいずれか一方のピントズレ
の状態から合焦が行なわれ易くなるから、そのような不
快感を与えることが少ない。 【0108】**D0 無効の場合の説明** コントラストが実質的にないような被写体や、ピントが
大きくずれているような場合に求めた非合焦量D0 は、
ステップ505において無効であると判定されるが、こ
のような場合のその後の処理を、この動作例において
は、以下に説明するように行なう。図12〜図14はそ
の動作を示す流れ図である。 【0109】無効判定の場合、先ず、CCDの積分時間
IT と、メモリ手段101aに予め格納されている基準
積分時間IST1 とを比較手段101cによって比較する
(ステップ601,603)。 【0110】積分時間IT が基準積分時間IST1 よりも
長い場合は、次いで、AFモータ95を駆動するための
電源電圧Vと、メモリ手段101aに予め格納させてあ
る基準電圧値VSTとを比較手段101cによって比較す
る(ステップ605,607)。この処置をとる理由
は、これから行なうレンズ駆動の条件を決定する情報を
得るためである。電源電圧が高い場合に移動自在レンズ
を高速に駆動すると被写体からの光をCCD91に撮像
させる間に移動自在レンズ53が合焦位置を通過してし
まうという不都合が生じ易いが、上述のように電圧比較
を行なう処置をとり、比較結果に応じてAFモータ95
aの駆動条件を考慮すれば、このような不都合を回避で
きるようになる。 【0111】電源電圧Vが基準電圧VSTよりも高い場合
は、移動自在レンズ53の繰出し位置に対応するレンズ
移動量変換係数(先に説明した参考例のように係数が一
定であればその係数)をレンズROM57からCPU101
に読み出し(ステップ609)、この係数Kimと、メモ
リ手段101aに予め格納させてある基準係数KSTとを
比較手段101cによって比較する(ステップ61
1)。この処置をとる理由も、これから行なうレンズ駆
動の条件を決定する情報を得るためである。既に説明し
たように係数Kimは単位像面移動量当りのパルス数を意
味することから、この係数が小さい場合には移動自在レ
ンズが粗く駆動され合焦が良好になされないことが生じ
易い。しかし、上述のように係数比較を行なう処置をと
り、この比較結果に応じてAFモータ95aの駆動条件
を考慮すれば、これを回避することが出来る。 【0112】次に、 係数Kimがある基準係数KSTよりも
小さい場合には、補助投光が可能か否かの確認が行なわ
れる(ステップ613)。補助投光が可能な場合、CC
Dの先の積分時間IT と、先の基準積分時間IST1 より
長く設定されメモリ手段101aに予め格納させた別の
基準積分時間IST2 とを比較手段101cによって比較
する(ステップ615)。この比較は、被写体の明るさ
(輝度)を判定する目安として行なう。 【0113】積分時間IT が新たな基準積分時間IST2
よりも長い場合補助投光モードを実行する(ステップ6
17,619)。 【0114】補助投光の被写体からの反射光をCCDで
積分しこれに基いて被写体に対する非合焦量D0 を算出
する(ステップ621)。算出した非合焦量D0 が有効
なものであるか否かを判定し(ステップ623)、有効
であると判定された場合にはステップ507からの処理
を行なう。 【0115】又、ステップ623においてD0 が無効で
あると判定された場合、又、ステップ603,607若
しくはステップ611のいずれかにおいて「ノー」と判
定された場合、CPU101はINT1 及びINT2 を
共に許可し、又PCU93に対しAFモータ95aをD
C制御によって駆動させる旨の信号を出力する(ステッ
プ623)。このDC制御による駆動は、既に説明した
ステップ517〜523の処理手順と同様に行ない、A
Fモータ95aを駆動しながら非合焦量DX を求める
(ステップ623〜629)。続いて、算出した非合焦
量DX が有効なものか否かをステップ505の方法と同
様な方法で判定する(ステップ631)。DX が有効で
ある場合は、ステップ527からの処理を行なう。 【0116】又、DX が無効である場合は、移動自在レ
ンズ53が一方の端点に達していないかどうかを判定し
(ステップ633)、端点に達せず未だ繰出し(繰入
れ)可能である場合はステップ625〜631の処理を
行なう。又、一方の端点に達したと判定された場合は、
AFモータを停止し、さらに、その端点の検出が二度目
であるか否かを判定する(ステップ635,637)。
この端点検出が一度目である場合は、AFモータの回転
方向を逆転させかつDC制御でモータ駆動を行ない(ス
テップ639)、さらに、ステップ625からの処理を
行なう。又、ステップ637において二度目の端点であ
ると検出された場合はステップ503からの処理を行な
う。 【0117】又、ステップ613において、補助投光が
不可能であると判定された場合、又、ステップ617に
おいてIT ≦IST2 であると判定された場合は、CPU
101はINT1 及びINT2 を共に許可し、又PCU
93に対しAFモータ95aをPWM制御によって駆動
させる旨の信号を出力する(ステップ641)。このP
WM制御による駆動は、既に説明したステップ517〜
523の処理手順と同様に行ない、AFモータ95aを
PWM制御によって駆動しながら非合焦量DXを求める
(ステップ641〜647)。続いて、算出した非合焦
量DX が有効なものか否かをステップ505の方法と同
様な方法で判定する(ステップ649)。DX が有効で
ある場合は、ステップ527からの処理を行なう。 【0118】DX が無効である場合は、移動自在レンズ
53が一方の端点に達していないかどうかを判定し(ス
テップ651)、端点に達せず未だ繰出し(繰入れ)可
能である場合はステップ641〜649の処理を行な
う。又、一方の端点に達したと判定された場合は、AF
モータを停止し、さらに、その端点の検出が二度目であ
るか否かを判定する(ステップ653,655)。この
端点検出が一度目である場合は、AFモータの回転方向
を逆転させかつPWM制御でモータ駆動を行ない(ステ
ップ657)、さらに、ステップ643からの処理を行
なう。又、ステップ655において二度目の端点である
と検出された場合はステップ503からの処理を行な
う。 【0119】図12〜図14を用いて説明したステップ
601〜657の処理によれば、非合焦量が無効と判定
されてこれを解消する際に、移動自在レンズの駆動条件
をも考慮しているので、非合焦量を有効とする処理のよ
り一層の向上が図れる。 【0120】**係数が変化する場合の参考例** 次に、係数値が変化する場合であって、駆動量Pは
(5)式を用いて求める場合の合焦装置の参考例につき
説明する。この場合は、レンズROM57には、レンズ
繰出し位置に応じた一次及び二次の係数K1m及びK2mを
それぞれ格納しておき、又、レンズROM57からは、レ
ンズ繰出し位置に対応する一次及び二次の係数がそれぞ
れ読み出されることとなる。しかし、その動作は、上記
の動作例におけるステップ511からステップ513ま
での処理(図10)が上記の動作例と異ること以外は、
上記の動作例と基本的に同様な処理で良いことから、以
下の説明は、相違する点についてのみ行なう。図18、
図19は、相違する部分の動作を示す流れ図である。 【0121】上記の動作例のステップ507において、
「イエス」の場合、移動自在レンズ53の現在のレンズ
繰出し位置に対応する一次及び二次のレンズ移動量変換
係数K1m及びK2mが、レンズROM57からCPU10
1に読み込まれる(ステップ701)。読み出された係
数(K10及びK20と称することにする。)及びステップ
503で求めた非合焦量D0 とに基きCPU101の演
算手段は(5)式に従いレンズ駆動量P0 を求める。
又、この駆動量P0 は減算カウンタ105にセットされ
る(ステップ703)。 【0122】次に、駆動量P0 と、CPU101のメモ
リ手段101aに予め格納しておいたある基準パルス数
PSTとを比較手段101cで比較する(ステップ70
5)。ここで、P0 ≦PSTの場合は、AFモータをPW
M制御によって駆動すると共に、CPU101は、割り
込み信号INT1 の到来を待つ(ステップ731,73
3)。INT1 が到来した後は、図9(A)のステップ
543〜547及び503の処理を実行する。 【0123】ステップ705においてP0 >PSTと判定
された場合CPU101は、 INT1 及びINT2 を共
に許可すると共に、PCU93に対しDC制御によって
AFモータ95aを等速度で高速に回転させる旨の信号
を出力する(ステップ707)。又、INT1 及びIN
T2 が許可状態にあることから、モータ駆動中において
もCPU101は、INT1 が到来した際には図9
(A)に示したステップ543〜547の動作をする。
さらに、CPU101は、第9(B)に示した如く減算
カウンタ105 の値pR と、基準パルス数PSTとを1ms
ec毎に比較し、pR ≦PSTとなったとき、PWM制御
によってAFモータ95aを駆動する旨の信号をPCU
93に対し出力する。 【0124】又、移動自在レンズが等速度運動中のある
時刻t1 において撮像部91のCCDの積分を開始す
る。又、時刻t1 における減算カウンタ105の値pR1
と、時刻t1 における移動自在レンズの繰出し位置に対
応する一次及び二次のレンズ駆動量変換係数(K11及び
K21と称する。)とをCPU101のメモリ手段101
aに取り込む(ステップ709)。又、上述のCCDに
所定の光量を受光させ得る時間期間経過後の時刻t3 に
おいて、このCCDの積分を停止する。尚、移動自在レ
ンズ53は、(t3 −t1 )の時間期間においても移動
し続けているから、減算カウンタ105の値は、pR1か
らpR3に減少すると共にレンズ繰出し位置も変化する。
時刻t3 においてこの時の減算カウンタの値pR3と、時
刻t3 におけるレンズ繰出し位置に対応する一次及び二
次のレンズ移動量変換係数(K13及びK23と称する。)
とをCPU101のメモリ手段101aに取り込む。さ
らに(t3 −t1 )の時間期間中のCCDのデータをP
CU93に取り込む(ステップ711)。 【0125】次に、(t3 −t1 )の時間期間に撮像部
91で得たデータに基いてデフォーカス量DX を求め
る。このDX は(t3 −t1 )の時間期間の中点つまり
時刻t 2 における非合焦量と云える。さらに、時刻t2
における減算カウンタの値pR2を、pR2=(pR1+
pR3)/2に従い演算手段101bを用い求める(ステ
ップ713)。 【0126】次に、求めた非合焦量DX がレンズ駆動量
を求めるためのものとして有効か無効かをステップ50
5で行なったと同様な方法で調べる(ステップ71
5)。DX が無効な場合は、ステップ709からの処理
を再び行なう。 【0127】又、ステップ715においてDX が有効で
あると判定された場合この参考例においては、求めたD
X と、時刻t1 における係数K11及びK21とを用いCP
U101の演算手段によって(5)式に従いレンズ駆動
量PX1を求める。さらに、求めたDX と、時刻t3 にお
ける係数K13及びK23とを用い(5)式に従いレンズ駆
動量PX3を求める(ステップ717)。続いて、CPU
の比較手段101cを用いPX1と、PX3との大小関係の
比較を行ない、両者のうちの大きくないほうのレンズ駆
動量をPX として採用する。(ステップ719,72
1,723)。 【0128】このPX から新たなレンズ駆動量PZ を求
めること等のこの後の処理は、動作例のステップ535
(図11)からの処理に従う。 【0129】この参考例で求まる新たな駆動量PZ は、
移動自在レンズを合焦位置により近い位置に移動させる
ことが出来るものと云える。又、この駆動量PZ は、動
作例と同様、前ピン後ピンを行き来することなく一方の
ピントずれの状態から合焦許容範囲内に移動自在レンズ
を移動させ易いと云える。このため、前ピン後ピンを行
き来することで撮影者に与える不快感の発生の防止に寄
与する。 【0130】又、撮影レンズによっては、レンズ繰出し
位置が変化しても二次の係数K2mは実質的に変らないよ
うなものもある。このような場合には二次の係数はある
共通な値とし、一次の係数のみを異る値としてPX1及び
PX3を求めるようにしても良い。 【0131】この発明は上述の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、多くの変形又は変更を加えることが
できる。 【0132】例えば撮影レンズがズームレンズのような
場合には、ズーミングによってもレンズ移動量変換係数
が変化することを考慮し、(4)式又は(5)式のそれ
ぞれの係数をズーミングに応じ複数個レンズROMに格
納する。そして、距離コード板と同じような構成であっ
てズームリングの回動に応じコードが変更されるような
コード板をこのレンズ内に予め設けておき、このコード
に応じ係数を選択するような構成とする。又、その場
合、あるズーミングの位置において移動自在レンズが移
動されるとこれによっても係数が変化するから、ズーミ
ング位置毎にレンズ繰出し位置変化に対応する複数の係
数を用意する。 【0133】又、上述の実施例で説明した動作説明は単
なる一例にすぎず、この発明の目的の範囲内で種々の変
更を行なうことが出来る。例えば、デフォーカス量の算
出や合焦の判定方法を他の好適な方法、合焦判定であれ
ばコントラスト検出法等とすることが出来る。 【0134】 【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の合焦装置によれば、移動自在レンズが移動して
いる際中にも、移動自在レンズを合焦位置まで移動させ
るためのより正確な新たな駆動量を求め、これに従い移
動自在レンズを移動させることが出来る。 【0135】また、新たな駆動量を求めるための非合焦
量を検出する際に撮像部が必要とする被写体光量を撮像
部に撮像させる積分開始時刻および停止時刻としての第
1および第2の時刻それぞれでの、合焦用レンズの繰り
出し位置に応じた係数Ki 同士を比較し、その小さい方
の係数Ki を、新たな駆動量を求めるための近似式中の
係数Ki として用いる。そのため、この新たな駆動量で
合焦用レンズを駆動すると、レンズは合焦位置手前で合
焦許容範囲に入り易い。すなわち、前ピン及び後ピンの
間を行き来したあげくに合焦許容範囲となるような合焦
は生じにくい。 【0136】これがため、誤差を含む初期の駆動量を補
正することが出来、かつ、移動自在レンズを停止させる
ことなくこの補正が行なえ、しかも、前ピン及び後ピン
の間を行き来することなく合焦が行なわれるから、短時
間で精度の高い合焦を行なうことが出来る。
F)機能を装備する装置、例えばAFカメラの合焦用移
動自在レンズを合焦位置まで正確に移動させるための装
置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、レンズ交換式カメラの中にもAF
機能を装備したものが現われてきている。 【0003】図17はこのようなカメラの一般的な構成
を概略的に示したブロック図である。尚、この図は、A
F機構に係る部分につき主に示したもので、カメラ及び
レンズに通常備わる構成成分を一部省略して示してあ
る。 【0004】図17において、11はカメラボディを、
31はこのカメラボディに着脱が可能な撮影レンズをそ
れぞれ示す。これらは互いに、ボディ側クラッチ13及
びレンズ側クラッチ33を介して機械的に接続され、又
ボディ側電気接点群15及びレンズ側電気接点群35を
介して電気的に接続される。 【0005】撮影レンズ31は、光軸に沿って移動自在
で合焦に寄与するレンズ37を含むレンズ系39と、こ
の移動自在レンズ37を合焦位置に移動させるためカメ
ラボディ11の駆動源(後述する)からの力を伝達する
駆動力伝達機構41と、撮影レンズの絞り値情報や移動
自在レンズ37の位置情報等を格納するレンズROM4
3とを具えている。 【0006】一方、カメラボディ11は、被写体からの
光のうち撮影レンズ31を通過してきた光の一部を受光
し結像するために、例えばCCD(Charge-Coupled- De
vice) センサを用いた撮像部17を具える。さらに、こ
のカメラボディ11は、この撮像部17からの信号に基
いて合焦位置からのズレ量を示すデフォーカス量(非合
焦量)Dを算出したり、合焦のために適正なレンズ移動
方向を決定したりする機能をはじめとした種々の機能を
有する制御部19を具える。さらに、このカメラボディ
11は、撮影レンズ31内の移動自在レンズ37を駆動
するために例えばモータ21と、このモータの回転数を
管理するためのエンコーダ23とを有する駆動機構25
を具える。駆動機構25の駆動力はクラッチ機構13,
33及び駆動力伝達機構41を介して移動自在レンズ3
7に伝達され、この結果、レンズ37は駆動される。 【0007】ところで、移動自在なレンズ37を合焦位
置まで移動させるための駆動量は、モータ21の回転数
を検出するエンコーダ23のパルスカウント数Pによっ
て決定することが出来る。従来のAFカメラでは先ずデ
フォーカス量Dを制御部19で求め、この量に応じたパ
ルス数Pを例えば下記(2)式に従い求めていた。 【0008】P=K・D……(2) 但し、(2)式において、Kはレンズ移動量変換係数を
示す。この移動量変換係数Kは、Dの値に応じて移動自
在レンズ37を合焦が確実に行なわれる位置に移動させ
得るパルスカウント数Pが求まるように予め設定されて
いるものであって、撮影レンズ毎に固有な値である。こ
の係数Kは、撮影レンズのレンズROM43内に予め格
納されていて、さらには、撮影レンズがズームレンズの
ような場合では、複数の値が格納されていた。 【0009】このような従来のカメラにおいては、エン
コーダ23で計数したパルス数が(2)式で求めたパル
ス数Pに等しくなるまで移動自在レンズ37を連続的に
移動させて合焦を行なっていた。 【0010】又、さらに精度良く合焦を行なわせようと
する場合には、移動自在レンズを少し移動させては合焦
のためのパルス数を新たに求めなおす等の間欠的な駆動
が行なわれていた。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デフォ
ーカス量Dに応じて求めた移動自在レンズの駆動量に従
い、このレンズを一時に移動させる場合、移動後の合焦
精度が所望値にならない場合が生じるという問題点があ
った。 【0012】このような問題点は、デフォーカス量が大
きな場合ほど顕著に現れる。すなわち、ピントが大きく
ずれた状態の被写体を撮像して得たデフォーカス量はか
ならずしも正確な数値ではなく誤差を含むものであるこ
とが多い。従って、このデフォーカス量から求めた合焦
位置までの駆動量も誤差を含むものになるため、満足の
ゆく合焦が得られ難い。 【0013】一方、移動自在レンズを合焦位置に徐々に
近づけながら、このレンズを間欠的に停止させこの時の
レンズ位置で新たな駆動量を求める場合、確かに精度の
高い合焦を行なうことが出来る。しかし、合焦に要する
時間が長くなるという問題点があった。カメラにおいて
は、瞬間的なシャッターチャンスをのがすことなく撮影
出来ることも重要な要件であるから、このような問題点
は好ましいことではない。 【0014】また、自動合焦カメラにおいて合焦を行な
う際に、前ピン及び後ピンの間を行き来したあげくに合
焦許容範囲となるような合焦は、撮影者に対し不快感を
与える。従って、このような不快な合焦動作が生じにく
い合焦装置が望まれる。 【0015】この発明はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従ってこの発明の目的は、移動自在レンズを
合焦位置まで移動させながらこのレンズの合焦位置まで
の適正な駆動量を新たに求めることができ、しかも、前
ピン及び後ピンの間を行き来することなくスムーズに合
焦を行ない易い合焦装置を提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】そこで、この発明の合焦
装置によれば、被写体を撮像する撮像部と、合焦用移動
自在レンズと、該合焦用レンズを等速度で移動させる駆
動機構と、前記被写体に対する非合焦量を算出する手段
と、該非合焦量に基づいて前記駆動機構の前記合焦用レ
ンズを合焦位置まで移動させる駆動量を求める手段と、
該駆動量に従って前記合焦用レンズが等速度で移動中に
非合焦量及び合焦位置までの新たな駆動量を求める手段
と、該新たな駆動量から、該新たな駆動量を求めるため
の時間期間中の前記合焦用レンズの駆動量を差し引く手
段とを具えた合焦装置であって、前記非合焦量をDと
し、前記駆動機構の合焦位置までの駆動量又は新たな駆
動量をPとしたとき、該駆動量Pを下記(1)式に従っ
て求める構成の合焦装置において(ただし、下記(1)
式中のKi は、レンズ移動量変換係数である。しかも、
該係数Ki は、前記合焦用レンズの繰り出し位置に応じ
て予め定めた適正な値に変化する。)、前記新たな駆動
量を求める手段として、前記合焦用レンズが等速度で移
動中に前記非合焦量を求める際に前記撮像部が必要とす
る被写体光量を前記撮像部に撮像させるための、積分開
始時刻および停止時刻としての第1の時刻および第2の
時刻(以下、非合焦量を求めるための基準となる第1の
時刻および第2の時刻とも称する。)それぞれでの、前
記合焦用レンズの繰り出し位置に応じた係数Ki 同士の
大小関係を比較し、小さい方の係数を下記(1)式に代
入して前記新たなレンズ駆動量を求める手段を含むこと
を特徴とする。 【0017】 【数2】 【0018】以下、この発明の合焦装置の作用について
図16を参照して説明する。ここで図16は、この発明
の合焦装置による合焦処理の原理を説明するための図で
ある。尚、合焦処理の説明中における個別の処理につい
ての詳細な説明は、後の実施の形態の項において行なう
ので、この項では省略する。 【0019】例えば、自動合焦機能装備のカメラを考え
る。このカメラは、移動自在レンズを合焦位置まで移動
させるためモータ及びエンコーダ等を含む駆動機構と、
被写体の合焦・非合焦を判定するための情報を得るため
この被写体を撮像する撮像部等とを具えるものとする。 【0020】被写体の初期のデフォーカス量(D0 とす
る)を求め、このデフォーカス量D0 を解消するために
必要なレンズ移動量が得られるモータ駆動量を求める。
既に説明したように、この駆動量はエンコーダのパルス
数として求まる。D0 に対応するパルス数P0 を例えば
P0 =K・D0 に従い求める(Kはレンズ移動量変換係
数である。)。そして、このP0 を目標値としてモータ
を駆動すると、モータを等速度で回転させている間にお
いては移動自在レンズは合焦位置方向に等速度で移動す
る。 【0021】この発明においては、移動自在レンズが等
速度運動中においても被写体に対する非合焦量を新たに
求める。具体的には、この非合焦量を求めるための基準
である第1の時刻t1 において撮像部に被写体像を撮像
させる。撮像部には、被写体からの光をある光量以上で
撮像させる必要があるから、非合焦量を求めるための基
準である第2の時刻としての例えば時刻t3 まで受光
(撮像)を続けて行なう。一方、この(t3 −t1 )の
時間期間において移動自在レンズは移動し続け、モータ
回転開始時からのエンコーダのパルス累計数は、p1 か
らp3 に増加する。 【0022】ここで、(t3 −t1 )の時間期間に撮像
部で得たデータに基いて非合焦量DX を求めると、この
DX は(t3 −t1 )の時間期間の中点つまり時間t2
における非合焦量と云える。又、時間t2 におけるエン
コーダのパルス累計数をp2とすると、モータは等速度
回転しているから、p2 =(p1 +p3 )/2になる。
さらに、このDX に基いてこのデフォーカス量DX を解
消させるために必要なレンズ移動量が得られる新たなモ
ータ駆動量、すなわち新たなパルス数PX を、例えばP
X =K・DX なる式に従い求める。 【0023】ここで、この係数Kは、合焦用レンズの繰
り出し位置に応じて予め定めた適正な値に変化する。そ
こで、この発明では、PX =K・DX なる式中のKの値
としていかなる値を用いるかを工夫する。すなわち、こ
の発明では、上記の時刻t1(第1の時刻)での合焦用
レンズの繰り出し位置に応じた係数K1 と、上記の時刻
t3 (第2の時刻)での合焦用レンズの繰り出し位置に
応じた係数K3 との大小関係を比較する。そして、両者
のうちの小さい方の係数をPX =K・DX なる式中のK
の値として用いてパルス数PX を求める。係数Ki とし
て値の小さい方の係数を用いるので、合焦用レンズは合
焦位置より手前の合焦許容範囲に入り易くなる。したが
って、合焦用レンズが前ピン後ピンを行き来すること
は、生じにくくなる。 【0024】ところで、DX 、p2 及びPX を求めるた
めの演算を行なっている時間期間中にも移動自在レンズ
は移動し続けている。従って、演算が終了してPX が求
まった時刻をt4 とすると、この時のエンコーダのパル
ス累計数はp4 に増加している。すなわち、この新たな
駆動量PX は時刻t2 での合焦用レンズの位置から合焦
位置までのパルス数にすぎず、時刻t4 での合焦用レン
ズの位置から合焦位置までのパルス数ではない。 【0025】そこでこの発明では、移動自在レンズを時
刻t4 における位置から合焦位置まで移動させ得るパル
ス数PZ を、時刻t2 で得た非合焦量DX に基づいて求
めるために、以下に示す(3)式のような演算を行な
う。 【0026】PZ =PX −(p4 −p2 )…(3) そして、時刻t4 以後においてはこのPZ を目標値とし
てモータを駆動する。これにより初期駆動量P0 は補正
されたことになり、より正確な合焦が可能になる。 【0027】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。尚、説明に用いる各図
はこの発明が理解出来る程度に概略的に示してあるにす
ぎない。又、これらの図において同一の構成成分につい
ては同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略
することもある。 【0028】ところで、図17を用いて既に説明したよ
うに、デフォーカス量(非合焦量)Dに基づいて、撮影
レンズ内の移動自在レンズを合焦位置まで正確に移動さ
せ得るエンコーダのパルス数Pを求めるためには、非合
焦量Dを解消させ得るレンズ移動量に応じたエンコーダ
のパルス数Pを撮影レンズ毎に予め調査し、DとPとの
関係を正確に示す近似式を求めておくことが必要であっ
た。この発明の実施例においては、この近似式を、下記
(4)式即ち上述の(1)式中のnを1としたもの、又
は、下記(5)式即ち(1)式中のnを2とし二次項ま
で考慮したもので説明する。 【0029】P=K1 ・D…(4) P=K1 ・D+K2 ・D2 …(5) 但し、K1 及びK2 は、レンズ移動量変換係数をそれぞ
れ示し、この場合単位像面移動量当りのパルス数を意味
し、移動自在レンズをDの値に応じて合焦が確実に行な
われる位置に移動させ得るエンコーダのパルス数Pが求
まるように撮影レンズ毎に予め定めた係数である。尚、
(4)式及び(5)式においてK1 なる共通文字をそれ
ぞれ用いているが、各K1 は式毎で独立のものであり、
同一の値を示すものでないことは理解されたい。 【0030】なお、(4)式および(5)式を比較した
場合、(5)式のほうが、非合焦量Dの大小にかかわら
ず、より正確なレンズ駆動量が求まることから好適であ
る。しかしながら、用いる近似式は合焦装置の設計によ
って選択されるもので、上記両式に限られるものではな
く、より精度の高い新たな近似式を用い得ることは明ら
かである。 【0031】また、この発明では上記係数Ki は、合焦
用の移動自在レンズの繰り出し位置に応じて予め定めた
適正な値に変化するものとする。すなわち、一つの撮影
レンズであっても移動自在レンズの繰出し位置に応じ係
数Ki の値が変化するものとする。さらには撮影レンズ
がズームレンズの場合は、ズーミングによって係数Ki
の値が変化し、然も、合焦用の移動自在レンズの繰出し
位置に応じ係数Ki の値が変化するものとする。ただ
し、以下の説明においては、合焦用の移動自在レンズの
繰り出し位置が変わっても係数Ki が変わらない場合に
ついても参考例として説明をする。 【0032】(合焦装置の構成)先ず実施の形態の合焦
装置の構成につき説明する。図1は、この発明の合焦装
置を具えたカメラの一構成例を概略的に示すブロック図
である。尚、以下の実施の形態においては、カメラ及び
レンズに通常備わる構成成分のうちこの発明の説明に必
要でないと思われる構成成分についての説明を省略す
る。 【0033】図1において、51は撮影レンズを示し、
81は撮影レンズ51が装着されるカメラボディを示
す。 【0034】撮影レンズ51は、光軸に沿って移動自在
で合焦に寄与するレンズ53を含むレンズ系54と、こ
の移動自在レンズ53を合焦位置に移動させるためカメ
ラボディ81の駆動源(後述する)からの力を伝達する
クラッチ55a、ギヤ55b及びヘリコイドネジ55c
等で構成された駆動力伝達機構55と、撮影レンズの絞
り値情報や合焦用の移動自在レンズ53の位置情報等を
格納するレンズROM57と、この撮影レンズ51及び
カメラボディ81間を電気的に接続するレンズ側電気接
点群59とを具えている。 【0035】さらに、この撮影レンズ51は、図1では
図示を省略してあるが、移動自在レンズ53の動きに連
動する距離環と、この距離環に固定されていてこれの回
転に伴い移動されるブラシと、このブラシによって表面
がこすられる距離コード板とを具える。 【0036】図2は、この距離コード板の説明に供する
平面図である。図2中、61で示すものが距離コード板
であり、57は上述のレンズROM、59は上述のレン
ズ側電気接点群をそれぞれ示す。尚、距離コード板の機
能については後述する動作説明の項で説明する。 【0037】一方、カメラボディ81は、メインミラー
83、サブミラー85、ピント板87及びペンタゴナル
プリズム89等の光学系を具える。さらに、カメラボデ
ィ81は、撮影レンズを透過してきた被写体からの光の
一部を受光し結像するための撮像部91を具える。この
撮像部91は焦点位置検出方式に応じた構成とすること
が出来る。この実施の形態の場合の撮像部91は、相関
法(位相差方式)に適合するようなセパレータレンズを
含む光学系と、二つの撮像領域を有するCCD(Charge
-Coupled- Device) センサとを具える。さらに、このカ
メラボディ81は、この撮像部91の制御及び移動自在
レンズ53を駆動する駆動機構(詳細は後述する。)を
制御する機能を有するAF用制御部(PCU)93を具
える。さらに、このカメラボディ81は、撮影レンズ5
1内の移動自在レンズ53を駆動するために例えばAF
用モータ95a、ギヤ95b、クラッチ95c及びこの
モータ95aの回転数を管理するためのエンコーダ95
dを有する駆動機構95を具える。駆動機構95の駆動
力はボディ側クラッチ95c及びレンズ側クラッチ55
a等を介して移動自在レンズ53に伝達出来、この結
果、このレンズ53を光軸に沿って移動させることが出
来る。さらに、モータ95aを等速度回転させることに
よって移動自在レンズを等速度で移動させることが出来
る。 【0038】さらに、このカメラボディ81は、AE
(自動露出制御)のための受光素子97a,97b及び
AE用制御部(DPU)97と、表示動作を制御する表
示用制御部(IPU)99と、AF用、AE用及び表示
用の各制御部93,97,99を制御する中央制御装置
(CPU)101と、レンズ側電気接点群59に対応す
るボディ側電気接点群103とを具える。CPU101
は、撮影レンズ51のレンズROM57も制御する。 【0039】尚、この実施の形態の場合、PCU93及
びCPU101を例えば以下のような構成としてある。
図3は、PCU93及びCPU101の機能を説明する
ための機能ブロック図である。これらの理解を深めるた
め、既に説明した構成成分との接続関係をも併せて示し
てある。 【0040】PCU93は、撮像部91のCCDの積分
時間比較手段93aと、AFモータ95aを駆動する際
に駆動パルス数Pの大きさに応じモータを等速度で駆動
させるか(DC(直流)制御)、或いは微細に駆動させ
るか(PWM(Pulse WidthM0dulation)制御)を切り
換える手段93bとを具える。 【0041】又、CPU101は、CCDの基準積分時
間、AFモータの駆動制御をDC又はPWM制御のいず
れかで行なうかを切り換えるための基準パルス数、デフ
ォーカス量が有効か否かを判定する基準値及び合焦判定
基準値等を格納するメモリ手段101aと、デフォーカ
ス量D及びパルス数P等を算出する演算手段101b
と、デフォーカス量D等とメモリ手段内に格納された基
準値とを比較するための比較手段101cとを具える。 【0042】このように構成されたカメラにおいて、こ
の発明の合焦装置に備わる各手段を例えば以下のように
構成することが出来る。 【0043】被写体に対する非合焦量Dを算出する手段
を、撮像部91と、PCU93と、CPU101とを以
って構成することが出来る。 【0044】又、(4)式等の近似式の係数K1
((5)式を用いる場合であればK1 及びK2 )は、撮
影レンズ51のレンズROM57に予め格納することが
出来る。既に説明したように、係数Ki は、レンズ繰出
し位置に応じて変更される。このような係数の変更は、
レンズROM57に多数の係数を予め格納させておくこ
と、及び、レンズ繰出し量によって距離環の位置が変化
しこれに伴いコード板61(図2参照)のコードが変化
してレンズROM内のある係数が読み出されること、で
行ない得る(詳細は後述する。)。 【0045】又、レンズROM57に格納した係数Ki
を読み出しこの係数及び非合焦量Dから(4)式または
(5)式に従い、駆動機構の移動自在レンズ53を合焦
位置まで移動させる駆動量を求める手段をCPU101
を以って構成することが出来る。 【0046】又、移動自在レンズ53が等速度で移動し
ている際に、このレンズのある位置における非合焦量及
びこの位置からの合焦位置までの駆動量を求める手段
を、撮像部91と、PCU93と、CPU101とを以
って構成することが出来る。 【0047】又、新たなレンズ駆動量を求める際の係数
として、この発明でいう第1の時刻および第2の時刻そ
れぞれのレンズ位置の係数Ki のうちの小さい方を決定
する手段は、例えばCPU101により構成することが
できる。 【0048】又、移動自在レンズ53の移動中に求めた
新たな駆動量から、この駆動量を求めるための時間期間
中のこのレンズ53の駆動量を差し引く手段を、CPU
101を以って構成することが出来る。 【0049】(合焦装置の動作)次に、実施の形態の合
焦装置の動作につき説明する。尚、この説明を、レンズ
移動量変換係数Ki が、移動自在レンズの繰出し位置
にかかわらず一定値である場合(すなわち参考例)、
移動自在レンズの繰出し位置に応じ係数値が変化する場
合(すなわち実施の形態)、それぞれにつき行なう。 【0050】<係数値が一定の場合の動作例(すなわ
ち参考例)>先ず、図3と、図4〜図6とを参照して、
レンズ移動量変換係数Ki の値が移動自在レンズの繰出
し位置にかかわらず一定である場合の合焦装置の動作例
(すなわち参考例)につき説明する。ここで、図4〜図
6はこのときの動作を概略的に示す流れ図である。 【0051】手動或いは自動的に写真撮影を自動合焦モ
ードで行なうことが選択される(ステップ201)。 【0052】撮像部91においては、被写体からの光の
うち撮影レンズ51(図1参照)を通過してきた光の一
部を積分する。撮像部91のデータ(出力信号)を、P
CU93の積分時間比較手段93a及びCPU101の
演算手段101bにそれぞれ取り込む。この演算手段1
01bにおいて、初期のデフォーカス量D0 を求める
(ステップ203)。ただし、D0 の値が大きい場合に
は、合焦位置までのレンズ移動量に対応するモータ駆動
パルス数は、正確なものとは云えない場合が多い。 【0053】尚、この実施の形態の場合デフォーカス量
を相関法(位相差方式)で求める。この方法は、撮像部
91の基準用CCD及び参照用CCD(詳細は後述す
る。)上にそれぞれ撮像された像の像間隔がデフォーカ
ス量にほぼ比例することを利用するものであるが、従来
公知の方法であるからその説明を省略する。 【0054】次に、ステップ203で求めたデフォーカ
ス量D0 がモータ駆動パルス数P0を求めるための数値
として有効か否かの判定を行なう(ステップ205)。
図7(A)〜(C)を参照してこの判定方法の一例につ
き説明する。 【0055】図7(A)において、91aは撮像部91
の基準用CCDを示し、91bは撮像部91の参照用C
CDを示す。被写体からの光をこれらCCD91a,9
1b上にそれぞれ撮像させ、CCDからの出力信号(デ
ータ)を得る。図7(B)はCCD91aからの出力信
号を示す特性曲線図であり、図7(C)はCCD91b
からの出力信号を示す特性曲線図である。 【0056】CCDからの出力信号は上述した如くCP
U101の演算手段101bに供給されており、この演
算手段101bにおいては、この出力信号に基づき下記
(a)式からコントラストy1 を求める。 【0057】 y1 =∫|(d/dx)f(x)|dx ・・・(a) さらに、相関計算を下記の(b)式に従って行なう。 【0058】 y2 =∫|f(x)−g(x−t)|dt ・・・(b) ここで、tはCCDセンサ上での横ずらし量を示す。 【0059】次に、求めたコントラストy1 と、CPU
101のメモリ手段に予め格納されているある基準値C
1 とをCPU101の比較手段101cを用いて比較す
る。又、相関計算y2 の最小値をy2 (tmin )とした
とき、y2 (tmin )とCPU101のメモリ手段に予
め格納されているある基準値C2 とを比較する。さら
に、(b)式に従い求めたy2 の合焦点での微分値dy
2 /dxの絶対値と、CPU101のメモリ手段に予め
格納されているある基準値C3 とを比較する。これら比
較結果が下記、及び式を満足した時、求められて
いるデフォーカス量D0 が有効であると判定する。 【0060】 y1 >C1 ・・・ y2 (tmin )<C2 ・・・ |dy2 /dx|>C3 ・・・ デフォーカス量D0 が有効な場合は、合焦か否かの判定
を行なう(ステップ207)。この判定をCPU101
の演算手段101bと、比較手段101cとを用い例え
ば次のように行なうことが出来る。合焦時のtをt0 と
したとき、このt0 と(b)式において求めたtmin と
から求めた|tmin-t0 |が、メモリ手段101aに予
め格納されている基準値ts より小さい場合に合焦と判
定する。尚、合焦時には撮影準備が完了になる(ステッ
プ209)。 【0061】又、デフォーカス量D0 は有効であるが合
焦ではない場合には、移動自在レンズ53(図1参照)
を合焦位置に移動させることを以下に説明するように行
なう。 【0062】撮影レンズ51のレンズROM57から係
数K1 ((5)式を用いる場合にはK1 及びK2 )をC
PU101の演算手段に読み込む(ステップ211)。 【0063】このK1 と、デフォーカス量D0 とから、
上述した(4)式(K1 及びK2 を読み込んだ場合には
(5)式)に従い、移動自在レンズの合焦位置までの移
動量に対応するエンコーダのパルスカウント数P0 を求
める(ステップ213)。 【0064】次に、AFモータ95aを適正な方向に回
転させながら回転に伴うエンコーダ95bのパルス数p
n を計数する。この計数は、PCU93若しくはCPU
101に備わる、又は別途に用意した、アップカウンタ
を用いて容易に行なうことが出来るからその説明は省略
する。 【0065】AFモータ95aの駆動中においては、A
Fモータ95aの駆動力はボディ側クラッチ95c及び
レンズ側クラッチ55a等を介して移動自在レンズ53
に伝達され、この結果、移動自在レンズ53は合焦位置
に移動する。 【0066】尚、この実施例の場合、デフォーカス量D
が大きい場合と小さい場合とに応じAFモータ95aの
駆動方式を以下のように切り換える。先ず(4)式から
求めたパルス数P0 と、CPU101のメモリ手段10
1aに予め格納しておいたある基準パルス数PSTとを比
較手段101cで比較し(ステップ215)、この比較
結果をPCU93の切り換え手段93bに出力する。切
り換え手段93bにおいては、P0 >PSTの場合はDC
制御によってAFモータ95aを等速度で高速に回転さ
せる(ステップ217)。又、このDC制御によるモー
タ駆動中においても、エンコーダ95dのパルス累計数
pn を管理し、初期駆動パルス数P0 と、回転開始から
のパルス累計数pn との差(P0 −pn )が、(P0 −
pn )≦PSTとなったら、PWM制御によってAFモー
タをパルス駆動する(ステップ219,231)。この
ようにAFモータを駆動することによって、デフォーカ
ス量Dが大きい場合にはレンズの移動を高速で行なえ、
又デフォーカス量が小さい場合にはレンズ移動を緻密に
行なえるから、精度及び効率共に優れた自動合焦を行な
える。 【0067】DC制御でモータ95aを駆動している
間、移動自在レンズ53は合焦位置方向に等速度で移動
する。この発明においては、この等速度移動中に、モー
タ95aのレンズ53を合焦位置まで移動させるための
新たな駆動量PZ を求める処理を順次に行なう。(ステ
ップ221〜227)。 【0068】先ず、移動自在レンズ53が等速度運動中
のある時刻t1 において撮像部91のCCDの積分を開
始する。又、モータの回転開始時から時刻t1 までのエ
ンコーダのパルス累計数p1 をCPU101のメモリ手
段101aに取り込む(ステップ221)。又、上述の
CCDに所定の光量を受光させ得る時間期間経過後の時
刻t3 において、このCCDの積分を停止する。尚、移
動自在レンズは、(t3 −t1 )の時間期間においても
移動し続けているから、エンコーダのパルス累計数は、
p1 からp3 に増加する。このパルス累計数p3 をCP
U101のメモリ手段101aに取り込む。さらに(t
3 −t1 )の時間期間中のCCDのデータをPCU93
に取り込む(ステップ223)。 【0069】次に、ステップ203でデフォーカス量を
求めたと同様にして、(t3 −t1)の時間期間に撮像
部91で得たデータに基いてデフォーカス量DX を求め
る。このDX は(t3 −t1 )の時間期間の中点つまり
時刻t2 における非合焦量と云える。さらに、時刻t2
におけるエンコーダのパルス累計数p2 を、p2 =(p
1 +p3 )/2に従い演算手段101bを用い求める。
さらに、この演算手段101bを用い、DX の値に基い
て(4)式に従い、時刻t2 における移動自在レンズ5
3の位置から合焦位置までこのレンズ53を移動させる
ためのパルス数PX を求める(ステップ225)。 【0070】ところが、DX 、p2 及びPX を求めるた
めの演算を行なっている時間期間中にも移動自在レンズ
は移動し続けている。従って、演算が終了してPX が求
まった時刻t4 では、エンコーダのパルス累計数はp3
からp4 に増加している。このp4 をメモリ手段101
aに取り込む(ステップ225)。 【0071】次に、時刻t2 で得た非合焦量DX に基づ
いて、移動自在レンズを時刻t4 における位置から合焦
位置まで移動させるために必要なパルス数PZ を、演算
手段101bを用いて以下に示す(3)式に従い求める
(ステップ227)。 【0072】PZ =PX −(p4 −p2 )…(3) このようにして、移動自在レンズ53が合焦位置にさら
に近づいた位置で求めたデフォーカス量から駆動量PZ
を求めることが出来る。 【0073】ステップ229において、PZ と基準パル
ス数PSTとの比較を行なって、PZの大きさに応じモー
タ駆動をDC制御或いはPWM制御のいずれかで行なう
かを選択する。PZ >PSTの場合であれば切り換え手段
93bはDC制御によるモータ駆動を選択し、又、処理
についてはステップ217〜229を行なう。PZ ≦P
STの場合であれば、PWM制御でモータを駆動する(ス
テップ231)。 【0074】時刻t4 でエンコーダ95dのパルス累計
数をリセットし、その後計数したエンコーダのパルス数
pn と求めたパルス数PZ とが等しくなった時モータ9
5aを停止する(ステップ235)。 【0075】時刻t4 以後において、このPZ を目標値
として上述の如くモータを駆動することによって、初期
駆動量P0 は補正されたことになり、これがため、より
正確な合焦が可能になる。又、上述の一連の処理(ステ
ップ217〜233)を必要に応じてサイクリックに行
なえば一層正確な合焦が可能になる。 【0076】一方、ステップ205において、デフォー
カス量D0 が無効であると判定された場合を考える。こ
のような例としてはコントラストが実質的にないような
被写体を撮像した場合やデフォーカス量D0 が非常に大
きい(大ボケ状態)場合が考えられる。 【0077】無効判定の場合、先ず、CCDの積分時間
IT と、メモリ手段101aに予め格納されている基準
積分時間ISTとを比較手段101cによって比較する
(ステップ301)。積分時間IT がIT ≦ISTであっ
て、CCDにはあるデータが供給されているにもかかわ
らずD0 が無効である場合は、大ボケ状態であると判断
し、AFモータ95aをある量駆動させて移動自在レン
ズの位置を変更させる(ステップ302,303)。こ
の際、回転方向を適時切り換えてデフォーカス量D0 が
有効になるような回転方向を見出すことが出来る。 【0078】又、積分時間IT がIT >ISTであるにも
かかわらずD0 が無効である場合は、コントラストが実
質的にないような被写体を撮像していると判断し、補助
投光装置によって被写体にコントラストをつける(ステ
ップ310,311)。次に、CCDの積分を開始しデ
フォーカス量D0 の算出及びこの値D0 の有効・無効を
既に説明したと同様に求める(ステップ312,31
3)。それ以後の処理については、ステップ207〜2
35に従い行なうことが出来る。 【0079】<係数値が変化する場合の動作例(この
発明の実施の形態)>次に、レンズ移動量変換係数Ki
の値が移動自在レンズの繰出し位置によって変化する場
合の合焦装置の動作例について説明する。なお、その説
明に先立ち、[1] 係数の格納及び係数の呼び出し、[2]
上記の参考例の変更点、とう2つの事項につき先ず説明
する。 【0080】[1] 係数の格納及び係数の呼び出しの説明 先ず、レンズ繰出し位置に対応する多数個の係数の準備
及びこれら係数の中から所望の係数を呼び出す方法につ
き説明する。 【0081】ある撮影レンズにつき、レンズ繰出し位置
に対応する各係数を予め求める。これらの係数の個数
は、撮影レンズの種類に応じた適正なものとする。求め
た多数の係数(例えば、Ki0〜Kimとする)は、撮影レ
ンズ51のレンズROM57の所定のアドレスにそれぞ
れ予め格納する。尚、レンズ繰出し位置変化に対する係
数の値の変化は、撮影レンズ毎で異るものであり、単調
増加するものもあれば、単調減少するものもあれば、複
雑に変化するものもある。 【0082】一方、レンズROM57に格納させた係数
の読み出しは、この実施の形態の場合、図2に示した距
離コード板61等を用いることによって以下に説明する
ように行なう。 【0083】移動自在レンズ53の移動に伴って距離環
が回動すると、距離環に固定させたブラシは、距離コー
ド板61の長手方向をこの距離コード板61に接触しな
がら行き来する。又、距離コード板61のブラシと接触
する面には所定の配線パターンが形成されている。例え
ば、図2に示す場合、a1 〜a4 で示す4本の配線パタ
ーンがレンズROM57から距離コード板61上に延在
してきている。そして、これら配線パターンは、それぞ
れは所定の関係を有するが、かつ、それぞれは独立に距
離コード板の長手方向に沿って幅が広くなったり狭くな
ったりする構成としてある。又、ブラシを4個の接点で
構成しておき、かつ、一個の接点は一本の配線パターン
の上を行き来し然もブラシ及び配線パターンは配線パタ
ーンの幅広の部分でこの接点を介して接するように構成
しておく。 【0084】このような構成において、移動自在レンズ
53の繰出し位置が変化しブラシが移動されると、距離
コード板61のある位置z1 においては、ブラシの接点
と配線パターンa1 〜a4 との接続状態は、a1 ,a2
及びa4 で接触状態、a3 で非接触状態(a1 〜a4 の
順に(1,1,0,1)と示す。)になる。又、z4の
位置においては、(1,1,1,1,)という接続状態
になる。従って、距離コード板61においては、移動自
在レンズの繰出し位置の変化に伴い複数の信号が生成さ
れる。又、これら信号はレンズROM57に供給される
から、これら信号によってレンズROMの係数格納アド
レスのいずれかを指定出来、よって、所望の係数が読み
出せる。 【0085】[2] 参考例との変更点の説明 又、以下の動作例においては、レンズ移動量変換係数を
レンズ繰り出し位置に応じた適正な値とする他に、さら
に、レンズ駆動量の管理と、非合焦量が無効と判定され
た後の処理とを、以下に説明するように参考例とは異る
方法で処理することとしている。なお、以下に説明する
処理は上述の参考例に対しても適用することができる。 【0086】[a] レンズ駆動量の管理 上述の参考例においては、移動自在レンズ53がレンズ
駆動量P分だけ駆動されたか否かの管理を、移動自在レ
ンズ53が移動開始した時からの累計パルス数pn をア
ップカウンタ及びCPU101で監視し、この累計パル
ス数pn がpn=P0 となったか否かによって行なって
いた。しかし、以下の動作例においての駆動量管理は、
求めたレンズ駆動量Pを減算カウンタに設定し、この設
定値に対する減算カウンタの出力がエンコーダからのパ
ルスに応じて減ってゆくことを利用して行なう。さら
に、移動自在レンズ53を移動させながら、減算カウン
タからの出力値即ちレンズ駆動量Pに対する残り駆動量
(以下、pR と称する)を割り込み処理によって監視
し、この監視結果に従いAFモータの制御方法の切り変
え及び停止を行なう。 【0087】図8は、レンズ駆動量Pの管理を上述の如
く行なうための具体的な装置構成の一例を示したブロッ
ク図である。 【0088】図8において、105は上述の減算カウン
タを示す。この減算カウンタ105には、CPU101
で求めたレンズ駆動量Pが設定される。尚、この減算カ
ウンタ105は、非合焦量が大きい場合や撮影レンズの
種類によってこの駆動量が大きくなってもオーバーフロ
ーしない程度に、充分大きな容量を有したものとしてあ
る。又、この減算カウンタ105は、設定された駆動量
Pからエンコーダ95dのパルス数を減じた値をCPU
101に対し出力すると共に、減算カウンタ105の出
力が0になった時、割り込み信号としてのINT1 を出
力する。CPU101は、INT1 の許可状態において
信号INT1 を受けるとAFモータを停止させると共
に、次にINT1 が許可になるまでの間INT1 の入力
を禁止する。図9(A)は、CPU101のINT1 に
対する動作を示す流れ図である(詳細は動作説明の項で
説明する。)。 【0089】又、図8において107は、タイマを示
す。この実施例のタイマ107は、1×10-3秒(1m
sec)毎にCPU101に対し割り込み信号としての
INT2 を出力する。CPU101は、INT2 の許可
状態において信号INT2 を受けるとメモリ手段101
aに格納してある基準パルス数PSTと、減算カウンタ1
05から送られてくる残り駆動量pR とを比較する。こ
の比較においてPR ≦PSTの場合、AFモータをPWM
制御で駆動すると共に、次にINT2 が許可になるまで
の間INT2 の入力を禁止する。図9(B)は、CPU
101のINT2に対する動作を示す流れ図である(詳
細は動作説明の項で説明する。)。 【0090】[b] 非合焦量が無効の時の処理 又、非合焦量が無効と判定された場合、上述の参考例に
おいては図6のステップ301〜313の如き処理を行
なっていたが、以下の動作例においては、非合焦量を素
早く有効なものとするべく、図12〜図14を参照して
後述する如く合焦装置は動作する。 【0091】**係数が変化する場合の動作例** 次に、図3、図8及び図9〜図14を参照して、上述の
[1] 及び[2] の各事項を考慮した合焦装置の動作例につ
き、駆動量は(4)式を用いて求める場合を例に挙げて
具体的に説明する。尚、図9〜図14はこの動作例を概
略的に示す流れ図である。 【0092】参考例と同様に、デフォーカス量D0 の算
出及びD0 の有効無効の判断が順次に行なわれる(図1
0のステップ501〜505)。D0 が無効の場合、こ
の動作例においては、図12〜図14に示すステップ6
01以後の手順に従って動作する(詳細は後述する**
D0 無効の場合の説明**の項を参照。)。 【0093】ステップ505 においてD0 が有効であると
判定されると、参考例と同様に合焦か否かの判定がなさ
れ、合焦であれば、撮影準備が完了した旨を撮影者に知
らせる(ステップ507,509)。 【0094】又、デフォーカス量D0 は有効であるが合
焦ではない場合には、移動自在レンズ53(図1参照)
を合焦位置に移動させることを以下に説明するように行
なう。 【0095】先ず、移動自在レンズ53の現在の繰出し
位置に応じたレンズ移動量変換係数K1nが撮影レンズ5
1のレンズROM57から読み出される。この読み出し
は、既に説明したように、移動自在レンズ53の繰出し
位置に応じ距離コード板61から生成される信号が変化
することでなされる。読み出された係数(K10と称する
ことにする)は、CPU101の演算手段101bに取
り込まれる(ステップ511)。 【0096】このK10をK1 とし、このK1 と、デフォ
ーカス量D0 とから、上述した(4)式に従い、演算手
段101bは、移動自在レンズ53の合焦位置までの移
動量に対応するエンコーダのパルスカウント数P0 を求
める。さらに、この動作例においては、求めたP0 を図
8に示した減算カウンタ105にセットする(ステップ
513)。 【0097】又、比較手段101cは、メモリ手段10
1aに予め格納してある基準パルス数PSTと、求めた駆
動量P0 とを比較し、比較結果をDC/PWM制御切り
変え手段93bに出力する(ステップ515)。ここ
で、P0 ≦PSTの場合は、PCU93はPWM制御によ
ってAFモータを駆動し(ステップ539)、又、CP
U101は割り込み信号INT1 が到来するのを待ち
(ステップ541)、INT1 が到来すると(ステップ
543)、AFモータ95aの駆動を停止する信号をP
CU93に対し送出し(ステップ545)又、次にIN
T1 が許可されるまでINT1 の入力を禁止する(ステ
ップ547) 。さらに、合焦装置は、ステップ503か
らの処理を実行する。 【0098】又、ステップ515において、P0 >PST
の場合は、CPU101は、INT1 及びINT2 を共
に許可し、又、PCU93はDC制御によってAFモー
タ95aを等速度で高速に駆動する(ステップ51
7)。又、INT1 及びINT2は共に許可状態にある
ことから、DC制御によるモータ駆動中においてもCP
U101は、INT1 が到来した時はステップ543〜
547及び503に従って動作する。さらにCPU10
1は、減算カウンタ105から出力されるモータの残り
駆動量pR と、基準パルス数PSTとを1msec毎に比
較し(ステップ549,551)、pR ≦P0 となった
ときINT2 を禁止し(ステップ553)、続いてPW
M制御によってAFモータを駆動する動作を行なう(ス
テップ539)。 【0099】レンズ駆動量の大小に応じAFモータ95
aを上述の如く駆動するようにすれば、デフォーカス量
Dが大きい場合には移動自在レンズ53の移動を高速で
行なえ、又デフォーカス量が小さい場合にはレンズ移動
を緻密に行なえるから、精度及び効率共に優れた自動合
焦を行なえる。 【0100】DC制御でモータ95aを駆動している
間、この動作例においても参考例と同様、モータ95a
のレンズ53を合焦位置まで移動させるための駆動量P
Z を求める処理を順次に行なうが、この発明に係る動作
例ではこのことを、以下に説明するように行なう。尚、
図15は、動作例における駆動量PZ を求める方法の原
理を図16に対応させて示した図である。この図15に
おいては、縦軸が減算カウンタの値となる。 【0101】先ず、移動自在レンズ53が等速度運動中
のある時刻t1 において撮像部91のCCDの積分を開
始する。この時刻t1 は、この発明でいう、移動自在レ
ンズを等速度で移動させている際に非合焦量を求めるた
めの基準となる第1および第2の時刻のうちの、第1の
時刻に相当する。又、時刻t1 における減算カウンタ1
05の値pR1と、時刻t1 における移動自在レンズの繰
出し位置に対応するレンズ駆動量変換係数(K11と称す
る。)とをCPU101のメモリ手段101aに取り込
む(ステップ519)。又、上述のCCDに所定の光量
を受光させ得る時間期間経過後の時刻t3 において、こ
のCCDの積分を停止する。この時刻t3 は、この発明
でいう、移動自在レンズを等速度で移動させている際に
非合焦量を求めるための基準となる第1および第2の時
刻のうちの、第2の時刻に相当する。尚、移動自在レン
ズ53は、(t3 −t1 )の時間期間においても移動し
続けているから、減算カウンタ105の値は、pR1から
pR3に減少すると共にレンズ繰出し位置も変化する。時
刻t3 における減算カウンタ105の値pR3と、時刻t
3 におけるレンズ繰出し位置に対応するレンズ移動量変
換係数(K13と称する。)とをCPU101のメモリ手
段101aに取り込む。さらに(t3 −t1)の時間期
間中のCCDのデータをPCU93に取り込む(ステッ
プ521)。 【0102】次に、ステップ503でデフォーカス量を
求めたと同様にして、(t3 −t1)の時間期間に撮像
部91で得たデータに基いてデフォーカス量DX を求め
る。このDX は(t3 −t1 )の時間期間の中点つまり
時刻t2 における非合焦量と云える。さらに、時刻t2
における減算カウンタ105の値pR2を、pR2=(pR1
+pR3)/2に従い演算手段101bを用い求める(ス
テップ523)。 【0103】次に、求めた非合焦量DX がレンズ駆動量
を求めるためのものとして有効か無効かをステップ50
5で行なったと同様な方法で調べる(ステップ52
5)。DX が無効な場合は、ステップ519からの処理
を再び行なう。 【0104】又、ステップ525においてDX が有効と
判定された場合、この動作例においては、CPU101
の比較手段101cを用いて、K11と、K13との大小関
係の比較を行ない、両者のうちの大きくないほう(小さ
い方)の係数をK1 として採用する(ステップ527,
529,531)。このK1 と、上述のDX とを用い演
算手段102bによって(4)式に従い、時刻t2 にお
ける移動自在レンズ53の位置から合焦位置までこのレ
ンズ53を移動させるためのパルス数PX を求める(ス
テップ533)。 【0105】尚、DX 、pR2及びPX を求めるための演
算を行なっている時間期間中に、減算カウンタ105の
値は減少し続けているから、CPU101は演算の終了
した時刻t4 における減算カウンタ105の値pR4をメ
モリ手段101aに取り込む(ステップ535)。そし
て、これらPX 、pR2及びpR4に基き、移動自在レンズ
を時刻t4 における位置から合焦位置まで移動させるた
めに必要なパルス数PZ を下記(6)式に従い、演算手
段101bを用いて求める(ステップ537)。 【0106】PZ =PX −(pR2−pR4)…(6) 新たな駆動量PZ を減算カウンタ105にセットし(ス
テップ537)、続いて、ステップ519〜537のス
テップを順次サイクリックに行なう。又、ステップ51
9〜537の連続処理の最中において、INT1 或はI
NT2 の割り込み信号が到来した場合は、合焦装置は既
に説明したステップ503或はステップ529の中のい
ずれか適切な動作に移行する。 【0107】上述の如く求めた新たな駆動量PZ は、初
期に求めた駆動量P0 よりも、精度良く合焦を行ない得
るものとなる。しかも、このPZ は、レンズ移動量変換
係数が小さい方を採用して求められていることから、合
焦位置よりも手前の合焦許容範囲内に移動自在レンズが
達し易いと云える。自動合焦カメラにおいて合焦を行な
う際に、前ピン及び後ピンの間を行き来したあげくに合
焦許容範囲となるような合焦は、撮影者に対し非常な不
快感を与えるが、この動作例の如く合焦を行なうように
すれば、前ピン又は後ピンのいずれか一方のピントズレ
の状態から合焦が行なわれ易くなるから、そのような不
快感を与えることが少ない。 【0108】**D0 無効の場合の説明** コントラストが実質的にないような被写体や、ピントが
大きくずれているような場合に求めた非合焦量D0 は、
ステップ505において無効であると判定されるが、こ
のような場合のその後の処理を、この動作例において
は、以下に説明するように行なう。図12〜図14はそ
の動作を示す流れ図である。 【0109】無効判定の場合、先ず、CCDの積分時間
IT と、メモリ手段101aに予め格納されている基準
積分時間IST1 とを比較手段101cによって比較する
(ステップ601,603)。 【0110】積分時間IT が基準積分時間IST1 よりも
長い場合は、次いで、AFモータ95を駆動するための
電源電圧Vと、メモリ手段101aに予め格納させてあ
る基準電圧値VSTとを比較手段101cによって比較す
る(ステップ605,607)。この処置をとる理由
は、これから行なうレンズ駆動の条件を決定する情報を
得るためである。電源電圧が高い場合に移動自在レンズ
を高速に駆動すると被写体からの光をCCD91に撮像
させる間に移動自在レンズ53が合焦位置を通過してし
まうという不都合が生じ易いが、上述のように電圧比較
を行なう処置をとり、比較結果に応じてAFモータ95
aの駆動条件を考慮すれば、このような不都合を回避で
きるようになる。 【0111】電源電圧Vが基準電圧VSTよりも高い場合
は、移動自在レンズ53の繰出し位置に対応するレンズ
移動量変換係数(先に説明した参考例のように係数が一
定であればその係数)をレンズROM57からCPU101
に読み出し(ステップ609)、この係数Kimと、メモ
リ手段101aに予め格納させてある基準係数KSTとを
比較手段101cによって比較する(ステップ61
1)。この処置をとる理由も、これから行なうレンズ駆
動の条件を決定する情報を得るためである。既に説明し
たように係数Kimは単位像面移動量当りのパルス数を意
味することから、この係数が小さい場合には移動自在レ
ンズが粗く駆動され合焦が良好になされないことが生じ
易い。しかし、上述のように係数比較を行なう処置をと
り、この比較結果に応じてAFモータ95aの駆動条件
を考慮すれば、これを回避することが出来る。 【0112】次に、 係数Kimがある基準係数KSTよりも
小さい場合には、補助投光が可能か否かの確認が行なわ
れる(ステップ613)。補助投光が可能な場合、CC
Dの先の積分時間IT と、先の基準積分時間IST1 より
長く設定されメモリ手段101aに予め格納させた別の
基準積分時間IST2 とを比較手段101cによって比較
する(ステップ615)。この比較は、被写体の明るさ
(輝度)を判定する目安として行なう。 【0113】積分時間IT が新たな基準積分時間IST2
よりも長い場合補助投光モードを実行する(ステップ6
17,619)。 【0114】補助投光の被写体からの反射光をCCDで
積分しこれに基いて被写体に対する非合焦量D0 を算出
する(ステップ621)。算出した非合焦量D0 が有効
なものであるか否かを判定し(ステップ623)、有効
であると判定された場合にはステップ507からの処理
を行なう。 【0115】又、ステップ623においてD0 が無効で
あると判定された場合、又、ステップ603,607若
しくはステップ611のいずれかにおいて「ノー」と判
定された場合、CPU101はINT1 及びINT2 を
共に許可し、又PCU93に対しAFモータ95aをD
C制御によって駆動させる旨の信号を出力する(ステッ
プ623)。このDC制御による駆動は、既に説明した
ステップ517〜523の処理手順と同様に行ない、A
Fモータ95aを駆動しながら非合焦量DX を求める
(ステップ623〜629)。続いて、算出した非合焦
量DX が有効なものか否かをステップ505の方法と同
様な方法で判定する(ステップ631)。DX が有効で
ある場合は、ステップ527からの処理を行なう。 【0116】又、DX が無効である場合は、移動自在レ
ンズ53が一方の端点に達していないかどうかを判定し
(ステップ633)、端点に達せず未だ繰出し(繰入
れ)可能である場合はステップ625〜631の処理を
行なう。又、一方の端点に達したと判定された場合は、
AFモータを停止し、さらに、その端点の検出が二度目
であるか否かを判定する(ステップ635,637)。
この端点検出が一度目である場合は、AFモータの回転
方向を逆転させかつDC制御でモータ駆動を行ない(ス
テップ639)、さらに、ステップ625からの処理を
行なう。又、ステップ637において二度目の端点であ
ると検出された場合はステップ503からの処理を行な
う。 【0117】又、ステップ613において、補助投光が
不可能であると判定された場合、又、ステップ617に
おいてIT ≦IST2 であると判定された場合は、CPU
101はINT1 及びINT2 を共に許可し、又PCU
93に対しAFモータ95aをPWM制御によって駆動
させる旨の信号を出力する(ステップ641)。このP
WM制御による駆動は、既に説明したステップ517〜
523の処理手順と同様に行ない、AFモータ95aを
PWM制御によって駆動しながら非合焦量DXを求める
(ステップ641〜647)。続いて、算出した非合焦
量DX が有効なものか否かをステップ505の方法と同
様な方法で判定する(ステップ649)。DX が有効で
ある場合は、ステップ527からの処理を行なう。 【0118】DX が無効である場合は、移動自在レンズ
53が一方の端点に達していないかどうかを判定し(ス
テップ651)、端点に達せず未だ繰出し(繰入れ)可
能である場合はステップ641〜649の処理を行な
う。又、一方の端点に達したと判定された場合は、AF
モータを停止し、さらに、その端点の検出が二度目であ
るか否かを判定する(ステップ653,655)。この
端点検出が一度目である場合は、AFモータの回転方向
を逆転させかつPWM制御でモータ駆動を行ない(ステ
ップ657)、さらに、ステップ643からの処理を行
なう。又、ステップ655において二度目の端点である
と検出された場合はステップ503からの処理を行な
う。 【0119】図12〜図14を用いて説明したステップ
601〜657の処理によれば、非合焦量が無効と判定
されてこれを解消する際に、移動自在レンズの駆動条件
をも考慮しているので、非合焦量を有効とする処理のよ
り一層の向上が図れる。 【0120】**係数が変化する場合の参考例** 次に、係数値が変化する場合であって、駆動量Pは
(5)式を用いて求める場合の合焦装置の参考例につき
説明する。この場合は、レンズROM57には、レンズ
繰出し位置に応じた一次及び二次の係数K1m及びK2mを
それぞれ格納しておき、又、レンズROM57からは、レ
ンズ繰出し位置に対応する一次及び二次の係数がそれぞ
れ読み出されることとなる。しかし、その動作は、上記
の動作例におけるステップ511からステップ513ま
での処理(図10)が上記の動作例と異ること以外は、
上記の動作例と基本的に同様な処理で良いことから、以
下の説明は、相違する点についてのみ行なう。図18、
図19は、相違する部分の動作を示す流れ図である。 【0121】上記の動作例のステップ507において、
「イエス」の場合、移動自在レンズ53の現在のレンズ
繰出し位置に対応する一次及び二次のレンズ移動量変換
係数K1m及びK2mが、レンズROM57からCPU10
1に読み込まれる(ステップ701)。読み出された係
数(K10及びK20と称することにする。)及びステップ
503で求めた非合焦量D0 とに基きCPU101の演
算手段は(5)式に従いレンズ駆動量P0 を求める。
又、この駆動量P0 は減算カウンタ105にセットされ
る(ステップ703)。 【0122】次に、駆動量P0 と、CPU101のメモ
リ手段101aに予め格納しておいたある基準パルス数
PSTとを比較手段101cで比較する(ステップ70
5)。ここで、P0 ≦PSTの場合は、AFモータをPW
M制御によって駆動すると共に、CPU101は、割り
込み信号INT1 の到来を待つ(ステップ731,73
3)。INT1 が到来した後は、図9(A)のステップ
543〜547及び503の処理を実行する。 【0123】ステップ705においてP0 >PSTと判定
された場合CPU101は、 INT1 及びINT2 を共
に許可すると共に、PCU93に対しDC制御によって
AFモータ95aを等速度で高速に回転させる旨の信号
を出力する(ステップ707)。又、INT1 及びIN
T2 が許可状態にあることから、モータ駆動中において
もCPU101は、INT1 が到来した際には図9
(A)に示したステップ543〜547の動作をする。
さらに、CPU101は、第9(B)に示した如く減算
カウンタ105 の値pR と、基準パルス数PSTとを1ms
ec毎に比較し、pR ≦PSTとなったとき、PWM制御
によってAFモータ95aを駆動する旨の信号をPCU
93に対し出力する。 【0124】又、移動自在レンズが等速度運動中のある
時刻t1 において撮像部91のCCDの積分を開始す
る。又、時刻t1 における減算カウンタ105の値pR1
と、時刻t1 における移動自在レンズの繰出し位置に対
応する一次及び二次のレンズ駆動量変換係数(K11及び
K21と称する。)とをCPU101のメモリ手段101
aに取り込む(ステップ709)。又、上述のCCDに
所定の光量を受光させ得る時間期間経過後の時刻t3 に
おいて、このCCDの積分を停止する。尚、移動自在レ
ンズ53は、(t3 −t1 )の時間期間においても移動
し続けているから、減算カウンタ105の値は、pR1か
らpR3に減少すると共にレンズ繰出し位置も変化する。
時刻t3 においてこの時の減算カウンタの値pR3と、時
刻t3 におけるレンズ繰出し位置に対応する一次及び二
次のレンズ移動量変換係数(K13及びK23と称する。)
とをCPU101のメモリ手段101aに取り込む。さ
らに(t3 −t1 )の時間期間中のCCDのデータをP
CU93に取り込む(ステップ711)。 【0125】次に、(t3 −t1 )の時間期間に撮像部
91で得たデータに基いてデフォーカス量DX を求め
る。このDX は(t3 −t1 )の時間期間の中点つまり
時刻t 2 における非合焦量と云える。さらに、時刻t2
における減算カウンタの値pR2を、pR2=(pR1+
pR3)/2に従い演算手段101bを用い求める(ステ
ップ713)。 【0126】次に、求めた非合焦量DX がレンズ駆動量
を求めるためのものとして有効か無効かをステップ50
5で行なったと同様な方法で調べる(ステップ71
5)。DX が無効な場合は、ステップ709からの処理
を再び行なう。 【0127】又、ステップ715においてDX が有効で
あると判定された場合この参考例においては、求めたD
X と、時刻t1 における係数K11及びK21とを用いCP
U101の演算手段によって(5)式に従いレンズ駆動
量PX1を求める。さらに、求めたDX と、時刻t3 にお
ける係数K13及びK23とを用い(5)式に従いレンズ駆
動量PX3を求める(ステップ717)。続いて、CPU
の比較手段101cを用いPX1と、PX3との大小関係の
比較を行ない、両者のうちの大きくないほうのレンズ駆
動量をPX として採用する。(ステップ719,72
1,723)。 【0128】このPX から新たなレンズ駆動量PZ を求
めること等のこの後の処理は、動作例のステップ535
(図11)からの処理に従う。 【0129】この参考例で求まる新たな駆動量PZ は、
移動自在レンズを合焦位置により近い位置に移動させる
ことが出来るものと云える。又、この駆動量PZ は、動
作例と同様、前ピン後ピンを行き来することなく一方の
ピントずれの状態から合焦許容範囲内に移動自在レンズ
を移動させ易いと云える。このため、前ピン後ピンを行
き来することで撮影者に与える不快感の発生の防止に寄
与する。 【0130】又、撮影レンズによっては、レンズ繰出し
位置が変化しても二次の係数K2mは実質的に変らないよ
うなものもある。このような場合には二次の係数はある
共通な値とし、一次の係数のみを異る値としてPX1及び
PX3を求めるようにしても良い。 【0131】この発明は上述の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、多くの変形又は変更を加えることが
できる。 【0132】例えば撮影レンズがズームレンズのような
場合には、ズーミングによってもレンズ移動量変換係数
が変化することを考慮し、(4)式又は(5)式のそれ
ぞれの係数をズーミングに応じ複数個レンズROMに格
納する。そして、距離コード板と同じような構成であっ
てズームリングの回動に応じコードが変更されるような
コード板をこのレンズ内に予め設けておき、このコード
に応じ係数を選択するような構成とする。又、その場
合、あるズーミングの位置において移動自在レンズが移
動されるとこれによっても係数が変化するから、ズーミ
ング位置毎にレンズ繰出し位置変化に対応する複数の係
数を用意する。 【0133】又、上述の実施例で説明した動作説明は単
なる一例にすぎず、この発明の目的の範囲内で種々の変
更を行なうことが出来る。例えば、デフォーカス量の算
出や合焦の判定方法を他の好適な方法、合焦判定であれ
ばコントラスト検出法等とすることが出来る。 【0134】 【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の合焦装置によれば、移動自在レンズが移動して
いる際中にも、移動自在レンズを合焦位置まで移動させ
るためのより正確な新たな駆動量を求め、これに従い移
動自在レンズを移動させることが出来る。 【0135】また、新たな駆動量を求めるための非合焦
量を検出する際に撮像部が必要とする被写体光量を撮像
部に撮像させる積分開始時刻および停止時刻としての第
1および第2の時刻それぞれでの、合焦用レンズの繰り
出し位置に応じた係数Ki 同士を比較し、その小さい方
の係数Ki を、新たな駆動量を求めるための近似式中の
係数Ki として用いる。そのため、この新たな駆動量で
合焦用レンズを駆動すると、レンズは合焦位置手前で合
焦許容範囲に入り易い。すなわち、前ピン及び後ピンの
間を行き来したあげくに合焦許容範囲となるような合焦
は生じにくい。 【0136】これがため、誤差を含む初期の駆動量を補
正することが出来、かつ、移動自在レンズを停止させる
ことなくこの補正が行なえ、しかも、前ピン及び後ピン
の間を行き来することなく合焦が行なわれるから、短時
間で精度の高い合焦を行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の合焦装置を含むカメラを示すブロッ
ク図である。 【図2】撮影レンズ内に組み込まれている部品の説明図
であり、特に距離コード板を主に示した概略的な平面図
である。 【図3】この発明に係るPCU及びCPUに備わる機能
手段を示すブロック図である。 【図4】参考例の合焦動作を示す流れ図の一部である。 【図5】参考例の合焦動作を示す流れ図の一部である。 【図6】参考例の合焦動作を示す流れ図の一部である。 【図7】(A)〜(C)は、デフォーカス量の有効・無
効を判定する方法の説明図である。 【図8】この発明の合焦装置の変形例の説明に供する図
である。 【図9】(A)および(B)は、この発明の合焦装置の
動作例を示す流れ図であって、特に割り込み処理の説明
図である。 【図10】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図11】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図12】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図13】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図14】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図15】参考例における新たな駆動量PZ を求める方
法の説明に供する図である。 【図16】この発明の合焦装置の作用を説明するための
図である。 【図17】従来のカメラを示すブロック図である。 【図18】係数Ki が変化する場合の参考例を説明する
ための図である。 【図19】係数Ki が変化する場合の参考例を説明する
ための、図18に続く説明図である。 【符号の説明】 51:撮影レンズ 53:移動自在レンズ 54:レンズ系 55:駆動力伝達機構 55a:レンズ側クラッチ 55b:ギア 55c:ヘリコイドネジ 57:レンズROM 59:レンズ側電気接点群 61:距離コード板 81:カメラボデイ 91:撮像部 91a:基準用CCD 91b:参照用CCD 93:AF制御部(PCU) 95:駆動機構 95a:AFモータ 95b:ギア 95c:ボディ側クラッチ 95d:エンコーダ 101:中央制御装置(CPU) 103:ボディ側電気接点群 105:プリセッタブル減算カウンタ 107:タイマ
ク図である。 【図2】撮影レンズ内に組み込まれている部品の説明図
であり、特に距離コード板を主に示した概略的な平面図
である。 【図3】この発明に係るPCU及びCPUに備わる機能
手段を示すブロック図である。 【図4】参考例の合焦動作を示す流れ図の一部である。 【図5】参考例の合焦動作を示す流れ図の一部である。 【図6】参考例の合焦動作を示す流れ図の一部である。 【図7】(A)〜(C)は、デフォーカス量の有効・無
効を判定する方法の説明図である。 【図8】この発明の合焦装置の変形例の説明に供する図
である。 【図9】(A)および(B)は、この発明の合焦装置の
動作例を示す流れ図であって、特に割り込み処理の説明
図である。 【図10】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図11】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図12】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図13】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図14】この発明の合焦装置の動作例を示す流れ図の
一部である。 【図15】参考例における新たな駆動量PZ を求める方
法の説明に供する図である。 【図16】この発明の合焦装置の作用を説明するための
図である。 【図17】従来のカメラを示すブロック図である。 【図18】係数Ki が変化する場合の参考例を説明する
ための図である。 【図19】係数Ki が変化する場合の参考例を説明する
ための、図18に続く説明図である。 【符号の説明】 51:撮影レンズ 53:移動自在レンズ 54:レンズ系 55:駆動力伝達機構 55a:レンズ側クラッチ 55b:ギア 55c:ヘリコイドネジ 57:レンズROM 59:レンズ側電気接点群 61:距離コード板 81:カメラボデイ 91:撮像部 91a:基準用CCD 91b:参照用CCD 93:AF制御部(PCU) 95:駆動機構 95a:AFモータ 95b:ギア 95c:ボディ側クラッチ 95d:エンコーダ 101:中央制御装置(CPU) 103:ボディ側電気接点群 105:プリセッタブル減算カウンタ 107:タイマ
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G02B 7/09
G03B 13/36
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.被写体を撮像する撮像部と、合焦用移動自在レンズ
と、該合焦用レンズを等速度で移動させる駆動機構と、
前記被写体に対する非合焦量を算出する手段と、該非合
焦量に基づいて前記駆動機構の前記合焦用レンズを合焦
位置まで移動させる駆動量を求める手段と、該駆動量に
従って前記合焦用レンズが等速度で移動中に非合焦量及
び合焦位置までの新たな駆動量を求める手段と、該新た
な駆動量から、該新たな駆動量を求めるための時間期間
中の前記合焦用レンズの駆動量を差し引く手段とを具え
た合焦装置であって、前記非合焦量をDとし、前記駆動
機構の合焦位置までの駆動量又は新たな駆動量をPとし
たとき、該駆動量Pを下記(1)式に従って求める構成
の合焦装置において(ただし、下記(1)式中のKi
は、レンズ移動量変換係数である。しかも、該係数Ki
は、前記合焦用レンズの繰り出し位置に応じて予め定め
た適正な値に変化する。)、前記新たな駆動量を求める
手段は、 前記合焦用レンズが等速度で移動中に前記非合焦量を求
める際に前記撮像部が必要とする被写体光量を前記撮像
部に撮像させるための、積分開始時刻および停止時刻と
しての第1の時刻および第2の時刻それぞれでの、前記
合焦用レンズの繰り出し位置に応じた係数Ki 同士の大
小関係を比較し、小さい方の係数を下記(1)式に代入
して前記新たなレンズ駆動量を求める手段であることを
特徴とする合焦装置。 【数1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6877597A JP3034217B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 合焦装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6877597A JP3034217B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 合焦装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62335681A Division JP2717538B2 (ja) | 1987-01-09 | 1987-12-29 | 合焦装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09218337A JPH09218337A (ja) | 1997-08-19 |
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Family
ID=13383453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6877597A Expired - Fee Related JP3034217B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 合焦装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3034217B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6664177B2 (ja) * | 2015-09-28 | 2020-03-13 | キヤノン株式会社 | 焦点検出装置、予測方法、プログラム及び記憶媒体 |
-
1997
- 1997-03-21 JP JP6877597A patent/JP3034217B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09218337A (ja) | 1997-08-19 |
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Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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