JP3033237B2 - 鋳造型のスプルーおよびノズル - Google Patents

鋳造型のスプルーおよびノズル

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JP3033237B2 JP3104379A JP10437991A JP3033237B2 JP 3033237 B2 JP3033237 B2 JP 3033237B2 JP 3104379 A JP3104379 A JP 3104379A JP 10437991 A JP10437991 A JP 10437991A JP 3033237 B2 JP3033237 B2 JP 3033237B2
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
  • Casting Devices For Molds (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線膨張係数がマイナス
であって、凝固時に冷却膨張を生ずる鋳造材料を鋳造す
るのにも好適に利用される鋳造型のスプルーおよびノズ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の鋳造方法としては、例えば、砂型
を用いた重力鋳造法や、遠心力を利用した遠心鋳造法
や、鋳造型の鋳造用キャビティ内に鋳造材料を押し込む
低圧鋳造法などがある。
【0003】図3は、鋳造型の鋳造用キャビティ内に鋳
造材料を押し込む低圧鋳造法に用いる従来の鋳造型の一
例を示すものであって、この鋳造型11は、固定型12
と可動型13をそなえ、前記固定型12と可動型13と
の間で鋳造用キャビティ14を形成すると共に、固定型
12に前記鋳造用キャビティ14に連通するスプルー1
5を設け、このスプルー15は鉄鋼製のスプルー形成部
材(スプルーブッシュ)16により形成されていて、こ
のスプルー形成部材16を固定型12に取り付けた構造
をなすものであり、この場合のスプルー15は、鋳造用
キャビティ14に向けて開口面積が次第に大きくなるよ
うなテーパー形状をなすものとなっている。
【0004】一方、この鋳造型11は、前記スプルー1
5に鋳造材料を供給するためのノズル17を有し、この
ノズル17は鉄鋼製のノズル形成部材18により形成さ
れていて、このノズル形成部材18の外側にはバンドヒ
ーター19を設けた構造をなすものである。
【0005】このような構造の鋳造型11を用いて鋳造
を行うに際しては、固定型12に対し可動型13を密着
させることによって鋳造用キャビティ14を形成したの
ち、スプルー形成部材16の凹状端部にノズル形成部材
18の凸状先端を密着させてスプルー15とノズル17
とを連通状態とし、図示しないプランジャによって押し
出される鋳造材料20を鋳造用キャビティ14内に押し
込み、その後凝固させて鋳造用キャビティ14内で鋳造
品を成形し、固定型12から可動型13を離間させるこ
とによって、鋳造品を取り出すようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋳造材
料20としてとくに線膨張係数がマイナスであって冷却
膨張を生じるようなもの(例えば、低融点合金であるP
b合金やBi−Sn系合金等)を用いる場合には、鋳造
後の冷却固化時に冷却膨張を生じることから、スプルー
15内の凝固金属が鉄鋼製のスプルー形成部材16に対
して強く嵌合することとなり、かつまたノズル17内の
凝固金属が鉄鋼製のノズル形成部材18に対して強く嵌
合することとなるので、鋳造品を取り出す際に大きな抵
抗となって、鋳造用キャビティ14とスプルー15との
境界部分で符号Xで示すごとき破断を生じるスプルー切
れが発生することがあり、この結果、操業停止になると
いう問題点があった。
【0007】また、このようなスプルー切れの発生を防
止するために、スプルー15のテーパー角度θを大きく
する対策もあったが、流量抵抗および型厚などにより制
約があるという問題点があった。
【0008】さらに、鋳造材料がノズル17の先端部分
に食いつくことによってノズル閉塞を生じることにより
操業停止を余儀なくされることがあるという問題点があ
り、ノズル17の先端部分を高温にして溶融することに
より操業を再開するようになす必要があることからサイ
クルタイムが長くなるという問題点があり、これらの問
題点を解決することが課題となっていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたもので、鋳造材料として線膨張係数がマ
イナスであって固化時に冷却膨張するものを用いたとき
でも、鋳造品のスプルーが冷却膨張によって固定型に強
く嵌合したりノズル先端に強く嵌合したりすることがな
く、したがって、鋳造品の取り出し時にスプルー切れを
生じたり強固なノズル閉塞を発生したりするようなこと
がなく、スプルー切れや強固なノズル閉塞の発生による
操業停止が回避されると共に、ノズル先端を高温にして
鋳造材料を溶融する必要性がなくなって鋳造品の成形サ
イクルを短時間のものとすることが可能である鋳造型の
スプルーおよびノズルを提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる鋳造型の
スプルーは、固定型と可動型をそなえ、前記固定型と可
動型との間で鋳造用キャビティを形成すると共に、固定
型に前記鋳造用キャビティに連通するスプルーを設け、
前記スプルーを通過させた鋳造材料を前記鋳造用キャビ
ティ内で固化させて鋳造品とする鋳造型において、前記
スプルーを形成するスプルー形成部材のうち少なくとも
前記鋳造材料と接触する部分を前記鋳造材料の鋳造温度
での耐熱性を有しかつ前記鋳造材料の冷却膨張を吸収す
る弾力性を有する非金属製の弾性材料で形成した構成と
したことを特徴としており、このような鋳造型のスプル
ーに係わる発明の構成を前述した従来の課題を解決する
ための手段としている。
【0011】また、本発明に係わる鋳造型のノズルは、
前記鋳造型のスプルーに鋳造材料を供給するノズルにお
いて、前記ノズルを形成するノズル形成部材のうち少な
くとも前記鋳造材料が通過するノズル先端部分を前記鋳
造材料の鋳造温度での耐熱性を有しかつ前記鋳造材料の
冷却膨張を吸収する弾力性を有する非金属製の弾性材料
で形成した構成としたことを特徴としており、このよう
な鋳造型のノズルに係わる発明の構成を前述した従来の
課題を解決するための手段としている。
【0012】本発明に係わる鋳造型のスプルーおよびノ
ズルにおいて、前記スプルーを形成するスプルー形成部
材のうち少なくとも鋳造材料と接触する部分、および/
またはノズルを形成するノズル形成部材のうち少なくと
も鋳造材料が通過するノズル先端部分を前記鋳造材料の
鋳造温度での耐熱性を有しかつ前記鋳造材料の冷却膨張
を吸収する弾力性を有する非金属製の弾性材料で形成し
た構成としているが、この場合、一実施態様において
は、スプルー形成部材および/またはノズル形成部材の
全体を鋳造材料の鋳造温度での耐熱性を有しかつ前記鋳
造材料の冷却膨張を吸収する弾力性を有する非金属製の
弾性材料で形成した構成としてもよく、他の実施態様に
おいては、スプルー形成部材のスプルー形成側および/
またはノズル形成部材のノズル形成側に前記弾性材料か
らなる成形体を嵌合することによって、スプルーの少な
くとも鋳造材料と接触する部分および/またはノズルの
少なくとも鋳造材料が通過する先端部分を前記弾性材料
によって形成する構成としてもよく、さらに他の実施態
様においては、スプルー形成部材のスプルー形成側およ
び/またはノズル形成部材のノズル形成側に前記弾性材
料のコーティングを施すことによって、スプルーの少な
くとも鋳造材料と接触する部分および/またはノズルの
少なくとも鋳造材料が通過するノズル先端部分を前記弾
性材料によって形成する構成としてもよい。
【0013】このようなスプルー形成部材のうち少なく
とも鋳造材料と接触する部分および/またはノズル形成
部材のうち少なくとも鋳造材料が通過するノズル先端部
分を形成する非金属製の弾性材料としては、 ◎ 耐熱性(鋳造材料の鋳造温度に耐えうる耐熱性を有
すること、例えば、低融点金属である場合に180℃以
上) ◎ 耐圧性(鋳造材料の鋳造時に付加される圧力に耐え
得る耐圧性を有すること、例えば、10kgf/cm2
以上) ◎ 滑性(鋳造材料の流れが良好であるような表面滑性
を有すること) ◎ 弾力性(鋳造材料の冷却膨張を吸収しうる弾力性を
有すること) が要求され、必要に応じて、強化用繊維等によって強化
しうるものであることが望ましい。
【0014】このような非金属製の弾性材料の具体的な
例としては、ポリ四フッ化エチレン(PTFE;商品名
テフロン),ポリイミド(PI),シリコン(Si)な
どが使用できる。
【0015】これらのうち、ポリ四フッ化エチレンは、
連続使用温度が250℃,圧縮強さが77〜125kg
f/cm2 ,曲げ弾性率が3.5〜18.9kgf/c
2 程度のものが使用され、ポリイミドは、連続使用温
度が250℃,圧縮強さが1400〜2400kgf/
cm2 ,曲げ弾性率が27.5〜140kgf/cm2
程度のものが使用される。
【0016】
【発明の作用】本発明に係わる鋳造型のスプルーおよび
ノズルでは、鋳造材料を鋳造用キャビティ内で固化させ
て鋳造品を得る鋳造型において、スプルーを形成するス
プルー形成部材のうち少なくとも前記鋳造材料と接触す
る部分、および/またはノズルを形成するノズル形成部
材のうち少なくとも鋳造材料が通過するノズル先端部分
を鋳造温度での耐熱性を有しかつ鋳造材料の冷却膨張を
吸収する弾力性を有する非金属製の弾性材料で形成した
構成としたから、鋳造材料として線膨張係数がマイナス
であって固化時に冷却膨張を生ずるものを用いたときで
も、鋳造品のスプルーが冷却膨張によって固定型に強く
嵌合したりノズル先端に強く嵌合したりするようなこと
がなくなり、したがって、鋳造品の取り出し時にスプル
ー切れを生じたり強固なノズル閉塞を発生したりするよ
うなことがなくなり、スプルー切れや強固なノズル閉塞
の発生による操業停止が回避されるようになると共に、
ノズル先端を高温にして鋳造材料を溶融する必要性がな
くなり、鋳造品の成形サイクルも短縮する。
【0017】
【実施例】図1は、本発明に係わる鋳造型のスプルーお
よびノズルの一実施例を示すものであって、この鋳造型
1は、固定型2と可動型3をそなえ、前記固定型2と可
動型3との間で鋳造用キャビティ4を形成すると共に、
固定型2に前記鋳造用キャビティ4に連通するスプルー
5を設け、このスプルー5は全体を非金属製の弾性材料
としてのポリイミド(PI)により成形したスプルー形
成部材(スプルーブッシュ)6により形成されていて、
このスプルー形成部材6を固定型2に取り付けた構造を
なすものであり、この場合のスプルー5は、鋳造用キャ
ビティ4に向けて開口面積が次第に大きくなるようなテ
ーパー形状をなすものとなっている。
【0018】一方、この鋳造型1は、前記スプルー5に
鋳造材料を供給するためのノズル7を有し、このノズル
7は鉄鋼製のノズル形成部材8のノズル先端部分に同じ
く弾性材料としてのポリイミド(PI)により成形した
ノズル形成用成形体8aを嵌合することによって形成さ
れていて、このノズル形成部材8の外側にはバンドヒー
ター9を設けた構造をなすものである。
【0019】このような構造の鋳造型1を用いて鋳造を
行うに際しては、固定型2に対し可動型3を密着させる
ことによって鋳造用キャビティ4を形成したのち、スプ
ルー形成部材6の凹状端部にノズル形成部材8の凸状先
端部を密着させてスプルー5とノズル7とを連通状態と
し、図示しないプランジャによって押し出される鋳造材
料10を鋳造用キャビティ4内に押し込み、その後凝固
させて鋳造用キャビティ4内で鋳造品を成形し、固定型
2から可動型3を離間させることによって鋳造品を取り
出す。
【0020】この場合、線膨脹係数がマイナスであるB
i−Sn系合金よりなる鋳造材料10を用いたことによ
って、凝固時に冷却膨脹を生じたときでも、この冷却膨
脹はスプルー形成部材6およびノズル形成用成形体8a
の素材であるポリイミドの弾性力によって吸収されるの
で、鋳造品のスプルーがスプルー形成部材6やノズル形
成用成形体8aに強固に嵌合するようなことがなく、鋳
造品の取り出しと共にスプルーの抜き取りも支障なく可
能であって、スプルー切れや強固なノズル閉塞などとい
った不具合は全く生じなかった。
【0021】図2は本発明に係わる鋳造型のスプルーお
よびノズルの他の実施例を示すものであって、スプルー
形成部材6を鉄鋼材料により成形していると共に、この
スプルー形成部材6の内面に非金属製の弾性材料として
ポリ四フッ化エチレンのコーティングを施すことによ
ってスプルー形成用被覆6bを設け、また、ノズル形成
部材8を鉄鋼材料により成形していると共に、このノズ
ル形成部材8のノズル先端部分に同じく弾性材料として
ポリ四フッ化エチレンのコーティングを施すことによ
ってノズル形成用被覆8bを設けた場合を示すものであ
る。
【0022】また、さらに他の実施例においては、図2
に併わせて示しているように、スプルー形成部材6を鉄
鋼材料により成形すると共に、このスプルー形成部材6
のスプルー形成面側にポリイミドやポリ四フッ化エチレ
ンなどにより成形した円錐筒状体よりなるスプルー形成
用成形体6aを嵌合する構造としてもよい。
【0023】そのほか、図1に示したスプルー5と図2
に示したノズル7とを組み合わせたり、図1に示したノ
ズル7と図2に示したスプルー5とを組み合わせたりし
たものであってもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明に係わる鋳造型のスプルーおよび
ノズルは、鋳造材料を鋳造用キャビティ内で固化させて
鋳造品を得る鋳造型において、スプルーを形成するスプ
ルー形成部材のうち少なくとも鋳造材料と接触する部
分、および/またはノズルを形成するノズル形成部材の
うち少なくとも鋳造材料が通過するノズル先端部分を鋳
造温度での耐熱性を有しかつ鋳造材料の冷却膨脹を吸収
する弾力性を有する非金属製の弾性材料で形成した構成
としたから、鋳造材料として線膨脹係数がマイナスであ
って固化時に冷却膨脹を生ずるものを用いたときでも、
鋳造品のスプルーが冷却膨脹によって固定型に強く嵌合
したりノズル先端に強く嵌合したりするようなことがな
くなり、スプルー切れや強固なノズル閉塞の発生による
操業停止が回避されるようになると共に、ノズル先端を
高温にして鋳造材料を溶融する必要性がなくなり、鋳造
品の成形サイクルが短縮するうえ、スプルーのテーパー
角度を調整したりしてスプルー切れを防止する必要がな
いため鋳造型の設計の自由度が増加するなどといった著
しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる鋳造型のスプルーおよびノズル
の一実施例を示す縦断面説明図である。
【図2】本発明に係わる鋳造型のスプルーおよびノズル
の他の実施例を示す縦断面説明図である。
【図3】従来の鋳造型のスプルーおよびノズルを示す縦
断面説明図である。
【符号の説明】
1 鋳造型 2 固定型 3 可動型 4 鋳造用キャビティ 5 スプルー 6 スプルー形成部材 6a スプルー形成用成形体 6b スプルー形成用被覆 7 ノズル 8 ノズル形成部材 8a ノズル形成用成形体 8b ノズル形成用被覆 10 鋳造材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/20,17/22,41/54 B29C 45/20,45/27

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定型と可動型をそなえ、前記固定型と
    可動型との間で鋳造用キャビティを形成すると共に、固
    定型に前記鋳造用キャビティに連通するスプルーを設
    け、前記スプルーを通過させた鋳造材料を前記鋳造用キ
    ャビティ内で固化させて鋳造品とする鋳造型において、
    前記スプルーを形成するスプルー形成部材のうち少なく
    とも前記鋳造材料と接触する部分を前記鋳造材料の鋳造
    温度での耐熱性を有しかつ前記鋳造材料の冷却膨張を吸
    収する弾力性を有する非金属製の弾性材料で形成したこ
    とを特徴とする鋳造型のスプルー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鋳造型のスプルーに鋳
    造材料を供給するノズルにおいて、前記ノズルを形成す
    るノズル形成部材のうち少なくとも前記鋳造材料が通過
    するノズル先端部分を前記鋳造材料の鋳造温度での耐熱
    性を有しかつ前記鋳造材料の冷却膨張を吸収する弾力性
    を有する非金属製の弾性材料で形成したことを特徴とす
    る鋳造型のノズル。
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