JP3032760B1 - 溶接金網を折り曲げる金型、装置と方法 - Google Patents

溶接金網を折り曲げる金型、装置と方法

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JP3032760B1 JP11127371A JP12737199A JP3032760B1 JP 3032760 B1 JP3032760 B1 JP 3032760B1 JP 11127371 A JP11127371 A JP 11127371A JP 12737199 A JP12737199 A JP 12737199A JP 3032760 B1 JP3032760 B1 JP 3032760B1
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昌樹 清水
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Abstract

【要約】 【課題】 フェンスとして使用される溶接金網の端部又
は中間部を各種の多角形に折り曲げることができ、フェ
ンスのモデルチェンジに迅速に対応できる溶接金網折り
曲げ金型、装置及び方法を提供する。 【解決手段】 グ−スネック型の上型3と長手方向V字
状溝7を持つダイ5を備える下型4とから成り、金網の
縦線2のピッチ毎に上下型が相互に干渉しない切欠き
8,9を設けた金型又は下型4にはダイ5との間にばね
手段を設けた金型を使用して、溶接金網の端部又は中間
部を各種の多角形に折り曲げる装置及び方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 この発明は、メッシュフェ
ンスに用いられる溶接金網を折り曲げて、各種の多角形
に形成する溶接金網折り曲げ装置と、その折り曲げ装置
に使用するプレス金型とその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 図1はメッシュフェンスを示し、その
フェンスの素線は横線1と縦線2との組み合わせから構
成されている。フェンスは通常、強度を持たせるために
高さ方向の上下端部全体或いは中間部を多角形又は丸型
に曲げ加工を施し、胴縁の代替にする場合が多い。この
場合、曲げの起点が横線部分を外れ、縦線部分にある場
合は、汎用の折曲げ機(ベンダ−)を使用し、上型がグ
−スネック型を備え、下型がV溝を備える汎用の金型で
可能であるのに対して、横線部分を曲げの起点として加
工する場合は、フェンス幅およそ 1,000m/mを越える
場合は汎用では困難であり、専用機が必要と成る。
【0003】 更に、専用機では設備費が高価になる外
に、加工時間が長く必要となり、形状や寸法の変更の対
応が難しい等の欠点が多い。専用機が必要な理由は、メ
ッシュフェンス素線の直線度の不確実さにより製作誤差
が横線部分幅 2,000m/m程度で数ミリ(3-4 m/m)生じ
るため、横線部分を全長に渡って平等に押すことが出来
なくなるのが原因である。
【0004】 従来は、メッシュフェンスに用いられる
溶接金網の端部を折り曲げて、各種の多角形を胴縁に形
成するために、専用の折曲げ加工機が用いられていた。
各種のメッシュフェンスに応じて、金網の端部の形状を
変えるには、それぞれその形状に応じた専用の折曲げ加
工機(ベンダ−)が使用されていた。それ故に、製造費
が高くつくことになっていた。また、従来の金網端部を
折り曲げる専用機では、曲げ加工速度が各曲げにおいて
2分以上の時間を要し、金網の素線に傷が付く等の加工
上の問題点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 フェンスのモデルチ
ェンジを行うには、金網の端部又は中間部を各種の多角
形に折り曲げて形成するのが一般的であった。この折り
曲げ加工は、金網の素線と金型を心合せしてからプレス
成形しても、金型の先が金網の素線から逃げて、正確に
折り曲げるのが難しかった。金網の横線と縦線が交差す
る部分での縦線を曲げることは特に難しかったので、こ
の折り曲げは金網の縦線にのみ行われていた。折り曲げ
加工時に金網の横線が逃げるので、加工が不可能であ
り、その素線の位置を矯正しなければならない。
【0006】 そこで、この発明の目的は、一つの金型
を汎用折曲げ機に設置するだけで、フェンスとして使用
される金網の端部又は中間部を各種の多角形に折り曲げ
ることができ、フェンスのモデルチェンジに迅速に対応
できる溶接金網折り曲げ装置と、その折り曲げ装置に使
用するプレス金型とその折り曲げ加工方法とを提供する
ことである。
【0007】 この発明の他の目的は、素材での横線の
誤差が4m/程度以内であれば、確実に横線部分を全幅に
わたり均一に加圧し、正確な精度と寸法に汎用機により
曲げ加工できる成形用金型と、その金型を用いた折り曲
げ装置と加工方法とを提供することである。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】 この金型は、上金型
がグ−スネック型を形成して、その上型の先端が横線の
半径より大きい内径で加工された凹面を成し、下金型が
ダイの長手方向にV字状断面を持つ溝を形成したダイを
備え、このダイが縦線を収容できる矩形切欠きを金網の
縦線の間隔に形成していることを特徴とする。この金型
は、V字状断面を持つ溝を形成したダイを備えるので、
素線の溝に対する心合せが自動的に行われることを特徴
とする。
【0009】 この溶接金網折り曲げ装置は、汎用の折
曲げ加工機(ベンダ−)に、上金型がグ−スネック型を
形成して、その上型の先端が横線の半径より大きい内径
で加工された凹面を成し、下金型がダイの長手方向にV
字状断面を持つ溝を形成したダイを備え、このダイが縦
線を収容できる矩形切欠きを溶接金網の縦線の間隔に形
成している金型を組み込み使用することにより、溶接金
網を各種の多角形に折り曲げることを特徴とする。
【0010】 この溶接金網折り曲げ加工方法は、グ−
スネック型の上型と長手方向V字状溝を持つダイを備え
る下型とから成り、溶接金網の縦線のピッチ毎に上下型
が相互に干渉しない切欠きを設けた金型又は下型にはダ
イとの間にばね手段を設けた金型を使用して、 1)汎用折曲げ加工機にグ−スネック型の上型と長手方
向V字状溝を持つダイを備える下型とを設置して組み込
む工程と、 2)下型のV字状溝に溶接金網の横線を置いて、金網の
縦線をダイ又はダイの切欠き部に置く工程と、 3)上型を下降させ又は下型を上昇させて、上型の丸凹
面先端により横線をV字状溝に縦線と共に押し込むこと
により、縦線を折り曲げて一つの隅角を形成する工程
と、 4)成形後に抜き易い折り曲げ順序に従って溶接金網を
汎用折曲げ機への挿入方向に移動して、その順序に横線
をV字状溝に置いて、上記2)工程と3)工程とを行っ
て、次の隅角を形成する工程と、 5)上記4)工程を繰り返して、必要な数の隅角を形成
し、所望の多角形に形成する工程と、から成ることを特
徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】 図2は、金型の開いた状態を示
し、上型3がグ−スネック型であり、下型4がV溝ダイ
5を備える金型である。この金型の開いた状態におい
て、金網の横線1をダイ5のV字状溝7に、縦線2を下
型4の上に設置した状態を示している。このグ−スネッ
ク上型3が素線と接触する下面である先端は、横線1の
半径よりやや大きめの内R凹面即ち丸凹面6に加工され
ていて、上型3が横線1を押し下げる際に横線1の直線
度を矯正する。
【0012】 図3は、上型3を下降し又は下型4を上
昇させて加圧し、金網を曲げた状態を示し、上型3が横
線1をダイ5のV字状溝7に縦線2と共に押し込み、縦
線2を折り曲げる。このとき、ダイ5のV字状溝7によ
り横線1を規制し、案内する。上型3とダイ5は、曲げ
加工時には干渉しない様に縦線2のピッチ毎に総て相互
に切欠き部8と9が設けられている。図4の如く、上型
3の下先部分は、金網のメッシュに沿った間隔で切欠き
部8となって、くし歯形状となる。また、下型4のダイ
5の上先部分も、上型3の下先くし歯部に対応して、切
欠き部9となって、くし歯状となっている。
【0013】 図5は、下型4のダイ5の裏側に取り付
けられたロッド11の周りで且つ下型空間部12の底面とダ
イ裏面との間に、ばね手段10を設けた金型の開いた状態
を示し、図6は、縦線折り曲げ用ダイ5を設置した下型
4の空間部12にばね手段10を設けた金型が金網を加圧し
て曲げた状態を示している。上型3が下降し又は下型4
を上昇させて、素線を押圧するときに、下型4のダイ5
はばね手段10に抗して、下方に逃げる。そのことによ
り、曲げ加工時には干渉せず、素線に急激な力が加わら
ずに、スム−ズに折り曲げることができるものである。
上型3の加圧を解くと、ダイ5はばね手段10により下型
4中の上昇位置に復帰される。下型4にばね手段10を備
える時には、下型4のダイ5に切欠き部9を備える必要
がなく、上型3にも切欠き部8を備える必要がない。
【0014】 図7は、金網端部を所望の多角形に折り
曲げ加工した金型状態を示している。上金型がグ−スネ
ック型であるから、金網の素線を折り曲げて、この六角
形縁部を形成した後でも、金網が上金型からスム−ズに
抜き取ることができるのである。
【0015】 図8は、幾つかの所望の多角形に折り曲
げ加工した溶接金網を示している。この金型が汎用の折
曲げ加工機に設置され組み込まれると、本発明の溶接金
網折り曲げ加工装置が完成して、いかなる所望の多角形
にも簡単に加工できる。また、所望の多角形における折
り曲げ加工順序は、金網が上金型からスム−ズに抜き取
ることができる条件及び操作上の都合により決定され
る。例えば、六角形を形成する曲げ加工順序は、図12の
数字で開示されている。
【0016】 この溶接金網の曲げ加工方法は、グ−ス
ネック型の上型3と長手方向V字状溝7を持つダイ5を
備える下型4とから成り、金網の縦線2のピッチ毎に上
下型が相互に干渉しない切欠き8,9を設けた金型又は
下型4にはダイ5との間にばね手段を設けた金型を使用
して、 1)汎用折曲げ機にグ−スネック型の上型3と長手方向
V字状溝を持つダイ5を備える下型4とを設置して組み
込む工程と、 2)下型のV字状溝7に溶接金網の横線1を置いて、金
網の縦線2をダイ5又はダイ5の切欠き部9に置く工程
と、 3)上型3を下降させ又は下型を上昇させて、上型の丸
凹面先端6により横線1をV字状溝7に縦線2と共に押
し込むことにより、縦線2を折り曲げて一つの隅角を形
成する工程と、 4)成形後に抜き易い折り曲げ順序に従って溶接金網を
汎用折曲げ機への挿入方向に移動して、その順序に横線
1をV字状溝7に置いて、上記2)工程と3)工程とを
行って、次の隅角を形成する工程と、 5)上記4)工程を繰り返して、必要な数の隅角を形成
し、所望の多角形に形成する工程と、から成るものであ
る。
【0017】
【発明の効果】 本発明の金型では、上金型がグ−スネ
ック型であるから、溶接金網の素線を折り曲げて、この
多角形部を形成した後でも、溶接金網が上金型からスム
−ズに抜き取ることができるのである。また、このグ−
スネック上型が素線と接触する下面である先端は、横線
の半径よりやや大きめの内R凹面即ち丸凹面に加工され
ていて、上型が横線を加圧押し下げの際に横線の直線度
を矯正できる。
【0018】 下金型は、ダイにV字状溝を備えるか
ら、縦線を折り曲げる際にはダイのV字状溝により横線
を規制し、案内することができる。上下型により横線を
規制しているので、多角形を形成するために、何回折り
曲げても、横線の位置ずれがほとんどなく、確実に横線
部分を全幅にわたり均一に加圧し、正確な精度と寸法に
曲げ加工できる。
【0019】 この成形用金型を汎用の折曲げ加工機
(ベンダ−)に組み込み、本発明の溶接金網折り曲げ加
工装置を構成するから、溶接金網をいかなる所望の多角
形にも簡単に加工できる。専用機を使用した場合より
も、加工時間が著しく短縮される。
【0020】 本発明の曲げ加工方法は、溶接金網をい
かなる所望の多角形にも簡単に加工できるばかりではな
く、溶接金網の素線に傷を付けることなく、加工上の問
題もなく、能率的に加工できるから、加工費が安く済
む。以上のとおりであるから、フェンスのモデルチェン
ジが容易に且つ安価に行うことができることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】メッシュフェンスの概略図である。
【図2】本発明に係る溶接金網を折り曲げる金型の開い
た状態を示す金型断面図である。
【図3】本発明に係る溶接金網を折り曲げる金型の素線
加圧曲げ状態を示す金型断面図である。
【図4】本発明に係る溶接金網を折り曲げる金型の開い
た状態を示す金型概略斜視図である。
【図5】本発明に係る金型の下型にばね手段を備えた下
型断面図である。
【図6】本発明に係るばね手段を備えた下型を持つ金型
の素線曲げ状態を示す金型断面図である。
【図7】本発明に係る金型により六角形端部を形成した
状態を示す金型断面図である。
【図8】本発明に係る金型により形成した多角形状態を
示す断面図である。
【図9】図3のA−A縦断面図である。
【図10】図9のB−B平断面図である。
【図11】本発明に係る溶接金網に多角形を備えるフェン
スの側面図である。
【図12】本発明に係る溶接金網に六角形端部を形成した
際の曲げ加工順序を開示した平面図である。
【符号の説明】
1...横線 2...縦線 3...上型 4...下型 5...ダイ 6...上型先端の丸凹面 7...V字状溝 8...上型の切欠き部 9...下型の切欠き部 10...ばね手段 11...ロッド 12...空間部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接金網を各種の多角形に折り曲げるの
    に使用する金型において、上金型がグ−スネック型を形
    成して、その上型の先端が横線の半径より大きい内径で
    加工された凹面を成し、下金型がダイの長手方向にV字
    状断面を持つ溝を形成したダイを備えていることを特徴
    とする溶接金網折り曲げ用金型。
  2. 【請求項2】 下型に設置された縦線折り曲げ用ダイ
    に、縦線を収容できる矩形切欠きを金網の縦線の間隔に
    形成し、上型の先端にもダイと干渉しないように矩形切
    欠きを形成していることを特徴とする請求項1に記載の
    溶接金網折り曲げ用金型。
  3. 【請求項3】 下型に設置された縦線折り曲げ用ダイと
    その下型との間にばね手段を設けて成ることを特徴とす
    る請求項1に記載の溶接金網折り曲げ用金型。
  4. 【請求項4】 汎用折曲げ機に、上金型がグ−スネック
    型を形成して、その上型の先端が横線の半径より大きい
    内径で加工された凹面を成し、下金型がダイの長手方向
    にV字状断面を持つ溝を形成したダイを備えている金型
    を組み込み使用することにより、溶接金網を各種の多角
    形に折り曲げることを特徴とする溶接金網折り曲げ装
    置。
  5. 【請求項5】 下型に設置されたダイが縦線を収容でき
    る矩形切欠きを金網の縦線の間隔に形成し、上型の先端
    にもダイと干渉しないように矩形切欠きを形成している
    ことを特徴とする請求項4に記載の溶接金網折り曲げ装
    置。
  6. 【請求項6】 下型に設置された縦線折り曲げ用ダイと
    その下型との間にばね手段を設けて成ることを特徴とす
    る請求項4に記載の溶接金網折り曲げ装置。
  7. 【請求項7】 グ−スネック型の上型と長手方向V字状
    溝を持つダイを備える下型とから成り、溶接金網の縦線
    のピッチ毎に上下型が相互に干渉しない切欠きを設けた
    金型又は下型にはダイとの間にばね手段を設けた金型を
    使用して、溶接金網を各種の多角形に折り曲げる溶接金
    網折り曲げ加工方法において、 1)汎用折曲げ機にグ−スネック型の上型と長手方向V
    字状溝を持つダイを備える下型とを設置して組み込む工
    程と、 2)下型のV字状溝に溶接金網の横線を置いて、溶接金
    網の縦線をダイ又はダイの切欠き部に置く工程と、 3)上型を下降させ又は下型を上昇させて、上型の丸凹
    面先端により横線をV字状溝に縦線と共に押し込むこと
    により、縦線を折り曲げて一つの隅角を形成する工程
    と、 4)成形後に抜き易い折り曲げ順序に従って溶接金網を
    汎用折曲げ機への挿入方向に移動して、その順序に横線
    をV字状溝に置いて、上記2)工程と3)工程とを行っ
    て、次の隅角を形成する工程と、 5)上記4)工程を繰り返して、必要な数の隅角を形成
    し、所望の多角形に形成する工程と、から成ることを特
    徴とする溶接金網折り曲げ加工方法。
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