JP3032033B2 - マニュアルブレーキ装置ならびに鳴き異音防止構造 - Google Patents

マニュアルブレーキ装置ならびに鳴き異音防止構造

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JP3032033B2 JP9078191A JP9078191A JP3032033B2 JP 3032033 B2 JP3032033 B2 JP 3032033B2 JP 9078191 A JP9078191 A JP 9078191A JP 9078191 A JP9078191 A JP 9078191A JP 3032033 B2 JP3032033 B2 JP 3032033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体に固着するベース
にブレーキレバーの基部を揺動可能に枢支し、その先端
部を操作者の近傍に延ばし、該先端部に力を加え、該ブ
レーキレバーの揺動に従いブレーキケーブルを押し引き
して制動をかけるようにしたマニュアルブレーキ装置な
らびに鳴き異音防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性コイルを巻締ドラムの外周に弾接す
るよう巻装し、一端側の固定端を係止し他端側は係止せ
ずに遊び側としたとき、巻締ドラムを回転させる方向に
より、一つの方向は弾性コイルが巻き締めて回転するこ
とができず、反対方向は巻締ドラムが回転するとき弾性
コイルがゆるめられて容易に回動する現象があり、この
現象を利用してブレーキレバーを制動状態に拘束し、制
動後、前記遊び側を外部から押して弾性コイルをゆるめ
ることにより制動解除するようにしたマニュアルブレー
キ装置が提案されている。
【0003】このような場合の従来提案されている一般
的構造としては例えば図10に示すようなものがある。
すなわち、弾性コイル部材1を巻締ドラム2の外周に弾
接するよう巻装してあり、弾性コイル部材1の一端側の
固定端1aは係止され、他端側は係止せず巻締ドラム2
の外周の接線方向に僅かに延ばしてそのまま切り離して
遊端1bとしてある。巻締ドラム2をA方向に回転させ
ると弾性コイル部材1のコイル部1cが巻締ドラム2を
巻き締めて回転することができず、反対のB方向は巻締
ドラム2が弾性コイル部材1のコイル部1cに対して相
対的に回転するときコイル部1cがゆるめられて容易に
回動する。
【0004】マニュアルブレーキ装置であれば、巻締ド
ラム2とブレーキレバーとが連動するようにし、制動時
にブレーキレバーを動作させたときの巻締ドラム2の回
転方向をコイル部1cをゆるめる方向とすれば、制動方
向には容易に巻締ドラム2を回動させることができ、制
動後巻締ドラム2が逆回転しようとしても回転すること
ができず、制動状態が保持される。そして、コイル部1
cがゆるむように遊端1bを押動すれば、コイル部1c
は巻締ドラム2の外周を巻き締めることができなくなっ
て制動解除することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術では、制動動作時に巻締ドラム2が弾性
コイル部材1に対して相対的に回転したとき特に顕著に
あらわれるのであるが、巻締ドラム2の外周と弾性コイ
ル部材1のコイル部1cとが摺動しスリップ現象とステ
ィック現象とが不安定に生じて鳴き異音を発し、使用者
に不快感を与え実用性に欠けることになるという問題点
があった。
【0006】この鳴き異音が発生する原因は必ずしも明
確ではないが、発明者らは鳴き異音の発生現象を分析す
るうち、弾性コイル部材1の遊端1b側での遊端1bが
巻締ドラム2の外周から外れる部位の近傍に鳴き異音発
生の何らかの要因が存在することに気付き、摺動現象あ
るいは振動現象を変えれば鳴き異音を抑えることが可能
であるとの知見を得た。
【0007】本発明は、このような従来の技術の問題点
と、前記分析結果に着目してなされたもので、弾性コイ
ル部材と巻締ドラムとが相対的に回動するとき、不快な
鳴き異音が発生せず、実用性を向上させたマニュアルブ
レーキ装置ならびに鳴き異音防止構造を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、 1 車体に固着するベースにブレーキレバーの基部を揺
動可能に枢支し、その先端部を操作者の近傍に延ばし、
該先端部に力を加え、該ブレーキレバーの揺動に従いブ
レーキケーブルを押し引きして制動をかけるようにした
マニュアルブレーキ装置において、前記ベース側に枢支
され、前記ブレーキレバーの基部に設けたセクタ歯に噛
合する歯車を有する巻締ドラムと、該巻締ドラムの外周
に弾接するよう巻装され、一端側の固定端が前記ベース
に係止され、他端側は係止せずに遊び側とし、前記ブレ
ーキレバーが制動状態から戻る方向が巻き締め方向とな
るよう巻き方向を配設した弾性コイル部材と、該弾性コ
イル部材の遊び側を押してゆるめるリリース部材とによ
り係止機構を構成し、前記弾性コイル部材の遊び側に前
記巻締ドラムの外周から離間して側方に延びる延長コイ
ル部を設けて鳴き異音防止構造としたことを特徴とする
マニュアルブレーキ装置。
【0009】2 車体に固着するベースにブレーキレバ
ーの基部を揺動可能に枢支し、その先端部を操作者の近
傍に延ばし、該先端部に力を加え、該ブレーキレバーの
揺動に従いブレーキケーブルを押し引きして制動をかけ
るようにしたマニュアルブレーキ装置において、前記ベ
ース側に枢支され、前記ブレーキレバーの揺動に応じて
回動する巻締ドラムと、該巻締ドラムの外周に弾接する
よう巻装され、一端側の固定端が前記ベースに係止さ
れ、他端側は係止せずに遊び側とし、前記ブレーキレバ
ーが制動状態から戻る方向が巻き締め方向となるよう巻
き方向を配設した弾性コイル部材と、該弾性コイル部材
の遊び側を押してゆるめるリリース部材とにより係止機
構を構成し、前記弾性コイル部材の遊び側に前記巻締ド
ラムの外周から離間して側方に延びる延長コイル部を設
けて鳴き異音防止構造としたことを特徴とするマニュア
ルブレーキ装置。
【0010】3 前記鳴き異音防止構造の延長コイル部
を前記巻締ドラムと同軸に遊転するセパレートドラムに
巻き付けたことを特徴とする前記項1または2記載のマ
ニュアルブレーキ装置。
【0011】4 前記鳴き異音防止構造の延長コイル部
を前記巻締ドラムに遊転可能に装着したカラーに巻き付
けたことを特徴とする前記項1または2記載のマニュア
ルブレーキ装置。
【0012】5 前記鳴き異音防止構造の延長コイル部
を前記巻締ドラムの外周より大径にして離間させたこと
を特徴とする前記項1または2記載のマニュアルブレー
キ装置。
【0013】6 前記鳴き異音防止構造の延長コイル部
より前記巻締ドラムの外周の端部を小径にして離間させ
たことを特徴とする前記項1または2記載のマニュアル
ブレーキ装置。
【0014】7 前記鳴き異音防止構造の延長コイル部
の外周に弾接するよう外嵌するアウタースリーブを設け
たことを特徴とする前記項1,2,3,4,5,6記載
のマニュアルブレーキ装置。
【0015】8 操作に応じて回動する巻締ドラムを設
け、該巻締ドラムの外周に弾接するよう巻装され、一端
側の固定端が静止部に係止され、他端側は係止せずに遊
び側とした弾性コイル部材と、該弾性コイル部材の遊び
側を押してゆるめるリリース部材とにより該巻締ドラム
の係止機構を構成し、前記弾性コイル部材の遊び側に前
記巻締ドラムの外周から離間して側方に延びる延長コイ
ル部を設けたことを特徴とする鳴き異音防止構造に存す
る。
【0016】
【作用】ブレーキレバーが解除状態にあるとき、ブレー
キレバーの基部に制動反力がかかっておらず、ブレーキ
ケーブルは弛緩している。この状態からブレーキレバー
を基部を中心に回動させると、ブレーキケーブルが引か
れて制動がかかる。ブレーキレバーが回動すると、ブレ
ーキレバーの基部のセクタ歯により歯車が回動され、巻
締ドラムがブレーキレバーの揺動に応じて回動する。
【0017】弾性コイル部材は一端側の固定端がベース
に係止されて回動することができず、巻締ドラムは弾性
コイル部材に対して相対的に回転する。この回転方向は
弾性コイル部材のゆるみ方向であるので容易に回転す
る。ブレーキレバーを十分に振らせると、ブレーキケー
ブルが引き絞られて制動力が発生する。巻締ドラムと弾
性コイル部材とが相対的に回転するとき、両者は相互に
部分的に弱く摺接しながら回転する。
【0018】このとき、弾性コイル部材の遊び側の延長
コイル部は巻締ドラムの外周から離れて側方に延びてい
るので、短い遊端が巻締ドラムの外周から離れる部位の
ように局所的なスティック現象が発生しにくくなるか、
あるいは固有振動数の違い等により鳴き異音の発生が抑
えられる。
【0019】ブレーキレバーに力を加えるのをやめると
ブレーキケーブルからの制動反力により復帰しようとす
るが、制動状態から戻る方向は巻締ドラムと弾性コイル
部材との回転が弾性コイル部材の巻き締め方向となり、
強い抵抗が発生してブレーキレバーは復帰することがで
きず、制動状態が保持される。
【0020】ブレーキレバーの拘束を解除するには、係
止機構のリリース部材を操作して弾性コイル部材の遊び
側を押してゆるめると、弾性コイル部材は巻締ドラムを
巻き締めることができなくなり、巻締ドラムと弾性コイ
ル部材とが相互に回転してブレーキレバーは非制動状態
に復帰し、ブレーキケーブルは弛緩する。
【0021】延長コイル部を巻締ドラムと同軸に遊転す
るセパレートドラムに巻き付けたもの、あるいは延長コ
イル部を巻締ドラムに遊転可能に装着したカラーに巻き
付けたものでは、セパレートドラムあるいはカラーが弾
性コイル部材の遊び側の挙動を安定させるので、高い鳴
き異音防止力を発揮する。また、延長コイル部を巻締ド
ラムの外周より大径にして離間させたものあるいは延長
コイル部より巻締ドラムの外周の端部を小径にしたもの
は簡単な構成で済み、安価化かつ確実な鳴き異音防止を
することができる。
【0022】さらに、延長コイル部の外周に弾接するよ
う外嵌するアウタースリーブを設けたものは、アウター
スリーブにより延長コイル部の振れが抑えられ、さらに
確実に鳴き異音を防止することができる。
【0023】また、鳴き異音防止構造はマニュアルブレ
ーキ装置に限らず、相互に回動する巻締ドラムと弾性コ
イル部材との組み合わせに広く応用することができる。
【0024】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の各種実施例を説
明する。
【0025】図1〜図4は本発明の第1実施例を示して
いる。
【0026】マニュアルブレーキ装置10は足踏み式
で、車体に固定する取付ブラケット12a,12bを有
するベース11に回動可能にブレーキレバー20の基部
21が枢支軸20aにより枢支され、ブレーキレバー2
0の基部21の端縁に枢支軸20aを中心とするセクタ
板22がかしめピン22bで固設され、セクタ板22の
セクタ歯22aに噛合してブレーキレバー20を拘束す
る係止機構30を設けて成る。
【0027】ブレーキレバー20の基部21には連結ブ
ラケット板23aによりブレーキ力を伝えるブレーキケ
ーブル23が連結され、ブレーキレバー20の先端部は
操作者の近傍の足元に延び、最先端には操作者の脚方向
に踏面24aを向けたペダル24が固設されている。ブ
レーキレバー20は付勢ばね25により第1図において
反時計方向に付勢され、ペダル24の踏面24aに力を
加えれば、ブレーキレバー20が揺動し、それに従いブ
レーキケーブル23を押し引きして制動をかけるように
なっている。また、制動解除時の急激な復帰を緩衝する
ダンパ26がブレーキレバー20とベース11との間に
架設されている。
【0028】係止機構30は、ベース11側に枢支され
た巻締ドラム35と、巻締ドラム35に巻装した弾性コ
イル部材40と、リリース部材50とにより構成されて
いる。巻締ドラム35は枢軸31によりベース11に枢
支され、ブレーキレバー20の基部21に設けたセクタ
歯22aに噛合する歯車36を一側に一体的に有してい
る。
【0029】弾性コイル部材40は、コイル部41が巻
締ドラム35の外周に弾接するよう巻装され、一端側の
固定端42がベース11に係止部材43により係止さ
れ、他端側は係止せずに遊び側45とし、ブレーキレバ
ー20が制動状態から戻る方向が巻き締め方向となるよ
う巻き方向を配設して巻締ドラム35に巻装されてい
る。係止部材43は、図2でわかるように、ベース11
に保持スタッド43a,43aを植設し、保持スタッド
43a,43aに押えワッシャ43b,43bを架設
し、さらに押えナット43c,43cを保持スタッド4
3a,43aにそれぞれ螺合させて成る。弾性コイル部
材40の固定端42は押えワッシャ43b,43bの間
の押え溝に挾持して固く固定されている。
【0030】弾性コイル部材40の遊び側45には、図
1でわかるように巻締ドラム35の外周から離間して側
方に延びるよう設けられた延長コイル部46により鳴き
異音防止構造が形成されている。延長コイル部46の末
端にはリリース操作用の被押端47が曲折形成されてい
る。巻締ドラム35の枢軸31にセパレートドラム48
が遊転自在に枢支され、遊び側45の延長コイル部46
はセパレートドラム48に巻き付けられている。
【0031】リリース部材50は、図4でわかるように
枢着ピン51でベース11の側面に枢着され、弾性コイ
ル部材40の遊び側45である延長コイル部46の被押
端47を押してゆるめる押動端52と、図示省略したリ
リース操作部材が連結される接続端53とを両端に有し
ている。
【0032】次に作用を説明する。
【0033】ペダルを踏み込んでブレーキレバー20を
揺動させると、ブレーキケーブル23が引き絞られて制
動力が発生する。
【0034】ブレーキレバー20が図3の実線に示す解
除状態にあるとき、ブレーキレバー20の基部21には
制動反力がかかっておらず、ブレーキケーブル23は弛
緩している。この状態からペダル24の踏面24aを踏
んでブレーキレバー20を基部21の枢支軸20aを中
心に回動させると、ブレーキケーブル23が引かれて制
動がかかる。ブレーキレバー20が回動すると、ブレー
キレバー20の基部21に固設したセクタ板22のセク
タ歯22aにより歯車36が回動され、巻締ドラム35
がブレーキレバー20の揺動に応じて回動する。
【0035】弾性コイル部材40は一端側の固定端42
が係止部材43によりベース11に係止されて回動する
ことができず、巻締ドラム35は弾性コイル部材40に
対して相対的に回転しようとする。この回転方向は弾性
コイル部材40のゆるみ方向であり、コイル部41の末
端の遊び側45がコイル部41を拡径する方向に変位し
ようとするのでコイル部41は巻締ドラム35を巻き締
めていることができずにゆるみ、容易に回転する。
【0036】ブレーキレバー20を十分に振らせると、
基部21に固結した連結ブラケット板23aが変位し、
ブレーキケーブル23が引き絞られて制動力が発生す
る。巻締ドラム35と弾性コイル部材40とが相対的に
回転するとき、枢軸31と巻締ドラム35の外周とは相
互に部分的に弱く摺接しながら回転する。
【0037】このとき、弾性コイル部材40の遊び側4
5の延長コイル部46は巻締ドラム35の外周から離れ
て側方に延びているので、短い遊端が巻締ドラム35の
外周から離れる部位のように局所的なスティック現象が
発生しにくくなるか、あるいは固有振動数の違い等によ
り鳴き異音の発生が抑えられる。
【0038】すなわち、延長コイル部46はセパレート
ドラム48に巻き付いていて、巻締ドラム35がコイル
部41に対して相対的に回転してもセパレートドラム4
8は巻締ドラム35に関わらず相対的に遊転し、延長コ
イル部46に不自然な摺接力等がかかることがなく、遊
び側45の挙動が安定して鳴き異音の発生が抑えられ
る。
【0039】ブレーキレバー20のペダル24に力を加
えるのをやめると基部21を引いて逆回転させようとす
るブレーキケーブル23からの制動反力によりブレーキ
レバー20が復帰しようとするが、制動状態から戻る方
向は巻締ドラム35と弾性コイル部材40との回転が弾
性コイル部材40の巻き締め方向となる。
【0040】巻締ドラム35が弾性コイル部材40に対
して相対的に回転しようとすると、コイル部41の末端
の遊び側45がコイル部41を縮径する方向に変位しよ
うとするのでコイル部41は巻締ドラム35を巻き締
め、強い抵抗が発生してブレーキレバー20は復帰する
ことができず、制動状態が保持される。
【0041】ブレーキレバー20の拘束を解除するに
は、係止機構30のリリース部材50を操作して弾性コ
イル部材40の遊び側45を押動端52で押すと、先ず
延長コイル部46がセパレートドラム48とともに遊転
し、つづいてコイル部41が拡径してゆるむ。弾性コイ
ル部材40は巻締ドラム35を巻き締めることができな
くなり、巻締ドラム35と弾性コイル部材40のコイル
部41とが相互に回転可能になる。
【0042】巻締ドラム35と一体の歯車36が回転可
能になり、ブレーキケーブル23に制動反力が加わって
おり、付勢ばね25の付勢力もあって、ブレーキレバー
20は非制動状態に復帰し、ブレーキケーブル23は弛
緩する。ブレーキレバー20が復帰するときダンパ26
が急激な復帰を抑え衝撃が発生しないようにする。
【0043】図5は第2実施例を示しており、巻締ドラ
ム35aの端部にリング状に陥入部37を形成し、陥入
部37に回転自在に外嵌するカラー49を装着し、巻締
ドラム35aの外周と同一外径のカラー49に弾性コイ
ル部材40のコイル部41の延長コイル部46を巻き付
けて鳴き異音防止構造とした係止機構30aを設けたも
のである。
【0044】図6は第3実施例を示しており、巻締ドラ
ム35の端部に薄手のカラー49aを回転自在に外嵌
し、巻締ドラム35の外径より僅かに外径が大きくなる
カラー49aの外周に弾性コイル部材40のコイル部4
1の延長コイル部46を巻き付けたものである。
【0045】第2実施例および第3実施例では、第1実
施例と同様に、巻締ドラム35a,35に対して遊転す
るカラー49,49aが巻締ドラム35a,35と弾性
コイル部材40のコイル部41とが相対的に回動すると
き、カラー49,49aが弾性コイル部材40の遊び側
45の挙動を安定させるので、鳴き異音が強力に防止さ
れる。
【0046】図7は第4実施例を示しており、巻締ドラ
ム35bの端部に内径側に陥入した小径部37aを形成
し、弾性コイル部材40のコイル部41および延長コイ
ル部46は同一外径であるが、巻締ドラム35bの端部
において延長コイル部46がコイル部41から離間して
側方に延びるようになっている。
【0047】図8は第5実施例を示しており、巻締ドラ
ム35の端部において、コイル部41より大径にした延
長コイル部46aを形成した弾性コイル部材40aと
し、延長コイル部46aを巻締ドラム35の端部から離
間させて側方に延ばしたものである。
【0048】第4実施例および第5実施例では、延長コ
イル部46,46aが巻締ドラム35b,35の端部か
ら離間し側方に延びているので、単に短い遊端にした場
合に比し、固有振動数が変わってコイル部41と巻締ド
ラム35b,35とが相対的に回転するときに安定した
動きとなり、鳴き異音が防止される。巻締ドラム35
b,35とは別のセパレートドラムやカラーを設けない
ので、簡単な構成で済み、安価で確実な構造となる。
【0049】図9は第6実施例を示しており、第4実施
例において、小径部37aにより巻締ドラム35bから
離間しているところへ、アウタースリーブ38が弾性コ
イル部材40のコイル部41に当接することなく外嵌し
て回転自在に保持して設け、延長コイル部46の外周に
弾接する外押え部38aをアウタースリーブ38の端部
に形成したものである。
【0050】第6実施例では、アウタースリーブ38の
外押え部38aが外側から延長コイル部46の振れを抑
え、さらに確実に鳴き異音を防止する。このアウタース
リーブ38は第4実施例に限らず、第1〜第5の各実施
例に併用して鳴き異音防止作用を強化することができ
る。
【0051】前記実施例は足踏み式のマニュアルブレー
キ装置で具現したものを示したが、手動のものでもよ
く、また、鳴き異音防止構造は、マニュアルブレーキ装
置に限らず、相互に回動する巻締ドラムと弾性コイル部
材との組み合わせに広く応用することができる。
【0052】
【発明の効果】本発明に係るマニュアルブレーキ装置な
らびに鳴き異音防止構造によれば、巻締ドラムと弾性コ
イル部材とを嵌合させ、巻き締め方向では回転せず、ゆ
るみ方向では回転可能になる作用を利用して、相互に拘
束する場合に、巻締ドラムの外周から離間して側方に延
びる延長コイル部を設け、さらに、延長コイル部を遊転
可能なセパレートドラムあるいはカラーに巻き付けるよ
うにしたから、巻締ドラムと弾性コイル部材とが相対的
に回転するとき、遊端側がスティック現象等により鳴き
異音を発生することがなく、不快な鳴き異音の発生を抑
え、使用者に不快感を与えず、実用性の高いをマニュア
ルブレーキ装置、あるいは応用の広い鳴き異音防止構造
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すマニュアルブレーキ
装置で、図3のI−I線断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す弾性コイル部材の固
定端を止める係止部材近傍の縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示すマニュアルブレーキ
装置の正面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示すマニュアルブレーキ
装置で、図3のIV矢視図である。
【図5】本発明の第2実施例を示すマニュアルブレーキ
装置で、図3のI−I線位置相当の断面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示すマニュアルブレーキ
装置で、図3のI−I線位置相当の断面図である。
【図7】本発明の第4実施例を示すマニュアルブレーキ
装置で、図3のI−I線位置相当の断面図である。
【図8】本発明の第5実施例を示すマニュアルブレーキ
装置で、図3のI−I線位置相当の断面図である。
【図9】本発明の第6実施例を示すマニュアルブレーキ
装置で、図3のI−I線位置相当の断面図である。
【図10】従来技術を示し、巻締ドラムと弾性コイル部
材との相対関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10…マニュアルブレーキ装置 11…ベース 20…ブレーキレバー 21…基部 22…セクタ板 22a…セクタ歯 23…ブレーキケーブル 30,30a…係止機構 35…巻締ドラム 37…陥入部 37a…小径部 38…アウタースリーブ 40,40a…弾性コイル部材 41…コイル部 42…固定端 43…係止部材 45…遊び側 46,46a…延長コイル部 47…被押端 48…セパレートドラム 49,49a…カラー 50…リリース部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 覚 神奈川県横浜市港北区樽町3丁目7番77 号 大塚工機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−306957(JP,A) 特開 平2−179574(JP,A) 実開 平1−139131(JP,U) 実開 昭57−191930(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 7/06 F16D 41/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体に固着するベースにブレーキレバーの
    基部を揺動可能に枢支し、その先端部を操作者の近傍に
    延ばし、該先端部に力を加え、該ブレーキレバーの揺動
    に従いブレーキケーブルを押し引きして制動をかけるよ
    うにしたマニュアルブレーキ装置において、前記ベース
    側に枢支され、前記ブレーキレバーの基部に設けたセク
    タ歯に噛合する歯車を有する巻締ドラムと、該巻締ドラ
    ムの外周に弾接するよう巻装され、一端側の固定端が前
    記ベースに係止され、他端側は係止せずに遊び側とし、
    前記ブレーキレバーが制動状態から戻る方向が巻き締め
    方向となるよう巻き方向を配設した弾性コイル部材と、
    該弾性コイル部材の遊び側を押してゆるめるリリース部
    材とにより係止機構を構成し、前記弾性コイル部材の遊
    び側に前記巻締ドラムの外周から離間して側方に延びる
    延長コイル部を設けて鳴き異音防止構造としたことを特
    徴とするマニュアルブレーキ装置。
  2. 【請求項2】車体に固着するベースにブレーキレバーの
    基部を揺動可能に枢支し、その先端部を操作者の近傍に
    延ばし、該先端部に力を加え、該ブレーキレバーの揺動
    に従いブレーキケーブルを押し引きして制動をかけるよ
    うにしたマニュアルブレーキ装置において、前記ベース
    側に枢支され、前記ブレーキレバーの揺動に応じて回動
    する巻締ドラムと、該巻締ドラムの外周に弾接するよう
    巻装され、一端側の固定端が前記ベースに係止され、他
    端側は係止せずに遊び側とし、前記ブレーキレバーが制
    動状態から戻る方向が巻き締め方向となるよう巻き方向
    を配設した弾性コイル部材と、該弾性コイル部材の遊び
    側を押してゆるめるリリース部材とにより係止機構を構
    成し、前記弾性コイル部材の遊び側に前記巻締ドラムの
    外周から離間して側方に延びる延長コイル部を設けて鳴
    き異音防止構造としたことを特徴とするマニュアルブレ
    ーキ装置。
  3. 【請求項3】前記鳴き異音防止構造の延長コイル部を前
    記巻締ドラムと同軸に遊転するセパレートドラムに巻き
    付けたことを特徴とする請求項1または2記載のマニュ
    アルブレーキ装置。
  4. 【請求項4】前記鳴き異音防止構造の延長コイル部を前
    記巻締ドラムに遊転可能に装着したカラーに巻き付けた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のマニュアルブ
    レーキ装置。
  5. 【請求項5】前記鳴き異音防止構造の延長コイル部を前
    記巻締ドラムの外周より大径にして離間させたことを特
    徴とする請求項1または2記載のマニュアルブレーキ装
    置。
  6. 【請求項6】前記鳴き異音防止構造の延長コイル部より
    前記巻締ドラムの外周の端部を小径にして離間させたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のマニュアルブレ
    ーキ装置。
  7. 【請求項7】前記鳴き異音防止構造の延長コイル部の外
    周に弾接するよう外嵌するアウタースリーブを設けたこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6記載のマ
    ニュアルブレーキ装置。
  8. 【請求項8】操作に応じて回動する巻締ドラムを設け、
    該巻締ドラムの外周に弾接するよう巻装され、一端側の
    固定端が静止部に係止され、他端側は係止せずに遊び側
    とした弾性コイル部材と、該弾性コイル部材の遊び側を
    押してゆるめるリリース部材とにより該巻締ドラムの係
    止機構を構成し、前記弾性コイル部材の遊び側に前記巻
    締ドラムの外周から離間して側方に延びる延長コイル部
    を設けたことを特徴とする鳴き異音防止構造。
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