JP3031490U - 感熱インジケーター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 世上多用されているものは工業用のガスボン
ベから、小は一般家庭用の各種エアゾール容器にいたる
迄、その容器表面には使用乃至は保管条件として「摂氏
何度以上の場所には置かないで下さい」等の注意書きが
施されていたが、特に常時温度計などを携帯していない
家庭人では、その場の温度が何度であるかを正確に判断
することは極めて困難なことであるから、上記の注意書
きなどは、本来の目的を達せられないと云っても過言で
はなかったのである。 【解決手段】 予め容器表面の適宜な箇所に任意な基色
印刷を施し、その上に少なくとも一層以上の感熱変色イ
ンキであって、所定温度域に達した時点で透明に変色す
るものを重ね印刷したことを特徴とする感熱インジケー
ターである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、所定の熱度を感知して透明に変色する印刷インキを利用した感熱 インジケーターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、一定の温度を感知して変色する印刷インキとして、温度による変色 点を調節した分量の特殊顔料を、エポキシ樹脂液中に分散させた二液硬化型のセ ラミックインキなどが一般に知られているが、その利用法は、同一出願人の特許 出願に係る特願平７ー２２７４３０号「哺乳ビン」に見られるように、該インキ の感熱変色性を利用して適正な哺乳温度を目視的に得ようとしたもの以外は、玩 具その他の遊び心の満足を得る方向の活用に供されるのが殆どであった。

【０００３】 一方、世上多用されているものは工業用のガスボンベから、小は一般家庭用の 各種エアゾール容器にいたる迄、その容器表面には使用乃至は保管条件として「 摂氏何度以上の場所には置かないで下さい」等の注意書きが施されていた。

【考案が解決しようとする課題】

【０００４】 しかし、実際問題として、その容器表面に使用乃至保管温度が表示されてはい ても、特に常時温度計などを携帯していない家庭人では、その場の温度が何度で あるかを正確に判断することは極めて困難なことである。従って、上記の注意書 きなどは、本来の目的を達せられないと云っても過言ではなかったのである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

叙情の実状に鑑み、本考案者らは上記の感熱変色インキの特性を利用して、特 に熱度に関係のある気体又は液体容器に対する危険温度表示と平行して、又は該 表示に代えて、予め容器表面の適宜な箇所に任意な基色印刷を施し（基色は必ず しも変色インキでなくてもよい）、その上に少なくとも一層の所定温度域に達し た時点で透明になる感熱変色インキを重ね印刷するという手段を採用した。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を図面に示す実施の形態に従って詳述すると、１はエアゾール容 器、２は容器１の胴部の任意な箇所に接着若しくは通常の印刷インキで印刷され た基色であって、例えば赤・緑や紺色などのような目立ち易い濃色とし、又３は 上記基色２の上面に塗着または重ね刷りされた感熱性変色インキで、白・黄色の ような淡色であり、しかも所定の変色温度域に達した時は、その全面が透明とな って、上記基色が透過可能であるものとする。

【０００７】 而して、この実施の形態は、一般に噴射剤としてフロンガスを使用するエアゾ ール分与器を対象として示すもので、通常その保管温度は４０゜ｃとされている 。従って上記感熱性変色インキ３の変色温度域は、４０゜ｃ以上に設定されてお り、その変色は透明であることが好ましいし、この場合の基色面には基色の反対 色によって「危険」その他の文字等を表示、印刷しておくことは任意である。

【０００８】 又、上述した実施の形態では、基色上に重ねられる感熱変色インキ３を１層と した場合について記述したが、これを２層・３層に増やし、上記の例でいえば２ 層目の感熱変色インキ３’は３５゜ｃ以上で透明に変わり、３層目のそれは３０ ゜ｃ以上で透明化するように段階的に構成すれば、それぞれの層は順次設定され た温度域で透明に変色し、下層の色彩を透過できるから、一見して容器の安全状 態を感知し得るのである。尚、この場合でも３層目には「安全」とか、又２層目 には「注意」などの文字表示を印刷して置くことも亦自由である。

【０００９】 以上は、感熱変色インキをエアゾール容器などに対する危険温度域が高温側の 物質に対するインジケーターとしての実施形態について述べたのであるが、これ が、中．低温の管理物質に対する温度域表示についても全く同様のインジケータ ー機能が得られるものである。

【００１０】 この他、本考案の他の実施例として、図２に示したように、例えばクリスマス カードや葉書１１などの一面に基色１２を印刷し、その表面に適宜なメッセージ や図柄など１２’を予め印刷した上に、上記メッセージ１２’を含む基色１２面 を覆って所定温度以上になれば透明に変色する少なくとも１層の感熱変色インキ １３を重ね刷りすることにより、炙りだしを楽しむことができて、幼少年層の遊 び心を満足させることも可能である。

【００１１】 更に本考案においては、基色上に重ねられる上記２層目、３層目の感熱変色イ ンキは、上述したような重ね印刷に代えて別途薄い透明紙に予め所望の感熱変色 インキを印刷したものを用意し、それを基色上に貼付けるようにしても、その目 的を達成することができるのである。

【００１２】

【考案の効果】

上述したところから既に明かである通り、本考案によれば所定の温度域を越え ると透明化する感熱変色インキを重ね印刷することにより、一般家庭において日 常多用されるエアゾール容器などのように、温度管理が必要とされる可燃、爆発 性の高い物品に対するインジケーターとして、また炙りだしなどとして広い利用 範囲を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のインジケーターをエアゾール容器に適
用した正面図。

【図２】本考案の他の実施例を示す葉書の平面図。

【符号の説明】

１ 容器 ２・１２ 基色 ３．１３ 感熱変色インキの重ね刷り又は同インキ
で印刷された透明紙

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】予め容器表面の適宜な箇所に任意な基色印
   刷を施し、その上に少なくとも一層以上の感熱変色イン
   キであって、所定温度域に達した時点で透明に変色する
   ものを重ね印刷したことを特徴とする感熱インジケータ
   ー。
2. 【請求項２】基色上に重ねられる上記２層目、３層目の
   感熱変色インキは、重ね印刷に代えて別途薄い透明紙に
   予め所望の感熱変色インキを印刷したものを用意し、そ
   れを基色上に貼付けるようにしたことを特徴とする感熱
   インジケータ。