JP3030525B2 - 薬液用プラスチック容器 - Google Patents
薬液用プラスチック容器Info
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- plastic container
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65D—CONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
- B65D1/00—Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
- B65D1/02—Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
- B65D1/0207—Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features
- B65D1/0215—Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features multilayered
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- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖質輸液剤、電解質輸
液剤、血漿増量剤、浸透圧利尿剤、アミノ酸輸液剤、脂
肪乳剤、高カロリー輸液剤等の静脈注射用薬液や、経腸
栄養剤、高蛋白栄養剤、成分栄養剤、流動食等の経腸的
高カロリー栄養剤などの経口用薬液を内部に収容する可
撓性の薬液用プラスチック容器に関するものである。
液剤、血漿増量剤、浸透圧利尿剤、アミノ酸輸液剤、脂
肪乳剤、高カロリー輸液剤等の静脈注射用薬液や、経腸
栄養剤、高蛋白栄養剤、成分栄養剤、流動食等の経腸的
高カロリー栄養剤などの経口用薬液を内部に収容する可
撓性の薬液用プラスチック容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の薬液用プラスチック容器
としては、特開昭63―248633号公報に記載され
ているものが知られている。この従来の薬液用プラスチ
ック容器は、滅菌時の耐熱性が105℃以上であり、薬
液投与時の自然滴下に適した柔軟性を有し、さらに、内
部の医薬品や流動食の薬液が外部から良く観察すること
ができるよう透明性を有している。
としては、特開昭63―248633号公報に記載され
ているものが知られている。この従来の薬液用プラスチ
ック容器は、滅菌時の耐熱性が105℃以上であり、薬
液投与時の自然滴下に適した柔軟性を有し、さらに、内
部の医薬品や流動食の薬液が外部から良く観察すること
ができるよう透明性を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の薬
液用プラスチック容器は、高カロリー輸液の収容に利用
されているが、高カロリー輸液として脂肪乳剤が使用さ
れた場合、上記従来の薬液用プラスチック容器では、こ
の脂肪乳剤の作用により容器を構成するプラスチックの
組成物が溶出して、輸液の品質の低下や安全性の問題が
あった。また、従来の薬液用プラスチック容器では、酸
素のバリヤ性がないので、アミノ酸のような酸素により
変質しやすい薬液を収容して長期間保存するには不向き
である。
液用プラスチック容器は、高カロリー輸液の収容に利用
されているが、高カロリー輸液として脂肪乳剤が使用さ
れた場合、上記従来の薬液用プラスチック容器では、こ
の脂肪乳剤の作用により容器を構成するプラスチックの
組成物が溶出して、輸液の品質の低下や安全性の問題が
あった。また、従来の薬液用プラスチック容器では、酸
素のバリヤ性がないので、アミノ酸のような酸素により
変質しやすい薬液を収容して長期間保存するには不向き
である。
【0004】本発明は、従来のこの種の薬液用プラスチ
ック容器における欠点の解消を図るものであって、脂肪
乳剤入りの高カロリー輸液に使用したとしても、プラス
チック組成物が溶出せず、かつ酸素バリヤ性にすぐれて
おり、脂肪乳剤やアミノ酸輸液剤等を長期間にわたって
劣化、変質させることなく保存できるうえ、柔軟性にも
すぐれていて、自然滴下による薬液の投与に適した薬液
用プラスチック容器を提供することを目的とするもので
ある。
ック容器における欠点の解消を図るものであって、脂肪
乳剤入りの高カロリー輸液に使用したとしても、プラス
チック組成物が溶出せず、かつ酸素バリヤ性にすぐれて
おり、脂肪乳剤やアミノ酸輸液剤等を長期間にわたって
劣化、変質させることなく保存できるうえ、柔軟性にも
すぐれていて、自然滴下による薬液の投与に適した薬液
用プラスチック容器を提供することを目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための技術的手段として次のように構成した。す
なわち、本発明に係る薬液用プラスチック容器は、基材
層、中間層および内層の少なくとも3層で構成される薬
液用プラスチック容器であって、基材層に密度が0.8
9〜0.94g/cm3 のエチレンとα‐オレフィンと
の共重合体である線状低密度ポリエチレンであり、中間
層がエチレン‐酢酸ビニル共重合体けん化物あるいはポ
リアミドであり、内層がエチレンとプロピレンとのラン
ダム共重合体としたものである。
成するための技術的手段として次のように構成した。す
なわち、本発明に係る薬液用プラスチック容器は、基材
層、中間層および内層の少なくとも3層で構成される薬
液用プラスチック容器であって、基材層に密度が0.8
9〜0.94g/cm3 のエチレンとα‐オレフィンと
の共重合体である線状低密度ポリエチレンであり、中間
層がエチレン‐酢酸ビニル共重合体けん化物あるいはポ
リアミドであり、内層がエチレンとプロピレンとのラン
ダム共重合体としたものである。
【0006】
【作用】本発明に係るプラスチック容器は、基材層、中
間層および内層の少なくとも3層であり、内層にエチレ
ンとプロピレンとのランダム共重合体を配したので、脂
肪乳剤を充填してもプラスチックの組成物が溶出せず、
薬液の品質低下や安全性の問題が生ぜず、滅菌時の熱に
対して耐熱性があり、変形しない。また、中間層にエチ
レン‐酢酸ビニル共重合体けん化物あるいはポリアミド
を配したので、酸素バリヤ性にすぐれており、アミノ酸
輸液剤を充填してもその変質が生じない。さらに、基材
層に密度が0.89〜0.94g/cm3 のエチレンと
α‐オレフィンとの共重合体である線状低密度ポリエチ
レンを配したので、滅菌時の耐熱性、自然滴下時の柔軟
性、透明性にすぐれている。
間層および内層の少なくとも3層であり、内層にエチレ
ンとプロピレンとのランダム共重合体を配したので、脂
肪乳剤を充填してもプラスチックの組成物が溶出せず、
薬液の品質低下や安全性の問題が生ぜず、滅菌時の熱に
対して耐熱性があり、変形しない。また、中間層にエチ
レン‐酢酸ビニル共重合体けん化物あるいはポリアミド
を配したので、酸素バリヤ性にすぐれており、アミノ酸
輸液剤を充填してもその変質が生じない。さらに、基材
層に密度が0.89〜0.94g/cm3 のエチレンと
α‐オレフィンとの共重合体である線状低密度ポリエチ
レンを配したので、滅菌時の耐熱性、自然滴下時の柔軟
性、透明性にすぐれている。
【0007】
【実施例】図面を参照して本発明の好適な一実施例を説
明する。図1および図2には、本発明に係る輸液用のプ
ラスチック容器の一例が示されている。1はプラスチッ
ク容器であって、このプラスチック容器1は、ブロー成
形により構成されたものであり、胴部2の上端に口部3
を、かつ底面4に吊片5を形成してなるものである。口
部3には栓体6が溶着されている。
明する。図1および図2には、本発明に係る輸液用のプ
ラスチック容器の一例が示されている。1はプラスチッ
ク容器であって、このプラスチック容器1は、ブロー成
形により構成されたものであり、胴部2の上端に口部3
を、かつ底面4に吊片5を形成してなるものである。口
部3には栓体6が溶着されている。
【0008】上記プラスチック容器1は、図3に示すよ
うに、少なくとも基材層7、中間層8および内層9の3
層構造からなるものであって、基材層7と中間層8、中
間層8と内層9とはそれぞれ接着層10を介して接着さ
れている。基材層7の外側には外層11を有している。
うに、少なくとも基材層7、中間層8および内層9の3
層構造からなるものであって、基材層7と中間層8、中
間層8と内層9とはそれぞれ接着層10を介して接着さ
れている。基材層7の外側には外層11を有している。
【0009】次にプラスチック容器1を構成する各層の
具体例を示す。 (基材層)密度が0.89〜0.94g/cm2 のエチ
レンとα‐オレフィンとの共重合体である線状低密度ポ
リエチレン エチレンとα‐オレフィンとの共重合体であり、従来の
高圧法により製造された低密度ポリエチレン樹脂とは異
なる。α‐オレフィンとしては、例えば、プロピレン、
ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、デ
セン等の炭素数C3 〜C12のものが好ましく、これらα
‐オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン
を1〜20重量%、好ましくは3〜7重量%用い、気相
法または液相法で100Kg/cm2 以下、好ましくは
60Kg/cm2 以下の低圧法で製造されたものであ
る。この線状低密度ポリエチレンは、従来の高密度ポリ
エチレンを共重合成分により、短い枝分かれを有する構
造の重合体として実質的に長鎖分枝を持たない直鎖状の
ポリエチレンである。密度もこの短鎖枝分かれを利用し
て適度に低下させて0.89〜0.94g/cm3 とし
たものであり、曲げ弾性率(JIS K7203)は、
5000Kg/cm2 以下のもの、好ましくは3500
Kg/cm2 以下のものが使用できる。従来の低密度ポ
リエチレンより直鎖性があり、高密度ポリエチレンより
枝分かれが多い構造のポリエチレンである。具体例を商
品名で示せば、ユニポール(UCC社)、ダウレックス
(ダウケミカル社)、スクレアー(デュポン社)、マー
レックス(フィリップス社)、ウルトゼックス(三井石
油化学)などが挙げられる。この基材層の肉厚は、全体
の20〜80%で容器の柔軟性を保持するうえで必要で
ある。 (中間層) エチレン‐酢酸ビニル共重合体けん化物 エチレン‐酢酸ビニル共重合体けん化物は、エチレン含
有量25〜50モル%、好ましくは25〜45モル%、
けん化度96%以上、好ましくは98%以上であり、エ
チレン含有量が25モル%より低くなると親水性が大き
くなって水蒸気透過性が大きくなるとともに、押出し成
形による加工性が低下し、またエチレン含有量が50モ
ル%を越えると酸素や炭酸ガスに対する耐気体透過性が
失われる。一方けん化度が95%より低くなると酸素や
炭酸ガスに対する耐気体透過性が失われ、けん化度は9
6%以上必要である。 ポリアミド 本発明で使用されるポリアミドは、ナイロン‐6、ナイ
ロン‐66、ナイロン610、ナイロン‐11等のナイ
ロン樹脂が含まれるが、特にメタキシレンジアミンとア
ジピン酸との重縮合反応が得られるメタキシリレン含有
ポリアミド樹脂がガスバリヤ性の点で好ましい。 (内層) エチレンとプロピレンとのランダム共重合体 エチレンとプロピレンとのランダム共重合体であり、こ
のエチレンプロピレンランダム共重合体中のエチレンの
含有量は3〜9重量%であり、好ましくは4〜9重量%
である。エチレンの含有量が3重量%未満では得られる
組成物の柔軟性が劣る。一方、9重量%を越えるもの
は、ポリマーの製造時に難があり、満足した状態で製造
することは困難である。このエチレンプロピレンランダ
ム共重合体は、MFR(JIS K6758)が0.5
〜5.0g/10min、曲げ弾性率(JIS K72
03)が10000Kg/cm2 以下のもの、好ましく
は5000Kg/cm2 以下のものが使用できる。
具体例を示す。 (基材層)密度が0.89〜0.94g/cm2 のエチ
レンとα‐オレフィンとの共重合体である線状低密度ポ
リエチレン エチレンとα‐オレフィンとの共重合体であり、従来の
高圧法により製造された低密度ポリエチレン樹脂とは異
なる。α‐オレフィンとしては、例えば、プロピレン、
ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、デ
セン等の炭素数C3 〜C12のものが好ましく、これらα
‐オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン
を1〜20重量%、好ましくは3〜7重量%用い、気相
法または液相法で100Kg/cm2 以下、好ましくは
60Kg/cm2 以下の低圧法で製造されたものであ
る。この線状低密度ポリエチレンは、従来の高密度ポリ
エチレンを共重合成分により、短い枝分かれを有する構
造の重合体として実質的に長鎖分枝を持たない直鎖状の
ポリエチレンである。密度もこの短鎖枝分かれを利用し
て適度に低下させて0.89〜0.94g/cm3 とし
たものであり、曲げ弾性率(JIS K7203)は、
5000Kg/cm2 以下のもの、好ましくは3500
Kg/cm2 以下のものが使用できる。従来の低密度ポ
リエチレンより直鎖性があり、高密度ポリエチレンより
枝分かれが多い構造のポリエチレンである。具体例を商
品名で示せば、ユニポール(UCC社)、ダウレックス
(ダウケミカル社)、スクレアー(デュポン社)、マー
レックス(フィリップス社)、ウルトゼックス(三井石
油化学)などが挙げられる。この基材層の肉厚は、全体
の20〜80%で容器の柔軟性を保持するうえで必要で
ある。 (中間層) エチレン‐酢酸ビニル共重合体けん化物 エチレン‐酢酸ビニル共重合体けん化物は、エチレン含
有量25〜50モル%、好ましくは25〜45モル%、
けん化度96%以上、好ましくは98%以上であり、エ
チレン含有量が25モル%より低くなると親水性が大き
くなって水蒸気透過性が大きくなるとともに、押出し成
形による加工性が低下し、またエチレン含有量が50モ
ル%を越えると酸素や炭酸ガスに対する耐気体透過性が
失われる。一方けん化度が95%より低くなると酸素や
炭酸ガスに対する耐気体透過性が失われ、けん化度は9
6%以上必要である。 ポリアミド 本発明で使用されるポリアミドは、ナイロン‐6、ナイ
ロン‐66、ナイロン610、ナイロン‐11等のナイ
ロン樹脂が含まれるが、特にメタキシレンジアミンとア
ジピン酸との重縮合反応が得られるメタキシリレン含有
ポリアミド樹脂がガスバリヤ性の点で好ましい。 (内層) エチレンとプロピレンとのランダム共重合体 エチレンとプロピレンとのランダム共重合体であり、こ
のエチレンプロピレンランダム共重合体中のエチレンの
含有量は3〜9重量%であり、好ましくは4〜9重量%
である。エチレンの含有量が3重量%未満では得られる
組成物の柔軟性が劣る。一方、9重量%を越えるもの
は、ポリマーの製造時に難があり、満足した状態で製造
することは困難である。このエチレンプロピレンランダ
ム共重合体は、MFR(JIS K6758)が0.5
〜5.0g/10min、曲げ弾性率(JIS K72
03)が10000Kg/cm2 以下のもの、好ましく
は5000Kg/cm2 以下のものが使用できる。
【0010】発明者の実験によれば、この内層を構成す
るエチレンとプロピレンとのランダム共重合体には、ラ
ンダム共重合体に対して40重量%以下、好ましくは1
0〜30重量%の特定のエチレンとα‐オレフィンとの
共重合体をブレンドすることにより、さらに溶出を防止
することができることが判明した。ここで使用する特定
のエチレンとα‐オレフィンとの共重合体とは、エチレ
ン含有量が1〜20重量%であり、α‐オレフィンとし
てブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、
デセン等の炭素数C4 〜C12のものであり、C4 のブテ
ンがα‐オレフィンとして特に好適である。
るエチレンとプロピレンとのランダム共重合体には、ラ
ンダム共重合体に対して40重量%以下、好ましくは1
0〜30重量%の特定のエチレンとα‐オレフィンとの
共重合体をブレンドすることにより、さらに溶出を防止
することができることが判明した。ここで使用する特定
のエチレンとα‐オレフィンとの共重合体とは、エチレ
ン含有量が1〜20重量%であり、α‐オレフィンとし
てブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、
デセン等の炭素数C4 〜C12のものであり、C4 のブテ
ンがα‐オレフィンとして特に好適である。
【0011】本発明の薬液用プラスチック容器は、ブロ
ー成形、射出成形、シート成形等の中空状の容器を成形
する成形方法が広く利用できる。
ー成形、射出成形、シート成形等の中空状の容器を成形
する成形方法が広く利用できる。
【0012】実施例1〜6、比較例1〜4
【表1】
【表2】 表1に示す合成樹脂材料を表2に示す基材層/接着層/
中間層/接着層/内層の5層構造で加熱管状体に押出
し、ブロー成形し、図1に示す形状の内容量が500c
cのプラスチック容器を成形した。なお、比較例1は表
1にLL(1)として示すエチレンとブテン1からなる
線状低密度ポリエチレンの単層構造に形成したものであ
る。これらのプラスチック容器について、以下に示すバ
リヤ性、耐熱性、柔軟性および透明性の評価を行った。
その結果を上記表2に示す。なお、表2に示す層構成の
欄に記載した数値は内厚を示すもので、単位はμmであ
る。 バリヤ性試験 20℃、60%R,Hの酸素透過度を測定した。 耐熱性試験 プラスチック容器に水500ccを充填して110℃、
30分の滅菌処理を施した後、そのプラスチック容器の
外観を目視検査した。 評価○:外観に変化はなかった。 評価△:若干白化あるいは変形が認められるが、実用性
を阻害するものではない。 評価×:白化あるいは変形があり、使用できない。 溶出性試験 プラスチック容器に大豆油を充填し、110℃、30分
の滅菌処理を施した後、プラスチック容器内の大豆油の
外観を目視検査した。なお、ここで大豆油は脂肪乳剤の
代替として使用した。大豆油を乳化させることにより構
成されている脂肪乳剤は、プラスチックの組成物の溶出
による白濁が観察できないので、観察のために大豆油を
使用した。 評価○:外観に変化はなかった。 評価△:若干白濁が認められるが、実用性を阻害するも
のではない。 評価×:プラスチックの組成物が溶出し、内容液が白濁
した。衛生性が悪く使用できない。 柔軟性試験 曲げ弾性率(JIS K7113)を測定した。 全光線透過率 全光線透過率とは、セル内に水を充填し、試験片を水に
浸漬した状態で、JISK6714に規定する420n
mの波長における可視光線の入射量と全光線透過量との
比を表したものである。表2から明かなように、中間層
にエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物あるいはポリア
ミドを配することにより、酸素透過量を抑えることがで
きる。基材層に線状低密度ポリエチレンを配することに
より、耐熱性と柔軟性および透明性が得られた。基材層
に高圧法低密度ポリエチレンを配したものでは耐熱性に
劣り、基材層に低圧法高密度ポリエチレンを配したもの
では柔軟性に乏しいだけでなく、全光線透過率が30%
と透明性も乏しい。また、実施例4より、内層に配する
エチレンプロピレンランダム共重合体として、エチレン
プロピレンランダム共重合体にエチレン含有量が90重
量%のエチレンと、ブテン1のランダム共重合体を1.
5重量%ブレンドしたものは、大豆油に対する溶出量が
さらに抑えることができることが分かった。 実施例7〜12、比較例5〜9
中間層/接着層/内層の5層構造で加熱管状体に押出
し、ブロー成形し、図1に示す形状の内容量が500c
cのプラスチック容器を成形した。なお、比較例1は表
1にLL(1)として示すエチレンとブテン1からなる
線状低密度ポリエチレンの単層構造に形成したものであ
る。これらのプラスチック容器について、以下に示すバ
リヤ性、耐熱性、柔軟性および透明性の評価を行った。
その結果を上記表2に示す。なお、表2に示す層構成の
欄に記載した数値は内厚を示すもので、単位はμmであ
る。 バリヤ性試験 20℃、60%R,Hの酸素透過度を測定した。 耐熱性試験 プラスチック容器に水500ccを充填して110℃、
30分の滅菌処理を施した後、そのプラスチック容器の
外観を目視検査した。 評価○:外観に変化はなかった。 評価△:若干白化あるいは変形が認められるが、実用性
を阻害するものではない。 評価×:白化あるいは変形があり、使用できない。 溶出性試験 プラスチック容器に大豆油を充填し、110℃、30分
の滅菌処理を施した後、プラスチック容器内の大豆油の
外観を目視検査した。なお、ここで大豆油は脂肪乳剤の
代替として使用した。大豆油を乳化させることにより構
成されている脂肪乳剤は、プラスチックの組成物の溶出
による白濁が観察できないので、観察のために大豆油を
使用した。 評価○:外観に変化はなかった。 評価△:若干白濁が認められるが、実用性を阻害するも
のではない。 評価×:プラスチックの組成物が溶出し、内容液が白濁
した。衛生性が悪く使用できない。 柔軟性試験 曲げ弾性率(JIS K7113)を測定した。 全光線透過率 全光線透過率とは、セル内に水を充填し、試験片を水に
浸漬した状態で、JISK6714に規定する420n
mの波長における可視光線の入射量と全光線透過量との
比を表したものである。表2から明かなように、中間層
にエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物あるいはポリア
ミドを配することにより、酸素透過量を抑えることがで
きる。基材層に線状低密度ポリエチレンを配することに
より、耐熱性と柔軟性および透明性が得られた。基材層
に高圧法低密度ポリエチレンを配したものでは耐熱性に
劣り、基材層に低圧法高密度ポリエチレンを配したもの
では柔軟性に乏しいだけでなく、全光線透過率が30%
と透明性も乏しい。また、実施例4より、内層に配する
エチレンプロピレンランダム共重合体として、エチレン
プロピレンランダム共重合体にエチレン含有量が90重
量%のエチレンと、ブテン1のランダム共重合体を1.
5重量%ブレンドしたものは、大豆油に対する溶出量が
さらに抑えることができることが分かった。 実施例7〜12、比較例5〜9
【表3】 表1に示す合成樹脂材層を表3に示す外層/基材層/接
着層/中間層/接着層/内層の6層構造で加熱管状に押
出し、ブロー成形し、図1に示す形状の内量量が500
ccのプラスチック容器を成形した。表3より、外層に
エチレン、プロピレンランダム共重合体を配したことに
より、耐熱性がさらに向上した。なお、表3に示す層構
成の欄に記載した数値は内厚を示すもので、単位はμm
である。 実施例13〜18、比較例9〜12
着層/中間層/接着層/内層の6層構造で加熱管状に押
出し、ブロー成形し、図1に示す形状の内量量が500
ccのプラスチック容器を成形した。表3より、外層に
エチレン、プロピレンランダム共重合体を配したことに
より、耐熱性がさらに向上した。なお、表3に示す層構
成の欄に記載した数値は内厚を示すもので、単位はμm
である。 実施例13〜18、比較例9〜12
【表4】 表1に示す示す合成樹脂材層を表4に示す外層/接着層
/中間層/接着層/基材層/内層の6層構造で加熱管状
体に押出し、ブロー成形し、図1に示す形状の内重量が
500ccのプラスチック容器を成形した。表4によ
り、外層にエチレン‐プロピレンランダム共重合体を配
することにより、耐熱性がさらに向上するとともに、エ
チレン酢酸ビニル共重合体けん化物あるいはポリアミド
の中間層をより外層側に形成して、内部の液状から離し
たので、滅菌によるバリヤ性の低下もより抑制すること
ができる。なお、表4に示す層構成の欄に記載した数値
は内厚を示すもので、単位はμmである。
/中間層/接着層/基材層/内層の6層構造で加熱管状
体に押出し、ブロー成形し、図1に示す形状の内重量が
500ccのプラスチック容器を成形した。表4によ
り、外層にエチレン‐プロピレンランダム共重合体を配
することにより、耐熱性がさらに向上するとともに、エ
チレン酢酸ビニル共重合体けん化物あるいはポリアミド
の中間層をより外層側に形成して、内部の液状から離し
たので、滅菌によるバリヤ性の低下もより抑制すること
ができる。なお、表4に示す層構成の欄に記載した数値
は内厚を示すもので、単位はμmである。
【0013】
【発明の効果】本発明は、前記のように構成されている
ので、次の効果を奏する。すなわち、脂肪乳剤によって
もプラスチックの組成物が溶出されず、かつ酸素バリヤ
性にすぐれており、脂肪乳剤やアミノ酸輸液剤等を長期
間にわたって劣化、変質させることなく保存できるう
え、柔軟性にもすぐれていて、自然滴下による輸液に適
した薬液用プラスチック容器を得ることができる。
ので、次の効果を奏する。すなわち、脂肪乳剤によって
もプラスチックの組成物が溶出されず、かつ酸素バリヤ
性にすぐれており、脂肪乳剤やアミノ酸輸液剤等を長期
間にわたって劣化、変質させることなく保存できるう
え、柔軟性にもすぐれていて、自然滴下による輸液に適
した薬液用プラスチック容器を得ることができる。
【図1】本発明に係る薬液用プラスチック容器の正面図
である。
である。
【図2】本発明に係る薬液用プラスチック容器の側面図
である。
である。
【図3】図2の破線で囲んだ部分を拡大して示す断面図
である。
である。
1 プラスチック容器 2 胴部 3 口部 4 底面 5 吊片 6 栓体 7 基材層 8 中間層 9 内層 10 接着層 11 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61J 1/10 A61L 2/26 B65D 1/09
Claims (1)
- 【請求項1】 基材層、中間層および内層の少なくとも
3層で構成される薬液用プラスチック容器であって、基
材層に密度が0.89〜0.94g/cm3のエチレン
とα‐オレフィンとの共重合体である線状低密度ポリエ
チレンであり、中間層がエチレン‐酢酸ビニル共重合体
けん化物あるいはポリアミドであり、内層がエチレンと
プロピレンとのランダム共重合体であることを特徴とす
る薬液用プラスチック容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21034191A JP3030525B2 (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 薬液用プラスチック容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21034191A JP3030525B2 (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 薬液用プラスチック容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0531154A JPH0531154A (ja) | 1993-02-09 |
JP3030525B2 true JP3030525B2 (ja) | 2000-04-10 |
Family
ID=16587806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21034191A Expired - Lifetime JP3030525B2 (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 薬液用プラスチック容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3030525B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0428204D0 (en) * | 2004-12-23 | 2005-01-26 | Clinical Designs Ltd | Medicament container |
JP4939405B2 (ja) * | 2005-04-28 | 2012-05-23 | 株式会社大塚製薬工場 | 薬液容器収容体およびその製造方法 |
CN101157397A (zh) * | 2006-01-16 | 2008-04-09 | 东莞佳鸿机械制造有限公司 | 吹塑成形的输液容器及其制造方法以及其制造所用材料 |
PT2080501E (pt) | 2006-10-27 | 2015-07-31 | Otsuka Pharma Co Ltd | Solução de fármaco tendo um teor reduzido de oxigénio dissolvido, método de produção da mesma e unidade para conter a solução de fármaco tendo um teor reduzido de oxigénio dissolvido |
-
1991
- 1991-07-29 JP JP21034191A patent/JP3030525B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0531154A (ja) | 1993-02-09 |
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