JP3030306U - 食品包装用袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 袋の開口部から海苔等の破損しやすい食品を
出し入れする際に破損する虞れがなく、また海苔等を袋
内に封入する作業工程において袋の縁部を容易に封着す
ることができかつ袋の幅径を必要以上に大径とすること
がないとともに、袋がチャック部材に付勢されて変形す
る虞れのない包装用袋を提供する。 【解決手段】 ２枚の合成樹脂製シート２の周縁におけ
る幅広側の右側縁１ａ部分に開閉自在な合成樹脂製のチ
ャック部材３を配設するとともに、このチャック部材３
と右側縁１ａとの間に切断部４を形成して食品包装用袋
１を形成する。袋内に食品を封入する際には、チャック
部材３を配設した右側縁１ａのみを開口しこれを食品封
入部とし、袋内に食品６を封入した後、チャック部材３
を封止しそれから右側縁１ａをヒートシール等により封
着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、海苔など密封状態を保持すべき食品を好適に収納することができる 開閉自在な合成樹脂製のチャック部材を配設した食品包装用袋に係り、特に海苔 など破損しやすい食品の出し入れに際して破損させずに極めて容易かつスムーズ に出し入れすることのできる食品包装用袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、海苔など密封状態を保持すべき食品を好適に収納するための食品包装用 袋としては、縦長の長方形の袋の上縁部分に開閉自在なチャック部材とこのチャ ック部材と上縁との間に切断部を横方向に並列して形成し、その上縁をヒートシ ール等により封着した食品包装用袋が存在している。この食品包装用袋は、使用 者がまず切断部を切断しチャック部材を開き収納された食品を取り出し、その後 袋中に残った食品についても密封状態を保持すべくチャック部材を封止するもの である。

【０００３】 そして、この食品包装用袋は、工場等において食品を袋内に封入する際には、 チャック部材が配設されてなる上縁と相対向する下縁を開口しておき、この下縁 から袋内に食品を封入した後、下縁をヒートシール等の手段で封着している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、幅狭な袋上部にチャック部材を配設した従来の食品包装用袋に あっては、使用者は上縁の切断部を切断しチャック部材を開き、この上縁開口部 から海苔等を出し入れするのであるが、その際開口部の幅径が小さいことから、 その取り出しがスムーズにゆかないばかりか、海苔の如く破損しやすい食品にあ っては引っ掛けて破損する虞れがあった。

【０００５】 また、従来の食品包装用袋にあっては、工場等において食品を袋内に封入する 際に、チャック部材が配設されてなる上縁と相対向する下縁のみを開口させここ から袋内に食品を入れた後、下縁をヒートシール等の手段で封着するという作業 が通常行われており、この作業では封着する袋の下縁に作業工程上の余裕をもっ たシール代が一定程度の幅で必要となり、このことは袋を必要以上に大きくする 不効率なものであった。また、前記シール代を幅狭とした場合には密封し損ねる 虞れがあるとともに、２枚の軟らかい合成樹脂製シートを狭い幅径の中で保持固 定しつつヒートシールするというきわめて困難な作業を余儀なくされるものであ った。

【０００６】 さらに、従来の食品包装用袋は袋を構成する合成樹脂製シートが軟らかく、こ の合成樹脂製シートに対しシートと比較して堅いチャック部材を貼着すると長方 体形状の袋がチャック部材に付勢されて捩じれたり曲がったりして変形する虞れ があり、このように変形した袋は食品を出し入れし難いだけでなく店頭に並べら れた場合に美感を損ねるものであった。

【０００７】 そこで、本考案にあっては、袋の開口部から海苔等の破損しやすい食品を出し 入れする際に破損する虞れも全くなく極めて容易かつ迅速に取り出すことができ 、また食品を袋内に封入する作業工程において袋の縁部を容易に封着することが できかつ袋の幅径を必要以上に大径とすることがないとともに、袋がチャック部 材に付勢されて変形する虞れがなく海苔等の破損しやすく出し入れのしにくい食 品の収納体としては理想的な包装用袋を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成すべく、本考案の包装用袋は、２枚の合成樹脂製シートの 周縁を封止し内部に食品を封入してなる長方体形状の食品包装用袋において、長 方体形状の幅広側の一側部分に食品出し入れ用のチャック部材を配設するととも に、該チャック部材と前記幅広側の一側部分の側縁との間に切断部を形成したこ とを特徴とするものである。

【０００９】 また、チャック部材を配設した幅広側の一側部分の側縁を食品封入工程におけ る食品封入部としてもよい。

【００１０】 また、食品包装用袋本体に表わされてなる模様、図形、文字、記号等の表示体 をチャック部材上にも一連一体的に表わしてもよい。

【００１１】

【考案の実施の形態】

図１は、本考案の食品包装用袋を示し、図中１は縦長な長方体形状の食品包装 用袋であり、２は合成樹脂製シート、３は合成樹脂製シート２の右側部に縦方向 に一体的に被着形成された凹溝と凸条とからなる開閉自在な食品出し入れ用の合 成樹脂製のチャック部材、４は食品包装用袋１におけるチャック部材３が配設さ れている右側縁１ａに点線と鋏の表示体を施して形成されている切断部、５は食 品包装用袋１の正面に印刷形成された模様、図形、文字、記号等を表わす表示体 、６は食品包装用袋１内に封入される食品であり、本実施例にあっては複数枚の 長方形のシート状の海苔を一例として説明する。

【００１２】 前記合成樹脂製シート２には、その硬度を従来の食品包装用袋に用いられる合 成樹脂製シートの硬度より増大させており、これにより合成樹脂製シート２に堅 いチャック部材３を貼着しても長方体形状の袋はチャック部材３に付勢されて捩 じれたり曲がったりして変形する虞れがなくなり、この種食品包装用袋として食 品を出し入れし易くかつ所要の美感を保持して店頭や食卓に置くことができるも のである。

【００１３】 この食品包装用袋１は、図２の横断面図に示す如く、袋のヒートシール等によ り封着された右側縁１ａの内方にチャック部材３が上下縦方向に並列して配設さ れ、このチャック部材３と右側縁１ａとの間に切断部４が形成されている。この ように、チャック部材３及び切断部４が袋の上縁でなく縦方向の側縁部分に形成 されていることで、上縁部分にチャック部材を設けた従来の食品包装用袋と比較 して開口部の幅径が増大して中の食品６が取り出し易くなり、また海苔等のこわ れやすい食品であっても破損する虞れがなくなるものである。そして、店頭にこ の食品包装用袋１を並べる際にも袋の上下は縁ぎりぎりで封着されて従来の袋の 如き幅広なシール代等が存在しないことから、袋を立てた状態で不必要に場所を とることなしに整然と並べることが可能となる。

【００１４】 また、工場等において本考案の食品包装用袋１内に食品６を封入する作業工程 にあっては、まず２枚の合成樹脂製シート２に予めチャック部材３を配設しかつ 表示体５を印刷形成するとともに、上縁、下縁及び左側縁１ｂをその縁ぎりぎり でヒートシール等により封着し（若しくは折り返し状態でもよい）、チャック部 材３が配設されている右側縁１ａのみを開口させこれを食品封入部とする。そし て、図３に示す如く、この右側縁１ａ開口部から合成樹脂製のトレイに入った食 品６を袋内に入れ、つぎにチャック部材３を封止し、最後に右側縁１ａをヒート シール等により封着する。

【００１５】 この右側縁１ａに対するヒートシール等の封着作業にあっては、その前工程で チャック部材３が封止され右側縁１ａは開くことなく直線状に揃うことから、２ 枚の合成樹脂製シート２が開かないように直線状に揃える等の手間を要すること なく容易かつ確実に封着することができる。このように、本考案の食品包装用袋 １にあっては、右側縁１ａを除く３つの縁部についていずれも食品封入工程以前 に予め縁ぎりぎりで封着することができ、さらに最後に封着されるチャック部材 ３が配設された右側縁１ａは幅広なシール代を必要とすることなく容易にヒート シールすることができることから、従来の食品包装用袋と比較して本考案の食品 包装用袋１はその幅径を小さくすることができ、これにより収納・保管に際し不 必要な場所をとらなくなるものである

【００１６】 また、食品包装用袋１の正面に印刷形成された表示体５は、図１に示す如く、 チャック部材３上にも一連一体的に表わされていることから、デザイン的にチャ ック部材３がことさら目立つことなくまた違和感なく充分な美感を保持して店頭 あるいは食卓等に供されることができる。

【００１７】 尚、本実施例にあっては、食品包装用袋に収納する食品を海苔として説明した が、勿論これに限定されることはなく、密封状態を必要とする他の食品であって もよいものである。

【００１８】

【考案の効果】

以上詳述した如く、本考案の食品包装用袋によれば、２枚の合成樹脂製シート の周縁を封止し内部に食品を封入してなる長方体形状の食品包装用袋において、 長方体形状の幅広側の一側部分に食品出し入れ用のチャック部材を配設するとと もに、該チャック部材と前記幅広側の一側部分の側縁との間に切断部を形成した ことで、切断部を切断しチャック部材を開いて食品を出し入れする際に、袋の開 口部が幅広となることから、海苔等の破損しやすい食品を破損させずに極めて容 易かつスムーズに出し入れすることができるとともに、海苔など密封状態を保持 すべき食品を出し入れ自在に好適に収納することができるものである。

【００１９】 また、チャック部材を配設した幅広側の一側部分の側縁を食品封入工程におけ る食品封入部とした場合には、チャック部材を配設した幅広側の一側部分の側縁 を開口しておき袋内に海苔等の食品を封入した後、チャック部材を封止しさらに この側縁を封着する作業工程となることで、幅広側の一側部分の側縁に対するヒ ートシール等の封着作業の前工程でチャック部材が封止されその側縁は開くこと なく直線状に揃うことから、２枚の合成樹脂製シートが開かないように直線状に 揃える等の手間を要することなく容易かつ確実に、そして幅広の余分なシール代 を要することなく封着することができるとともに、チャック部材が配設された側 縁を除く３つの縁部がいずれも封入工程以前に予め縁ぎりぎりで封着されること から、本考案の食品包装用袋の幅径は従来の食品包装用袋と比較して小さくする ことができ、これにより食品包装用袋の収納・保管及び流通過程において不必要 な場所をとらない優れた経済性を発揮するものである。

【００２０】 また、食品包装用袋本体に表わされてなる模様、図形、文字、記号等の表示体 をチャック部材上にも一連一体的に表わした場合には、デザイン的にチャック部 材がことさら目立つことなくまた違和感なく充分な美感を保持して店頭あるいは 食卓等に供されることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の食品包装用袋の斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】本考案の食品包装用袋における食品の封入工程
を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 食品包装用袋 １ａ 右側縁 １ｂ 左側縁 ２ 合成樹脂製シート ３ チャック部材 ４ 切断部 ５ 表示体 ６ 食品

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚の合成樹脂製シートの周縁を封止し
   内部に食品を封入してなる長方体形状の食品包装用袋に
   おいて、長方体形状の幅広側の一側部分に食品出し入れ
   用のチャック部材を配設するとともに、該チャック部材
   と前記幅広側の一側部分の側縁との間に切断部を形成し
   たことを特徴とする食品包装用袋。
2. 【請求項２】 チャック部材を配設した幅広側の一側部
   分の側縁を食品封入工程における食品封入部としたこと
   を特徴とする請求項１記載の食品包装用袋。
3. 【請求項３】 食品包装用袋本体に表わされてなる模
   様、図形、文字、記号等の表示体をチャック部材上にも
   一連一体的に表わしたことを特徴とする請求項１記載の
   食品包装用袋。