JP3029784U - フィルムカートリッジ用簡易ホルダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】現像処理済のフィルムをカートリッジ内に収容
したままの状態で取り扱うようにしたフィルム現像処理
システムに適用し得るようになしたフィルムカートリッ
ジ用簡易ホルダーを供する。 【解決手段】一枚のシート部材でなり、長さ方向の中間
部分において二つ折りに折り畳まれる折り線２を介して
第１のシート領域３と第２のシート領域４とを有し、第
２のシート領域の自由端側を第１のシート領域の裏面側
に固定して、折り線側に両側縁部が開口する環状の収納
物保持部８を形成し、少なくとも第１のシート領域に
は、折り線に沿って中心線が平行にのびる実質的には長
方矩形の抜き孔９を備え、ホルダーに対して、その両側
縁部のいずれかの開口からフィルムカートリッジを挿入
し、第１のシート領域に設けた抜き孔にフィルムカート
リッジの一部が外方に露出するようはめ込んで支持する
ようにした簡易ホルダー。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、新規に開発され提供されるフィルムカートリッジのための簡易ホ ルダーに関するものであって、特に、撮影済であって、且つ現像処理済のフィル ムをフィルムカートリッジ内に収容したままの状態で取り扱うようにしたフィル ム現像処理システムにおいて、該フィルム現像処理システムに適用し得るように なしたフィルムカートリッジ用簡易ホルダーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、現在市販されている一般的な撮影用フィルムは、所謂ロールフ ィルムと称し、フィルムカートリッジに巻取り並びに巻出し可能なように収容さ れ提供されている。従来、このロールフィルムの現像処理並びにプリント処理（ ＤＰ：Development and Print 処理）は、以下のようにシステム処理化されてい る。先ず、撮影済のフィルムは、カートリッジ内に巻き戻した状態で、顧客から 依頼取り扱い店に持ち込まれ、この依頼取り扱い店において、ＤＰ処理発注用封 筒に顧客の希望する処理事項を書き込み、該ＤＰ処理発注用封筒にカートリッジ を収納した状態で集中現像処理所、所謂ラボへ移送される。

【０００３】 この集中現像処理所では、ＤＰ処理発注用封筒に記載のある必要なＤＰ処理（ 例えば、フィルムの現像処理、同時プリント処理、焼き増しあるいは引き伸ばし プリント処理）が集中的になされる。しかる後、集中現像処理所においてＤＰ処 理がなされたフィルムは、スリーブあるいはマウントに仕上げられた状態（いず れの場合も現像済のフィルムはカートリッジから取り出された裸の状態である） で、同時プリントの場合には、その複数のプリントとともに、ＤＰ処理発注用封 筒に納められ、依頼取り扱い店を経由して顧客の手元に戻るようなシステム処理 化がなされている。

【０００４】 一方、上記するＤＰ処理のシステム処理化に対して、撮影済であって、且つ現 像処理済のフィルムを前記フィルムカートリッジ内に収容したままの状態で取り 扱うようにしたフィルム現像処理システムが採られ始めている。上記する従来の ＤＰ処理システムに対し、このフィルム現像処理システムの大きな特徴は、顧客 の手元に戻ってくる現像処理済のフィルムがカートリッジ内に収容されたままの 状態にあることであり、それによって、現像処理済フィルムの損傷を可及的に防 止し得る作用効果を奏するようになっている。

【０００５】 しかしながら、上記するようなフィルム現像処理システムの場合は、上記する 作用効果を奏する反面、現像処理済のフィルムがカートリッジ内に収容されたま まであるがために、顧客は、撮影済の画像を視認することができない。そこで、 このフィルム現像処理システムの場合は、カートリッジ入りの現像処理済フィル ムに対し、所謂コンタトプリント(Contact Print: 密着焼印画) が作成され、添 付されるようになっている。このコンタクトプリントは、厳密な密着焼ののもで あってもよいし、あるいは縮小されるものであってもよい。それらは、一枚のシ ートに焼き付け処理されており、例えば、インデックスフォトと称して、後処理 のためにインデックスとしてファイリングできるようになっている。

【０００６】 この新規なフィルム現像処理システムにおいて、カートリッジ内の現像処理済 フィルムと、インデックスフォトとの対応関係を明確にしておくため、カートリ ッジの外周面の特定の部位、並びにインデックスフォトの適宜位置にフィルムナ ンバーが記載されるようになっている。

【０００７】 この新規なフィルム現像処理システムにあって、その取り扱いの過程において 指摘されている問題は、カートリッジ内の現像処理済フィルムと、インデックス フォトとをＤＰ処理発注用封筒に納めて、依頼取り扱い店を経由して顧客の手元 に戻す移送過程並びにその後の取り扱いに際して、カートリッジが立体構造物と して嵩ばるものであり、同封添付のインデックスフォトを損傷させてしまうなど の点にあり、その問題点の解消が望まれている。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案は、上記する従来指摘されていた問題点を解消しようとする ものであり、極めて簡易的な構造のものであって、製造が容易であり、極めて安 価なフィルムカートリッジ用簡易ホルダーを供するものであり、それによって、 ＤＰ処理発注用封筒内でのカートリッジを効果的にホールドし、且つ同封添付の インデックスフォトの損傷を可及的に防止することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、概して長さ寸 法Ｌ₁ 、実質外径寸法Ｒの円筒体であって、径方向に背反する二つの母線に沿っ て円筒体外周面から外方に向けてのびる突出部を備え、内部にフィルムを巻出し 可能に収容するフィルムカートリッジであり、 撮影済であって、且つ現像処理済のフィルムを前記フィルムカートリッジ内に 収容したままの状態で取り扱うようにしたフィルム現像処理システムにおいて、 該フィルム現像処理システムに適用されるフィルムカートリッジのための簡易ホ ルダーであって、 一枚のシート部材からなり、長さ方向の中間部分において二つ折りに折り畳ま れる折り線を介して第１のシート領域と第２のシート領域とを有し、 前記第２のシート領域の自由端側を前記第１のシート領域の裏面側に固定して 前記折り線側に両側縁部が開口する環状の収納物保持部を形成し、少なくとも前 記第１のシート領域には、前記折り線から距離Ｌ₂ の位置に前記折り線に沿って 中心線が平行にのびる長さ寸法Ｌ₁ 、幅寸法Ｗ（幅寸法Ｗは、前記フィルムカー トリッジの実質外径寸法Ｒより若干小さい寸法）の抜き孔を備えてなり、 前記ホルダーに対して、その両側縁部のいずれかの開口から前記フィルムカー トリッジを挿入し、前記第１のシート領域に設けた抜き孔に前記フィルムカート リッジの一部が外方に露出するようはめ込んで支持するようにしたフィルムカー トリッジ用簡易ホルダーを構成するものである。

【００１０】

【考案の実施の態様】 以下、この考案になるフィルムカートリッジ用簡易ホルダーについて図面に示 す具体的な実施例にもとづいて詳細に説明する。 図１は、この考案にかかるフィルムカートリッジ用簡易ホルダーについての具 体的な実施例を示すものであって、該簡易ホルダーにフィルムカートリッジを装 着した状態を示すもので、併せて同封添付のインデックスフォトを仮想線で示す ものである。図２は、図１の中央部分において簡易ホルダーを断面にして示す概 略的な側断面図である。図３は、この考案にかかるフィルムカートリッジ用簡易 ホルダーの別の具体的な実施例を示すものであって、第１及び第２のシート領域 の双方に抜き孔を設けた例を示す概略的な斜視図である。図４は、抜き孔の形態 についてその異なる例を示す概略的な平面図である。

【００１１】 まず、この考案の適用にかかるフィルムカートリッジ２１について説明する。 このフィルムカートリッジ２１は、両端面２２、２３および外周面２４を含むも のであって、両端面２２、２３間の長さ寸法がＬ₁ であって、円筒状部分の実質 外径寸法がＲであって、径方向に背反する二つの母線に沿って円筒体外周面２４ から外方に向けてのびる突出部２５、２６を備え、内部にフィルムを巻出し可能 に収容する構造体である。前記突出部のうちの一方２５には、フィルム巻き出し スロット２７が設けてある。さらに、前記フィルムカートリッジ２１の外周面２ ４の一部にフィルムナンバー記入部２８が設けてある。

【００１２】 一方、この考案になるフィルムカートリッジ用簡易ホルダー１は、一枚のシー ト部材の型抜き成形によって形成される。この考案において当該フィルムカート リッジ用簡易ホルダー１を構成するシート部材としては、紙、合成紙、プラスチ ック材などが効果的に適用される。この考案にあって、シート部材が紙などの場 合は、紙の持つ弾発的な復元性が効果的に作用する。前記フィルムカートリッジ 用簡易ホルダー１は、長さ方向の中間部分において二つ折りに折り畳まれる折り 線２を備えていて、前記折り線２を介して第１のシート領域３と第２のシート領 域４とを区画形成するものからなっている。

【００１３】 前記フィルムカートリッジ用簡易ホルダー１は、前記第２のシート領域４の自 由端側６が前記第１のシート領域３の裏面側３ｂに、例えば接着剤を介して固定 されている。前記簡易ホルダー１は、前記第１のシート領域３の自由端側５と前 記第２のシート領域４の裏面側６とを接着剤によって固定するように構成したも のであってもよい。このようにすることによって、前記簡易ホルダー１は、前記 折り線２側に両側縁部７、７が開口する環状の収納物保持部８を形成する。

【００１４】 一方、前記簡易ホルダー１は、前記第１のシート領域３および第２のシート領 域４の少なくともそのうちの一方、例えば前記第１のシート領域３に対して、そ の収納物保持部８に対応する部分であって、前記折り線から距離Ｌ₂ の位置に前 記折り線に沿って中心線が平行にのびる長さ寸法Ｌ₁ 、幅寸法Ｗ（幅寸法Ｗは、 前記フィルムカートリッジの実質外径寸法Ｒより若干小さい寸法）の抜き孔９が 設けてある。

【００１５】 この考案になるフィルムカートリッジ用簡易ホルダー１において、前記抜き孔 ９は、図１および図２に示すもののように、前記第１のシート領域３にのみ設け たものであってもよいし、あるいは、図３に示すもののように、前記第１のシー ト領域３および前記第２のシート領域４の双方に、それぞれ対応する部位に設け たものであってもよい。

【００１６】 前記抜き孔９は、図１に示されるように実質的には長さ寸法Ｌ₁ 、幅寸法Ｗの 長方形状のものであることが好ましい。前記抜き孔９は、上記する長方形状のも のにのみ限定されるものではなく、例えば、図４各図に示すもののように、その 長辺は、曲線状あるいは波線状に形成されていて、実質的に、長さ寸法Ｌ₁ 、幅 寸法Ｗを確保し、前記フィルムカートリッジをはめ込み状に引っかけて支持する ことができるものであればよい。

【００１７】 より好ましい実施例において、前記簡易ホルダー１は、前記第１のシート領域 ３に対し、その収納物保持部８に対応する部分であって、両側縁部に一対の切り 込み１０、１０を設けておき、収納物保持部８を拡げ易いように構成しておくこ ともできる。

【００１８】 さらに、この考案になる簡易ホルダー１は、前記第１のシート領域３の表面３ ａの余剰面域部分、及び／又は前記第２のシート領域４の表面４ａの余剰面域部 分を利用して、その部分に所望の伝達情報などを予め印刷しておく印刷面域１１ を設けておくことができる。この印刷面域１１は、別の実施例において、その後 の適宜印字ないしは書き込みに対して適合する印字ないしは書き込み面域であっ てもよい。

【００１９】 一方、図１において、参照符号１２は、所謂コンタトプリント様のインデック スフォトである。このインデックスフォト１２は、一枚のシートによって構成さ れるものであり、前記カートリッジ内に納められている現像済のフィルムのコン タクトプリントであり、各コマ画像１３と、フィルムナンバー１４とが同時にプ リントアウトされていて、現像済のフィルムとのフィルムナンバーを対応させて その各コマ画像を視認することができるようになっている。

【００２０】

【考案の効果】

以上の構成になるこの考案のフィルムカートリッジ用簡易ホルダーは、構造が 極めて簡素であり、製造が容易であって、工場サイドにおける多量生産化に適合 し得るなどの点において、経済的に極めて安価に供し得るものであって、その点 において有利に作用し得るものであり、さらに、取り扱い性の面においても極め て簡易的なものであるという点などと併せて極めて実効性の高いものであるとい える。

【００２１】 さらに、この考案になるフィルムカートリッジ用簡易ホルダーは、カートリッ ジ内の現像処理済フィルムと、インデックスフォトとをＤＰ処理発注用封筒に納 めて、紙の持つ弾発的な復元性を巧みに利用してフィルムカートリッジを確実に ホールドしておくことができ、依頼取り扱い店を経由して顧客の手元に戻す移送 過程並びにその後の取り扱いに際して、嵩のある立体構造物であるカートリッジ を簡易的にカバーリングし、それによって、ＤＰ処理発注用封筒内に同封添付の インデックスフォトの損傷を可及的に防止することができるという点においても 極めて有効に作用するものといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、この考案にかかるフィルムカートリッ
ジ用簡易ホルダーについての具体的な実施例を示すもの
であって、該簡易ホルダーにフィルムカートリッジを装
着した状態を示すもので、併せて同封添付のインデック
スフォトを仮想線で示す概略的な斜視図である。

【図２】図２は、図１の縦断中央部分において当該フィ
ルムカートリッジ用簡易ホルダーを断面にして、フィル
ムカートリッジのみ側面的に示してある概略的な側断面
図である。

【図３】図３は、この考案にかかるフィルムカートリッ
ジ用簡易ホルダーの別の具体的な実施例を示すものであ
って、第１及び第２のシート領域の双方に抜き孔を設け
た例を示す概略的な斜視図である。

【図４】図４Ａ〜図４Ｃは、抜き孔の形態についてその
異なる例を示す概略的な平面図である。

【符号の説明】

１ フィルムカートリッジ用簡易ホルダー ２ 二つ折り線 ３ 第１のシート領域 ４ 第２のシート領域 ５ 第１のシート領域３の自由端側 ６ 第２のシート領域４の自由端側 ７、７ 両側縁部 ８ 収納物保持部 ９ 長方形状の抜き孔 １１ 印刷面域 １２ インデックスフォト １３ コマ画像 １４ フィルムナンバー ２１ フィルムカートリッジ ２２、２３ カートリッジの両端面 ２４ カートリッジの外周面 ２５、２６ カートリッジの突出部 ２７ フィルム巻き出しスロット ２８ フィルムナンバー記入部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０３Ｃ 3/00 ５８０ Ｇ０３Ｃ 3/00 ５８０Ｃ Ｇ０３Ｄ 15/10 ＧＡＰ Ｇ０３Ｄ 15/10 ＧＡＰＢ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 概して長さ寸法Ｌ₁ 、実質外径寸法Ｒの
   円筒体であって、径方向に背反する二つの母線に沿って
   円筒体外周面から外方に向けてのびる突出部を備え、内
   部にフィルムを巻出し可能に収容するフィルムカートリ
   ッジであり、 撮影済であって、且つ現像処理済のフィルムを前記フィ
   ルムカートリッジ内に収容したままの状態で取り扱うよ
   うにしたフィルム現像処理システムにおいて、該フィル
   ム現像処理システムに適用されるフィルムカートリッジ
   のための簡易ホルダーであって、 一枚のシート部材からなり、長さ方向の中間部分におい
   て二つ折りに折り畳まれる折り線を介して第１のシート
   領域と第２のシート領域とを有し、 前記第２のシート領域の自由端側を前記第１のシート領
   域の裏面側に固定して前記折り線側に両側縁部が開口す
   る環状の収納物保持部を形成し、少なくとも前記第１の
   シート領域には、前記折り線から距離Ｌ₂ の位置に前記
   折り線に沿って中心線が平行にのびる長さ寸法Ｌ₁ 、幅
   寸法Ｗ（幅寸法Ｗは、前記フィルムカートリッジの実質
   外径寸法Ｒより若干小さい寸法）の抜き孔を備えてな
   り、 前記ホルダーに対して、その両側縁部のいずれかの開口
   から前記フィルムカートリッジを挿入し、前記第１のシ
   ート領域に設けた抜き孔に前記フィルムカートリッジの
   一部が外方に露出するようはめ込んで支持するようにし
   たことを特徴とするフィルムカートリッジ用簡易ホルダ
   ー。
2. 【請求項２】 前記フィルムカートリッジの一部にフィ
   ルムナンバー記入部が設けてあり、前記フィルムカート
   リッジを前記ホルダーに挿入した際、前記フィルムナン
   バー記入部が前記第１のシート領域に設けた抜き孔から
   外方に露出するようにはめ込んで支持してなることを特
   徴とする請求項１に記載のフィルムカートリッジ用簡易
   ホルダー。