JP3029249B2 - 超伝導回路基板の取付構造およびその取付方法 - Google Patents

超伝導回路基板の取付構造およびその取付方法

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JP3029249B2 JP9130212A JP13021297A JP3029249B2 JP 3029249 B2 JP3029249 B2 JP 3029249B2 JP 9130212 A JP9130212 A JP 9130212A JP 13021297 A JP13021297 A JP 13021297A JP 3029249 B2 JP3029249 B2 JP 3029249B2
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伸義 榊原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空槽内の冷却部
に取り付ける超伝導回路基板の取付構造およびその取付
方法に関し、詳しくは、真空槽内の真空引きを停止して
も該真空度が劣化することがないようにするものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、超伝導材料の臨界温度が高温化す
るのに伴って、超伝導材料を利用した電気回路の各種開
発が進められている。しかし、超伝導材料の臨界温度が
高温化したといっても、例えば、70K(絶対温度)な
どの極低温状態にする必要があるため、このような超伝
導回路基板は真空槽内の冷凍機の冷却部に取り付けられ
て超伝導材料による特性を得ている。
【0003】この種の超伝導回路基板の冷却部への取付
構造としては、例えば、図15に示すようなものがある。
この取付構造においては、超伝導回路基板1を不図示の
真空槽内に設置され外部と断熱されたパルス管冷凍機の
冷却部2に面接触させることによって、超伝導回路基板
1を所望の温度に冷却できるようにしている。この冷却
部2は熱伝導および電気伝導に優れた銅などの金属材料
により作製されているので、超伝導回路基板1の裏面に
形成したグランドプレーンからアースを取ることを可能
にするために、熱伝導性や電気伝導性に優れるインジウ
ム材料7のロウ付けにより超伝導回路基板1の裏面を固
着することが行なわれている。なお、インジウム材料7
のロウ付け、所謂、インジウムハンダはその溶融温度
(157℃)程度の作業温度で行なわれる。
【0004】なお、図15中、3は表面に超伝導材料より
なる回路を形成する超伝導回路用の基板部材、4は基板
部材3表面に形成された超伝導材料よりなる回路パター
ン、5は超伝導回路基板1(基板部材3)の裏面に形成
された超伝導材料よりなるグランドプレーン、6はその
グランドプレーン5に積層された金電極層である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の超伝導回路基板の冷却部への取付にあって
は、超伝導回路基板1および冷却部2は双方共に駆動時
には70Kなどの極低温になって各々の材料の熱膨張率
に応じて熱収縮するので、双方に固着されたインジウム
材料7は相対移動することが許されず、双方の熱収縮の
差により生じる応力が加えられる。このため、柔らかい
インジウム材料7であっても亀裂剥離が生じてしまう場
合があり、信頼性に欠けるという問題があった。
【0006】この問題を解消するために、図16(a)に
示すように、超伝導回路基板1と冷却部2の間にインジ
ウムシート8を挟んで一定以上の圧力で押し付けること
により熱伝導性や電気伝導性を確保する状態で取り付
け、超伝導回路基板1と冷却部2の間に熱収縮の差が生
じても平面方向に滑べることを許容するようにして、そ
のインジウムシート8に亀裂が生じないようにすること
が考えられる。
【0007】しかるに、この超伝導回路基板1を実装し
て使用する際に装置全体を小型にする必要がある場合に
は、真空槽内を真空引きして真空断熱状態にした後に
は、その真空ポンプを外して小型のパルス管冷凍機など
により70Kの極低温状態を維持することが求められ
る。しかし、冷却部2の取付面および超伝導回路基板1
の裏面は全面に亙って面接触させるために凹凸なく形成
するにも限界があるとともに、超伝導回路基板1と冷却
部2の間にインジウムシート8を挟むときに、図16
(b)に示すように、各々の部材間に作業雰囲気の空気
などのガス(以下、単に空気として説明する)9を挟み
込んでしまうことを避けることができない。このため、
超伝導回路基板1の裏面または冷却部2の取付面とイン
ジウムシート8との間の残留ガスが真空ポンプを外した
後に真空槽内との圧力差により漏れ出てしまい、真空度
を悪くしてしまうという問題が生じる。
【0008】そこで、本発明は、真空引き後に残留ガス
が真空槽内に漏れ出ることをなくして、真空槽内の真空
度を維持できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1に記載の発明は、真空槽内で超伝導材料が超伝導
状態となる極低温に冷却された冷却部の取付面に超伝導
回路基板の裏面を一定以上の圧力を加えて面接触させ取
り付ける取付構造であって、冷却部の取付面に刻設され
該取付面の縁に至る溝と、該溝に隣接して基板の裏面に
対向する取付面の対向面および該基板の裏面の間に、該
冷却部の取付面側のみまたは基板の裏面側のみに固着し
挟まれるスペーサ層とを備え、冷却部の取付面の溝と
基板の裏面との間で真空槽内に連通する空間を画成する
とともに、スペーサ層を冷却部の取付面と基板の裏面と
の間の接触圧力により変形する熱伝導性が高くかつ真空
槽内にガスを発生しない伝導性材料により構成したこと
を特徴とするものである。
【0010】この請求項1に記載の発明では、取付面の
溝に隣接する対向面は、取付面全面の場合よりも平面度
を向上されるとともに、基板の裏面側に全面が接触する
ときよりも大きな接触圧力で面接触してスペーサ層を変
形させつつそのスペーサ層を介して密着する。このた
め、スペーサ層は、熱伝導性が高くかつ脱ガスのない伝
導性材料により構成され、超伝導材料が超伝導状態とな
る極低温に超伝導回路基板を冷却する真空槽内におい
て、その冷却部の取付面側のみまたは基板の裏面側のみ
に固着して(取付面の対向面および基板の裏面の双方に
固着されることなく)、効率よく熱伝導可能にその取付
面と基板の裏面を接合する。また、取付面全面を基板の
裏面に面接触させたときに空気を挟み込む領域に溝が刻
設されたときにはその領域が真空槽内に連通されること
になる。したがって、スペーサ層との間に空気を挟んで
残留ガスとしてしまうことをなくすことができるととも
に、残留ガスがあったとしても漏れ出ることを制限する
ことができる。また、取付面全面を基板の裏面に面接触
させたときに残留ガスとなっていた空気は真空引きする
ことができる。さらに、冷却部の取付面と基板の裏面と
の間に大きな熱収縮の差が生じてもスペーサ層はその面
に対して滑べることを許容され相対移動することができ
る。なお、スペーサ層を固着された冷却部の取付面側ま
たは基板の裏面側においては残留ガスが存在する可能性
は非常に低くなり、また残留ガスがあったとしてもその
周囲はスペーサ層が固着されて漏れ出ることがない。
【0011】
【0012】請求項に記載の発明は、請求項1に記載
の構成に加え、前記冷却部の取付面の対向面の縦断面形
状を、基板の裏面側に向かって突出する三角形状あるい
は湾曲形状に形成したことを特徴とするものである。こ
の請求項に記載の発明では、冷却部の取付面の対向面
は、取付時には三角形状あるいは湾曲形状の頂部からス
ペーサ層を介して基板の裏面に、あるいは基板の裏面側
のスペーサ層に接触される。したがって、基板の裏面あ
るいは取付面の対向面とスペーサ層との間に空気を挟ん
で残留ガスとしてしまうことをなくすことができる。
【0013】請求項に記載の発明は、真空槽内で超伝
導材料が超伝導状態となる極低温に冷却された冷却部の
取付面に超伝導回路基板の裏面を一定以上の圧力を加え
て面接触させ取り付ける取付構造であって、冷却部の取
付面と基板の裏面との間に該冷却部の取付面側のみまた
は基板の裏面側のみに固着して挟まれて真空槽内に連通
する空間を側面側に画成する複数のスペーサ層を設け、
該スペーサ層を冷却部の取付面と基板の裏面との間の接
触圧力により変形する熱伝導性が高くかつ真空槽内にガ
スを発生しない伝導性材料により構成したことを特徴と
するものである。
【0014】この請求項に記載の発明では、上記請求
項に記載の発明における溝を冷却部の取付面に刻設する
ことなく、その取付面と基板の裏面との間に挟まれた
数のスペーサ層の側面側の空間により、取付面全面を基
板の裏面に面接触させたときに空気を挟み込む領域を真
空槽内に連通されることになる。一方、スペーサ層自体
は、同様に、熱伝導性が高くかつ脱ガスのない伝導性材
料により構成され、超伝導材料が超伝導状態となる極低
温に超伝導回路基板を冷却する真空槽内において、その
冷却部の取付面側のみまたは基板の裏面側のみに固着し
て(取付面の対向面および基板の裏面の双方に固着され
ることなく)、大きな接触圧力で変形されつつ密着さ
れ、これらを効率よく熱伝導可能に接合する。したがっ
て、スペーサ層との間に空気を挟んで残留ガスとしてし
まうことをなくすことができるとともに、残留ガスがあ
ったとしても漏れ出ることを制限することができる。ま
た、取付面全面を基板の裏面に面接触させたときに残留
ガスとなっていた空気を真空引きすることができる。さ
らに、冷却部の取付面と基板の裏面との間に大きな熱収
縮の差が生じてもスペーサ層はその面に対して滑べるこ
とを許容され相対移動することができる。
【0015】請求項に記載の発明は、請求項1から
の何れかに記載の構成に加え、前記伝導性材料として、
前記接触圧力により変形する熱伝導性および電気伝導性
の高い伝導性材料を用いることを特徴とするものであ
る。この請求項に記載の発明では、冷却部の取付面と
基板の裏面とはスペーサ層により熱だけでなく電気をも
良好に伝導可能に接合される。したがって、基板の裏面
が超伝導回路のグランド面(グランドプレーン)の場合
にも冷却部側に電気的に接続することができる。
【0016】請求項に記載の発明は、請求項1、2、
または4に記載の超伝導回路基板の取付方法であって、
前記冷却部の取付面あるいは基板の裏面の一方側に溶融
する前記伝導性材料を付着させて固着させることにより
前記スペーサ層を形成した後に、基板の裏面を冷却部の
取付面に一定以上の圧力を加えて該スペーサ層を介して
面接触させ取り付けることを特徴としている。
【0017】この請求項に記載の発明では、冷却部の
取付面あるいは基板の裏面の一方側は、溶融する伝導性
材料が付着されてスペーサ層が固着された後にそのスペ
ーサ層を介して他方側に面接触される。このとき、スペ
ーサ層は、溶融する伝導性材料の表面張力によりその表
面が滑らかになる。したがって、残留ガスをより少なく
することができる。また、スペーサ層を冷却部の取付面
に固着する場合には基板側の超伝導材料への固着作業に
よる損傷を考慮する必要がない。
【0018】請求項に記載の発明は、請求項3または
に記載の超伝導回路基板の取付方法であって、前記冷
却部の取付面あるいは基板の裏面の一方側に溶融する前
記伝導性材料の付着しない材料により形成され該一方側
の面の一部を露出させる絶縁膜を形成した後に、該絶縁
膜により露出されている部分に溶融する伝導性材料を付
着させて固着することにより前記スペーサ層を形成し、
この後に、基板の裏面を冷却部の取付面に一定以上の圧
力を加えて該スペーサ層を介して面接触させ取り付ける
ことを特徴としている。
【0019】この請求項に記載の発明では、冷却部の
取付面あるいは基板の裏面の一方側は、絶縁膜のない露
出されている部分のみに溶融する伝導性材料が付着され
てスペーサ層が固着形成された後にそのスペーサ層を介
して他方側に面接触される。このとき、スペーサ層は、
溶融する伝導性材料の表面張力により湾曲する形状とな
り、その頂面より空気を押し出しつつ面接触される。し
たがって、残留ガスをより少なくすることができる。ま
た、スペーサ層を冷却部の取付面に固着する場合には基
板側の超伝導材料への固着作業による損傷を考慮する必
要がない。
【0020】ここで、前記基板の裏面と冷却部の取付面
との間に画成する空間(溝)は、例えば、一方向に延在
する複数本の縞状、格子状あるいは放射状に形成した
り、直線状に限らず、任意に屈曲・湾曲させてもよい。
また、この空間の隣接する部分でスペーサ層が基板の裏
面や冷却部の取付面に密着する面積は、その超伝導回路
基板の冷却効率を考慮して設定すればよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図1および図2は本発明に係る超伝導回路基板
の取付構造およびその取付方法の第1実施形態を示す図
であり、本実施形態は、請求項1、4、5に記載の発明
に対応する。なお、以降で説明する実施形態において、
上述した従来技術と同様な構成には同一の符号を付して
簡単に説明する。
【0022】まず、構成を説明する。図1において、超
伝導回路基板10は、基板部材3の表面側に超伝導材料よ
りなる回路パターン4が形成されるとともに、その裏面
11側には超伝導材料よりなるグランドプレーン5および
金電極層6が積層されて不図示の真空槽内に配置された
パルス管冷凍機の冷却部20の取付面21に一定の荷重を掛
けて面接触させるように構成されており、この超伝導回
路基板(以下、単に基板ともいう)10の裏面11には金電
極層6の表面に熱伝導性および電気伝導性に優れるイン
ジウム層(伝導性材料)12が冷却部20の取付面21との間
に挟むように固着(積層)されている。すなわち、イン
ジウム層12がスペーサ層を構成している。
【0023】一方、冷却部20の取付面21は、縦断面形状
を台形に形成され一方向に直線状に延在する複数の台形
部22が、図2に示すように、縞状に並設された凹凸形状
に形成されており、その台形部22の間で一方向の両端側
の面外に臨んで開口する複数の溝23を形成し、基板10を
取り付けたときには、その裏面11と溝23との間で真空槽
内に連通する空間を画成する。また、冷却部20の取付面
21は、台形部22の上面22aの面積が機械加工によって容
易に高精度な平面にすることのできる程度の大きさに設
定されており、基板10を取り付けたときには、その台形
部22の上面22aが基板10の裏面11に対向してインジウム
層12に面接触し局所的に接合する。すなわち、台形部22
の上面22aが対向面を構成している。
【0024】ここで、インジウム層12は、グランドプレ
ーン5および金電極層6を熱的および電気的な抵抗を低
く抑えて冷却部20の取付面21に接合させ基板10の効率の
よい熱交換およびアース接続を可能にするために基板10
の裏面に固着するものであり、台形部22上面22aが面接
触する接触圧力によりその形状に倣うように変形して密
着するように柔らかいインジウム材料により形成されて
いる。このインジウム材料は、長期に亙って真空槽内で
継続使用しても変質せずにガスも発生しないことからも
好適な金属材料であり、このような特性を有する材料
は、他に例えば、金なども挙げられることから、金電極
層6に台形部22の上面22aを直接接触させて接合するよ
うにしてもよいが、インジウムは金よりも柔らかく取付
面21の台形部22上面22aに密着させ易いので、基板10の
裏面11にはインジウム層12を形成するのが好適である。
【0025】次に、超伝導回路基板10の冷却部20の取付
面21への取付方法を図3を用いて説明する。まず、基板
部材3の表裏に超伝導材料の回路パターン4およびグラ
ンドプレーン5を形成された超伝導回路基板10を準備し
て、そのグランドプレーン5の表面に金をスパッタリン
グ法などの所謂、真空蒸着法により固着(付着)させて
金電極層6を形成した後に(図3(a))、窒素雰囲気
中で溶融するインジウム材料中にその金電極層6を浸漬
させるなどして付着させて引き上げ、この後には、その
表面張力により平坦となる状態を維持しつつインジウム
材料を固化させインジウム層12を金電極層6に固着させ
形成する(図3(b))。なお、インジウム層12の作製
は、これに限るものではなく、真空蒸着法などにより作
製してもよいが、表面張力により金電極層6の表面粗さ
をインジウム層12の表面に現れることなく平坦に形成で
きるため、本実施形態のように溶融したインジウム材料
を付着させ固化させるのが好適である。
【0026】次いで、この超伝導回路基板10を冷却部20
の取付面21上に載置して一定の荷重を掛けることによ
り、その裏面11が取付面21の台形部22上面22aに面接触
する状態で超伝導回路基板10を冷却部20に取り付ける
(図3(c)、図3(d))。このとき、超伝導回路基
板10の裏面11には取付面21の台形部22上面22aのみが荷
重による接触圧力で面接触するので、その台形部22の間
の溝23との間で真空槽内に連通する空間を取付面21内に
画成するとともに、取付面21の全面が面接触するよりも
大きな接触圧力で上面22aが面接触してインジウム層12
を倣うように変形させて密着し熱的および電気的に接合
する。
【0027】なお、回路パターン4やグランドプレーン
5は超伝導材料により形成されているので、例えばYB
COにより形成されている場合には大気中での作業温度
を約190℃を超えないようにしてダメージを与えない
ようにする必要がある。例えば、金の融点は1000℃
を超えるのに対してインジウムは157℃であることか
ら、本実施形態のように超伝導回路基板10の裏面に溶融
するインジウム材料を付着させてインジウム層12を固着
させることができる。
【0028】このため、本実施形態では、超伝導回路基
板10の裏面11の金電極層6に表面を平坦にして固着させ
たインジウム層12を、高精度な平面に形成した取付面21
の台形部22上面22aに空気を挟み込まずに面接触させて
密着させることができ、真空槽内を真空引きする際に
は、取付面21を全面接触させる場合に残留ガスを挟み込
んでいた領域からも溝23により画成される空間から真空
引きすることができる。したがって、超伝導回路基板10
と冷却部20とを熱伝導および電気伝導を可能に接合する
ことができ、真空ポンプを外した後に真空槽内に残留ガ
スが漏れ出して真空度を低下させてしまうことがない。
仮に、台形部22の上面22aとインジウム層12との間にガ
スを挟んでしまったとしても、この台形部22上面22aと
インジウム層12とは全面接触する場合よりも大きな接触
圧力で互いに面接触してそのインジウム層12が倣うよう
に変形されて密着しているので、残留ガスが漏れ出て真
空度を低下させてしまうことはなく、また、漏れ出てし
まう場合にはその経路は溝23までと短いので一定時間以
上真空引きすることにより漏れ出る残留ガスは除去する
ことができる。また、インジウム層12は金電極層6に固
着させているので、基板10の裏面11側に残留ガスがあっ
たとしてもその周囲を密閉して漏れ出てしまうことをな
くすことができる。
【0029】また、超伝導回路基板10の裏面11に形成し
たインジウム層12は金電極層6に固着する一方、取付面
21の台形部22上面22aには面接触するだけであるので、
極低温に冷却したときに冷却部20と超伝導回路基板10と
の間に大きな熱収縮差が生じたとしてもインジウム層12
は取付面21の台形部22上面22aに対してスライドして大
きな応力を受けて損傷してしまうこともない。
【0030】本実施形態の第1の他の態様としては、図
4に示すように、台形部22に代えて、取付面21に縦断面
形状を三角形に形成され一方向に直線状に延在する複数
の三角形部32を縞状に並設してもよい。この構成によっ
ては、超伝導回路基板10を取り付ける際に、三角形部32
の頂部32aから裏面11のインジウム層12に当接すること
になって、インジウム層12を倣うように変形させること
によりその間の空気を溝23内に押し出しつつ密着させる
ことができる(請求項に記載の発明)。なお、この三
角形部32の頂部32aの角度θは超伝導回路基板10と冷却
部20との間の熱的および電気的な伝導効率を考慮して決
定すればよい。また、台形部22上面22aの縦断面形状を
三角形にしてもよい。
【0031】また、本実施形態の第2の他の態様として
は、図5に示すように、台形部22に代えて、取付面21に
縦断面形状を上方に突出する湾曲形状に形成され一方向
に直線状に延在する複数の湾曲部42を縞状に並設しても
よい。この構成によっても、第2の他の態様と同様の作
用効果を得ることができる(請求項に記載の発明)。
なお、この湾曲部42の頂部42aの曲率も同様に超伝導回
路基板10と冷却部20との間の熱的および電気的の伝導の
効率を考慮して決定すればよい。
【0032】さらに、本実施形態の第3の他の態様とし
ては、図6に示すように、台形部22に代えて、取付面21
に四角錐台部52を一方向およびその直交方向に併設し
て、格子状に交叉する溝23を画成するようにしてもよ
い。また、図示は省略するが、複数本の溝23を放射状
に、また直線状に限らず屈曲する溝を形成するようにし
てもよく、取付面21の面外に開口する溝とすることによ
り、本実施形態の作用効果を得ることができる。
【0033】次に、図7および図8は本発明に係る超伝
導回路基板の取付構造およびその取付方法の第2実施形
態を示す図であり、本実施形態は、請求項1、4、5
記載の発明に対応する。なお、本実施形態では、上述第
1実施形態と同様に構成されているので、同様な構成に
は同一の符号を付して特徴部分を中心に説明する。以降
で説明する実施形態においても同様。
【0034】まず、構成を説明する。図7において、62
はインジウム層であり、インジウム層62は、超伝導回路
基板10の裏面11側に形成するのではなく、冷却部20の取
付面21側に固着させたものであり、このインジウム層62
は、取付面21の全面を覆って台形部22の上面22aとの間
で超伝導回路基板10の裏面11に露出する金電極層6に面
接触しその接触圧力によりその表面に倣うように変形し
て局所的に接合する。
【0035】次に、超伝導回路基板10の冷却部20の取付
面21への取付方法を図8を用いて説明する。まず、台形
部22を形成された冷却部20を準備して(図8(a))、
その取付面21の表面にインジウム材料を真空蒸着法によ
り固着させる(図8(b))。次いで、基板部材3の表
面に回路パターン4を、裏面にグランドプレーン5およ
び金電極層6を形成した超伝導回路基板10を冷却部20の
取付面21上に載置して一定の荷重を掛けることにより、
その裏面11を台形部22上面22aにインジウム層62を介し
て面接触させて超伝導回路基板10を冷却部20に取り付け
る(図8(c)、図8(d))。
【0036】このとき、超伝導回路基板10の裏面11には
取付面21の台形部22上面22aのみがインジウム層62を介
して荷重による接触圧力で面接触するので、上述第1実
施形態と同様に、取付面21内に台形部22の間の溝23によ
る空間を画成するとともに、基板10の裏面11にインジウ
ム層62が金電極層6の表面に倣うように変形されつつ密
着し台形部22上面22aを熱的および電気的に接合する。
【0037】このため、本実施形態では、上述第1実施
形態と同様な作用効果を得ることができるとともに、イ
ンジウム層62は冷却部20の取付面21側に固着させている
ので、インジウム層62の作製時に超伝導回路基板10の超
伝導材料からなる回路パターン4やグランドプレーン5
にインジウム材料が付着するなどして影響を与えてしま
うことをなくすことができる。
【0038】次に、図9および図10は本発明に係る超伝
導回路基板の取付構造およびその取付方法の第3実施形
態を示す図であり、本実施形態は、請求項1、4、5
記載の発明に対応する。まず、構成を説明する。図9に
おいて、72はインジウム層であり、インジウム層72は、
超伝導回路基板10の裏面11側に形成するのではなく、冷
却部20の取付面21側に固着させたものであり、このイン
ジウム層72は、取付面21の台形部22上面22aの表面にの
みに形成され、超伝導回路基板10の裏面11に面接触して
その接触圧力によりその表面に露出する金電極層6に倣
うように変形して局所的に接合する。
【0039】次に、超伝導回路基板10の冷却部20の取付
面21への取付方法を図10を用いて説明する。まず、台形
部22を形成された冷却部20を準備して(図10(a))、
その台形部22の上面22aを窒素雰囲気中で溶融するイン
ジウム材料中に浸漬させた後に引き上げて固化させイン
ジウム層72を固着させる(図10(b))。このとき、イ
ンジウム層72は、台形部22上面22aにその表面張力によ
り頂面72aが湾曲する状態で固化する。
【0040】次いで、基板部材3の表面に回路パターン
4を、裏面にグランドプレーン5および金電極層6を形
成した超伝導回路基板10を、冷却部20の取付面21上に載
置して一定の荷重を掛けることにより、その裏面11を台
形部22上面22a上のインジウム層72に面接触させて超伝
導回路基板10を冷却部20に取り付ける(図10(c)、図
10(d))。
【0041】このとき、超伝導回路基板10の裏面11には
取付面21の台形部22上面22aのみがインジウム層72を介
して荷重による接触圧力で面接触するので、上述第1、
第2実施形態と同様に取付面21内に台形部22の間の溝23
による空間を画成するとともに、基板10の裏面11にイン
ジウム層72が湾曲する頂面72aから接触することにより
その間の空気を溝23内に押し出しつつ金電極層6の表面
に倣うように変形されて密着し台形部22上面22aを熱的
および電気的に接合する。
【0042】このため、本実施形態では、上述第2実施
形態と同様な作用効果を得ることができるとともに、イ
ンジウム層72は取付面21の台形部22上面22a上で湾曲し
て超伝導回路基板10の裏面11にその頂面72aから接触す
るので、その間の空気を溝23に押し出すことができ、残
留ガスを挟み込んでしまうことがない。また、インジウ
ム層72は取付面21の台形部22上面22aのみに固着させる
ので、インジウム材料の使用量を抑えることができ、溝
23による空間の縦断面積を小さくしてしまうこともな
い。さらに、インジウム層72は冷却部20の取付面21側に
固着させるようにしたので、超伝導回路基板10の超伝導
材料からなる回路パターン4やグランドプレーン5にイ
ンジウム層72を付着させる際の作業温度などが影響する
ことがなく、インジウム材料以外を選択することができ
る。
【0043】次に、図11および図12は本発明に係る超伝
導回路基板の取付構造およびその取付方法の第4実施形
態を示す図であり、本実施形態は、請求項3、4、6
記載の発明に対応する。まず、構成を説明する。図11に
おいて、冷却部20の取付面21は、上述実施形態における
台形部22などを設けずに凹凸のない平面形状に形成され
ており、その台形部22上面22aに対応する位置のみのパ
ターン上にインジウム層82が固着されている。このた
め、インジウム層82は、超伝導回路基板10を冷却部20に
取り付ける際には、その裏面11に頂面82aが面接触して
金電極層6に倣うように変形し局所的に取付面21を接合
するとともに、その側面82b側で裏面11と取付面21との
間に真空槽内に連通する空間83を画成する。
【0044】次に、超伝導回路基板10の冷却部20の取付
面21への取付方法を図12を用いて説明する。まず、平面
形状の取付面21を有する冷却部20を準備して(図12
(a))、その取付面21上の上述実施形態における台形
部22上面22aに対応する位置以外に溶融するインジウム
材料を弾く絶縁材料のパターン(絶縁膜)84を形成し
(図12(b))、その冷却部20の取付面21を窒素雰囲気
中で溶融するインジウム材料中に浸漬させた後に引き上
げて固着させインジウム層82を形成する(図12
(c))。このとき、インジウム層82は、取付面21のパ
ターン84に覆われずに露出する部分に付着して台形部22
上面22aと同様のパターンで固着されるとともに、その
表面張力により頂面82aが湾曲する状態で固化する。
【0045】次いで、基板部材3の表面に回路パターン
4を、裏面にグランドプレーン5および金電極層6を形
成した超伝導回路基板10を、冷却部20の取付面21上に載
置して一定の荷重を掛けることにより、その裏面11をイ
ンジウム層82に面接触させて超伝導回路基板10を冷却部
20に取り付ける(図12(d)、図12(e))。このと
き、超伝導回路基板10の裏面11には取付面21上のインジ
ウム層82が荷重による接触圧力で面接触するので、その
インジウム層82の側面82bにより空間83が取付面21と基
板10の裏面11との間に画成されるとともに、上述第3実
施形態と同様に基板10の裏面11にインジウム層82が湾曲
する頂面82aから接触することによりその間の空気を空
間83内に押し出しつつ金電極層6の表面に倣うように変
形されて密着し取付面21を熱的および電気的に接合す
る。
【0046】このため、本実施形態では、上述第3実施
形態と同様な作用効果を得ることができるとともに、イ
ンジウム層82は、平面形状の取付面21の表面にパターン
84を形成して溶融するインジウム材料に浸漬するだけ
で、上述実施形態における台形部22上面22aに対応する
パターンに形成することができ、その表面張力により頂
面82aを湾曲する状態で固化させて裏面11の金電極層6
との間に空気を挟み込むことなく密着させることができ
るとともに、その側面82b側に真空槽内に連通する空間
83を画成することができる。
【0047】なお、本実施形態では、冷却部20の取付面
21側にインジウム層82を固着させているが、このインジ
ウム層82は超伝導回路基板10の裏面11側の金電極層6の
表面に固着させるようにしてもよい。
【0048】
【実施例】次に、図13および図14は本発明に係る超伝導
回路基板の取付構造の一実施例を示す図であり、本実施
例では本発明による効果を説明する。図13において、冷
却部20の取付面21と超伝導回路基板10の裏面11とは、空
気を挟み込むことなくインジウム層を介して70mm×
70mmの面積□の接合面91で接合されており、この接
合面91には真空槽内に連通する空間を画成する溝93が中
心から放射状に計8本形成されている。
【0049】ここで、冷却部20の取付面21と超伝導回路
基板10の裏面11とを従来技術で説明したようにインジウ
ムシートを介して接合した場合にはその接合面91には残
留ガスが挟まれるが、その残留ガスは接合面91の中央に
位置する直径10mm−高さ100μmの空間100内に
挟まれ(集められ)、この空間100には溝93が連通して
いると仮定する。この溝93は本発明においては意識的に
取付面21と基板10の裏面11との間に形成するものである
が、従来技術のように接合した場合にもその接合面91に
は残留ガスが漏れてくる経路(空間)があるから、溝93
がその経路を構成するとして、本発明と従来技術とを比
較する。
【0050】比較は、溝93の長さを一律に30mmとし
て、本発明を実施したときの溝93の縦断面積を2条件
の、幅3mm×高さ100μm、幅3mm×高さ1
0μmと設定するのに対して、従来技術における溝93の
縦断面積は1条件の、幅10μm×高さ1μmと仮定
し、排気能力が150リットル/secの例えば、ターボ分子
ポンプにより真空槽内を真空引きしたときに、空間100
の位置が10-2Pa以下(所謂、分子流領域)となって
から10-4Pa以下に達するまでに掛かる時間をシュミ
レーションして行なう。
【0051】この比較では、図14に示すような結果が得
られ、本発明の溝93の条件幅3mm×高さ100μm
では図中「◆」で示すように、幅3mm×高さ10μ
mでは図中「■」で示すように、直ちに10-4Pa以下
に達して従来で問題となっていた空間100内の残留ガス
を排気して高真空にすることができる。これに対して、
従来技術を想定した溝93の条件幅10μm×高さ1μ
mでは図中「▲」で示すように、約7時間も掛かってい
る。
【0052】この結果、従来技術のように接合面91に意
識的に溝を形成しない場合に残留ガスを取り除くには長
時間真空引きを継続しなければならず、しない場合には
その残留ガスが真空ポンプを外した後に真空槽内に漏れ
出て真空度を劣化させてしまうのに対して、本発明のよ
うに意識的に溝93を形成することにより、接合面91に従
来挟まれていた残留ガスは溝93を介して迅速に排気する
ことができ、真空ポンプを外した後にも真空槽内の真空
度を劣化させることはない。
【0053】なお、本実施例で説明する空間100内の残
留ガスは、従来技術と比較するために仮想したものであ
り、本発明のように、例えば、接合面91の間に溝93を形
成するために冷却部20の取付面21に溝93を刻設したとき
には、その取付面21は超伝導回路基板10の裏面11にイン
ジウム層を介して残留ガスを挟み込むことなく密着させ
ることができるので、実際には、溝93内の空間を真空引
きすることになる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、基板の裏面と冷却部の
取付面との間に真空槽内に連通して真空引き可能な空間
を画成するとともに、その基板の裏面と冷却部の取付面
との間を容易に変形可能な伝導性材料からなるスペーサ
層により少なくとも一方側には固着させることなく局部
的に密着させるので、基板の裏面と冷却部の取付面との
間の空間を真空引きすることができるとともに、接触す
る面積を小さくすることによりその面精度を向上させて
挟み込む空気を少なく、あるいはなくすことができ、ま
た挟み込んだとしても大きな接触圧力により漏れ出る残
留ガスを抑えることができる。したがって、真空引き後
に真空槽内に漏れ出る残留ガスをなくして真空度を維持
することができる。また、スペーサ層は冷却部の取付面
あるいは基板の裏面に対して滑べらせて熱収縮の差によ
り損傷してしまうことをなくすことができる。
【0055】また、スペーサ層は、基板の裏面と冷却部
の取付面の一方に固着させることにより、固着させた側
から残留ガスが漏れ出ることを確実になくすことができ
る。このスペーサ層は、冷却部の取付面に固着させるこ
とにより基板側の超伝導材料への固着作業による損傷を
考慮することなく、幅広く伝導性材料を選択することが
できる。さらに、スペーサ層は、冷却部の取付面と基板
の裏面との間で側面側に真空槽内に連通する空間を画成
するパターンのスペーサ層とすることにより、このスペ
ーサ層を形成するだけで空間を画成可能にすることがで
きる。
【0056】さらに、基板の裏面と冷却部の取付面とを
局部的に接合する部分、すなわちスペーサ層を変形させ
つつ面接触する取付面の対向面またはスペーサ層自体の
縦断面形状を三角形状あるいは湾曲形状とすることによ
り、その部分に空気を挟み込むことをより確実になくす
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超伝導回路基板の取付構造の第1
実施形態を示す図であり、その縦断面図である。
【図2】その取付側の斜視図である。
【図3】本発明に係る超伝導回路基板の取付方法の第1
実施形態を示す図であり、その工程図である。
【図4】その取付構造の第1の他の態様を示す図であ
り、その縦断面図である。
【図5】その取付構造の第2の他の態様を示す図であ
り、その縦断面図である。
【図6】その取付構造の第3の他の態様を示す図であ
り、その取付側の斜視図である。
【図7】本発明に係る超伝導回路基板の取付構造の第2
実施形態を示す図であり、その縦断面図である。
【図8】本発明に係る超伝導回路基板の取付方法の第2
実施形態を示す図であり、その工程図である。
【図9】本発明に係る超伝導回路基板の取付構造の第3
実施形態を示す図であり、その縦断面図である。
【図10】本発明に係る超伝導回路基板の取付方法の第3
実施形態を示す図であり、その工程図である。
【図11】本発明に係る超伝導回路基板の取付構造の第4
実施形態を示す図であり、その縦断面図である。
【図12】本発明に係る超伝導回路基板の取付方法の第4
実施形態を示す図であり、その工程図である。
【図13】本発明に係る超伝導回路基板の取付構造の一実
施例を示す図であり、その透視平面図である。
【図14】その効果を説明するグラフである。
【図15】その取付構造の従来例を示す図であり、その縦
断面図である。
【図16】その従来例を示す図であり、(a)はその取付
方法、(b)はその問題を示す縦断面図である。
【符号の説明】
3 基板部材 4 回路パターン 5 プレーン 6 金電極層 10 超伝導回路基板 11 裏面 12、62、72、82 インジウム層(スペーサ層) 20 冷却部 21 取付面 22 台形部 22a 上面(対向面) 23、93 溝 32 三角形部 42 湾曲部 52 四角錐台部 83 空間 84 パターン(絶縁膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 7/20 F25D 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空槽内で超伝導材料が超伝導状態となる
    極低温に冷却された冷却部の取付面に超伝導回路基板の
    裏面を一定以上の圧力を加えて面接触させ取り付ける取
    付構造であって、 冷却部の取付面に刻設され該取付面の縁に至る溝と、該
    溝に隣接して基板の裏面に対向する取付面の対向面およ
    び該基板の裏面の間に、該冷却部の取付面側のみまたは
    基板の裏面側のみに固着して挟まれるスペーサ層とを備
    え、 冷却部の取付面の溝と基板の裏面との間で真空槽内に連
    通する空間を画成するとともに、スペーサ層を冷却部の
    取付面と基板の裏面との間の接触圧力により変形する熱
    伝導性が高くかつ真空槽内にガスを発生しない伝導性材
    料により構成したことを特徴とする超伝導回路基板の取
    付構造。
  2. 【請求項2】 前記冷却部の取付面の対向面の縦断面形状
    を、基板の裏面側に向かって突出する三角形状あるいは
    湾曲形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の
    超伝導回路基板の取付構造。
  3. 【請求項3】 真空槽内で超伝導材料が超伝導状態となる
    極低温に冷却された冷却部の取付面に超伝導回路基板の
    裏面を 一定以上の圧力を加えて面接触させ取り付ける取
    付構造であって、 冷却部の取付面と基板の裏面との間に該冷却部の取付面
    側のみまたは基板の裏面側のみに固着して挟まれて真空
    槽内に連通する空間を側面側に画成する複数のスペーサ
    層を設け、該スペーサ層を冷却部の取付面と基板の裏面
    との間の接触圧力により変形する熱伝導性が高くかつ真
    空槽内にガスを発生しない伝導性材料により構成したこ
    とを特徴とする超伝導回路基板の取付構造。
  4. 【請求項4】 前記伝導性材料として、前記接触圧力によ
    り変形する熱伝導性および電気伝導性の高い伝導性材料
    を用いることを特徴とする請求項1からの何れかに記
    載の超伝導回路基板の取付構造。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、または4に記載の超伝導回
    路基板の取付方法であって、 前記冷却部の取付面あるいは基板の裏面の一方側に溶融
    する前記伝導性材料を付着させて固着させることにより
    前記スペーサ層を形成した後に、基板の裏面を冷却部の
    取付面に一定以上の圧力を加えて該スペーサ層を介して
    面接触させ取り付けることを特徴とする超伝導回路基板
    の取付方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または4に記載の超伝導回路基板
    の取付方法であって、 前記冷却部の取付面あるいは基板の裏面の一方側に溶融
    する前記伝導性材料の付着しない材料により形成され該
    一方側の面の一部を露出させる絶縁膜を形成した後に、
    該絶縁膜により露出されている部分に溶融する伝導性材
    料を付着させて固着することにより前記スペーサ層を形
    成し、この後に、基板の裏面を冷却部の取付面に一定以
    上の圧力を加えて該スペーサ層を介して面接触させ取り
    付けることを特徴とする超伝導回路基板の取付方法。
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