JP3029061U - 救命胴衣 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 救命胴衣の両肩部分に浮力材を内蔵した構造
で、かつ肩幅調整が可能なうえ、カヌー等の重量物を担
いだときにも肩部分の変形や異物感を生じさせず、更に
身体に装着したときに身体との一体的安定感がある救命
胴衣を提供することを目的とする。 【構成】救命胴衣の前身頃１の左右一対の前肩部分２及
び３並びに後身頃４の左右一対の後肩部分５及び６につ
いて、先端を自由端とした角状となすと共に、浮力材７
を内蔵せしめ、また前肩部分２及び３の先端部に後肩部
分５及び６を挿通すべきベルト通し８及び９並びにバッ
クル付バンド１２及び１３を設け、一方後肩部分５及び
６の先端に前記バックル付バンド１２及び１３に緊締し
て係合すべき肩厚幅調整バン１０及び１１を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカヌーやラフトまたは釣り等で使用する救命胴衣について、肩厚幅調 整を極めて簡単にできるようにして、着装した救命胴衣を体形にフィットさせる ことにより落水時に救命胴衣がずり上がる等体から遊離する危険を防止すべくな すと共に、カヌー等の重量物を担いだ時にも救命胴衣の肩部分に変形や異物感が 生じない救命胴衣に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来技術としては、救命胴衣は前身頃と後身頃をベルト状の肩部分で一体的に 連結した構造となっており、肩厚幅調整は前身頃と後身頃を一体的に連結する肩 ベルトの上面に設けられた緊締バンドを締めたり緩めたりすることによって行う 構造となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術による肩厚幅調整の構造では前身頃と後身頃とを連結する肩厚幅調整 用の肩ベルトを締めたときに必然的に該ベルトにたるみが生ずることからギャザ が発生し、丁度タックをとった状態となり、また緊締バンドの固いバックルが肩 に当たるためにカヌー等の荷を担いだときに肩に異物感を感じる他、加重の方向 によってはたるんだ肩ベルトが捩れたり時には肩からずり落ちたりする不都合が あった。そこで肩ベルト部分に浮力材を内蔵して整形しかつクッション材としよ うとした場合には、肩ベルト部分を緊締バンドで締めようとしても浮力材が障害 となってタックがとれず従って肩厚幅調整のためのバンド操作が不可能になると いう重大な問題点があった。また肩ベルト部分の前身頃と後身頃のそれぞれに先 端部を自由端として互いに重なり合う幅広状のベルト部材を別途に縫着し、更に そのベルト部材の上面側に他方のベルトを通すべきベルト通しを設け、当該ベル ト部材の各々の上面側に設けた緊締バンドを締めたり緩めたりすることによって 前身頃と後身頃の間隔を調整することが出来る構造のものが考案されているが、 ベルト部材が前身頃と後身頃とに別個に縫着した構造となっていて、べルト部材 に浮力材を内蔵させないために芯がなく、従ってカヌー等の重量物を担いだとき にバックルが肩に当たって異物感が強く、また捩れが生じたりベルト部材の部分 が肩からずれる弊害が生じるほか、前身頃と後身頃及び肩が内蔵した浮力材によ って一体的に着用者の上半身を救命胴衣包み込むことによって得られる一体的安 定感が損なわれるといった問題点があった。

【０００４】 そこで本考案は、救命胴衣の両肩部分に浮力材を内蔵した構造で、かつ肩幅調 整が可能なうえ、カヌー等の重量物を担いだときにも肩部分の変形や異物感を生 じさせず、更に身体に着装した時に身体との一体的安定感がある救命胴衣を提供 することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記課題を解決する手段として、救命胴衣の前身頃と後身頃のそれ ぞれの肩部分について、浮力材を内蔵した状態で前後に分離して先端を自由端と なして一対の一体的な角状の前肩部分と後肩部分を形成し、かつ相互に対応する 前肩部分と後肩部分とが一定寸法で互いに重合する長さ寸法に構成すると共に、 前肩部分に後肩部分の先端を挿通すべきベルト通しを設け、更に後肩部分の先端 に肩厚幅調整バンドを自由端として設ける一方、前肩部分のベルト通しの下方に 肩厚幅調整ベルトと係合すべきバックル付バンドを設けた構造とする。

【０００６】

【作用】

本考案の前記の構造となっているために、後身頃の後肩部分と前身頃の前肩部 分とが肩の上で重なり合う状態となり、それぞれの肩部分に浮力材が内蔵されて いることから二重のクッション効果が生じるほか、浮力材が芯の作用とクッショ ン作用を果たすために変形する恐れがなく、またカヌー等の重量物を担いだとき に肩部分に設けたバックル付バンドが肩にあたる等の異物感を生じさせない。さ らに前身頃の前肩部分に設けたベルト通しに後身頃の後肩部分の先端を挿通し肩 厚幅調整バンドをバックル付バンドに係合させ肩厚幅調整バンドの長さを適宜引 き締めまたは緩めることにより肩幅の調整ができるものである。

【０００７】

【実施例】

本考案を実施例につき説明すれば、救命胴衣本体Ａの前身頃１の左右一対の前 肩部分２及び３並びに後身頃４の左右一対の後肩部分５及び６の各々について、 先端を自由端とした角状となすと共に、発泡ポリウレタン等の浮力材７を内蔵せ しめ、また前肩部分２及び３の先端部分に、後肩部分５及び６に対応してこれを 挿通すべきベルト通し８及び９を設ける。１０及び１１は後肩部分５及び６の各 々の先端に設けた肩厚幅調整バンドであり、先端は自由端となす。１２及び１３ は前肩部分２及び３に設けたバックル付バンドであって、バンド通し８及び９の 下方に位置して前記肩厚幅調整バンド１０及び１１と係合し、バンド通し８及び ９に挿通された後肩部分５及び６と前肩部分２及び３との重なり位置を固定する と共に肩厚幅調整バンド１０及び１１との係合間隔を締めたり緩めたりが自在に なし得る通常のバックルを具備したものである。

【０００８】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成されているため、後肩部分と前肩部分とに浮力材を 内蔵した状態で重なり具合を調整することができるので救命胴衣全体の浮力を減 失させることなく身体にフィットするように肩幅及び肩厚を適正に調整する機能 を具備できるのみならず、肩部分に重量がかかったときには浮力材が二重クッシ ョンとなって肩を保護し、また肩厚幅調整バンドを係合させるバックルが肩を圧 迫する異物感も生じない。更に肩部分にも胴部分と一体的に浮力材を内蔵させる ことによって、全体が一体化され身体に装着したときに救命胴衣と身体とが緊密 にフィットし、身体との一体性を保持することができる効果を有するものである 。

【０００９】

【図面の簡単な説明】

【図１】救命胴衣の斜視図である。

【図２】使用態様で肩部分の要部を示す側面断面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ、救命胴衣本体 １、前身頃 ２、前肩部分 ３、前肩部分 ４、後身頃 ５、後肩部分 ６、後肩部分 ７、浮力材 ８、ベルト通し ９、ベルト通し １０、肩厚幅調整バンド １１、肩厚幅調整バンド １２、バックル付バンド １３、バックル付バンド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浮力材を内蔵した救命胴衣おいて、前身
   頃１と後身頃４とを浮力材７を内蔵した状態で一体的か
   つ前後に分割して自由端となした角状の前肩部分２及び
   ３と後肩部分５及び６を形成し、それぞれの前後に対応
   する前肩部分２及び３と後肩部分５及び６とが肩部分で
   一定寸法で重なり合う長さ寸法に構成すると共に、該前
   肩部分２及び３には後肩部分５及び６の先端部を挿通す
   べきベルト通し８及び９を各々設け、更に該ベルト通し
   ８及び９に挿通されるべき後肩部分５及び６のそれぞれ
   の先端部には先端を自由端となした肩厚幅調整バンド１
   ０及び１１を設け、またベルト通し８及び９各々の下方
   に前記肩厚幅調整バンド１０及び１１と係合してこれを
   緊締すべきバックル付バンド１２及び１３を具備したこ
   とを特徴とする救命胴衣。