JP3028247B2 - 香味成分の濃縮方法 - Google Patents
香味成分の濃縮方法Info
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- JP3028247B2 JP3028247B2 JP3094682A JP9468291A JP3028247B2 JP 3028247 B2 JP3028247 B2 JP 3028247B2 JP 3094682 A JP3094682 A JP 3094682A JP 9468291 A JP9468291 A JP 9468291A JP 3028247 B2 JP3028247 B2 JP 3028247B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は氷核活性を有する微生物
が生産する氷核活性物質を氷晶核として用いる香味成分
の凍結濃縮法に関する。
が生産する氷核活性物質を氷晶核として用いる香味成分
の凍結濃縮法に関する。
【0002】
【従来の技術】氷核活性物質を生産する微生物いわゆる
氷核活性細菌(Ice Nucleation−Act
ive Bacteria)としては、シュードモナス
(Pseudomonas)属、エルウィニア(Erw
inia)属およびキサントモナス(Xanthomo
nas)属の細菌が知られている。代表的な細菌として
シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas
syringae)があり、人工降雪に利用されてお
り、この方法は米国特許第4,200,228号に開示
されている。その他有効に利用できる細菌としてエルウ
ィニア・ウレドボラ(Erwinia uredovo
ra)、 エレウィニア・アナナス(Erwinia
ananas)、エルウィニア・ヘルビコーラ (Er
winiaherbicola)、シュードモナス・フ
ルオレッセンス(Pseudomonas fluor
esces)などが挙げられる。また最近、氷核細菌の
持つ、氷核形成をつかさどる遣伝子をE.coliに導
入しE.coliに氷核活性を発現させることが報告さ
れている。[オーサー(C.0rser)ら、J.Ba
cteriol.,第164巻(1985年)、第35
9頁、アライ(S.Arai)らFEMS Micro
biol.Lett.,第61巻(1989年)、第5
3頁]。エルウィニア・ウレドボラの培養、殺菌法は小
幡らにより特開平2−76595号に提示されている。
氷核活性細菌(Ice Nucleation−Act
ive Bacteria)としては、シュードモナス
(Pseudomonas)属、エルウィニア(Erw
inia)属およびキサントモナス(Xanthomo
nas)属の細菌が知られている。代表的な細菌として
シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas
syringae)があり、人工降雪に利用されてお
り、この方法は米国特許第4,200,228号に開示
されている。その他有効に利用できる細菌としてエルウ
ィニア・ウレドボラ(Erwinia uredovo
ra)、 エレウィニア・アナナス(Erwinia
ananas)、エルウィニア・ヘルビコーラ (Er
winiaherbicola)、シュードモナス・フ
ルオレッセンス(Pseudomonas fluor
esces)などが挙げられる。また最近、氷核細菌の
持つ、氷核形成をつかさどる遣伝子をE.coliに導
入しE.coliに氷核活性を発現させることが報告さ
れている。[オーサー(C.0rser)ら、J.Ba
cteriol.,第164巻(1985年)、第35
9頁、アライ(S.Arai)らFEMS Micro
biol.Lett.,第61巻(1989年)、第5
3頁]。エルウィニア・ウレドボラの培養、殺菌法は小
幡らにより特開平2−76595号に提示されている。
【0003】凍結濃縮法は濃縮に際し他の濃縮法とくら
べ熱がかからない利点があり熱にたいし不安定な成分を
含む水溶液の濃縮に利用されている。氷核活性細菌の凍
結濃縮法への応用は、特開平2−200171号に報告
されている。かかる方法は、氷の細片を氷晶核として用
いる一般のメカニカルな凍結濃縮法に比して厳密な温度
管理が不要で極めて簡単なプロセスで濃縮が出来るとい
う利点を有する。
べ熱がかからない利点があり熱にたいし不安定な成分を
含む水溶液の濃縮に利用されている。氷核活性細菌の凍
結濃縮法への応用は、特開平2−200171号に報告
されている。かかる方法は、氷の細片を氷晶核として用
いる一般のメカニカルな凍結濃縮法に比して厳密な温度
管理が不要で極めて簡単なプロセスで濃縮が出来るとい
う利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら氷核活性
細菌を利用して特に食品への応用を考慮した場合、この
菌自体毒性のない安全な菌で食品衛生上問題はないが、
極一部の人に対して氷核細菌由来の物質がアレルギー源
となりうることを考慮すると菌由来の物質の濃縮物への
混入は避けなければならない。また菌の再利用や濃縮物
との分離容易性も考慮すべき重要な課題である。
細菌を利用して特に食品への応用を考慮した場合、この
菌自体毒性のない安全な菌で食品衛生上問題はないが、
極一部の人に対して氷核細菌由来の物質がアレルギー源
となりうることを考慮すると菌由来の物質の濃縮物への
混入は避けなければならない。また菌の再利用や濃縮物
との分離容易性も考慮すべき重要な課題である。
【0005】本発明の目的は、特に低濃度で存在する香
味成分の濃縮時に、氷核活性を十分に発現した上で安定
的に上記課題を解決しうる手段を提供することにある。
味成分の濃縮時に、氷核活性を十分に発現した上で安定
的に上記課題を解決しうる手段を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は水中に存在する
香味成分を濃縮するに際し、半透性高分子膜で構成され
る袋体に入れた氷核活性を有する微生物の菌体もしくは
氷核活性物質を含有する菌の破砕物を用いて凍結処理し
て香味成分を濃縮し回収することを特徴とする香味成分
の濃縮方法である。
香味成分を濃縮するに際し、半透性高分子膜で構成され
る袋体に入れた氷核活性を有する微生物の菌体もしくは
氷核活性物質を含有する菌の破砕物を用いて凍結処理し
て香味成分を濃縮し回収することを特徴とする香味成分
の濃縮方法である。
【0007】本発明においては半透性高分子膜を介して
被濃縮物の主要部と菌体類が非混合状態におかれる。菌
体類は通常半透性高分子膜内に固着されるのではなく、
自由流動状態で存在させることが好ましい。このような
状態は半透性高分子膜製の袋体、たとえばチューブ内に
菌体類を入れて被濃縮物中に配することによって達成さ
れる。被濃縮物の主要部と菌体類を半透性高分子膜を介
して隔離できればチューブに限らずどのような袋体も用
いうる。
被濃縮物の主要部と菌体類が非混合状態におかれる。菌
体類は通常半透性高分子膜内に固着されるのではなく、
自由流動状態で存在させることが好ましい。このような
状態は半透性高分子膜製の袋体、たとえばチューブ内に
菌体類を入れて被濃縮物中に配することによって達成さ
れる。被濃縮物の主要部と菌体類を半透性高分子膜を介
して隔離できればチューブに限らずどのような袋体も用
いうる。
【0008】氷核タンパク質の分子量が133,000
であることを考慮すると分画分子量が100,000以
下であるような半透膜が望ましく、従来使用されている
限外濾過膜、逆浸透膜、透析膜などの一般的な半透性高
分子膜を用いることができる。氷核活性の発現と氷核活
性物質の保持の両面から検討した結果、分画分子量8,
000〜50,000の半透膜が特に好ましいことも判
明した。また濃縮過程において当然のことながら氷の結
晶が生成するため氷による物理的な損傷に耐えうる膜強
度が必要である。このような半透性高分子膜としてはセ
ロファン膜、コロンジオン(ニトロセルロース)膜など
古くから使用されている膜や、アセチルセルロースなど
セルロースエステル等セルロース系のもの、ポリアクリ
ルニトリルやポリアクリルアミドのようなアクリル系、
ポリエーテルスルホン等スルホン系、ポリメチルメタク
リレートなどメタクリレート系やカーボネートとポリア
ルコールなどの共重合体、ポリオレフィン、シロキサン
等が挙げられる。また近年ホローファイバーと呼ばれる
半透性中空繊維が開発されているがこれらも使用可能で
ある。このような半透性の高分子膜に菌体を封じ込めた
後使用に先立ち透析することにより分画分子量より小さ
い物質は除くことができ、分画分子量より大きな物質は
凍結濃縮中も内部にとどまっている。氷核活性物質(氷
核タンパク質)も当然のことながら膜の内側に存在する
わけだが氷結晶が膜表面でできるため氷核活性には影響
はない。半透性高分子膜の形状は前記したように透析チ
ューブ状であることが、使いやすさ成型容易性等から好
ましいが、勿論これに限定されない。
であることを考慮すると分画分子量が100,000以
下であるような半透膜が望ましく、従来使用されている
限外濾過膜、逆浸透膜、透析膜などの一般的な半透性高
分子膜を用いることができる。氷核活性の発現と氷核活
性物質の保持の両面から検討した結果、分画分子量8,
000〜50,000の半透膜が特に好ましいことも判
明した。また濃縮過程において当然のことながら氷の結
晶が生成するため氷による物理的な損傷に耐えうる膜強
度が必要である。このような半透性高分子膜としてはセ
ロファン膜、コロンジオン(ニトロセルロース)膜など
古くから使用されている膜や、アセチルセルロースなど
セルロースエステル等セルロース系のもの、ポリアクリ
ルニトリルやポリアクリルアミドのようなアクリル系、
ポリエーテルスルホン等スルホン系、ポリメチルメタク
リレートなどメタクリレート系やカーボネートとポリア
ルコールなどの共重合体、ポリオレフィン、シロキサン
等が挙げられる。また近年ホローファイバーと呼ばれる
半透性中空繊維が開発されているがこれらも使用可能で
ある。このような半透性の高分子膜に菌体を封じ込めた
後使用に先立ち透析することにより分画分子量より小さ
い物質は除くことができ、分画分子量より大きな物質は
凍結濃縮中も内部にとどまっている。氷核活性物質(氷
核タンパク質)も当然のことながら膜の内側に存在する
わけだが氷結晶が膜表面でできるため氷核活性には影響
はない。半透性高分子膜の形状は前記したように透析チ
ューブ状であることが、使いやすさ成型容易性等から好
ましいが、勿論これに限定されない。
【0009】本発明で用いる氷核活性細菌は特に限定さ
れず氷核形成能を持ついずれの細菌も利用可能である。
れず氷核形成能を持ついずれの細菌も利用可能である。
【0010】実施例で用いた氷核活性細菌であるエルウ
ィニア・アナナスIN−10を例にその使用態様の一例
を示す。この菌の培養はシュードモナス用培地を使用で
きる。すなわちバクトトリプトン、バクトプロテオース
ペプトン、さらに硫酸マグネシウム、リン酸水素二カリ
ウムを含有する培地組成のものである。培地のpHは通
常5〜8である。
ィニア・アナナスIN−10を例にその使用態様の一例
を示す。この菌の培養はシュードモナス用培地を使用で
きる。すなわちバクトトリプトン、バクトプロテオース
ペプトン、さらに硫酸マグネシウム、リン酸水素二カリ
ウムを含有する培地組成のものである。培地のpHは通
常5〜8である。
【0011】上記培地での培養温度は、通常10〜26
℃で、26℃を越えると氷核活性が著しく低下すること
から14〜22℃が好ましい温度範囲である。培養時間
は特に限定的でないが通常は10〜96時間好ましくは
24〜48時間である。培養物は培地と菌体を遠心分離
にて分離する。菌体はさらに生理食塩水で洗浄する。遠
心分離は通常5,000〜20,000r.p.mI好
ましくは8,000〜10,000r.p.mでおこな
う。捕集した菌体はこのまま使用するかまたは超音波に
より細胞を破砕する。
℃で、26℃を越えると氷核活性が著しく低下すること
から14〜22℃が好ましい温度範囲である。培養時間
は特に限定的でないが通常は10〜96時間好ましくは
24〜48時間である。培養物は培地と菌体を遠心分離
にて分離する。菌体はさらに生理食塩水で洗浄する。遠
心分離は通常5,000〜20,000r.p.mI好
ましくは8,000〜10,000r.p.mでおこな
う。捕集した菌体はこのまま使用するかまたは超音波に
より細胞を破砕する。
【0012】このように半透性高分子膜に封じ込めた菌
もしくは菌の破砕物を香味成分を含有する水溶液(被濃
縮物)に加え、凍結せしめる。この時の凍結温度は凍結
しようとする香料母液の香味成分含有量等により異なる
が、通常希薄な水溶液の場合、−4〜−20℃、経済
面、凍結速度、氷の状態を考慮した場合−5〜−15℃
が好ましい。
もしくは菌の破砕物を香味成分を含有する水溶液(被濃
縮物)に加え、凍結せしめる。この時の凍結温度は凍結
しようとする香料母液の香味成分含有量等により異なる
が、通常希薄な水溶液の場合、−4〜−20℃、経済
面、凍結速度、氷の状態を考慮した場合−5〜−15℃
が好ましい。
【0013】この凍結操作により得られた氷/水が共存
するシャーベット状の混合体より氷と水(濃縮液)とを
分離する。分離の方法は常套の方法、すなわち濾過ある
いは遠心分離法を用いることができる。
するシャーベット状の混合体より氷と水(濃縮液)とを
分離する。分離の方法は常套の方法、すなわち濾過ある
いは遠心分離法を用いることができる。
【0014】次に例を挙げて本発明を詳しく説明する。
【0015】実施例1 バクトプロテオースペプトン2.0g、バクトトリプト
ン2.0g、K2HP040.3gおよびMgSO4.
7H2O 0.3gを200mlの蒸留水に溶解させ、
120℃で15分間オートクレーブ処理後、20℃まで
冷却、シュードモナス用寒天培地(Difco Pse
udomonas Agar F 7.6gを200m
lの水に溶解)で前培養したエルウィニア・アナナスI
N−10を1白金耳接種し、20℃、48時間回転振盪
培養(100r.p.m.)した。その後培養液を1
0,000r.p.m.で遠心分離し、菌体を生理食塩
水で2回洗浄した。菌体は湿潤状態で600mgであっ
た。
ン2.0g、K2HP040.3gおよびMgSO4.
7H2O 0.3gを200mlの蒸留水に溶解させ、
120℃で15分間オートクレーブ処理後、20℃まで
冷却、シュードモナス用寒天培地(Difco Pse
udomonas Agar F 7.6gを200m
lの水に溶解)で前培養したエルウィニア・アナナスI
N−10を1白金耳接種し、20℃、48時間回転振盪
培養(100r.p.m.)した。その後培養液を1
0,000r.p.m.で遠心分離し、菌体を生理食塩
水で2回洗浄した。菌体は湿潤状態で600mgであっ
た。
【0016】この菌体を10mlの蒸留水に懸濁させ超
音波で破砕した後、この1mlを透析用セルロースチュ
ーブ(Viskase社 分画分子量12〜14,00
0直径6mm)に封じ込め、4℃で一晩蒸留水にて透析
後使用した。
音波で破砕した後、この1mlを透析用セルロースチュ
ーブ(Viskase社 分画分子量12〜14,00
0直径6mm)に封じ込め、4℃で一晩蒸留水にて透析
後使用した。
【0017】ヨーグルトの水溶部すなわちカゼインを除
去した分画を上記の固定化した菌体を用い凍結濃縮し
た。ヨーグルトを3,000r.p.mで遠心分離し、
得られた上清部1500mlを2000mlのビーカー
に入れ、上記の透析チューブを浮遊させ、容器を−10
℃下で一晩放置。バスケット型遠心分離により氷を除去
した。この結果、発酵香気の強い濃縮物50mlを得
た。
去した分画を上記の固定化した菌体を用い凍結濃縮し
た。ヨーグルトを3,000r.p.mで遠心分離し、
得られた上清部1500mlを2000mlのビーカー
に入れ、上記の透析チューブを浮遊させ、容器を−10
℃下で一晩放置。バスケット型遠心分離により氷を除去
した。この結果、発酵香気の強い濃縮物50mlを得
た。
【0018】ヘッドスペース中の香気成分の分析を行う
ためPerkin−EImer Sigma 3B G
as Chromatograph、および分析カラム
として、化学結合型FFAP溶融シリカキャピラリカラ
ム0.25mm×50mを用いた。5ml−バイアル瓶
に試料2ml入れ、セプタム付アルミニウムキャップで
シールする。70℃10分間保持した後、ヘッドスペー
スガスを以下の条件で分析した。カラム初期温度50℃
(3分)毎分5℃にて100℃まで昇温した。定量はF
ID検知器により絶対検知量線法で行った。
ためPerkin−EImer Sigma 3B G
as Chromatograph、および分析カラム
として、化学結合型FFAP溶融シリカキャピラリカラ
ム0.25mm×50mを用いた。5ml−バイアル瓶
に試料2ml入れ、セプタム付アルミニウムキャップで
シールする。70℃10分間保持した後、ヘッドスペー
スガスを以下の条件で分析した。カラム初期温度50℃
(3分)毎分5℃にて100℃まで昇温した。定量はF
ID検知器により絶対検知量線法で行った。
【0019】図1は濃縮後、図2は濃縮前のサンプルの
ガスクロマトグラムである。表1に示したように主要香
気成分が濃縮前の香気バランスを崩すことなく濃縮され
ており、濃縮時に熱がかからないため良好な発酵臭を有
する濃縮物が得られた。
ガスクロマトグラムである。表1に示したように主要香
気成分が濃縮前の香気バランスを崩すことなく濃縮され
ており、濃縮時に熱がかからないため良好な発酵臭を有
する濃縮物が得られた。
【0020】凍結後使用した菌体の入った透析チューブ
を回収しさらに2回同様に凍結濃縮操作を繰り返した
が、氷核活性は損失しておらず同様に良好な濃縮結果を
得た。その後、3回使用した透析チューブを50mlの
蒸留水に浸漬し、4℃で一晩透析した後、透析液をLo
wry法にてタンパク含量を測定したがタンパク質は検
知されなかった。このことより繰り返し凍結による膜の
物理的損傷もなく菌体の母液(濃縮物)への混入はない
ものと考えられる。
を回収しさらに2回同様に凍結濃縮操作を繰り返した
が、氷核活性は損失しておらず同様に良好な濃縮結果を
得た。その後、3回使用した透析チューブを50mlの
蒸留水に浸漬し、4℃で一晩透析した後、透析液をLo
wry法にてタンパク含量を測定したがタンパク質は検
知されなかった。このことより繰り返し凍結による膜の
物理的損傷もなく菌体の母液(濃縮物)への混入はない
ものと考えられる。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2 実施例1と同様に調製した菌体破砕物を分画分子量4
8,000の透析チューブにより低分子の夾雑物を除去
したもの4.0mlをセントリコン・コーンカップ(グ
レースジャパン ポリスルフォン系高分子膜 分画分子
量25,000)に入れ、8000Gにて遠心分離を行
い、1.0mlまで濃縮した。濾液はLowry法によ
りタンパク質の定量を行ったが検知されなかった。この
コーンカップの下部を200mlのアップルアロマに浸
し−10℃で2時間冷却した。氷の結晶がコーンカップ
を中心に成長していくのが観察され分離に好ましい氷の
結晶が生成された。
8,000の透析チューブにより低分子の夾雑物を除去
したもの4.0mlをセントリコン・コーンカップ(グ
レースジャパン ポリスルフォン系高分子膜 分画分子
量25,000)に入れ、8000Gにて遠心分離を行
い、1.0mlまで濃縮した。濾液はLowry法によ
りタンパク質の定量を行ったが検知されなかった。この
コーンカップの下部を200mlのアップルアロマに浸
し−10℃で2時間冷却した。氷の結晶がコーンカップ
を中心に成長していくのが観察され分離に好ましい氷の
結晶が生成された。
【0023】実施例3 Schleicher & Schuell社製限外濾
過膜(コロジオンバック、分画分子量10,000)に
実施例1でのべた菌体破砕物を透析したもの2.0ml
を入れ同上用吸引装置にて吸引濾過し、侵出液を得た。
この侵出液をLowry法により粗タンパクを測定した
が検出されなかった。低分子のペプチド類が漏出してい
ないことを確認した後、コロジオンバックの外表面を蒸
留水で洗浄し、200mlの蒸留水に下部をつけ−50
℃下で冷却した。氷の結晶がコロジオンバックを中心に
生成し全体に広がっていく事が観察されたのに対し、対
照区として設置した蒸留水の方は凍結しなかった。
過膜(コロジオンバック、分画分子量10,000)に
実施例1でのべた菌体破砕物を透析したもの2.0ml
を入れ同上用吸引装置にて吸引濾過し、侵出液を得た。
この侵出液をLowry法により粗タンパクを測定した
が検出されなかった。低分子のペプチド類が漏出してい
ないことを確認した後、コロジオンバックの外表面を蒸
留水で洗浄し、200mlの蒸留水に下部をつけ−50
℃下で冷却した。氷の結晶がコロジオンバックを中心に
生成し全体に広がっていく事が観察されたのに対し、対
照区として設置した蒸留水の方は凍結しなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明による高分子の半透膜に封じ込め
た氷核活性細菌の菌体破砕物を用いて香味成分の希薄水
溶液を凍結濃縮した場合、十分な氷核活性を発現させる
ばかりでなく、取り扱いが極めて容易(たとえばチュー
ブの場合その製造が容易であると共にチューブの位置を
吊り下げるひもの位置、長さで容易に設定できる)と共
に、複数の凍結操作にも生成した氷により破損を受ける
こともなく氷核細菌由来の夾雑物が混入しない濃縮物を
得ることができる。
た氷核活性細菌の菌体破砕物を用いて香味成分の希薄水
溶液を凍結濃縮した場合、十分な氷核活性を発現させる
ばかりでなく、取り扱いが極めて容易(たとえばチュー
ブの場合その製造が容易であると共にチューブの位置を
吊り下げるひもの位置、長さで容易に設定できる)と共
に、複数の凍結操作にも生成した氷により破損を受ける
こともなく氷核細菌由来の夾雑物が混入しない濃縮物を
得ることができる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はヨーグルトホエー画分の濃縮後のヘッド
スペースガスクロマトグラムである。
スペースガスクロマトグラムである。
【図2】図2は濃縮前のガスクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−200171(JP,A) 特開 平1−266185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24
Claims (1)
- 【請求項1】 水中に存在する香味成分を濃縮するに際
し、半透性高分子膜で構成される袋体に入れた氷核活性
を有する微生物の菌体もしくは氷核活性物質を含有する
菌の破砕物を用いて凍結処理して香味成分を濃縮し回収
することを特徴とする香味成分の濃縮方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3094682A JP3028247B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 香味成分の濃縮方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3094682A JP3028247B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 香味成分の濃縮方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0591850A JPH0591850A (ja) | 1993-04-16 |
JP3028247B2 true JP3028247B2 (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=14116985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3094682A Expired - Lifetime JP3028247B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 香味成分の濃縮方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3028247B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA3070464A1 (en) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | Fairlife, Llc | Methods for making high-protein greek yogurt using membrane systems before and after fermentation |
-
1991
- 1991-01-30 JP JP3094682A patent/JP3028247B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0591850A (ja) | 1993-04-16 |
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