JP3027840U - 土中雨水貯溜槽の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】地表面に降った雨水を貯水して有効利用する設
備であって、年間湧水する最上水位が地表面より１メー
トル以上あれば、その領域に耐圧ポリエチレンタンクを
複数個設置して夫れ夫れ連通させておけば、大容量の雨
水を貯水することは可能である。日常緑地への散水・断
水時の生活用水に利用するほか、非常災害時の消火用水
としても威力を発揮する。 【解決手段】湧水がなければ地下１メートルのレベルに
コンクリートの基礎を造るのは容易である。この基礎の
上に一群の耐圧ポリタンクを図１のように設置し夫れ夫
れ連通させ貯水容量の増量を図る。集水桝では初期雨水
の流入を排除して雨水を中央のタンクの取水筒へ送水す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

雨水貯溜槽を地表下自由帯水層上に複数個設置することにより、耐圧ポリエチ レンで貯溜槽は製造可能である。地表面の降雨もこの貯溜槽に収納可能となり、 貯溜容量を大きくすることが可能となる。これによって消防用水も貯水が可能と なる。併せて緑地帯への散水・付近住民の生活用水にも役立てることのできる雨 水貯溜槽に属する技術分野である。

【０００２】

【従来の技術】

従来の消防用地下貯溜槽は、地下水の浮力対策上、それに見合った強度計算に 基づいて強固な組立て式コンクリート構造にならざるをえなかった。またポリエ チレン製タンクも耐圧強度上地下埋設型は殆どなかった。集水桝を利用した初期 雨水の排除も見受けたことがない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

専用歩道や学校の校庭・駐車場などに降った雨水も有効貯溜を図るため、地表 面下浅い個所に埋設型のポリタンクを設置することにより取水を可能とし、初期 雨水の流入は集水桝により排除し、一人で操作できる小型消防ポンプを付近に常 備して火災の発生には初期消火用に使用すると共に、平素雨水の有効利用をはか る。この貯溜槽は断水時等の生活用水が主体であり、専用の消防用水ではない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

タンクの底面を地表面下年間通常湧水最上面以上に計画し、ポリタンクの土中 埋設を可能にした。タンクの形状は球形に近く、複数個のタンクを底部で連通さ せることによって貯水量の増加を計画した。 集水桝の底部は石を敷き詰め多少浸透性をもたせることによって初期雨水の地下 浸透を図りタンクには流入しない。

【０００５】

【考案の実施の形態】

タンクの満水時水面を取水桝の計画水面以下にしておけば、量のいかんを問わ ず貯水できる。取水桝では時間降雨量の少ない時は底面より地下浸透する構造と し、時間降雨量が一定以上（時間当り１．５ミリメートル以上が望ましい）の時 タンクに流入を図る。従って貯溜水の水質は上質であり、水道水源が断水するよ うな場合は付近住民（あるいは所有者）が自由に生活用水としても使用可能であ る。火災時にあっては、消防活動を迅速に対応するため小型消防ポンプを付近に 準備しておくことにより、初期消火に威力を発揮する。

【０００６】

【実施例】

敷地内舗装表面の適地に地下タンクを設置した。付近に消防用具庫を設け、屋 根に降った雨水及び舗装路面に降った雨水が集水できる様にした。０．８立方メ ートル容量の雨水タンクは中央のタンクには、内径２３５ミリメートルの取水筒 があり、周囲に配置したタンクとは底部で連通し、各タンクの上部と中央タンク の取水筒とは銅管によって、空気抜きを形成している。タンクをセットするに先 立ちＧＬより１．０メートル低いレベルにコンクリートで固めたベースを設けた 。予めタンクには水を張り充分重量を持たせてから、コンクリートを流し込み、 タンクの底面及び連結管をコンクリートで固め、その後埋め戻ししてタンクの上 面付近でよく締め固めておく。集水桝と中央取水筒とは僅かに勾配をつけて連結 し、取水筒には水位計を取り付けて蓋をして、周囲の埋め戻しをして完成である 。中央の蓋を開けて消防用給水管の藤篭ストレーナーを投入し、ホース類の接続 をしたら運転開始可能である。その間一人で作業しても準備には２分も要しない し、機械始動して放水開始まで３０秒程度であり、放水量は毎分１４０リットル 以上、放水圧力は３００キロパスカル以上あり、初期消防においては３分遅てれ 到着放水開始する消防自動車よりも有力である。

【０００７】

【考案の効果】

震災時水道管と電気が遮断されると消防自動車の活動は全く動きがつかず、燃 え尽きるのを待つしか方法がないのが今までの都市構造であった。要所要所にこ の雨水基地があれば、数人の取扱い関係者のうち一人かけつけるだけで直ちに消 火活動ができて、火災は瞬く間に消すことができる。また平素交替で樹林などの 散水をすることによって、消防の訓練にもなる。緑の保全も簡単にできる。大雨 注意の報せによってタンクの水を全部抜くようにしておけば、（タンク水位が自 然水より上位にあることが条件）都市洪水災害に対しても僅かではあるが予防の 効果もある。もしこの基地が沢山あれば集合の効果は大きい。更に断水時は地域 共同の水利としての働きもある。煮沸すれば飲用にも利用可能である。

【０００８】

【図面の簡単な説明】

【図１】略満水状態における本考案になる雨水基地の断
面を示すした断面図である。

【図２】本考案になる雨水基地の構造を示す平面図であ
る。

【０００９】

【符号の説明】

１ 中央ポリタンク ２ 周囲ポリタンク ３ 集水桝 ４ 集水用グレーティング ５ 連通管 ６ 空気抜き管 ７ 取水筒 ８ 通水管 ９ 基礎コンクリート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 土中貯溜槽の雨水タンクにおいて、貯溜
   槽を複数個の耐圧構造のポリエチレンタンクとし、その
   底面を地表面下通常湧水最上面以上に計画し、相互に底
   部を連通させ、空気抜きは個別に設け、地表面に降った
   雨水をも初期雨水を除外して良質の雨水の貯水を可能と
   した土中雨水貯溜槽の構造