JP3027646B2 - 吸収冷温水機 - Google Patents

吸収冷温水機

Info

Publication number
JP3027646B2
JP3027646B2 JP03351617A JP35161791A JP3027646B2 JP 3027646 B2 JP3027646 B2 JP 3027646B2 JP 03351617 A JP03351617 A JP 03351617A JP 35161791 A JP35161791 A JP 35161791A JP 3027646 B2 JP3027646 B2 JP 3027646B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature regenerator
low
solution
absorption chiller
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03351617A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05164425A (ja
Inventor
富久 大内
章 西口
大資 久島
達郎 藤居
剛 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP03351617A priority Critical patent/JP3027646B2/ja
Publication of JPH05164425A publication Critical patent/JPH05164425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3027646B2 publication Critical patent/JP3027646B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水を冷媒とし、例えば臭
化リチウムなどの塩類溶液を吸収剤とする吸収冷温水機
に係り、特にその低温再生器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収冷温水機はその従来例が図7に示さ
れているように、灯油や都市ガス燃料の燃焼熱などの外
部熱源で加熱される高温再生器1、低温再生器2、凝縮
器3、蒸発器4、吸収器5、高温溶液熱交換器6、低温
溶液熱交換器7、溶液ポンプ8、冷媒ポンプ9等を動作
的に配管で接続して構成されている。
【0003】そして、冷房時には、冷却塔CTで冷却し
た冷却水CWを冷却水ポンプ10で吸収器5及び凝縮器
3に通水すると共に、蒸発器4に冷水4aを通水させ、
この冷水4aを、室内のエアハンドリングユニットに冷
温水配管を介して循環させて冷房を行う。具体時には、
高温再生器1で加熱された希溶液は、冷媒蒸気を発生し
て濃縮され、また低温再生器2の希溶液は、高温再生器
1で発生した冷媒蒸気で加熱されて冷媒蒸気を発生して
濃縮される。
【0004】高温再生器1で発生し低温再生器2の熱源
として利用された冷媒蒸気及び低温再生器2で発生した
冷媒蒸気は、それぞれ凝縮器3において冷却水CWによ
り冷却されて液冷媒となる。そして、この液冷媒は、液
冷媒導管17を経由して蒸発器4に送られる。
【0005】蒸発器4における液冷媒は、冷媒ポンプ9
によって熱交換器上に散布されて冷水4aから熱を奪い
蒸発帰化した後、吸収器5に導かれる。一方、高温再生
器1で生成した濃溶液は、高温溶液熱交換器6を経て低
温再生器2で生成の濃溶液と混合した後、低温溶液熱交
換器7を経由し、圧力差とヘッド差により吸収器5に導
かれ、溶液スプレィポンプ18により熱交換器上に散布
される。吸収器5の熱交換器上に散布された濃溶液は、
冷却水CWで冷却されつつ蒸発器4からの冷媒蒸気を吸
収して希溶液となり、この希溶液は、溶液ポンプ8によ
り高温再生器1、低温再生器2それぞれに送られる。以
上のように吸収冷房サイクルが構成されている。
【0006】暖房時には、冷媒ポンプ9が停止され、冷
暖切り換え弁12が開放される。高温再生器1で発生し
た冷媒蒸気は、低温再生器2の伝熱管ヘッダ部より分岐
した暖房蒸気導管16及び冷暖切り換え弁12を経由し
た後に2分される。そして、一方は気泡ポンプ13を経
由して吸収器5に導かれる。また、他方は、バイパス管
14を経由して蒸発器4に導かれ、蒸発器4の伝熱管内
を流れ温水4bと熱交換して凝縮液化する。この液冷媒
は暖房液冷媒導管15を経由して気泡ポンプ13に導か
れ、前記高温再生器1からの冷媒蒸気による気泡ポンプ
作用により吸収器5に送られる。以上のように暖房サイ
クルが構成されていた。
【0007】ここに低温再生器2は、水平に配された伝
熱管群の管内に高温再生器1で発生の冷媒蒸気が導か
れ、管外には溶液散布装置Sにより低温熱交換器7を経
由した希溶液が散布される散布式低温再生器である。こ
の種のものは特開昭52−38661号に開示されてい
る。また、特開昭52−150852号に開示されてい
るような、水平管外に溶液を満たし一端から希溶液を入
れて他端から濃溶液を取り出す満液式再生器、また両者
を組み合わせた半満液式低温再生器などの熱交換方式も
提案されている。
【0008】ところで、低温再生器の熱交換性能をコン
トロールするについては、例えば特公昭46−1869
7号に開示されているように、加熱媒体の供給量を調
節する方法、満液式では溶液液面を低下させて伝熱面
積を減少させる方法がある。
【0009】しかし、高温再生器よりの冷媒蒸気に加熱
媒体を求める散布式低温再生器については、加熱媒体が
高温再生器に従属するので加熱媒体の供給量調節法を用
いることができないし、また伝熱管部に液面がないので
液面制御法も用いることができない。つまり、加熱媒体
従属形の散布式低温再生器にいては、その熱交換性能を
有効に制御する方法がなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、加熱源であ
る高温再生器の発生冷媒蒸気と低温再生器内溶液との熱
交換温度差はわずかではあるが、広い運転範囲において
吸収冷温水機の高性能化を図るためには、該熱交換温度
差を最適に制御すること、即ち、低温再生器の熱交換性
能の制御が必要である。
【0011】従って、本発明の目的は、吸収冷温水機に
おける低温再生器について熱交換性能の最適制御を実現
することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、低温再生器の
性能をより向上させることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】前記の目的を達
成するためにこの発明では、低温再生器からの濃溶液の
一部を吸引し、この吸引された濃溶液を低温再生器へ供
給される希溶液に加えるようにしているもので、このよ
うに濃溶液の一部を希溶液に加え、低温再生器に供給す
る溶液量を増大調整することにより、低温再生器におけ
る熱交換性能の最適制御を可能としているものである。
このような制御は以下の如き知見に基づくものである。
【0014】8段1列、単位長さ80mmの水平伝熱管
群を有する散布式低温再生器について熱物質移動実験を
行い、散布液量即ち単位幅当りの液膜流出量T(kg/
ms)と、次式で定義した熱伝達率h0(kW/m2K)
の関係を調べた。ここに、Qは交換熱量(kW)、A0
は管外伝熱面積(m2)、TLGoは低温再生器濃溶液出
口冷媒蒸気平衡温度(°C)、TLGiは低温再生器希
溶液入口冷媒蒸気平衡温度(°C)、THGsは高温再
生器冷媒蒸気圧力平衡温度(°C)である。従って、
(数1)は熱移動だけでなく物質移動も評価した式であ
る。実験の結果、図8に示すように、低温再生器の伝熱
性能は液膜流量の約1/2乗に比例することが分かっ
た。また、観察の結果、希溶液の液の流下で濃溶液が希
溶液に置き換えられることにより熱交換が促進されるこ
とが分かった。
【0015】このように液膜流量つまり溶液供給量の増
加により熱交換性能が向上するということは、液膜流量
を増加させてやることにより、高温再生器の圧力平衡温
度と低温再生器濃溶液出口冷媒蒸気平衡温度との温度差
を小さくできる。即ち、散布液量調節により該温度差を
コントロールでき、従って高温再生器の圧力をコントロ
ールできるということである。
【0016】低温再生器からの濃溶液を吸引するための
機構としてはエゼクタを用いるのが好ましい。このよう
なエゼクタは、吸収器からの希溶液を噴出状態で供給す
る駆動液供給管と、低温再生器からの濃溶液を吸引する
液吸引管と、濃溶液を希溶液に混合させて送り出す吐出
部とを備えてなる。
【0017】このようなエゼクタを用いるについては、
低温再生器の下部に接続され、低温再生器から濃溶液を
送り出す液流出管に液供給管を接続するようにすること
もできるし、また液流出管と並列させて液吸引管を低温
再生器の下部に直接接続させることもできる。
【0018】濃溶液の吸引量の調節手段としては、液供
給管に流量制御弁を設けることができる。また、液吸引
管を液流出管と並列に設ける構造については、液流出管
が接続された部分と液流出管が接続された部分とに低温
再生器の下部を仕切ることが可能な仕切り板を吸引量の
調節手段とすることができる。
【0019】これらの調節手段は運転状態における種々
の情報に基づいて制御することもできるし、また温度に
基づく形状記憶素材の特性を利用しての制御も可能であ
る。
【0020】また、この発明では、低温再生器の性能向
上のため、特に溶液散布における液膜形成の質的向上の
ために溶液散布装置の改良を図っている。即ち、この発
明による溶液散布装置は、低温再生器へ希溶液を供給す
る液導入管に接続される分配ダクトと、この分配ダクト
に溶液流下用の流路となる隙間を長さ方向で形成するよ
うにして接続された液滴分散板とからなる散布ユニット
を一つ又は二つ以上組み合せて形成されている。
【0021】この溶液散布装置における散布ユニット
は、分配ダクトに供給された溶液を、液滴分散板との間
に隙間として形成の長さ方向に延びる流路から液滴分散
板上面に沿って流下させるもので、この液滴分散板上面
に沿った流下により、非常に均一でしかも膜切れ等のな
い流下液膜を形成できる。
【0022】このように均一性が高く安定した液膜によ
り溶液の散布を行うことは、前記の液膜流量の調節によ
る低温再生器における熱交換性能の制御にとってその有
効性のより確実な確保という点からも極めて好都合であ
る。
【0023】液滴分散板により形成される液膜をより均
一に流下させるについては、液滴分散板のすそ部に適宜
の間隔で複数の切欠き部を形成し、この切欠き部によ
り、溶液が液滴分散板の長さ方向に流れるのを防止する
ようにする。
【0024】更に、この発明では、低温再生器中におい
て散布された希溶液から発生する溶液ミストを効率よく
除去することにより低温再生器の性能向上を図ってい
る。即ち、この発明は、低温再生器と凝縮器との間に設
けられる仕切り構造体を工夫しているもので、そのよう
な仕切り構造体は、低温再生器の上部からその先端が低
温再生器の中間部より下方に至るように垂設された上部
仕切り板と、この上部仕切り板の先端部に先端部が重な
る高さで低温再生器の下部から立設された下部仕切り板
とを、両者の先端部の重なり部分において低温再生器側
から凝縮器側へ通じる通路が形成されるように組み合わ
せてなっている。
【0025】このような仕切り構造体によると、上方か
ら散布される希溶液の流下方向と並流する流れを冷媒蒸
気に与えることができる。そして、これにより希溶液の
ミストを下方に流下させ、効率よく捕捉・除去すること
ができる。また、上・下2枚の仕切り板だけの組み合せ
という極めて簡単な構造であるため、凝縮器側へ流れる
冷媒蒸気の流動圧力損失を、例えば従来のエリミネータ
に比べ大きく軽減でき、希溶液の再生効率の向上を図れ
る。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。本発明に
より吸収冷温水機の一実施例は、図1に示すように、従
来の吸収冷温水機と同様に、高温再生器1、低温再生器
2、凝縮器3、蒸発器4、吸収器5、高温溶液熱交換器
6、低温溶液熱交換器7、溶液ポンプ8、冷媒ポンプ
9、冷却塔CT、エリミネータ11、冷暖房切り換え弁
12、気泡ポンプ13、バイパス管14、暖房冷媒導管
15、暖房蒸気導管16、液冷媒導管17、溶液スプレ
ィポンプ18、希溶液導入管19等を備えると共に、図
2及び図3に示すような溶液散布装置20を備え、更に
エゼクタ25を備えている。
【0027】エゼクタ25は、低温再生器2から濃溶液
流出管29を介して低温溶液熱交換器7に送られる濃溶
液の一部を吸引し、これを低温再生器2へ供給される希
溶液に加えてやるためのものである。具体的には、吸収
器5の溶液ポンプ8で昇圧された希溶液をノズル状の駆
動液供給管26により吐出部28へ向けて噴出させるこ
とにより、濃溶液流出管29へ接続の液吸引管27を介
して濃溶液を吸引し、これを希溶液に混合させて吐出部
28から希溶液導入管へ向けて送り出すようになってい
る。
【0028】溶液散布装置20は、2個の散布ユニット
20uにて形成されており、各散布ユニット20uは、
液導入管19に接続の分岐ヘッダ19aに接続される分
配ダクト管21と、該分配ダクト管21に嵌め込み機構
部22により嵌め込まれた液滴分散板23とから構成さ
れている。ここに、嵌め込み機構部22は分配ダクト管
21の中央部に形成された一定間隔の凹みであり、液滴
分散板23にも同様な凹みが形成されている。嵌め込み
機構部22のない区間が長さ方向に延びる隙間22aを
形成しており、ここが溶液が分配ダクト管21より液滴
分散板23上に流出する流路となると共に、伝熱管軸方
向への溶液の均一分配のオリフィスの作用をする。そし
て、該隙間22aから流出した液は、L字型に曲がった
液滴分散板24の上面で急速に流路を拡大することによ
り液滴分散板23の上面を静かに流れ、液滴の飛沫発生
が防止される。更に、前記液滴分散板23のすそ部24
には切欠き部24cが設けられて、液滴分散板23の上
を流れる溶液が伝熱管軸方向へ流れて1箇所から大量に
流下することが防止されている。更に重ねて、散布溶液
の温度が高く、機内圧力よりも高い蒸気圧力の加熱状態
にある場合でも、前記液滴分散板23の上を流れる間に
自己蒸発を起こすので、液滴の飛沫発生の原因となる沸
騰が防止される。これらにより、伝熱管上には広い液流
量範囲に渡って均一な液膜が形成される。
【0029】このような吸収冷温水機の動作は以下の通
りである。低温再生器2の伝熱管群2a上に溶液散布装
置20より散布された希溶液は、伝熱管外を液膜を形成
して流下し、その間、伝熱管内に導かれた高温再生器1
で発生の冷媒蒸気の凝縮潜熱により加熱されて冷媒蒸気
を発生して濃縮される。低温再生器2で生成した濃溶液
は、流出管29を介して低温溶液熱交換器7に送られる
が、その一部がエゼクタ25により前記の如くして分岐
・吸引され、低温再生器2への希溶液に混合される。
【0030】この結果、低温再生器2に通常の場合の循
環希溶液よりも多量の溶液が散布されることになり、前
述のような理由により高い熱伝達率が得られる。従っ
て、この熱伝達率の向上分に応じて低温再生器の伝熱面
積を小さくすることが可能となり、省資源化を図ること
もできる。
【0031】凝縮器3では、低温再生器2の冷媒蒸気及
び高温再生器1から低温再生器2を経由した冷媒蒸気が
冷却水CWで冷却されつつ凝縮されて液冷媒化され、液
冷媒導管17を経由して蒸発器4に送られる。蒸発器4
の液冷媒は、冷媒ポンプ9によって熱交換器上に散布さ
れて冷水4aから熱を奪うことにより蒸発気化して吸収
器5に導かれる。一方、高温再生器1で生成した濃溶液
は、高温溶液熱交換器6を経て低温再生器2で生成の濃
溶液と混合して低温溶液熱交換器7を経由し、圧力差と
ヘッド差により吸収器5に導かれ、溶液スプレィポンプ
18により熱交換器上に散布される。吸収器5の熱交換
器上に散布された濃溶液は、冷却水CWで冷却されつつ
蒸発器4からの冷媒蒸気を吸収して希溶液を生成し、溶
液ポンプ8により高温再生器1、低温再生器2それぞれ
に送られる。以上のように吸収冷房サイクルが構成され
ている。
【0032】以上のような構成のサイクルでは高温再生
器1の圧力が高くなると、高温再生器循環量調節オリフ
ィス40の差圧が大きくなるために高温再生器1の溶液
循環液量が増大する。この結果、低温熱交換器7を通過
する液量も増大し、低温熱交換器7圧力損失が大きくな
る。ところが、低温熱交換器の濃溶液流出端には溶液ス
プレィポンプ18が配置されており、ほぼ一定のサクシ
ョンヘッドを必要としている。従って、前記低温熱交換
器7の圧損の増大は低温再生器2と低温熱交換器7とを
連絡する濃溶液流出管29内に形成されている液面の上
昇をもたらす。これにより、液吸引管27に流入する溶
液量は濃溶液導管29内に形成されている液面が高い方
が大きいことから、高温再生器1の圧力が高いほど低温
再生器2の散布液量が増加して高い熱伝達率が得られる
という、サイクルを安全に運転する上で非常に好都合な
自己制御の働きが実現されることになる。なお、低温再
生器2の圧力が低いとやはり濃溶液導管29内に形成さ
れている液面が上昇するため、低温再生器2の液膜流量
が増大して高い熱伝達率が得られ、省エネルギーが図れ
る。
【0033】暖房時には、冷媒ポンプ9が停止され、冷
暖切り換え弁12が開放される。高温再生器1で発生し
た冷媒蒸気は低温再生器2の伝熱管ヘッダ部より分岐し
た分岐管16及び冷暖切り換え弁12を経由して蒸発器
4の冷媒液面より十分下方に降ろされてから2分され
る。そして、一方は気泡ポンプ13を経由して吸収器5
に導かれる。また、他方はバイパス管14を経由して蒸
発器4に導かれ蒸発器4の伝熱管内を流れる温水4bと
熱交換して凝縮液化する。この液冷媒は暖房液冷媒導管
15を経由して前記気泡ポンプ13に導かれ、前記高温
再生器1からの冷媒蒸気による気泡ポンプ作用により吸
収器5に送られる。吸収器5の溶液は溶液ポンプ8によ
り送られて低温熱交換器7を経由した後に2分され、一
方はエゼクタ25を経由して低温再生器2に送られ、他
方は更に高温熱交換器6を経由して流量制御弁を経由し
て高温再生器1に送られる。低温再生器2では伝熱管上
に溶液が散布されるが特に冷媒蒸気の発生はなく、従っ
て凝縮器3による凝縮も行われない。また、溶液スプレ
ィポンプ18は停止されており、熱い濃溶液は、吸収器
5の伝熱管への散布もなく、バイパス管41を経由して
吸収器5に戻される。
【0034】以上説明したように、本実施例の高温再生
器1と低温再生器2とにパラレルに希溶液を供給して戻
すいわゆるパラレルフローの吸収冷房サイクルでは、高
温再生器1内圧力の変動が低温再生器2の液膜流量を自
己制御性のある方向に自動的にコントロールする伝熱量
制御がなされ、低温再生器2の高性能化及び小型化を図
ることができる。
【0035】図5に示すのは本発明の他の実施例で、こ
の実施例が前記の実施例と異なる点は、液吸引管27を
低温再生器2の下部に直接接続すると共に、この液吸引
管27を接続の低温再生器の下部Aと濃溶液流出管29
を接続の低温再生器の下部Bとを仕切れるように仕切り
板31を設けたことである。
【0036】即ち、仕切り板31により下部Aと下部B
とを仕切ると下部A側に濃溶液が溜り、液吸引管27に
流入する濃溶液量が増大する。他方、この仕切りをやめ
ると、仕切りがある場合に較べ液吸引管27に流入する
濃溶液量が減少する。従って、これらの選択により、低
温再生器2における液膜流量を変化させ、熱伝達率のコ
ントロールできる。
【0037】仕切り板31の支点32には、例えば約8
0°Cで形状復帰する形状記憶合金を使用することがで
きる。この場合、低温時は仕切り板31は回転して低温
再生器下部の仕切りを止めるので低温再生器2の液膜流
量が少なく、従って熱伝達率が低いために高温再生器1
の圧力が比較的高くなる。このような運転条件は、冷却
水温度が低い場合であり、通常の場合だと高温再生器1
の器内圧力が低くなって溶液循環量が減少し、その結
果、希溶液と濃溶液との濃度差が拡大し、その限界は高
温再生器1で生成される濃溶液の結晶化である。ところ
が、本発明の場合には、前記の如く低温再生器2におけ
る液膜流量の制御が可能であり、この制御により熱伝達
率を低下させて高温再生器1の圧力を高くし、溶液循環
量の減少を防止することができる。即ち、より低温の冷
却水温度でも濃溶液の結晶化を招くことなく運転が可能
となる。
【0038】図4に示すのは本発明の更なる他の実施例
で、この実施例の特徴は、濃溶液導管29が分岐してエ
ゼクタ25とを連絡する液吸引管27に流量制御弁35
を設置した点、また、図1におけるエリミネータ11を
廃止して低温再生器2の上部から途中まで仕切る上部仕
切り板33及び凝縮器3側を下方から途中まで仕切る下
部仕切り板34を配置した点である。流量制御弁35
は、時間あるいはサイクルの状態量、例えば低温再生器
2の溶液温度、高温再生器1の圧力、温度、冷却水温度
等を検知して制御することができる。また、タイマーに
より機械起動時には、流量制御弁35を閉じて低温再生
器における熱伝達率を低下させ高温再生器1の圧力を高
くすることにより高温再生器1の溶液循環を良くし、器
内に滞留している濃溶液を早期に吸収器5に散布させて
冷房能力を速く発揮させることも可能となる。もちろ
ん、冷房能力を最大限に発揮したい場合は該制御弁35
を開放して低温再生器2の液膜流量を増大させて高い熱
伝達率によって高効率の運転とすることもできる。
【0039】エリミネータに代えて上下一対の上部仕切
り板33、下部仕切り板34を設けたことにより、低温
再生器2で発生する冷媒蒸気を上方から散布の溶液と共
に一先ず下方に向かわせることができる。即ち、溶液の
流下方向と並流する冷媒蒸気の流れを形成することがで
きる。この結果、伝熱管上でわずかに発生する溶液ミス
トは、下向きの流れが与えられ落下し易くなる。そし
て、下方では冷媒蒸気のみが反転して上方に向かい、上
部仕切り板33と下部仕切り板34とが互いの先端部を
重ならせる部に形成される通路を通って凝縮器3側へ送
られ、溶液ミストは、下部に溜っている濃溶液や側面の
下部仕切り板34への衝突により捕捉されて低温再生器
2内にとどまるので、効率良く除去されることになる。
【0040】また、上部仕切り板33、及び下部仕切り
板34による仕切り構造は、低温再生器2から凝縮器3
へ流れる冷媒蒸気の流動圧力損失を軽減させるので、低
温再生器2及び凝縮器3の高性能化にも寄与することに
なる。
【0041】更に、本発明の他の実施例を図6に示す。
この実施例は、図1に示した実施例とは溶液のフロー及
び暖房サイクルにおいて異なっている。
【0042】先ず、溶液の流れについては、吸収器5の
希溶液は低温熱交換器7、エゼクタ25を経由して全量
低温再生器2に送られる。低温再生器2の濃溶液の一部
は濃溶液流出導管29aを経て補助循環ポンプ36によ
り高温熱交換器6及び制御弁を経由して高温再生器1に
送られる。高温再生器1の濃溶液は高温熱交換器6、オ
リフィス40を経て前記低温再生器2の残りの濃溶液と
濃溶液流出導管29bで混合され、低温熱交換器7を経
由して溶液スプレィポンプ18により吸収器5に散布さ
れる。本実施例では、低温再生器2に散布される溶液量
が多く高い熱伝達率が得られる。また、本実施例ではエ
ゼクタ25の液吸引管27は流量制御弁35を介して濃
溶液流出導管29bに接続されており、図5の実施例に
おけると同様の効果が得られる。なお、本実施例のフロ
ーについても、図4あるいは図2の実施例における配管
構成を適用可能である。
【0043】本実施例の暖房サイクルでは暖房時にも冷
媒ポンプ9が運転されており、蒸発器4の液冷媒は、ブ
ロー弁42の開放により吸収器5に送られる。また、高
温再生器1の発生冷媒蒸気は、冷暖房切り換え弁12の
開放により暖房蒸気導管16を経て蒸気発生器4に導か
れる。また、吸収器5の希溶液は、溶液ポンプ8により
低温再生器2に送られ、更に溶液補助ポンプ36により
高温再生器1に送られる。高温再生器1の濃溶液の循環
は冷房時に同様である。
【0044】このような暖房サイクルは、必要に応じて
図1の実施例にも適用できる。更に、前記した各実施例
で示される本発明をその他のサイクルフローや多重効用
サイクルにも適用することは当業者にとって容易なこと
である。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようなものなの
で以下のような効果がある。 (1),低温再生器の濃溶液の一部を吸引して加えた溶
液を低温再生器内に散布するようにして、溶液散布量を
調節することにより熱交換性能の向上及びその制御を可
能としているので、低温再生器の小型化を図ることがで
き、また高温再生器内の圧力を作動時の温度環境に応じ
て調整することが可能となり、より低温の状態下でも効
率のよい作動状態を確保できる。
【0046】(2),溶液の分配を受ける分配ダクト
と、この分配ダクトから溶液を均一な液膜で流下させる
液滴散布板とからなる散布ユニットを用いて溶液散布装
置を形成するようにしているので均一性が高く安定した
液膜による散布が行え、より効率のよい再生処理を行え
るし、また液量調節による熱交換性制御の実効性を上げ
ることができる。
【0047】(3),低温再生器と凝縮器との間の仕切
り構造体を上部及び下部の2枚の仕切り板の組み合せに
より形成し、冷媒蒸気に溶液の流下方向と、並流する流
れを与えるようにし、これにより凝縮器へ送られる冷媒
蒸気への溶液ミストの混入を有効に防止するようにして
いるので、冷媒蒸気の通路を低圧損化でき、希溶液の再
生効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す吸収冷温水機のシステ
ムフロー図である。
【図2】低温再生器回りの配管系統図である。
【図3】溶液散布装置の断面斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す吸収冷温水機の低温
再生器のシステムフロー図である。
【図5】本発明の更に他の実施例を示す吸収冷温水機の
低温再生器のシステムフロー図である。
【図6】本発明の更にまた他の実施例を示す吸収冷温水
機のシステムフロー図である。
【図7】従来技術の吸収冷温水機のシステムフロー図で
ある。
【図8】低温再生器の液膜流量と水平管外蒸発熱伝達率
の実験データの一例を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 高温再生器 2 低温再生器 3 凝縮器 4 蒸発器 5 吸収器 6 高温溶液熱交換器 7 低温溶液熱交換器 8 溶液ポンプ 9 冷媒ポンプ CT 冷却塔 CW 冷却水 11 エリミネータ 4a 冷水 4b 温水 12 冷暖切り換え弁 13 気泡ポンプ 14 バイパス管 15 暖房液冷媒導管 16 暖房蒸気導管 17 液冷媒導管 18 溶液スプレィポンプ 19 希溶液導入管 19a 液ヘッダ 20 散布装置 21 液分配ダクト管 22 はめ合わせ構造部 22a 隙間流路 23 液滴分散板 24 切欠き部 25 エゼクタ 26 エゼクタの駆動液導入管 27 エゼクタの液吸引管 28 エゼクタの液吐出管 29 低温再生器の濃溶液導管 30 流量制御機構 31 仕切り板 32 仕切り板の支点 33 低温再生器側の板 34 凝縮器側の板 35 流量制御弁 36 補助循環ポンプ 40 高温再生器濃溶液流量調節オリフィス 41 溶液バイパス管 42 冷媒ブロー弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤居 達郎 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 中尾 剛 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社 日立製作所土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭57−108563(JP,A) 特開 昭61−159060(JP,A) 特開 昭60−144571(JP,A) 特公 昭46−18697(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 15/00 303 F25B 33/00 F25B 39/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収器から送られる希溶液を高温再生器
    及び低温再生器それぞれにおいて冷媒蒸気の蒸発により
    濃溶液へ再生させるようにしてなる吸収冷温水機におい
    て、 低温再生器からの濃溶液の一部を吸引し、この吸引され
    た濃溶液を低温再生器へ供給される希溶液に加えるよう
    にしたことを特徴とする吸収冷温水機。
  2. 【請求項2】 吸収器からの希溶液を噴出状態で供給す
    る駆動液供給管と、低温再生器からの濃溶液を吸引する
    液吸引管と、濃溶液を希溶液に混合させて送り出す吐出
    部とを備えてなるエゼクタが濃溶液の吸引用として用い
    られている請求項1に記載の吸収冷温水機。
  3. 【請求項3】 低温再生器の下部に接続されて、低温再
    生器から濃溶液を送り出す液流出管に液吸引管が接続さ
    れている請求項2に記載の吸収冷温水機。
  4. 【請求項4】 低温再生器の下部に接続されて、低温再
    生器から濃溶液を送り出す液流出管と並列させて液吸引
    管が低温再生器の下部に直接接続されている請求項2に
    記載の吸収冷温水機。
  5. 【請求項5】 液吸引管に濃溶液吸引量調節用の流量制
    御弁を設けた請求項3または4に記載の吸収冷温水機。
  6. 【請求項6】 液流出管が接続された部分と液吸引管が
    接続された部分とに低温再生器の下部を仕切ることが可
    能な仕切り板を設けた請求項4に記載の吸収冷温水機。
  7. 【請求項7】 仕切り板の仕切り状態調節が温度に基づ
    く形状記憶素材の特性により行われるものである請求項
    6に記載の吸収冷温水機。
  8. 【請求項8】 上記低温再生器は、上記互いに加えて得
    た濃溶液の一部と希溶液とより成る溶液を散布する、上
    部に配された溶液散布装置を備え、 この溶液散布装置は、低温再生器へ希溶液を供給する液
    導入管に接続される分配ダクトと、この分配ダクトに溶
    液流下用の流路となる隙間を長さ方向で形成するように
    して接続された液滴分散板とからなる散布ユニットを一
    つ又は二つ以上組み合せて形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の吸収冷温水機。
  9. 【請求項9】 液滴分散板のすそ部に適宜の間隔で切欠
    き部が形成されている請求項8に記載の吸収冷温水機。
  10. 【請求項10】 上記低温再生器には、低温再生器中の
    冷媒蒸気だけを送るようにした仕切り構造体を介して凝
    縮器が並設されており、 この仕切り構造体は、低温再生器の上部から、その先端
    が低温再生器の中間部より下方に至るように垂設された
    上部仕切り板と、この上部仕切り板の先端部に先端部が
    重なる高さで低温再生器の下部から立設された下部仕切
    り板とを、両者の先端部の重なり部分において低温再生
    器側から凝縮器側へ通じる通路が形成されるように組み
    合わせて形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の吸収冷温水機。
  11. 【請求項11】 吸収器からの希溶液が高温再生器及び
    低温再生器それぞれに並列状態で供給される請求項1〜
    10何れかに記載の吸収冷温水機。
JP03351617A 1991-12-12 1991-12-12 吸収冷温水機 Expired - Fee Related JP3027646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03351617A JP3027646B2 (ja) 1991-12-12 1991-12-12 吸収冷温水機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03351617A JP3027646B2 (ja) 1991-12-12 1991-12-12 吸収冷温水機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05164425A JPH05164425A (ja) 1993-06-29
JP3027646B2 true JP3027646B2 (ja) 2000-04-04

Family

ID=18418476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03351617A Expired - Fee Related JP3027646B2 (ja) 1991-12-12 1991-12-12 吸収冷温水機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3027646B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004039327A1 (de) * 2004-08-12 2006-03-02 Phönix Sonnen Wärme AG Absorptionskältemaschine

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05164425A (ja) 1993-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3269634B2 (ja) 液体分配装置及び流下液膜式熱交換器並びに吸収式冷凍機
US7849710B2 (en) Falling film evaporator
JPH08151933A (ja) ガスタービン吸気冷却装置
JPS6342291Y2 (ja)
US3316727A (en) Absorption refrigeration systems
JP2723454B2 (ja) 吸収式冷暖房機
US5463880A (en) Absorption refrigerator
JP3027646B2 (ja) 吸収冷温水機
KR890004393B1 (ko) 공냉형 흡수식 냉수기
CN1111696C (zh) 吸收制冷机
KR890004392B1 (ko) 공냉 흡수식 냉수기
JP2004176969A (ja) 吸収式ヒートポンプ
JP2642553B2 (ja) 吸収冷温水機
JPH07269980A (ja) 吸収式ヒートポンプ
JP3295182B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP2877420B2 (ja) 吸収冷凍機
JP2945972B1 (ja) 吸収冷温水機
JP2973653B2 (ja) 吸収冷凍機
JP2974000B2 (ja) 空冷吸収式冷凍装置
JP2558033Y2 (ja) 吸収冷温水機
JPH05312434A (ja) 吸収冷温水機の低温再生器
JP2001165528A (ja) 吸収式冷凍装置
JP2003202166A (ja) 吸収冷凍機
JP2823295B2 (ja) 吸収冷凍機
JPH07120101A (ja) 水平型空冷吸収器

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees