JP3027440B2 - 種子の皮剥き装置 - Google Patents

種子の皮剥き装置

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JP3027440B2
JP3027440B2 JP3147442A JP14744291A JP3027440B2 JP 3027440 B2 JP3027440 B2 JP 3027440B2 JP 3147442 A JP3147442 A JP 3147442A JP 14744291 A JP14744291 A JP 14744291A JP 3027440 B2 JP3027440 B2 JP 3027440B2
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敏之 飯塚
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インターテックエンジニアリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばほうれん草や
ゴルフ場に植えられる芝の種子などのように、発芽の源
としての種核が固い皮ないし殻(以下単に皮と称する)
に覆われた種子の皮を剥くのに好適な種子の皮剥き装置
に関する。ここで、皮を剥くという概念は、皮を割って
種核を脱皮させること、発芽しやすい状態に皮を研磨す
ること、発芽しやすい状態に皮にひびを入れることを指
す。
【0002】
【従来の技術】例えばほうれん草の種子では、外形が約
2mm〜4mm大の固い皮の内部に約1mmから3mm
大の種核が皮との間に隙間を有する状態で存在する。皮
の存在は、内部の種核を天候等の環境条件から保護して
自然界的に適性な発芽、成育を保とうとするものである
が、皮付きのまま、あるいは上記皮厚のままでの播種で
は、内部種核の脱皮過程に相当の時間を要するとともに
バラツキがあり、気温が高いと発芽率が低いという問題
がある。
【0003】また、一方では、完全に皮を取り去った後
の種核を30°C以上の温度環境下、すなわち夏場に2
ヵ月間保存して播種した場合には、発芽率が著しく低い
という事実も存在する。
【0004】なお、中国で産する野芝(結樓草)は病虫
害に強く、ゴルフ場に植えた場合に薬剤散布等の処置が
不要となるため、公害の発生を招来せず社会的要請に合
致するのであるが、発芽率が15%程度と低く、その特
性に反して実際利用が妨げられている現状にある。
【0005】このため、近年では、内部の種核を人為的
に取り出して化学処理やコーティング処理等の手段で本
来の皮の保護機能を確保し、発芽率を高めることが行わ
れている。そして、化学処理やコーティング処理等の前
工程となる皮の破砕ないし切断、あるいは研磨、すなわ
ち皮剥き手段としては、従来、ローラ間に挟んで潰した
り、あるいは、低温下で脆くした後圧力を加えて潰す方
法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ほうれん草
等の種子の皮は固くて脆性を有すると同時に繊維質を内
包する性状であるため、単に圧力で押し潰すにすぎない
ロール方式では破砕された皮は完全に分離し難い。この
ため種核が外部に出にくく、加えて内部の種核自体が押
し潰されて損傷し易いため、発芽率は30%程度と依然
として低い状態にある。
【0007】一方、低温方式のものでは、ロール方式に
比べて破砕処理効率の向上が見られるが、圧力を加えて
潰すといういわゆる圧潰方式と言う点で変わりがないた
め、種核の損傷問題は依然として残存し、結局において
発芽率の大幅な向上には至っていない。また、この方式
においては装置の大型化並びに設備コストの増大化を伴
う欠点を有する。
【0008】また、皮を効率的に剥き取って種核をむき
出しにする皮剥き技術が要求される一方、自然的発芽過
程で種子が本来的に有する皮の保護機能を十分に生かし
ながら、且つ、皮の存在による発芽率の低下を回避する
皮剥き技術が望まれる。
【0009】そこで、この発明は、種核の損傷を抑制し
ながら種子の皮剥きを高効率に行うことができ、よって
発芽率の向上を図れる種子の皮剥き装置の提供をその目
的とする。
【0010】また、この発明の他の目的は、皮の保護機
能を十分に生かしながらも発芽率の低下を回避でき、よ
って夏場等の高温環境下でも発芽率の向上を図れる種子
の皮剥き装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる種子の
皮剥き装置は、上記目的を達成すべく創案されたもの
で、その特徴は、上部に種子投入口と底部に取出口とを
有し種核が皮で覆われた種子を入れるケーシングと、こ
のケーシング内で回転駆動され刃面を非鋭利状として種
子の皮を打撃して叩き割りするカッター刃で構成される
カッター部材と、底部の取出口に設けられ皮付きの種子
の平均外径よりも小さく皮剥された種核の平均外径より
も大きなメッシュよりなるネット部材とが備えられてい
る構成にある。
【0012】また、この発明によれば、カッター部材の
回転で移動して種子の皮を薄く研磨する研磨材を備えた
構成とすることができる。
【0013】
【作用】そして、この発明によれば、ケーシング内に種
核が皮で覆われた種子が入れられ、カッター部材が回転
駆動される。カッター部材が回転駆動されると、種子は
カッター刃で打撃されて叩き割りされながら攪拌され
る。打撃された種子の皮は、一気にあるいは徐々に割ら
れる。これによって種核が皮の外方に飛び出して皮と種
核が分離され、皮剥きがなされ、ネット部材から種核が
取出しされる。
【0014】また、この発明によれば、カッター部材の
回転で種子と研磨材が攪拌される。種子の皮はカッター
部材の打撃によって割られるとともに、研磨材との接触
によって発芽し易い状態に薄肉に削られ、皮剥きがなさ
れる。
【0015】
【実施例】図1乃至図5はこの発明の一実施例を示す。
種子の皮剥き装置2には、床面に対する水平度を調整可
能なベース部材4が備えられており、このベース部材4
には種子Sが投入される略円筒状のケーシング6が立設
されている。また、ベース部材4にはケーシング6の上
下方向をもって支柱8が立設されており、この支柱8に
は上下方向に移動可能な移動ブラケット10が取付けら
れている。
【0016】そして移動ブラケット10には、刃部がケ
ーシング6内で回転駆動されるカッター部材12が取付
けられている。カッター部材12は、例えば移動ブラケ
ット10に固定される変速駆動源としてのモータ14
と、モータ14に接続される駆動軸16と、この駆動軸
16の先端部に取付けられるカッター刃18とから概略
構成することができる。符号20はモータ14の軸と駆
動軸16とを接続するジョイントを示す。
【0017】ケーシング6には、ケーシング本体22
と、このケーシング本体22の底面に設けられる断面略
すり鉢状のネット部材24と、ネット部材24の下面に
設けられる捕集部26とが備えられている。また、ケー
シング本体22の上面には二分割型の蓋部材28が備え
られており、内方にはバッティングないしカッティング
時の種子Sの浮き上がりを抑制するための浮上抑制部材
30が設けられている。
【0018】浮上抑制部材30は、例えば駆動軸16の
回転を阻害しない状態にケーシング本体22に固定され
る固定部材32と、この固定部材32の下端に種子Sの
浮き上がりを抑制可能な適正位置をもって設けられる略
傘状の抑制プレート34とから構成することができる。
固定部材32は、例えば駆動軸16に余裕をもって嵌挿
される径大の筒部材36と、一端を筒部材36に固定さ
れるとともに他端をケーシング本体22に固定される支
持片38,38とから構成することができる。
【0019】ネット部材24は、皮付き状態での種子S
が通過できないとともに、皮を剥かれた種核Nが通過で
きる大きさの網目を有するものである。
【0020】カッター刃18は、略水平面に沿って回転
する水平刃40と、この水平刃40に上下方向の角度を
もって立ち上がる起立刃42とから概略構成されてお
り、この例ではさらにカッター刃18とネット部材24
との間におけるバッティングないしカッティングと攪拌
を行うために、起立刃42に連設して下面域刃44が設
けられている。
【0021】水平刃40は、例えば取付部40aと、こ
の取付部40aを挟んで両側に形成される上反り部40
b,下反り部40cとから構成され、回転によって種子
Sを上下方向に攪拌移動できる、いわゆるスクリュー作
用を呈するように形成されている。また、上反り部40
b,下反り部40cにはそれぞれ刃面40d,40eが
形成されている。この例では水平刃40本体の厚みt1
を2mmとし、刃面40d,40eの厚みt2 を約0.
08mmとした。また、上反り部40b,下反り部40
cの反り角θは約15°とした。
【0022】刃面40d,40eの厚みt2 をこれより
薄いいわゆる鋭利刃とすると、内部の種核Nまでをも切
断する度合いが大きく、また、高速回転下(2000〜
3000rpm)において捩じれによる水平刃40の早
期損耗を来すため、これらを回避すべく非鋭利状とし、
鋭利性による切断ではなく皮を打撃して割るいわゆるナ
タ的作用で種核Nの損傷を極力抑えながら皮を剥くこと
を企図したものである。
【0023】起立刃42は、取付部42aと、起立部4
2bとから構成され、起立部42bには刃面42cが形
成されている。刃面42c等の肉厚は水平刃40と同等
である。また、この例では起立部42bの立上り角θ1
を約45°とした。下面域刃44においても回転方向側
に刃面44aが形成されている。
【0024】次に水平刃40と起立刃42の駆動軸16
への固定構造を説明する。駆動軸16の下端には角形の
凸部16aが形成されており、これに対応して水平刃4
0と起立刃42にはそれぞれ、角穴40f,42dが形
成されている。また、駆動軸16には凸部16aの中央
部位をもって軸方向に延びるねじ穴16bが形成されて
おり、凸部16aに水平刃40と起立刃42を嵌合後、
ねじ部材46で締付固定できるようになっている。
【0025】次に図5に基づいて種子Sの皮剥き動作を
説明する。カッター部材12の動作によってカッター刃
18が回転すると、水平刃40によってP1 域の種子S
が打撃されるとともに、種子Sは水平刃40のスクリュ
ー作用によって上方向に攪拌移動させられる。押し上げ
られた種子Sは浮上抑制部材30の抑制プレート34に
よって止められ、質量によって下降する循環移動が形成
される。抑制プレート34とネット部材24によって種
子Sの上下移動が規制されるので、種子Sは攪拌されな
がらも圧縮された状態となる。
【0026】この状態で、P2 域の種子Sは起立刃42
によって打撃される。起立刃42は約45°の立上り角
度有するので、P2 域における種子Sに対してムラのな
い効率的な打撃機会が生じる。また、ネット部材24近
傍のP3 域では下面域刃44によって種子Sが攪拌され
るとともに打撃される。これによって、種子Sは抑制プ
レート34とネット部材24との間で攪拌且つ圧縮され
ながら刃数の少ないカッター刃18によってむらなく効
率的に打撃される。なお、この例では打撃効率の一層の
向上を図るために、浮上抑制部材30と下面域刃44を
設けたが、必ずしも必要ではない。
【0027】水平刃40や起立刃42等によって打撃が
なされると、接触度合いが少ない場合には種子Sの皮の
一部が削られ、いわゆるヌカ状態でネット部材24を通
過する。また、接触度合いが多い場合には、例えば図6
及び図7に示すように、最初の打撃で種子Sにひび割れ
CRが生じ、浮動を経ての次の打撃で種核Nが外方に飛
び出す状態となる。飛び出した種核Nは浮動しながら下
降し、ネット部材24から抜け落ちて捕集される。
【0028】この場合、皮の破片H1 は皮本体Hから分
離するかあるいは繋がったままの状態となる。相互に分
離した皮の破片H1 あるいは皮本体Hはその大きさによ
ってネット部材24を通過する。なお、ネット部材24
を有効に使用するために、種子Sはケーシング6への投
入前において外形の大きさによる選別をされることが望
ましい。
【0029】また、この例においては、ケーシング本体
22内に集塵装置(図示しない)に接続される吸引パイ
プ48が設けられており、ネット部材24側へ抜けず質
量差によって浮上してくるヌカや皮の破片H1 あるいは
皮本体Hを吸引できるようになっている。
【0030】実験によると、例えば2400rpmの回
転数で30分前後稼働した場合、70%前後の収率(投
入された種子Sに対する捕集部26から捕集された種核
Nの割合)を得ることができた。また、捕集された種核
Nの発芽率は約90%の高率であることを確認できた。
実験の結果、発芽率を左右する皮無しの種核Nの損傷率
は、カッター部材12の回転数とその稼働時間が影響す
ることが判明した。すなわち、例えば3000rpmの
ような高速回転の場合、稼働時間は15分程度で良く、
これ以上稼働すると種核Nの損傷率が高くなる。また、
約1200rpmの低速回転場合、稼働時間は40分か
ら45分程度が良好である。
【0031】従って、高速回転で短時間稼働してひび割
れ状況を形成し、その後段階的な低速回転で皮剥き処理
を得ることが望ましい。また、一回の処理操作では収率
が低いが、処理操作後の種子Sを段階的に再処理するこ
とによって最終的収率の向上を図ることができる。ま
た、上記例では単一の装置として示したが、段階的な再
処理装置を連設したプラント構造とすることもできる。
【0032】また、前記野芝についても発芽率が15%
程度で極めて低いが、上記種子の皮剥き装置2によれ
ば、80%前後の高い発芽率を得ることができた。この
実験の条件は、野芝種子500g、炭化珪素を主成分と
する研磨材375g、カッター部材12の回転数134
0rpm、稼働時間120分で、収率は72%であっ
た。
【0033】なお、上記例で示した水平刃40や起立刃
42等の形状及び組合せ形態はこれに限られるものでは
なく、適宜採用できるものである。
【0034】次に図8は他の実施例を示すものである。
上記構成に加えてケーシング6内には、種子Sに混在し
て研磨材50が投入されている。研磨材50としては、
例えば金剛砂、炭化硅素等の数種類を採用することがで
きる。研磨材50の投入量は、ほうれん草の場合は全体
重量の10〜30%程度、野芝の場合は全体重量の5〜
40%程度が望ましい。
【0035】カッター部材12の動作によってカッター
刃18が回転すると、種子Sとともに研磨材50が攪拌
される。攪拌によって研磨材50と種子Sはランダムに
接触し、図9に示すように、接触摩擦によって研磨材5
0に対して硬度の小さい種子Sの皮本体Hは研磨前の厚
みw1 から剥離し易い厚み、すなわち、発芽し易い厚み
2 に研磨される。この例の場合、上記例で示したカッ
ター刃18による皮割りあるいは破砕ないし切断も同時
に行われるので、全体として種子Sの皮剥き効率の向上
が成される。研磨材50による削り屑はヌカ状態として
前記例と同様に処理することができる。
【0036】次に図10は研磨材50による皮剥き機能
のみによる例を示す。上記例のカッター部材12に代え
て攪拌部材52が備えられているとともに、ケーシング
6内に投入される研磨材50が備えられている。カッタ
ー部材12は上記例と同様の駆動軸16を有し、駆動軸
16の先端部には種子Sと研磨材50を攪拌する攪拌羽
根54が取付けられている。攪拌羽根54は種子Sに対
して曲率の大きい滑らかな接触面を有するもので、上記
例で示したカッター刃18のように種子Sを破砕ないし
切断する機能は有さず、単に攪拌を行うものである。
【0037】攪拌部材52の動作によって攪拌羽根54
が回転すると、種子Sと研磨材50が攪拌され、研磨材
50と種子Sはランダムに接触して上述と同様に種子S
の皮が研磨される。実験の結果、研磨のみによる場合
おいても上記と同等の発芽率が得られることが確認され
た。
【0038】攪拌部材52としては、この例のように攪
拌羽根54によるものに限らず、例えば圧搾空気等の流
体で攪拌流を形成する構造のものなど種々のものを採用
することができる。
【0039】次に、図11は種子Sの皮にひびを入れる
とともに薄肉にした皮剥きを行う例を示すものである。
この例では、皮剥き装置2には、ケーシング6を支持す
るフレーム60が備えられており、フレーム60の上部
には、モータ14と、このモータ14に伝達ベルト62
を介して接続される従動軸64が一体に設置されてい
る。従動軸64には、種子Sを打撃して皮本体Hにひび
を入れる打撃部材65が接続されており、ケーシング6
はフレーム60にブラケット66を介して支持されてい
る。また、ケーシング6内には種子Sを研磨する研磨材
50が投入されている。
【0040】ケーシング6は、種子投入口68を有する
ケーシング本体70と、このケーシング本体70の略下
半部を構成するネット部材72と、このネット部材72
を取り巻く補集部74とから概略構成されている。ネッ
ト部材72は前記実施例のものに比べて、側壁部72a
を有する筒状に形成されており、ヌカ状の削り屑を効率
的に補集できるようになっている。補集部74は、ネッ
ト部材72の側壁部72aの周囲を取り巻く側壁部74
aを有する形状に形成されており、ネット部材72の側
壁部72aとの間に空隙76を有する状態に取り付けら
れている。なお、補集部74の側壁部74aには、ケー
シング6内の皮剥き状況を観察するために、例えば強化
プラスチック等による覗き窓78を設けることができ
る。なお、符号80は、ネット部材72の下面中央部位
に設けられた開閉扉を示す。また、符号82は補集容器
を示す。
【0041】打撃部材65は、前記例のカッター部材1
2を利用できるもので、カッター部材12に比べて回転
速度を低速とし、或いは稼働時間を短くし、或いはまた
起立刃42の角度を小さくする等の手段で、種子Sの皮
Hにひびを入れるのみにとどめることができる。打撃部
材65の打撃作用によって、図12に示すように、種子
Sの皮HにひびCRが入る。
【0042】ひびCRから種核Nの発芽に必要な水分が
取り込まれるとともに、依然として種核Nを包囲する皮
Hの存在によって、夏場等の高温環境下における種核N
の内面的損傷など、人為的且つ強制的皮剥き操作による
種核Nへの悪影響が緩和される。また、水分が内部に取
り込まれ易くなることによって、発芽を早めるための要
因である皮Hの剥離ないし崩壊が適度に促進される。
【0043】このように、種子Sの皮HにひびCRを入
れるに止める皮剥きとすることによって、種核Nの本来
の自然的発芽に悪影響を及ぼさない状態でその発芽を早
めることができるものである。
【0044】また、研磨材50の研磨作用によって、種
子Sの皮HはひびCRが入れられるとともに、図9で示
したのと同様に薄肉化される。これによって、種子Sに
対するひび入れが容易となり、種核Nの発芽率の向上が
促進される。実験の結果、研磨材50による研磨条件と
しては、打撃部材65の回転数が1300rpmで、9
0分稼働が最適であり、これによって研磨される量は5
%ないし10%(重量%)である。研磨量がこれ以上に
なると種核Nが傷つき易く、また少ないと発芽率が低下
する。上記条件で研磨された種子Sは打撃部材65によ
るひび入れが容易となる。なお、この例では打撃部材6
5と研磨材50とを同時に使用する構成としたが、無
論、打撃部材65のみによる構成としてもよい。
【0045】また、図13に示すように、ケーシング6
の下方から削り屑を集塵装置85で補集するとともに、
吸引手段86でケーシング6内に混在する種核N、皮
H、ひび入り種子S、研磨材50を無選別状態で吸引し
て一旦貯蔵装置88に貯蔵し、順次、質量差を利用して
選別するブロア機能を備えたいわゆる風選装置90、ふ
るい装置92に送って製品を得るシステム装置94とし
て構成することもできる。この場合、貯蔵装置88は風
選装置90の処理能力に対応した量を供給できる機能を
有する。風選装置90では皮Hが分離処理され、ふるい
装置92では、それぞれ外径の異なる種核N、ひび入り
種子S、研磨材50が分離される。
【0046】
【発明の効果】この発明に係わる皮剥き装置によれば、
種子の皮へ非鋭利状なカッター刃により打撃を与えて皮
を叩き割りすることによって、種核への損傷付与を抑制
しながら効率的に皮剥き処理を行うことができ、その際
に種核のみが底部のネット部材を介して取出しされる。
【0047】また、この発明に係わる皮剥き装置によれ
ば、カッター部材の皮剥き機能と、研磨材による皮剥き
機能を同時に得ることができ、よって皮剥き効率の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る種子の皮剥き装置の一実施例を
示す概要側面図である。
【図2】要部分解斜視図である。
【図3】カッター部材の要部分解斜視図である。
【図4】カッター部材の刃部の平面図である。
【図5】皮剥き動作を示す概要断面図である。
【図6】打撃による種子の皮剥き状態を示す斜視図であ
る。
【図7】打撃による種子の皮剥き状態を示す斜視図であ
る。
【図8】他の実施例における皮剥き動作を示す概要断面
図である。
【図9】研磨材によって研磨された種子の概要断面図で
ある。
【図10】他の実施例における皮剥き動作を示す概要断
面図である。
【図11】他の実施例における使用状態の概要側面図で
ある。
【図12】皮にひびの入った種子の斜視図である。
【図13】皮剥き工程と選別処理工程を含めたシステム
構成を示す概要側面図である。
【符号の説明】
S 種子 N 種核 6 ケーシング 12 カッター部材 50 研磨材 52 攪拌部材 65 打撃部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−135404(JP,A) 特開 平1−262710(JP,A) 特開 平3−160908(JP,A) 特開 平3−123404(JP,A) 特開 平3−133305(JP,A) 実公 昭42−22750(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に種子投入口と底部に取出口とを有
    し種核が皮で覆われた種子を入れるケーシングと、この
    ケーシング内で回転駆動され刃面を非鋭利状として種子
    の皮を打撃して叩き割りするカッター刃で構成されるカ
    ッター部材と、底部の取出口に設けられ皮付きの種子の
    平均外径よりも小さく皮剥された種核の平均外径よりも
    大きなメッシュよりなるネット部材とが備えられている
    種子の皮剥き装置。
  2. 【請求項2】 上記ケーシング内に投入され上記カッタ
    ー部材の回転で移動して種子の皮を薄肉に研磨する研磨
    材を備えた請求項1記載の種子の皮剥き装置。
JP3147442A 1991-02-08 1991-06-19 種子の皮剥き装置 Expired - Lifetime JP3027440B2 (ja)

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