JP3027058U - 窒素ガスボンベ式加圧送水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】高圧窒素ガスボンベのガスを、圧力調整器にて
減圧して密閉水槽に導き水槽内の水に圧力を加えて放水
する。 【解決手段】高圧ガス容器１を連結管２、圧力調整器
３、バルブ１２、配管４を通して、水槽８に接続する。
この水槽に安全弁５ガス抜き弁６補給水管７送水配管９
ドレン配管１０圧力計１１水位計１３水位警報素子１４
等を取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、高圧容器の窒素ガスを利用して密閉水槽内の水を放水させる装 置で、消防設備等の加圧送水装置に、主として利用するものである。

【００２】

【従来の技術】

現在消防法で認定されている加圧送水装置には高架水槽方式、圧力水槽方式 ポンプ方式の３方式がある。高架水槽方式は、高い位置に水槽を設置して水圧 を得る方式である。圧力水槽方式は圧力タンク内に水を入れ、コンプレッサー にて圧力を加え、水圧を得る方式である。ポンプ方式は、動力ポンプにより水 圧を得る方式である。

【００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の加圧送水装置の中で、高架水槽方式は、装置は簡単で故障も少ないが 水圧を得るのに高い場所に水槽を置く必要があり、設置箇所が限定される。 圧力水槽方式は、コンプレッサーを使用するので、装置が複雑で高価となる。 又、コンプレッサーの電動機を作動させる為に電気装置が必要となる。ポンプ 方式は現在最も普及している方式で 電動機によりポンプを回転させて水圧を 得る方式であるが、電動機を作動させるのに電気装置が必要である。 以上３つの方式を比べるに、圧力水槽方式、ポンプ方式は、水圧を得るのに 場所の限定はないが、それぞれ回転部分の機器を持ち、時間がたつにつれ故障 が多くなる。 又、停電の時には作動不能である。故に、非常電源を別途に設置しなければな らず設備費が高くなる。又、非常電源には軽油、重油、ガソリン等の燃料が必 要となり、これらの燃料が火災の場合には危険となる。その上設備が複雑とな り故障の原因も増す。高架水槽方式は高い位置に水槽を設置すれば容易に水圧 を得られ、故障も少ないが高い位置を得るのに設置場所が限定される。本考案 は、これらの方式の欠点を無くし、停電でも作動する加圧送水装置が必要にな り、開発したものである。 又、従来のポンプ方式や、圧力水槽方式の様に電気を使う機器では地震、台風 等で停電になった場合には使用不能で、火災になった場合は燃えるに任せるし かない。故に、電気方式をやめて地震後の停電、台風後の停電等の火災の場合 にも使用出来る事を最大の利点として考案したものである。

【００４】

【課題を解決する手段】

本考案は、高圧窒素ガスを圧力調整器で使用圧力にして、この圧力を密閉水 槽に加えて水圧を得る方式である。 その構成を簡単に書くと

【図１】の様になる。（１）の高圧ガスボンベの窒素 ガスの圧力を、（３）の圧力調整器を通して使用圧力に減圧した後（４）の管 を通して（８）の密閉水槽に導く。この圧力により水槽内の水に水圧を生じさ せこの水圧により（９）の配管を通して消火栓やスプリンクラー等に送水し、 これを放射して消火をする。密閉水槽には、補給の配管、水位計、安全弁、ガ ス抜き弁、ドレン管、圧力計等の配管、水位警報素子等を取り付ける。地下に 水槽を設置する場合のようにやむを得ない場合以外は地震等の振動による装置 の破損を防ぐ為に、高圧ガスボンベは水槽に直接取り付けるか又は、共通の架 台に取り付けるユニット方式にする。

【００５】

【作 用】

本考案の作用について述べると、高圧容器に充填された窒素ガスを、圧力調 整器にて使用圧力まで減圧して、密閉水槽に導き、水槽の水を加圧する。加圧 された水は、配管にて各消火栓やスプリンクラー等に送水される。火災等の必 要時にはその場所の消火栓のバルブを開く事により放水を開始し、消火活動を する。又、スプリンクラーにおいては、密閉式ヘッドを使用すれば火災の温度 にてヘッドの温度ヒューズが溶断して自動的に放水し、消火する。

【００６】

【実 施 例】

本考案の窒素ガスボンベ式加圧送水装置では、必要水量に対してはガス量の 増減にて対応出来、使用圧力の高低については、圧力調整器の圧力設定にて対 応出来るので、小容量から大容量、小水圧から高水圧と各対象物への設置が可 能である。密閉水槽も地下式にするか、地上式にするかはその取付場所により り自由に選択する事が出来る。又、電気のない山奥や離島でも 使用出来る。 以上の様な本考案の利点を考えると、現行の消防法で、設置が義務付けされて いる防火対象物の消火栓等の消火設備の加圧送水装置として使用できる。又、 火災発生件数の一番多い一般住宅用の消火設備は、法の規制も無い為に、開発 が遅れていたが、本考案は、装置が簡単で設備費も安く出来電気装置がいらな いので、電気料等の維持費も要らない。又、取扱いも簡単で確実に作動する。 よってこの一般住宅用の消火設備の加圧送水装置としても大いに利用出来、火 災の初期消火に充分対応出来る。

【００７】

【考案の効果】

この考案の最大の効果は、電気が要らないということである。故に非常時消 火活動の際に停電した為に、消火設備が使えないという様な事がなく、消火活 動が行えるということである。又、静止機器であるために故障が少なく性能の 経年変化も少ない。利用範囲も前述の様に広く特に一般住宅や中小規模な防火 対象物の設備用としては、低価格に設置出来維持費も安い。よってこれら対象 物の火災の際に確実にその性能を発揮して、火災による人命の損傷、又、財産 の損害を軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本考案の加圧送水装置図である。

【符号の説明】

１．は 窒素ガスボンベ ２．は 連結管 ３．は 圧力調整装置 ４．は ガス配管 ５．は 安全弁 ６．は ガス抜き弁 ７．は 補給水管 ８．は 密閉水槽 ９．は 送水用配管 １０．は ドレン配管 １１．は 圧力計 １２．は バルブ類 １３．は 水位計 １４．は 水位警報素子

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】高圧ガス容器のガスを、圧力調整器で使用
   圧力に落として密閉水槽に導き水に圧力を加え送水する
   消火設備用加圧送水装置。
2. 【請求項２】請求項１の加圧送水装置の高圧ガス容器と
   圧力水槽を同一架台に取り付けたユニット式の加圧送水
   装置。