JP3026986B2 - ヒト・パラインフルエンザウイルス3型の免疫原性セグメント類を含有するキメラ糖蛋白類 - Google Patents

ヒト・パラインフルエンザウイルス3型の免疫原性セグメント類を含有するキメラ糖蛋白類

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JP3026986B2 JP1-502794A JP50279489A JP3026986B2 JP 3026986 B2 JP3026986 B2 JP 3026986B2 JP 50279489 A JP50279489 A JP 50279489A JP 3026986 B2 JP3026986 B2 JP 3026986B2
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【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ヒト・パラインフルエンザ3型、PIV3に対
するウイルス特異的免疫応答を調製するのに有用な新規
キメラ糖蛋白類を含む。該糖蛋白類についてコード付け
する構造遺伝子類で形質転換した宿主細胞類、該構造遺
伝子類を含有する発現および複製プラスミド類、該糖蛋
白類から製造したワクチン類および該ワクチン類によっ
てヒトを保護する方法も本発明の一部である。
背景 ヒト・パラインフルエンザ3型、PIV3は幼児および幼
少の子供におけるひどい下部気道病の重要な主要原因で
ある。該ウイルスは世界的に起こり、4才未満のすべて
の子供を事実上感染させる。急性呼吸器病および2次的
合併症は、呼吸器系の未成熟のため、幼児および幼少の
子供で特にひどく、重症の場合には入院を要しかねな
い。下部呼吸器感染は気道のすべてのセグメントに帰せ
られ、通常、発熱、咳、鼻水、および疲労に関係し、臨
床的には気管支炎、細気管支炎、肺炎、クループ、また
はウイルス感染と診断される。より年令のいった子供お
よび成人も再感染するが、再感染は、典型的には、ひど
くはない上部気道病となる。
効果的なPIV3ワクチン類を開発しようとする試みは大
部分失敗に終わっている。生PIV3ワクチンまたは不活化
PIV3ワクチンはウイルス特異的血清抗体の増加を示した
が、該病気に対する大きな保護を提供するものではなか
った。
情報開示の陳述 組換体ワクシニアウイルス発現系はPIV3のFおよびHN
糖蛋白類を別々に発現し、攻撃されたコットン・ラット
において別々に保護免疫応答を誘導することが知られて
いる[コリンズ・ピイ・エルら(Collins,P.L.,et a
l),組換体ワクシニアウイルスによるヒト・パライン
フルエンザウイルス3型のFおよびHN糖蛋白類の発現:
個々の蛋白類の宿主免疫性に対する寄与(Expression o
f the F and HN Glycoproteins of Human Parainfluenz
a Virus Type3 by Recombinant Vaccinia Viruses:Cont
ributions of the Individual Proteins to Host Immun
ity)、ジャーナル・オブ・バイロロジー(Journal of
Virology)61,3416〜3423(1987)]。また、組換体ワ
クシニアウイルス発現系はPIV3−特異的血清中和抗体を
誘導し、霊長類の気道におけるPIV3複製に対する耐性を
付与することが知られている[コリンズ・ピイ・エルら
(Collins,P.L.,et al)、ジャーナル・オブ・バイロロ
ジー(Journal of Virology)62:1293−1296(198
8)]。精製したFおよびHN糖蛋白類の混合物での免疫
化はウイルス中和活性を誘導し、ハムスターにおいて攻
撃感染からの完全な保護を提供した[レイ・アールら
(Ray,R.,et al),ジャーナル・オブ・バイロロジー
(Journal of Virology)62:783−787(1988)]。
発明の要約 本発明は、シグナル配列ならびにヒト・パラインフル
エンザウイルス3型のFおよびHN両糖蛋白からの少なく
とも1つの免疫原性断片よりなるポリペプチドを含む。
この蛋白のワクチンとしての使用、PIV3−関連病を防止
する方法、および組換技術を用いての本蛋白の調製もま
た本発明の一部である。
詳細な記載 以下に定義する語は本明細書中で用いる。「細胞培
養」なる語句は、細胞が元の植物または動物の外部で活
力を維持することを可能ならしめる、多細胞植物または
動物いずれかに由来する増殖細胞の封じ込めをいう。
「下流」なる語は発現の方向にさらに進めた配列に同じ
であり;例えば、コーディング領域は開始コドンよりも
下流にある。「上流」なる語は発現から反対の方向に進
めた配列に同じであり;例えば、細菌プロモーターは転
写ユニットより上流にあり、開始コドンはコーディング
領域よりも上流にある。「微生物」なる語は、細菌、放
線菌および酵母のごとき単細胞原核生物および真核生物
を共に包含する。「オペロン」なる語は遺伝子の発現お
よび調節の完全なユニットであり、構造遺伝子、調節遺
伝子および調節遺伝子産生物によって認識されるDNAに
おける制御要素を包含する。「プラスミド」なる語は、
自律複製する染色体外環状DNAをいい、発現および非発
現タイプを共に包含する。組換体微生物または細胞培養
が発現プラスミドの宿主となると記載する場合、「発現
プラスミド」なる語は染色体外環状DNAおよび宿主染色
体に組み込まれたDNAを共に包含する。プラスミドが宿
主細胞によって維持されている場合、該プラスミドは、
自律構造、あるいは宿主ゲノムの組み込まれた一部いず
れかとして、有糸分裂の間、該細胞によって安定に複製
される。「プロモーター」なる語は、転写を開始させる
ためにRNAポリメラーゼを結合させることに関与するDNA
の領域である。「DNA配列」なる語句は、ヌクレオチド
塩基、アデノシン、チミジン、シトシンおよびグアノシ
ンよりなる一本鎖または二本鎖DNA分子をいう。「実質
的に純粋」なる語は、所望の組換体キメラ糖蛋白以外の
パラインフルエンザウイルス蛋白を含有しない蛋白組成
をいう。実質的に純粋な蛋白は低レベルの宿主細胞構成
物で汚染し得るが、該蛋白は複製パラインフルエンザウ
イルスによって産生される汚染物たる構造および非構造
ウイルス蛋白を欠く。「適当な宿主」なる語句は、組換
体プラスミドに適合し、プラスミドが複製され、そのゲ
ノムへ組み込まれ、または発現されるのを可能とする細
胞培養または微生物をいう。
本発明は種々の公知方法で達成され得る一連の分子遺
伝子操作を含む。該操作は、蛋白のcDNAを得ること、該
cDNAのイー・コリ中でのクローン化および複製ならびに
適当な宿主中での所望のcDNAの発現であると要約でき
る。以下の記載は蛋白を発現させるために利用できる種
々の方法を詳細に述べたものであり、好ましい方法の特
別の実施例によって裏付けられる。
一般に、本発明において必要な命名法および一般的な
実験室的手法は、マニアティスら(Maniatis,et al)、
モレキュラー・クローニング・ア・ラボラトリー・マニ
ュアル(Molecular Cloning A Laboratory Manua
l)」、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリ
ー(Cold Spring Harbor Laboratory)、コールド・ス
プリング・ハーバー(Cold Spring Harbor),ニューヨ
ーク(1982)中に見い出すことができる。
すべてのイー・コリ株は、グルコースを含むルリア・
ブロス(LB)、ディフコ(Difco)の抗生物質培地#2
ならびにグルコースおよび酸加水分解したカゼインアミ
ノ酸を補足したM9培地上で増殖させる。抗生物質に対し
て耐性な株をマニアティスに記載されている薬剤濃度で
維持した。ロウエカンプおよびフィルテル(Rowekamp a
nd Firtel)、ディベロップメンタル・バイオロジー(D
ev.Biol.),79:409〜418(1980)に記載されている方法
に従って形質転換を行った。
すべての酵素は製造業者の指示に従って用いた。グル
ンステインおよびワリス(Grunstein and Wallis),メ
ソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy),68:379〜388に記載されているごときコロニー・
ハイブリダイゼーションによって形質転換体を分析し
た。
ハイブリダイゼーションの後、プローブを取り出し、
保存し、フィルターを0.1%SDS,0.2xSSC中、各400mlを
5回交換して合計3時間洗浄した。フィルターを十分に
風乾し、セットし、コダックX−OMAT ARフィルムおよ
びデュポン(Dupont)、クロネックス・ライテニング・
プラス(Cronex Lightening Plus)補力スクリーンを用
い、−70℃にて、適当な時間オートラジオグラフィーに
付した。
プラスミドの配列決定については、マニアティスに記
載されている方法に従って、精製したプラスミドDNAを
調製する。末端標識したDNA断片を調製し、コリンズお
よびウェルツ(Collins and Wertz)、ジャーナル・オ
ブ・バイロロジー(J.Virol.),54:65−71(1985)によ
って記載されている修飾を伴うマキサムおよびギルバー
ト(Maxam and Gilbert)の化学配列決定法によって分
析した。
ヌクレオチドのサイズはキロベース(Kb)または塩基
対(bp)で表す。これらは、アガロースゲル電気泳動か
らの見積ったものである。
蛋白の発現を達成する第1工程は、cDNAクローンから
蛋白についてコード付けするDNA配列を得ることにあ
る。次いで、この配列を、遺伝子の転写を指令でき、転
写体の効果的な翻訳を可能とする発現プラスミドにクロ
ーン化した。蛋白をコード付けするcDNAを得るための実
験室的方法は一般にマニアティス、および、ことにエラ
ンゴら(Elango,et al),「ヒト・パラインフルエンザ
3型ウイルス・血球凝集素−ノイラミニダーゼ糖蛋白:m
RNAのヌクレオチド配列および精製蛋白の限定アミノ酸
配列(Human Parainfluenza Type3 Virus Hemagglutini
n−Neuraminidase Glycoprotein:Nucleotide sequencs
of mRNA and Limited Amino Acid Sequencs of the Pur
ified Protein)」,ジャーナル・オブ・バイロロジー
(J.Virol.),57:481−489(1986)およびスプリッグズ
ら(Spriggs,et al),「ヒト・パラインフルエンザウ
イルス3型の融合糖蛋白:ヒト遺伝子のヌクレオチド配
列、切断−活性化部位の直接同定、および他のパラミキ
ソウイルスとの比較(Fusion Glycoprotein of Human P
arainfluenza Virus Type3:Nucleotide Sequences of t
he Gene,Direct Identification of the Cleavage−Act
ivation Site,and Comparison with Other Paramyxovir
uses)」,バイロロジー(Virology),152:241−251(1
986)に記載されている。
dGTPのホモポリマー・トラクトが切断部位の3′末端
に酵素的に付加されたPst I切断pBR322にcDNAを挿入す
ることによってクローンを調製する。マニアティスによ
って記載されている方法に従い、dCTPのホモポリマー・
トラクトをcDNA分子の3′末端に酵素的に付加する。理
想的には、クローニング効率を最大化するためには、dC
TPまたはdGTPの10〜30残基を添加すべきである。該cDNA
およびプラスミドを一緒にアニールし、イー・コリに形
質転換する。全長cDNAを含有するクローンは、標識した
ウイルスcDNAまたは遺伝子配列の部分に対して相補的な
オリゴヌクレオチドのプローブ、続いての制限酵素分析
およびDNA配列決定によって検出する。
ニードハム−バンデバンターら(Needham−VanDevant
er,et al),ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl
eic Acids Res.),12:6159−6168(1984)に記載されて
いるごとき自動合成器を用い、ボーケージおよびカルザ
ース(Beaucage and Caruthers),テトラヘドロン・レ
ターズ(Tetrahedron Letters),22(20):1589−1862
(1981)によって最初に記載された固相ホスホルアミデ
イトトリエステル法に従って、オリゴヌクレオチドを化
学的に合成する。オリゴヌクレオチドの精製は、パーソ
ンおよびレニョ(Pearson and Regnier),ジャーナル
・オブ・クロマトグラフィー(J.Chrom.),255:137(19
83)に記載されているごとく、天然アクリルアミドゲル
電気泳動またはアニオン交換HPLCいずれかによる。
合成オリゴヌクレオチドの配列は、マキサムおよびギ
ルバート(Maxam and Gilbert),グロスマンおよびモ
ルデイブ(Grossman and Moldave)編,アカデミック・
プレス(Academic Press),ニューヨーク,メソッズ・
イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),6
5:499−560(1980)の化学分解法を用いて確認すること
ができる。
原核生物系においてクローン化遺伝子の高レベル発現
を達成するには、最小限、mRNA転写を指令する強力なプ
ロモーター、翻訳開始用リボソーム結合部位、および転
写ターミネーターを含有する発現ベクターを構築するこ
とが必須である。この目的に適した調節領域の例は、ヤ
ノフスキィ、ケリー、およびホーン(Yanofsky,Kelley,
and Horn),ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.
Bacteriol.),158:1018−1024(1984)によって記載さ
れているごときイー・コリのトリプトファン生合成経路
のプロモーターおよびオペレーター領域ならびにヘルス
コウィッツおよびハーゲン(Herskowitz and Hagen),
アヌ・レブ・ジェネト(Ann.Rev.Genet.),14:399−445
(1980)によって記載されているごときファージラムダ
(PL)の左方プロモーターである。
イー・コリにて産生される蛋白は、システイン残基の
存在、および適当な翻訳後修飾の欠損のため、適当には
折り畳まれない。イー・コリからの精製の間、発現され
た蛋白をまず変性させ、次いで、復元させなければなら
ない。これは、イー・コリ産生の蛋白を塩酸グアニジン
に可溶化し、すべてのシステイン残基をβ−メルカプト
エタノールで還元することによって達成される。次い
で、蛋白を、ゆっくりとした透析またはゲル濾過いずれ
かによって復元する[米国特許第4511503号]。
蛋白の検出は、ラジオイムノアッセイ、またはウェス
タンブロッティング法あるいは免疫沈殿のごとき当該分
野で公知の方法によって達成される。イー・コリからの
精製は米国特許第4511503号に記載されている手法によ
って達成できる。
異種蛋白の酵母における発現はよく知られ、記載され
ている。メソッズ・イン・イースト・ジェネティックス
(Methods in Yeast Genetics),シャーマンら(Sherm
an,et al),コールド・スプリング・ハーバー・ラボラ
トリー(Cold Spring Harbor Laboratory),(1982)
は、酵母において蛋白を産生するのに用いる種々の方法
を記載するよく知られた文献である。
酵母における遺伝子の高レベル発現のためには、該遺
伝子を原核生物におけるごとき強力なプロモーター系に
結合し、また酵母遺伝子からの十分な転写停止/ポリア
デニレーション配列を供することが必須である。有用な
プロモーターの例はGAL1,10[ジョンストンおよびデイ
ビス(Johnston and Davis),モレキュラー・アンド・
セリュラー・バイオロジー(Mol.and Cell.Biol.),4:1
440−1448(1984)],ADH2[ラッセルら(Russell,et a
l),ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー(J.Biol.Chem.),258:2674−2682(1983)],PHO5
[EMBOJ.6:675−680(1982)]およびMFα1を包含す
る。Lue−2、URA−3、Trp−1,またはHis−3のごとき
選択マーカーを有するマルチコピープラスミドもまた望
ましい。該MFα1プロモーターが好ましい。α交配型の
宿主において該MFα1プロモーターは構成的であるが、
a交配を有する二倍体または細胞では作動停止してい
る。しかしながら、それは、STR座の1つにts突然変異
を有する宿主中で温度を上昇または低下させることによ
って調節できる。35℃におけるかかる突然変異がα型細
胞に与える影響はa交配型についてコード付けする通常
はサイレントな遺伝子を作動開始することにある。一
方、サイレントなa交配型遺伝子の発現はMFα1プロモ
ーターを作動停止させる。増殖温度の27℃への低下は全
プロセスを逆行させる。すなわち、a交配型を作動停止
させ、MFα1を作動開始させる[ヘルスコウィッツおよ
びオーシマ(Herskowitz and Oshima),ザ・モレキュ
ラー・バイオロジー・オブ・ザ・イースト・サッカロミ
セス(The Molecular Biology of the Yeast Saccharom
yces),シュトラセルン・ジョーンズおよびブローチ
(Strathern,Jones,and Broach)編、コールド・スプリ
ング・ハーバー・ラボラトリーズ(Cold Spring Harbor
Lab.)、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spri
ng Harbor),ニューヨーク,181−209(1982)]。
ポリアデニレーション配列はADH1、MFα1、またはTP
Iのような高発現遺伝子いずれかの3′末端配列により
供される[アルバーおよびカワサキ(Alber and Kawasa
ki),ジャーナル・オブ・モレキュラー・アンド・アプ
ライド・ジェネティックス(J.of Mol.and Appl.Gene
t.),1:419−434(1982)]。
YEp6、YEp13、YEp24のような酵母発現プラスミドをベ
クターとして用いることができる。注目する遺伝子を前
記プロモーターのいずれかに融合させ、次いで、種々の
酵母宿主における発現用プラスミドに結ぶことができ
る。これらのプラスミドは、文献ポートステインら(Bo
tstein,et al),ジーン(Gene),8:17−24(1979);
ブローチら(Broach,et al),ジーン(Gene),8:121−
133(1979)に詳細に記載されている。
酵母細胞の形質転換で2種の手法を用いる。1の場
合、チモラーゼ、リティカーゼまたはグルスラーゼを用
いて酵母細胞をまずプロトプラストに変換し、続いてDN
Aおよびポリエチレングリコール(PEG)を添加する。次
いで、該PEG処理プロトプラストを選択条件下、3%寒
天培地中で再生する。この手法の詳細はベッグズ(Begg
s)、ネイチャー(Nature)(ロンドン(London)),27
5:104−109(1978);およびヒンネンら(Hinnen,et a
l),プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)US
A,75:1929−1933(1978)中に記載されている。第2の
手法は細胞壁の除去を含まない。代わりに細胞を塩化ま
たは酢酸リチウムとPEGで処理し、選択平板上に置く
[イトーら(Ito,et al),ジャーナル・オブ・バクテ
リオロジー(J.Bact.),153:163−168(1983)]。
宿主細胞培養を形質転換するのに用いる種々の発現ベ
クターにcDNAを結ぶことができる。ベクターはすべて、
形質転換されるべき宿主細胞に適合する蛋白の転写およ
び翻訳を開始させるための配列を含有する。
加えて、ベクターは、好ましくは、ジヒドロ葉酸還元
酵素またはメタロチオネインのごとき形質転換宿主細胞
の選択についての表現型特性を提供するためのマーカー
を持つ。加えて、複製ベクターはレプリコンを含有し得
る。
昆虫または哺乳動物細胞培養は蛋白の産生に有用であ
る。哺乳動物細胞浮遊液を用いることもできるが、哺乳
動物細胞系はしばしば細胞の単層形態とする。哺乳動物
細胞系の例は、VEROおよびHeLA、チャイニーズ・ハムス
ター卵巣(CHO)細胞系、WI38、BHK、COS−7またはMDC
K細胞系を包含する。
宿主細胞を形質転換するのに用いるベクターは、好ま
しくは、蛋白遺伝子配列の転写および翻訳を開始させる
ための配列を含有する。これらの配列を発現制御配列と
いう。宿主細胞が哺乳動物または昆虫起源のものである
場合、有用な発現制御配列の例はSV−40プロモーター、
サイエンス(Science),222,524−527(1983),CMV I.
E.プロモーター[プロシーディングズ・オブ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Aca
d.Sci.)81:659−663(1984)]、メタロチオネインプ
ロモーター、ネイチャー(Nature),296,39−42(198
2)またはバクロウイルス・ポリヘドリンプロモーター
(昆虫細胞)、バイロロジー(Virol.),131,561−565
(1983)から得られるものである。発現制御配列を含有
するDNA物質を複製しまたは組み込むためのプラスミド
は制限酵素を用いて切断し、要すれば、あるいは所望に
よりサイズを調整し、当該分野でよく知られた方法を用
い、蛋白をコード付けするcDNAで結ぶ。
高等動物宿主細胞を用いる場合、公知哺乳動物遺伝子
からのポリアデニレーションまたは転写ターミネーター
配列がベクターに組み込まれることを要する。ターミネ
ーター配列の例はウシ成長ホルモン遺伝子からのポリア
デニレーション配列である。
加えて、ウシ・乳頭腫ウイルス型ベクター[サベリア
−カンポ(Saveria−Campo)、「ウシ乳頭腫ウイルスDN
A:真核生物クローニングベクター(Bovine papillomavi
rus DNA:a eukaryotic colning vector)、デイ・エイ
・エヌ・クローニング(DNA Cloning)II巻…実践的ア
プローチ(A practical approach)、グロバー(Glove
r)編、アイ・アール・エル・プレス(IRL Press)、ア
ーリントン(Arlington)、バージニア州213−238(198
5)]に見い出されるごときベクターに宿主細胞で複製
を制御する遺伝子配列を組み込むこともできる。
チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞中で蛋白
を発現するのに有用で好ましい発現ベクターは、各々、
イー・コリおよびCHO細胞中でマーカーとしてアンピシ
リン耐性およびジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子を利用して
CHOおよびイー・コリ双方中で複製するシャトル・ベク
ターpSVCOW7である。また、プラスミドpSVCOW7は、CHO
細胞での発現に必要なウシ成長ホルモンからのポリアデ
ニレーション配列を提供する。プラスミドpSVCOW7を切
断し、ウイルスプロモーターおよびcDNAを挿入する。
昆虫細胞中で蛋白を発現するための組換体バクロウイ
ルスを形成するのに有用な好ましい発現ベクターはpAc3
73である「スミスら(Smith,et al)、モレキュラー・
アンド・セリュラー・バイオロジー(Mol.Cell.Biol.)
3:2156−2165(1983)]。該プラスミドはアンピリシン
耐性を利用してイー・コリ細胞中で複製し、遺伝子の発
現用バクロウイルス・ポリヘドリン遺伝子からの真核生
物プロモーターおよびポリアデニレーションシグナルを
提供する。プラスミドpAc373を切断し、cDNAを該プロモ
ーターに隣接させて挿入する。この新しいプラスミド
を、リン酸カルシウム沈殿法によって、バクロウイルス
(アウトグラパ・カリフォルニカ(Autograpa californ
ica)核多角体病ウイルス)DNAで昆虫細胞に共トランス
フェクトする。同種組換えによって、cDNAを含有するpA
c373ポリヘドリン遺伝子が、存在するウイルスポリヘド
リン遺伝子を置き換えた組換体バクロウイルスは、プロ
ーブとして32P−標識cDNAを用いるドットブロットハイ
ブリダイゼーションによって検出される[サマーズおよ
びスミス(Summers and Smith)、バクロウイルスベク
ターおよび昆虫細胞培養法のマニュアル(A Manual of
Methods for Baclovirus Vectors and Insect Cell Cul
ture Procedures)、テキサス・エイ・アンド・エム大
学(Texas A&M University)、カレッジ・ステーショ
ン(College Station)、テキサス州、29−30(198
6)]。組換体バクロウイルスに感染した昆虫細胞はそ
の閉塞陰性形態によって識別できる。というのは、cDNA
のポリヘドリン遺伝子への挿入はこの閉塞形成蛋白の合
成を妨げるからである。
蛋白を発現させるウシ乳頭腫ウイルス(BPV)と組み
合わせて用いる好ましい発現ベクターはpTFW9である
(プラスミドpTFW9はブダペスト条約に従い寄託した。
プラスミドpTFW9をイー・コリ宿主中に維持し、1986年1
1月17日にノーザン・リージョナル・リサーチ・センタ
ー(Northern Regional Research Center)、ペオリア
(Peoria)、イリノイ州、米国に寄託し、受託番号NRRL
B−18141が与えられた)。該プラスミドはアンピシリ
ン耐性を利用してイー・コリ中で複製し、遺伝子の発現
のためのマウス・メタロチオネイン・プロモーターおよ
びSV40ポリアデニレーションシグナルを提供する。プラ
スミドpTFW9を切断し、cDNAを該プロモーターに隣接し
て挿入する。次いで、この新しいプラスミドを切断して
BPVの挿入を可能とする。組換体プラスミドをリン酸カ
ルシウム沈殿法によって動物細胞にトランスフェクト
し、形質転換された細胞のフォーカスを選択する。
宿主細胞はトランスフェクションに対し受容能がある
か、または種々の手段によって受容能を与える。DNAを
動物細胞に導入するにはいくつかのよく知られた方法が
ある。これらは、リン酸カルシウム沈殿、受容細胞とDN
Aを含有する細菌プロトプラストとの融合、DNAを含有す
るリポソームでの受容細胞の処理、DNAの細胞への直接
マイクロインジェクションを包含する。トランスフェク
トした細胞を当該分野でよく知られた手段により培養す
る[細胞培養およびウイルス学における生化学方法(Bi
ochemical Methods in Cell and Virology)、クチナ
ー、ドーデン、ヒッチンソンおよびロス・インコーポレ
テッド(Kuchler,Dowden,Hutchinson and Ross,Inc.)
(1977)]。前記真核生物発現系の1つで発現させた組
換体糖蛋白を、よく知られた機械的または酵素的手法で
宿主細胞系の破壊によって作った細胞浮遊液から単離す
る。細胞から分泌されるよう設計した蛋白は細胞を破壊
することなく培地から単離する。糖蛋白の精製について
は、まず、細胞質画分を糖蛋白に特異的に結合するレン
チル−レクチンカラムに適用するのが効果的である。次
いで、溶出した糖蛋白を、抗体を含有するアフィニティ
ーカラムに適用する。
典型的な糖蛋白は3つの領域に分けることができる。
アミノ末端にはシグナル配列と呼ばれる疎水性領域があ
る。アミノ酸のこの配列は糖蛋白の細胞膜への輸送を指
令する。輸送に続き、該シグナル配列は切断によって除
去される。シグナル配列から下流に成熟糖蛋白の細胞外
ドメインがある。これは、糖蛋白の免疫原性部分であ
る。というのは、それは抗体に接近できるからである。
糖蛋白のカルボキシ末端には、糖蛋白の細胞膜中への保
持を引き起こす疎水性アンカー領域がある。PIV3Fは、
アミノ末端シグナル配列およびカルボキシ末端アンカー
配列を持つ点で典型的な糖蛋白である[スプリッグズら
(Spriggs,et al)、バイロロジー(Virology)152:241
−25(1986)]。しかしながら、該PIV3NH糖蛋白は通常
ではない。というのは、そのアミノ末端はシグナルおよ
びアンカー領域双方として作用するからである[エラン
ゴら(Elango,et al)、ジャーナル・オブ・バイロロジ
ー(J.Virol.),57:481−489(1986)]。
糖蛋白は細胞から周りの培地に分泌されるように設計
できる。これは、アンカー領域の翻訳前に糖蛋白の早期
停止を引き起こすことによって達成される[ラスキーら
(Lasky,et al),バイオテクノロジー(Biotechnolog
y),2:527−532(1984)]。早期停止はユニバーサル翻
訳ターミネーター・オリゴヌクレオチドを当該遺伝子の
DNA中の適当な部位に挿入することによって達成でき
る。これらのオリゴヌクレオチドは商業的に入手可能で
ある。また、早期停止は当該リーディングフレームを変
更し、かくして翻訳終止コドンを生じさせることによっ
て達成できる。
以下に記載のキメラ糖蛋白は、PIV3NHの細胞外ドメイ
ンに結合したPIV3Fのシグナルおよび細胞外ドメインよ
りなり、FHNと呼ぶ。真核生物発現ベクター中に適当に
位置させる場合、前記FHN遺伝子は、細胞表面に輸送さ
れて、培地に分泌されるキメラ糖蛋白を発現するように
設計される。
PIV3HN蛋白の細胞質ドメインの大部分は、Dra I(蛋
白コーディング量的のヌクレオチド452位)およびPst I
(蛋白コーディング領域のヌクレオチド1709位)制限酵
素部位にわたるコーディング領域内に含有される。PIV3
F蛋白の細胞質ドメインの大部分はXba I(蛋白コーディ
ング領域のヌクレオチド1398位)制限酵素部位に先立つ
コーディング領域内に包含される。この配列はシグナル
領域および大部分の抗原性領域についてコード付けする
が、F糖蛋白のアンカー領域についてはコード付けしな
い。
該HN糖蛋白配列をPIV3のF糖蛋白に挿入するには、該
HN遺伝子をPst Iで消化し、T4DNAポリメラーゼ末端を平
滑化する。配列: 持つXba Iリンカー(ニュー・イングランド・バイオラ
ブズ(New England Biolabs))末端に結ぶ。該遺伝子
をアガロースゲル電気泳動によって、残存するリンカー
から分離する。前記リンカーは蛋白合成を停止させるイ
ン・フェイズ(in phase)翻訳終止シグナルを含有す
る。次いで、該HN遺伝子をDra Iで消化し、配列: を持つXba Iリンカー(ニュー・イングランド・バイオ
ラブズ(New England Biolabs))を末端に結ぶ。この
リンカーはイン・フェイズ(in phase)翻訳終止シグナ
ルを含有せず、FないしHN配列の蛋白の読み過ごしを可
能とする。該リンカーを含有するHN遺伝子断片(1.3K
b)をXba Iで消化し、アガロースゲル電気泳動によっ
て、残存するリンカーから分離する。PIV3F遺伝子をXba
Iで消化し、細菌アルカリ性ホスファターゼ脱リン酸化
する。次いで、該1.3Kb HN断片をXba I部位にてF遺伝
子に結び、イー・コリHB101に形質転換する。キメラ糖
蛋白遺伝子を含有するクローンを単離し、マキサム−ギ
ルバート配列決定法によって、FおよびHNのDNA配列間
の結合を正しいことを確認する。PIV3キメラ糖蛋白遺伝
子は適当な発現ベクターに入れることができる。
前記制限酵素部位はFおよびHN糖蛋白の関連領域の大
部分の発現を可能とするので、それらを選択したもので
ある。しかしながら、糖蛋白の他の部分は、これらの遺
伝子の融合についてのFおよびHNコーディング配列内の
他の制限酵素部位を選択することによって発現され得
る。例えば、制限酵素Hae III、Kpn I、またはNla IVを
HN遺伝子の5′末端で切断するのに用いることができ
る。制限酵素Bal I、Bgl II、またはHea IIIをHN遺伝子
の3′末端で切断するのに用いることができる。gpF遺
伝子については、Bgl II、Hae III、Nsi I、またはXho
II制限酵素をXba Iの代わりに用いることができる。結
合領域におけるリーディングフレームを修正するために
リンカーオリゴヌクレオチドを添加することができる。
2の可能なフレームシフトを修正する2のオリゴヌクレ
オチドは、商業的に入手可能なSal Iリンカー: である。また、糖蛋白においてアンカー領域が所望され
る場合、リンカーオリゴヌクレオチドを第2の結合に添
加してgpFアンカー領域の合成を可能とする。種々の配
列の挿入または欠失によって、FHNキメラ蛋白の発現に
ついて別法を設計できる。該蛋白についての主要な評価
基準はシグナル配列および2種の糖蛋白の免疫学的に重
要な領域の保持である。
FHN遺伝子のCHO、BPV、またはバクロウイルス発現ベ
クターへの挿入はすでに述べた通りである。
FHNキメラ糖蛋白は個々の糖蛋白の発現よりも優れた
利点を提供する。FHNは単一の蛋白であるから、別々の
FおよびHN糖蛋白と比較して、精製については、労力お
よび試薬は半分を要するだけである。また、精製を容易
とするために、FHNキメラ糖蛋白を培地に分泌させる。
F糖蛋白は、アンカー領域配列に先立つ切断によって分
泌糖蛋白に設計できる。しかしながら、PIV3 HN糖蛋白
はそのアミノ末端にシグナル/アンカー領域を含有す
る。従って、この糖蛋白の切断は分泌形を生じさせない
であろう。シグナル/アンカー領域は外来性糖蛋白から
のシグナル領域で置き換えることができるが、これによ
り、外来性蛋白配列が可能なワクチンに導入されるであ
ろう。
チャート1〜6でプラスミドおよび断片を表すのに用
いる約束はプラスミドおよびその断片の通常の環状表示
に同義であることを意図する。環状の図とは異なり、チ
ャート上の単一線図は、左から右(5′ないし3′)に
開始または転写が起こる環状および直線状二本鎖DNAを
共に表す。星印(*)はプラスミドの環状形態を完成さ
せるためのオリゴヌクレオチドの架橋を示す。断片は二
本鎖DNAの直線片であるゆえ、断片は星印を有しない。
エンドヌクレアーゼ制限部位は該線の上方に表す。遺伝
子マーカーは該線の下方に示す。マーカー間の相対的間
隔は現実の距離を示すものではなく、示されたDNA配列
についてその相対的位置を示すだけである。
実施例1 F糖蛋白遺伝子からのG−Cテールの除去…
チャート1 F糖蛋白の最大発現を得るために、cDNAをプラスミド
pBR322に挿入するのに用いるG−CヌクレオチドをcDNA
の末端から除去しなければならない。FHNcDNAをCHO細胞
についての好ましい発現ベクター(後記pSVCOW7)、ま
たはバクロウイルスについての好ましい発現ベクター
(後記pAc373)に都合よく挿入するためには、蛋白コー
ディング配列の上流にBamH I部位を供する必要がある。
F糖蛋白についての全配列を含有するcDNAクローンの合
成法は記載されている[スプリッグスら(Spriggs,et a
l)、バイロロジー(Virology)152:241−251(198
6)]。
無傷PIV3F遺伝子を含有するcDNA(pGPF1)をBstX Iお
よびNde Iで消化する。BstX Iは遺伝子の開始コドンに
対して39位でF遺伝子を切断し、Nde Iは1599位で切断
する。オリゴヌクレオチド1をBstX I切断部位に結び、
オリゴヌクレオチド2をNde I切断部位に結ぶ。オリゴ
ヌクレオチド1は、F遺伝子のコーディング領域におけ
る該コーディング領域の10塩基対前からBstX I切断部位
まで(−10ないし+39)を含有し、オリゴヌクレオチド
の5′末端上にBamH I部位を有する。オリゴヌクレオチ
ド2は、F遺伝子のNde I切断部位ないし停止コドンのD
NA配列(+1599ないし+1620)を含有する。オリゴヌク
レオチド2の3′末端には、Nru I制限酵素部位、続い
てBamH I制限酵素部位がある。
オリゴヌクレオチドを結んだ後、該DNAをBamH Iで消
化し、F遺伝子(断片1,1.6Kb)をゲル精製する。BamH
Iで消化し、細菌アルカリ性ホスファターゼで脱リン酸
化したプラスミドpBR322(ファルマシア(Pharmaci
a))に断片1を結ぶ。プラスミド(pGPF2)をイー・コ
リHB101に形質転換する。pGPF2の新しく合成した領域を
マキサム−ギルバート法によって配列決定して正確な合
成および結びを確認する。
実施例2 PIV3キメラFHN遺伝子の構築…チャート2 A.PIV3 HN糖蛋白質遺伝子の調製 PIV3 HN遺伝子の全コーディング領域を含有するクロ
ーンおよびかかるクローンの単離法は記載されちる[エ
ランゴら(Elango,et al)、ジャーナル・オブ・バイロ
ロジー(J.Virol.)57:481−489(1986)]。PIV3 HN遺
伝子を含有するcDNAクローン(pGPHN1)をPst Iで消化
する。この酵素はHN遺伝子の3′末端(ヌクレオチド+
1714)に向けて切断する。断片の末端をT4DNAポリメラ
ーゼで平滑末端とし、次いで、細菌アルカリ性ホスファ
ターゼで脱リン酸化する。配列: をもつXba Iリンカー(ニュー・イングランド・バイオ
ラブズ(New England Biolabs);リンカー1)を末端
に結ぶ。1.2%アガロースゲルでの電気泳動によって、c
DNAを残存するリンカーから分離する。HN遺伝子を含有
する1.7Kb断片(断片2)をゲルから切り出し、DNAをア
ガロースから精製する。前記リンカーは蛋白合成を停止
させるイン・フェイズ(in phase)翻訳終止シグナルを
含有する。次いで、HN遺伝子をDra Iで消化する。この
酵素は、HN遺伝子のシグナル/アンカーをコード付けす
る領域(+452)に対し3′を切断する。配列: を持つXba Iリンカー(ニュー・イングランド・バイオ
ラブズ(New England Biolabs);リンカー2)を末端
に結ぶ。このリンカーはイン・フェイズ(in phase)翻
訳終止シグナルを含有する。該DNAをXba Iで消化し、1.
2%アガロースゲルでの電気泳動によって、残存するリ
ンカーから分離する。HN遺伝子の関連領域を含有する1.
3Kb断片をゲルから切り出し、DNAをアガロースから精製
する。
B.HNcDNAのPIV3 F糖蛋白遺伝子への挿入 プラスミドpGPF2をXba Iで消化し、細菌アルカリ性ホ
スファターゼで脱リン酸化する。1.3Kb断片をXba I部位
に結んでキメラFHN遺伝子(pGPFHN1)を得る。該プラス
ミドをイー・コリHB101に形質転換する。クローンを単
離し、FHN遺伝子内にほぼ2.5Kbおよび350bpの断片を生
じるBamH IおよびPvu IIでの消化によって、F遺伝子内
のHNcDNAの正しい配位から選択する。HN断片の正しくな
い配位は、BamH IおよびPvu IIでの消化に際し、ほぼ1.
5Kbおよび1.3Kbの断片を生じさせた。適当に配位したク
ローンの結合領域をマキサム−ギルバート法によって配
列決定してHN断片の適当な結びを確認する。
実施例3 種々の長さのキメラFHN糖蛋白についてコー
ド付けする遺伝子を生じさせるためのDNAオリゴヌクレ
オチドの使用…チャート3 FおよびHN糖蛋白の種々の領域を含有するキメラFHN
糖蛋白についてコード付けする遺伝子は、制限酵素およ
びオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて生じさせる
ことができる。この手法により、FおよびHN糖蛋白がそ
のアミノ酸骨格のいずれの所望の地点に結合することも
可能となり、宿主免疫系によって認識されるエピトープ
を含有するような領域の一体化および除去が可能とな
る。個々のアミノ酸は、所望ならば、変化させることが
できる。オリゴヌクレオチドは都合よい制限酵素部位に
対する所望の結合地点からDNA配列に対応させて合成す
る。糖蛋白遺伝子はその制限酵素で消化し、該オリゴヌ
クレオチドを該制限酵素部位で該遺伝子に結んで所望の
長さのDNA断片を得る。該オリゴヌクレオチドは末端が
結ぶのに容易なように制限酵素部位に適合させて合成す
る。
A.糖蛋白HNcDNAのF糖蛋白遺伝子への挿入 クローンpGPHN1をPst IおよびDra Iで消化する。ヌク
レオチド452位ないし1714位からのcDNA領域を表す1.3Kb
断片(断片4)をゲル精製する。次いで、HN cDNAの隣
接領域を表すオリゴヌクレオチドを断片4の各末端に結
ぶ。これらのオリゴヌクレオチドにおけるDNA配列はHN
糖蛋白上で見い出れるさらなるエピトープについてコー
ド付けし得る。個々のオリゴヌクレオチドは、唯一のエ
ピトープ類を含有し得る領域類を一体化するように設計
した。HN cDNAの5′末端に結んだオリゴヌクレオチド
は、オリゴヌクレオチド3(cDNAヌクレオチド395ない
し452)、オリゴヌクレオチド3−4(cDNAヌクレオチ
ド335ないし452)、オリゴヌクレオチド3−4−5(cD
NAヌクレオチド275ないし452)、オリゴヌクレオチド3
−4−5−6(cDNAヌクレオチド218ないし452)、また
はオリゴヌクレオチド3−4−5−6−7(cDNAヌクレ
オチド162ないし452)いずれかよりなり得る。括弧は末
端オリゴヌクレオチドにのみ包含されるヌクレオチド類
を囲う。例えば、囲んだヌクレオチド類は、オリゴヌク
レオチド6を付加したとすれば、オリゴヌクレオチド5
に包含されない。これらの囲んだヌクレオチド類はXba
I部位についてコードする。オリゴヌクレオチド類の適
合末端間の結びを可能とするためにさらにオリゴヌクレ
オチド(類)が付加される場合は、囲んだヌクレオチド
類は包含されない。例えば、オリゴヌクレオチド3の
5′末端は、括弧で囲まれたヌクレオチド類がオリゴヌ
クレオチド3に包含されない場合、オリゴヌクレオチド
4の3′末端に適合する。オリゴヌクレオチド8をHN遺
伝子断片の3′末端に結ぶ。このオリゴヌクレオチドの
3′末端に結ぶ。このオリゴヌクレオチドの5′末端は
断片4の3′末端に適合する。このオリゴヌクレオチド
の3′末端はイン・フェイズ(in phase)翻訳終止シグ
ナル、続いてのXba I制限酵素部位を含有する。
オリゴヌクレオチドをHN cDNA断片に結んだ後、該DNA
をXba Iで消化し、拡大したHN cDNA断片(断片5)をゲ
ル精製する。次いで、新しいHN cDNA断片をXba I消化の
pGPF2に結ぶ。該DNAをコー・コリHB101に形質転換し、
F遺伝子内に正しい向きでHN遺伝子を含有するクローン
を単離する(pGPFHN2)。配位は適当な制限酵素類での
消化によって判断する。キメラ遺伝子の新しく合成した
領域をマシサム−ギルバート配列決定法によって正しい
ことを確認する。次いで、該クローンを後記するごとく
種々の発現ベクターに入れることができる。
B.オリゴヌクレオチド 実施例4 アンカー領域を含有するPIV3キメラFHN糖蛋
白遺伝子の構築 実施例2および3は、アンカー領域を含有せず、従っ
て発現細胞の培地に分泌されるキメラFHN糖蛋白につい
てコード付けする遺伝子の合成を説明する。アンカー領
域を含有するキメラFHN糖蛋白についてコード付けする
遺伝子を合成することができる。アンカー領域は、ほと
んどのウイルス糖蛋白と同様に、キメラ糖蛋白の細胞膜
中への保持を引き起こすであろう。アンカー領域は、F
およびHN両糖蛋白からのキメラ分子の免疫原性領域が細
胞外流動体に突き出るように、糖蛋白のカルボキシ末端
上に位置させ得る。以下に記載の遺伝子は、アミノ末端
からカルボキシ末端にかけてPIV3 Fの細胞外領域、PIV3
HNの細胞外領域、およびPIV3 Fのアンカー領域の順序
のこれらよりなるキメラ糖蛋白についてコード付けす
る。
A.HNcDNA断片のPIV3 F糖蛋白遺伝子への挿入クローンpG
PHN1をDra IおよびPst Iで消化する。まず、オリゴヌク
レオチド9をDNA断片に結ぶ(オリゴヌクレオチドはDra
I部位に適合する)。次いで、オリゴヌクレオチド10を
(Pst I部位に適合する)DNA断片に結ぶ。両オリゴヌク
レオチド類はXba I制限酵素部位を含有する。
結んだ後、該DNAをXba Iで消化し、HNcDNAの1.3Kb断
片(断片6)をゲル精製する。次いで、断片6をXba I
消化のpGPF2に結ぶ。該DNAをイー・コリHB101に形質転
換する。次いで、適当に配位したクローンの結合領域を
マキサム−ギルバート配列決定法によって正しいことを
確認する。このクローン(pGPFHN3)は後記するごとく
種々の発現ベクターに入れることができる。
実施例5 PIV3キメラHNF糖蛋白遺伝子の構築 PIV3F糖蛋白の細胞外領域の一部をHN糖蛋白のカルボ
キシ末端に位置させることができる。このキメラ糖蛋白
は、アミノ末端からカルボキシ末端にかけて、HNのアミ
ノ末端からのシグナル/アンカー領域、HNの細胞外領域
の大部分、およびFの細胞外領域の一部の順序のこれら
よりなる。
A.PIV3HN糖蛋白遺伝子の調製…チャート5 発現用クローンpGPHN1を調製するためには、cDNAクロ
ーニングで用いるG−Cテールを除去しなければなら
ず、適合する制限酵素部位をその末端に位置させなけれ
ばならない。Hph IはcDNA遺伝子コーディング配列上の7
5位にて切断する。次いで、以下のオリゴヌクレオチド
を該cDNA断片に結ぶ。
オリゴヌクレオチド11を該Hph I部位に結び、該cDNA
断片の5′末端上にBamH I制限酵素部位を生じる。オリ
ゴヌクレオチド11を結んだ後、該DNAをBamH IおよびPst
Iで消化する(Pst IはHN遺伝子においてヌクレオチド1
714位にて切断する)。該DNAを1.2%アガロースゲルに
て電気泳動する。1.7KbHNcDNA断片(断片7)をゲルか
ら切り出し、該DNAをアガロースから精製する。次い
で、BamH IおよびPst Iで消化したpUC19に断片7を結ん
でpGPHN2を得る。該プラスミドをイー・コリHB101に形
質転換し、プラスミドDNAを単離する。
B.F cDNA断片のPIV3 HN糖蛋白遺伝子への挿入…チャー
ト6 クローンpGPF1をBstE IIおよびXba Iで消化する。Bst
E IIは、F cDNA遺伝子配列上、190位にて切断し、Xba I
は1398位にて切断する。次いで、以下のオリゴヌクレオ
チド類を該cDNA断片に結ぶ。
オリゴヌクレオチド12をBstE II部位に結び、cDNA断
片の5′末端上にPst I制限酵素部位を生じる。オリゴ
ヌクレオチド13をXba I部位に結び、翻訳終止コドン、N
ru I制限酵素部位、BamH I制限酵素部位、およびPst I
制限酵素部位が、示した順序(5′ないし3′)で、cD
NA断片の3′末端に生じる。次いで、該DNAをPst Iで消
化し、1.2Kb F cDNA断片(断片8)をゲル精製する。次
いで、Pst Iで消化したpGPHN2に断片8を結ぶ。該プラ
スミドをイー・コリHB101に形質転換する。クローンを
単離し、2.9Kb断片を生じさせるBamH IおよびNru Iでの
消化によって、HN遺伝子内のF cDNAの正しい配位から選
択する。正しくない配位は1.7Kb断片を生じさせる。次
いで、適当に配位したクローンの結合領域をマキサム−
ギルバート配列決定法によって正しいことを確認する。
このクローン(pGPHNF1)は後記するごとく種々の発現
ベクターに入れることができる。
実施例6 PIV3のキメラFHN糖蛋白のCHO細胞での発現 A.pSVCOW7の構築 (アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションか
ら入手可能であるか、またはエス・スブラマニら(S.Su
bramani,et al)、「シミアンウイルス40におけるマウ
ス・ジヒドロ葉酸還元酵素相補的デオキシリボ核酸の発
現(Expression of the Dihydrofolate Reductase Comp
lementary Deoxyribonucleic Acid in Simian Virus4
0)」、モレキュラー・アンド・セリュラー・バイロロ
ジー(Molecular and Cellular Biology)2:854−864
(1981年9月)の手法に従って調製される)出発プラス
ミドpSV2dhfrをBamH IおよびEcoR Iで消化してアンピシ
リン耐性遺伝子、SV40複製開始点、およびdhfr遺伝子を
含有する5.0Kb断片(断片9)を得る。pSVCOW7の第2部
分をプラスミドpλGH2R2から得、pSV2dhfrを切断する
のに用いる同制限エンドヌクレアーゼで消化してゲノミ
ック・ウシ成長ホルモン遺伝子、すなわちBGHgDNAの
3′末端を含有する2.1Kb断片(断片10)を得る。プラ
スミドpλGH2R2は、イリノイ州、ペオリア(Peoria)
にあるノーザン・リージョナル・リサーチ・ラボラトリ
ーズ(Northern Regional Research Laboratories)に
寄託したイー・コリHB101宿主(NRRL B−15154)から公
に入手できる。断片9および10を結んでpSVCOW7(7.1K
b)を得る。
B.pGPFHN−IE−PAの構築 実施例2〜5で構築した遺伝子はCHO細胞におけるキ
メラ糖蛋白の発現に用いる。プラスミドpGPFHN−1は以
下の実施例で用いる。他のキメラ遺伝子は、特に断りの
ない限り、pGPFHN−1について記載したごとく処理す
る。pGPFHN−IE−PAの組立は2段工程で行う。まず、pG
PFHN1からのgpFHNcDNAをpSVCOW7に挿入し、pGPFHN−PA
を得、次いで、PIV3様蛋白の転写を開始させるためにサ
イトメガロウイルスの即時型プロモーターを挿入してpG
PFHN−IEPAを得る。
工程1.プラスミドpSVCOW7をEcoR IおよびPuv IIで切断
し、BGH遺伝子の最も3′側エクソンにおけるPvu II部
位から3′末端より下流のEcoR I部位まで伸びるウシ成
長ホルモンのポリアデニレーション配列を含有する断片
11(600bp)を単離する。BGHポリアデニレーション配列
の詳細な考察については、以下の文献:(1)BGHゲノ
ミックDNAの同定および特徴付けが開示されている、198
4年6月27日に公開された欧州特許出願0112012号;
(2)ヌクレオチド配列AATAAAがBGH遺伝子の3′末端
から11ないし30ヌクレオチド上流(5′末端へ向けて)
の位置におけるポリアデニレーションシグナルを特徴付
けることを開示する、ウォイチック・アール・ピイら
(Woychick,R.P.et al)、「正確なポリアデニレーショ
ンについてのウシ成長ホルモン遺伝子の3′フランキン
グ領域の要件(Requirement for the 3′Flanking Regi
on of the Bovine Growth Hormone Gene for Accurate
Polyadenylation)」、プロシーディングズ・オブ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Nat
l.Acad.Sci.)USA81:3944−3948(1984年7月);およ
びデイ・アール・ヒッグズら(D.R.Higgs,et al)、ネ
イチャー(Nature)306:398−400(1983年11月24日)お
よびそこに引用された文献を参照。
pSVCOW7の第2の試料をEcoR IおよびBamH Iで切断し
て断片12(5.8Kb)を得る。別法として、断片12はベセ
スダ・リサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research
Laboratories)から入手可能な親プセスミドpSV2dhfrか
らのEcoR I/BamH I断片から得ることができる。断片12
は、pBR322からの複製開始点およびイー・コリ中のプラ
スミドの選択を可能とするイー・コリ中で発現されるア
ンピシリン耐性遺伝子を含有する。また、該断片は、哺
乳動物細胞中での発現を可能とするマウス・ジヒドロ葉
酸還元酵素cDNAを組立体中に含有する「スブラマニら
(Subramani,et al)、モレキュラー・アンド・セリュ
ラー・バイオロジー(Mol.Cell.Biol.)1:854−864(19
81)]。
プラスミドpGPFHN1をBamH IおよびNru Iで切断して断
片13(2.7Kb)を得、これをゲル単離する。BamH I部位
はFHNmRNAの5′非翻訳配列についてコード付けするcDN
Aの丁度上流にあり、Nru I部位は翻訳終止コドンから数
塩基対下流にある。
断片11、12および13を結んでpGPFHN−PA(9.1Kb)を
得るが、これはイー・コリおよびCHO細胞の間を往来で
きる複製ベクターである。プラスミドpGPFHN−PAをイー
・コリに形質転換する。
工程2. 工程2においては、ヒト・サイトメガロウイルスから
の即時型遺伝子プロモーター(CMV I.E.プロモーター)
を挿入することによって、pGPFHN−PAを発現プラスミド
pGPFHN−IE−PAに変換する。該CMV I.E.プロモーターは
CMVゲノムのPst I消化から得られる。主要即時型遺伝子
(CMV I.E.)を含有するヒト・サイトメガロウイルス
(CMV)ゲノムの領域の制限エンドヌクレアーゼ切断地
図は詳細に記載されている「スティンスキィら(Stinsk
i,et al)、ジャーナル・オブ・バイロロジー(J.Viro
l.)46:1〜14、1983;ステンベルグら(Stenberg,et a
l)、ジャーナル・オブ・バイロロジー(J.Virol.)49:
190〜199,1984;およびトムセンら(Thomsen,et al)、
プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、81:6
59〜663,1984]。
該スティンスキィおよびトムセンの文献は主要即時型
遺伝子についてのプロモーターを含有する2.0キロベー
スのPst I断片を記載する。この2.0KbPst I断片を単離
しSau3A Iで消化すると、760塩基対断片が産生物中に得
られる。この760塩基対断片はそのサイズならびに該断
片内のSac I切断部位およびBal I切断部位の存在にやっ
て他の産生物から区別できる。その便利な同定のため、
このSauA I断片の利用は、本明細書中に記載するごと
く、CMV I.E.プロモーターの使用の好ましい方法であ
る。
プラスミドpGPFHN−PAをBamH Iで切断し、CMV即時型
プロモーターを含有するSauA I断片を適合BamH I部位に
結ぶ。プロモーターからの転写によりPIV3様蛋白につい
てのmRNAを合成するような配位でCMVプロモーター断片
を含有するプラスミドはSac Iでのプラスミドの切断に
よって同定される。得られたプラスミドはpGPFHN−IE−
PAと命名され、cDNAの5′末端にCMV I.E.プロモーター
およびその3′末端上にBGHポリアデニレーションシグ
ナルを有する。CHO細胞へのトランスフェクションまで
該プラスミドをイー・コリ中に維持する。
C.トランスフェクションおよびCHO細胞の培養 グラハムら(Graham,et al)、「マクロ分子の活性哺
乳動物細胞への導入(Introduction of Macromolecules
into Viable Mammalian Cells)」、アリン・アール・
リス・インコーポレイテッド(Alan R.Liss Inc.)、ニ
ューヨーク,1980,3〜25頁によって詳細に記載されてい
るDNAの細胞へのトランスフェクションについてのリン
酸カルシウム法を用い、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)
を欠くチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞にプ
ラスミドpGPFHN−IE−PAをトランスフェクトする。用い
る細胞系はコロンビア大学のエル・チェイスン(L.Chas
in)から元来入手可能であって、プロシーディングズ・
オブ・ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.)USA77:4216−4220(1980)に詳細
に記載されている突然変異体DXB−11である。トランス
フェクションについての前記方法は、トランスフェクト
されたプラスミドを一体化する細胞がもはやdhfrを欠く
ものでなく、ダルベッコの修正イーグル培地+プロリン
で増殖するという事実に基づく。
キメラ糖蛋白がアンカー領域を含有しない場合、次い
で、分泌されたキメラFHN蛋白を発現するCHO細胞からの
上澄みを低速遠心によって清澄化する。該上澄みをコン
カナバリンAまたはレンチル・レクチンカラムに適用す
る。前記緩衝液中のα−D−メチルグルコシドの直線グ
ラジエント(0〜0.5M)で十分洗浄した後、糖蛋白を溶
出する。溶出した糖蛋白を0.1%トリトンX−100を含有
するPBSに対して透析し、アフィニティーカラムに適用
する。該アフィニティ−カラムは、公知技術により、セ
ファロース4Bビーズ(ファルマシア(Pharmacia))、
ピスカッタウェイ(Piscataway)、ニュージャージー
州)に結合したPIV3に対し定方向化された単クローンま
たは多クローン抗体よりなる。該カラムを透析緩衝液で
洗浄し、0.1Mグリシン(pH2.5)および0.1%トリトンX
−100を含有するPBSでPIV3 FHN糖蛋白を溶出する。糖蛋
白を生理食塩水に対して透析し、SDS−PAGEゲル上の電
気泳動によって純度をチェックする。
キメラ糖蛋白がアンカー領域を含有する場合、糖蛋白
を発現するCHO細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗
浄し、1.0%トリトンX−100および1.0%デオキシコー
ル酸ナトリウムを含有するPBS中で溶解する。核をペレ
ット化した後、細胞質抽出物をコンカナバリンAカラム
に適用し、分泌された糖蛋白について前記したごとくに
精製する。
実施例7 ウシ・乳頭腫ウイルス(BPV)を用いるPIV3
GPFHNの発現 A.イー・コリにおける複製に適した転写不能発現カセッ
トを含有するクローニングベクターの構築 pTFW8およびpTFW9の構築は、BPVを用いるPIV3蛋白を
発現するための便利な出発物質を供する。寄託したプラ
スミドの転写ターミネーターはPIV3蛋白の発現を妨げ、
単一工程の切り出しおよび結びで除去しなければならな
い。
1.PTFW8の構築 pdBPV−MMTneo(342−12)は、モレキュラー・アンド
・セリュラー・バイロロジー(Mol.and Cell Biol.),3
巻(11号):2110〜2115(1983)記載され、米国、メリ
ーランド州、ベセスダ(Bethesda)、ナショナル・キャ
ンサー・インスティテュート(National Cancer Instit
ute)のピーター・ホウレイ(Peter Howley)から得ら
れる。プラスミドpdBPV−MMTneo(342−12)は3つの部
分:唯一のBamH I部位で開いた完全なBPV−1ゲノム(1
00%);pML2(pBR322の「ポイズン−マイナス」誘導
体);ならびにマウス・メタロチオネインI遺伝子プロ
モーター、Tn5のネオマイシンホスホトランスフェラー
ゼII遺伝子、およびシミアンウイルス40初期領域転写プ
ロセッシングシグナルよりなる転写カセットからなる。
プラスミドpdBPV−MMTnep(342−12)をまずBamH Iで消
化してBPV配列を除去し、単離し、後の挿入用に保存し
た。T4リガーゼを用い、残存する断片を再度結んでpMMp
ro.npt II(6.7Kb)を得る。BPVゲノムの除去は、残存
するプラスミドに唯一の制限部位を生じさせることによ
って後の遺伝子操作を容易とする。組換えが完了する
と、BPVゲノムを置き換える。
プラスミドpMMpro.npt IIをBgl IIで消化し、唯一の
制限部位を含有する合成DNA断片14を挿入し、T4リガー
ゼを用いて結び、pTFW8(6.7Kb)を得る。プラスミドpT
FW8は、マウス・メタロチオネインI遺伝子プロモータ
ーとネオマイシン耐性遺伝子との間の唯一の制限部位の
挿入を除き、pMMpro.npt IIと同一である。
2.pTWF9の構築 プラスミドpTWF9はメタロチオネインI遺伝子プロモ
ーターとネオマイシン耐性遺伝子との間に挿入されたフ
ァージラムダからの転写ターミネーターTIを含有する。
該転写ターミネーターは米国、メリーランド州、ベセス
ダ(Bethesda)のナショナル・キャンサー・インスティ
テュート(Naitonal Cancer Institute)のドナルド・
コート(Donald Court)氏から入手可能である。該転写
ターミネーターは、TIがグアネロスら(Guaneros,et a
l)、PNAS,79:238−242(1982)に記載されているごと
きsib3突然変異を担持する以外はジーン(Gene),28:34
3−350(1984)に記載されているごときpUS6と同一であ
るpKG−1800sib3にて供給される。ファージラムダの通
常の感染過程の間、TIターミネーターはPLからのバクテ
リオファージλint遺伝子発現の抑制、およびPIに由来
するint遺伝子転写の終止で機能する。Alu IおよびPvu
Iを用い、該ターミネーター断片15(1.2Kb)としてpKG1
800sib3から切り出し、ゲル単離し、Xho Iリンカーを該
断片のいずれかの端部に位置させる。
該リンカーは米国、マサチューセッツ州、ベバリィ
(Beverly)、ニュー・イングランド・バイオラブズ(N
ew England Biolabs)から得られる。次いで、Xho Iで
予め消化したpTWF8にXho I相補端と境界を接する該ター
ミネーター断片を挿入する。次いで、T4DNAリガーゼを
用いて断片を結んでpTWF9(7.9Kb)を得る。プラスミド
pTWF9はブダペスト条約に従って寄託した。プラスミドp
TWF9をイー・コリ宿主に維持し、1986年11月17日に、米
国、イリノイ州、ペオリア(Peoria)、ノーザン・リー
ジョナル・リサーチ・センター(Northern Reigonal Re
search Center)に寄託し、受託番号NRRL B−18141が与
えられた。
B.pTFW/GPFHNの構築 実施例2〜5で構築した遺伝子は、BPVを用いるキメ
ラ糖蛋白の発現で用いることができる。プラスミドpGPF
HN−1は本実施例で用いる。他のキメラ遺伝子は、特に
断りのない限り、pGPFHN−1について記載したごとくに
処理する。pTFW/GPFHNを構築するために、pGPFHN1をBam
H Iで消化する。その末端をクレノー酵素で平滑とし、
合成Bgl IIリンカー(ニュー・イングランド・バイオラ
ブズ(New England Biolabs))をクローンの端部に結
ぶ。該DNAをBgl IIで消化し、断片16(2.7kb)と命名す
る。次いで、gpFHN遺伝子(2.7kb)を含有する断片16を
ゲルから単離する。Bal IIで予め消化したpTFW9に精製
した断片を結んでpTFW/GPFHN(10.6kb)を得る。
C.pTFW/GPFHNの真核生物発現ベクターへの変換 BamH Iで切り出した100%完全なBPV−1ゲノムを再度
挿入することによって、プラスミドpTFW/GPFHNを真核生
物発現ベクターに変換する。プラスミドpTFW/GPFHNをBa
mH Iで切断し、BPV−1無傷ゲノム、7.9Kb断片を挿入し
てpTFW/GPFHN/BPV*(18.5Kb)を得、真核生物細胞によ
る糖蛋白FHNの産生が所望されるまでイー・コリ中で複
製させる。
D.gpFHNのマウスC127細胞における発現 マウスC127細胞へのトランスフェクション前に、pTFW
/GPFHN/BPV*をXho Iで消化してTIターミネーターを切
り出し、T4DNAリガーゼで再度結ぶ。得られたプラスミ
ドpTFW/GPFHN/BPV(17.4Kb)は、今や、培地に分泌され
る高レベルのgpFHNの発現を指令する。C127細胞はアメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手
し、10%胎児ウシ血清を含有するダルベッコの修正最小
必須培地中で増殖させる。C127細胞の培地中のgpFHN蛋
白のレベルは抗−PIV3抗体および125I−標識蛋白Aでの
ウェスタンブロット実験によって測定する。
PIV3 gpFHNを実施例6に記載したごとくに培地または
細胞から精製する。
実施例8 バクロウイルスを用いるPVI3 GPFHNの発現 以下の実施例は糖蛋白FHNの昆虫細胞培養における発
現に関する。すべての手法は、1986年にテキサス州、カ
レッジステーション(College Station)、テキサス・
アグリカルチュラル・イクステンション・サービス(Te
xas Agricultural Extension Service)、テキサス・ア
グリカルチュラル・エクスペリメンタル・ステーション
(Texas Agricultural Experiment Station)、カレッ
ジ・オブ・アグリカルチャー(College of Agricultur
e)によって発行された、サマーズ・エム・デイおよび
スミス・ジイ・イー(Summers,M.D.and Smith,G.E.)、
「バクロウイルスベクターおよび昆虫培養法についての
マニュアル(A Manual for Baclovirus Vectors and In
sect Cell Culture Procedures)」に詳細が述べられて
いる。出発プラスミドpAc373(7.1Kb)はアウトグラフ
ァ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角
体病ウイルス(AcNPV)についてのポリヘドロンプロモ
ーターからすぐ下流の唯一のBamH I部位を有する一般的
なバクロウイルス発現ベクターである。ポリヘドロン蛋
白はウイルス感染およびin vitroでの複製に非必須のマ
トリックス蛋白である。該プラスミドはテキサス7784
3、カレッジ・ステーション(College Station)、テキ
サス・エイ・アンド・エム大学、昆虫学部のマックス・
サマーズ(Max Summers)教授から入手可能であり、モ
レキュラー・アンド・セリュラー・バイロロジー(Mole
cular and Cell.Biology)、3(12):2156−2165(198
3)に詳細に記載されている。
A.pAcGPFHNの構築 実施例2〜6で構築した遺伝子はバクロウイルスを用
いるキメラ糖蛋白の発現で用いることができる。プラス
ミドpGPFHN1は本実施例で用いる。他のキメラ遺伝子
は、特に断りのない限り、pGPFHN1について記載したご
とくに処理する。プラスミドpGPFHN1をBamH Iで消化
し、gpFHN遺伝子を含有する断片17(2.7Kb)をゲルから
単離する。予めBamH Iで消化したpAc373に精製した断片
を結ぶ。
B.エス・フルギペルダ(S.Frugiperda)のトランスフェ
クションおよび培養 pAcGPFHNのgpFNH cDNAインサートをエス・フルギペル
ダにおける共トランスフェクションによる天然AcNPV DN
Aで組み換える。エス・フルギペルダ(SF9;ATCC CRL 17
11)をディフコ(Difco)ラクトアルブミン加水分解物
および酵母分解物を補足したグレイス培地(ジブコ・ラ
ブ(Gibco Lab)、リボニア(Libonia)、ミシガン4845
0)、10%胎児ウシ血清で培養する。細胞を、各々、1
μg/mlおよび2μg/mlにて、AcNPV DNAおよびpAcGPFHN
で共トランスフェクトする。培地を収集し、低速遠心に
より細胞物質を除去することによってウイルス粒子を得
る。次いで、含ウイルス培地を用いてエス・フルギペル
ダを感染させる。天然ウイルスDNAおよび糖蛋白FHNにつ
いてコード付けするcDNAで組み換えたDNA双方を包含す
るこれらのウイルス粒子を用いる続いてのエス・フルギ
ペルダの感染の結果、多角体蛋白の代わりにPIV3蛋白を
発現するいくらかの細胞を得る。組換体ウイルスの精製
は、エス・フルギペルダ細胞を含有する96−ウェル細織
培養平板での一連の限界希釈平板培養によって行う。組
換体ウイルスを含有するウェルは、ニックトランスレー
ションにより32P−dCTPで標識したpGPFHN1はプローブと
して用いるドットブロットハイブリダイゼーションによ
って検出される。十分に純粋になれば、該組換体ウイル
スはそのユニークは閉塞陰性プラーク形態によって検出
される。組換体バクロウイルス感染細胞中で合成された
PIV3蛋白を、抗−PIV3抗体および125I−標識蛋白A(ア
メルスハム・コーポレーション(Amersham Corp.)での
ウェスタンブロット実験によって検出する。
実施例6に記載したごとく、PIV3蛋白を培地または細
胞から精製する。
実施例9 ワクチンの調製 免疫原はよく知られた手法によってワクチン投与形態
に調製できる。該ワクチンは、筋肉内、皮下または鼻孔
内投与できる。筋肉内投与のごとき非経口投与について
は、免疫原を適当な担体と組み合わせることができる。
例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、リ
ン酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸ベリリ
ウム、シリカ、カオリン、カーボン、油中水型エマルジ
ョン、水中油型エマルジョン、ムラミルジペプチド、細
菌エンドトキシン、リピドX、コリネバクテリウム・パ
ルバム(Corynebacterium parvum)(プロピオノバクテ
リウム・アクネス(Propionobacterium acnes))、ボ
ルデテラ・ペルトゥシス(Bordetella pertussis)、ポ
リリボヌクレオチド、アルギン酸ナトリウム、ラノリ
ン、リゾレシチン、ビタミンA、サポニン、リポソー
ム、レバミソール、DEAE−デキストリン、ブロックコポ
リマー、ISCOMSまたは他のアジュバントのごときアジュ
バントまたは免疫調節剤を含むまたは含まない水、生理
食塩水または緩衝ビヒクル中にて投与できる。かかるア
ジュバントは種々の源、例えばメルク・アジュバント
(Merck Adjuvant)65(メルク・アンド・カンパニー・
インコーポレイテッド(Merck and Company,Inc.)、ラ
ーウェイ(Rahway)、ニュージャージィ州)から商業的
に入手可能である。
免疫原およびアジュバントの割合は、双方を有効量で
存在させる限り、広範囲にわたって変化させることがで
きる。例えば、水酸化アルミニウムはワクチン混合物
(Al2O3)の約0.5%の量で存在させることができる。用
量ベース当たりでは、免疫原の濃度は、患者体重1kgに
つき約0.015μgないし約1.5mgの範囲とすることができ
る。好ましい用量範囲は約0.5μg/kgないし約0.15mg/kg
患者体重である。ヒトにおける適当な用量サイズは約0.
1〜1ml、好ましくは約0.1mlである。従って、例えば、
筋肉内注射についての用量は、0.5%水酸化アルミニウ
ムと混合した免疫原を含有する0.1mlよりなる。
ワクチンは妊婦または子供を持つ年令の婦人に投与し
て母仔抗体を刺激することができる。要すれば、女性に
は再度ワクチン接種できる。幼児には、母仔抗体の枯渇
の後2ないし3カ月、好ましくは免疫系の成熟の6ない
し9カ月後にワクチン接種できる。ワクチン接種をして
いない母親から生まれた赤ん坊は2ないし3月令にワク
チン接種できる。また、該ワクチンは、年のいったまた
は虚弱な患者のごとき他の羅患集団でも有用である。
また、ワクチンを他の病気についての他のワクチンと
組み合わせて多価ワクチンを得ることもできる。また、
抗生物質のごとき他の医薬品と組み合わせることもでき
る。
チャート1 pGPF2の構築 (a)プラスミドpGPF1をBstX IおよびNru Iで消化す
る。オリゴヌクレオチド1および2を末端に結ぶ。該DN
AをBamH Iで消化し、断片1(1.6Kb)をゲル単離する。
(b)プラスミドpBR322(4.4Kb)をBamH Iで消化し、
細菌アルカリ性ホスファターゼで脱リン酸化する。断片
1をBamH I部位に結んでpGPF2(6.0Kb)を得る。
チャート1(続き) TcR=テトラサイクリン耐性 AmpR=アンピシリン耐性 T=グアノシン/シトシンテール F=糖蛋白F 1=オリゴフクレオチド1 2=オリゴフクレオチド2 チャート2 キメラFHN糖蛋白遺伝子の構築 (a)プラスミドpGPHN1をPst Iで消化する。T4DNAポリ
メラーゼで末端を平滑化し、次いで、細菌アルカリ性ホ
スファターゼで脱リン酸化する。Xba Iリンカー(リン
カー1)を末端に結び、断片2(1.7Kb)をゲル精製す
る。
(b)断片2をDra Iで消化する。Xba Iリンカー(リン
カー2)を末端に結ぶ。該DNAをXba Iで消化し、断片3
(1.3Kb)をゲル精製する。
チャート2(続き) (c)プラスミドpGPF2(チャート1)をXba Iで消化
し、細菌アルカリ性ホスファターゼで脱リン酸化する。
断片3をXba I部位に結んでpGPFHN1を得る。
TcR=テトラサイクリン耐性 AmpR=アンピシリン耐性 T=グアノシン/シトシンテール H=HN糖蛋白についてのDNA配列 F=F糖蛋白についてのDNA配列 1=リンカー1 2=リンカー2 Term=翻訳終止シグナル チャート3 種々の長さのFHN遺伝子を生じさせるためのオリゴヌク
レオチド類の使用 (a)オリゴヌクレオチドAは、オリゴヌクレオチド3
(57bp)、または一緒に結んだオリゴヌクレオチド3お
よび4(117bp)、または一緒に結んだオリゴヌクレオ
チド3、4および5(177bp)、または一緒に結んだオ
リゴヌクレオチド3、4、5および6(234bp)、また
は一緒に結んだオリゴヌクレオチド3、4、5、および
6、または一緒に結んだオリゴヌクレオチド3、4、
5、6、および7(290bp)よりなる。オリゴヌクレオ
チドBはオリゴヌクレオチド8(12bp)よりなる。オリ
ゴヌクレオチドAおよびBはゲル精製する。
チャート3(続き) (b)プラスミドpGPHN1をPst IおよびDar Iで消化し、
断片4(1.3Kb)をゲル精製する。
(c)オリゴヌクレオチドAおよびBを断片4に結ぶ。
該DNAをXba Iで消化し、断片5をゲル精製する(断片5
の長さは、オリゴヌクレオチドA内に含有されたオリゴ
ヌクレオチド類に応じて1330bpないし1565bpに変化す
る)。
(d)プラスミドpGPF2をXba Iで消化し、細菌アルカリ
性ホスファターゼで脱リン酸化する。次いで、断片5を
pGPF2のXba I部位に結んでpGPFN2を得る。
チャート3(続き) AmpR=アンピシリン耐性 F=F糖蛋白のDNA配列 H=HN糖蛋白のDNA配列 A=オリゴヌクレオチドA B=オリゴヌクレオチドB Term=翻訳終止シグナル チャート4 アンカー領域を含有するFHN遺伝子の構築 (a)プラスミドpGPFN1をDra IおよびPst Iで消化す
る。オリゴヌクレオチド9を該DNAに結び、次いで、オ
リゴヌクレオチド10を該DNAに結ぶ。該DNAをXba Iで消
化し、断片6(1.3Kb)をゲル精製する。
(b)プラスミドpGPF2をXba Iで消化し、細菌アルカリ
性ホスファターゼで脱リン酸化する。断片6をpGPF2のX
ba I部位に結んでpGPFHN3を得る。
チャート4(続き) TcR=テトラサイクリン耐性 AmpR=アンピシリン耐性 T=グアノシン/シトシンテール F=F糖蛋白についてのDNA H=HN糖蛋白についてのDNA 9=オリゴヌクレオチド9 10=オリゴヌクレオチド10 Term=翻訳終止シグナル A=F糖蛋白のアンカー領域についてコード付けするDN
A配列 チャート5 HNFキメラ遺伝子の構築用HN遺伝子の調製 (a)プラスミドpGPHN1をHph Iで消化する。オリゴヌ
クレオチド11を該DNAに結ぶ。該DNAをBamH IおよびPst
Iで消化し、断片7(1.7Kb)ゲル精製する。
(b)プラスミドpCU19をBamH IおよびPst Iで消化す
る。断片7をpUC19に結んでpGPHN2を得る。
チャート5(続き) T=グアノシン/シトシンテール TcR=テトラサイクリン耐性 AmpR=アンピシリン耐性 H=HN糖蛋白についてのDNA配列 11=オリゴヌクレオチド11 チャート6 F cDNAのpGPHN2への挿入 (a)プラスミドpGPF1をBstE IIおよびXba Iで消化す
る。オリゴヌクレオチド12および13を該DNAに結ぶ。該D
NAをPst Iで消化し、断片8(1.2Kb)をゲル精製する。
(b)プラスミドpGPHN2(チャート5)をPst Iで消化
する。断片をpGPHN2のPst I部位に挿入してpGPNH1を得
る。
チャート6(続き) AmpR=アンピシリン耐性 TcR=テトラサイクリン耐性 T=グアノシン/シトシンテール F=F糖蛋白についてのDNA配列 H=HN糖蛋白についてのDNA配列 11=オリゴヌクレオチド11 12=オリゴヌクレオチド12 13=オリゴヌクレオチド13 Term=翻訳終止シグナル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12N 5/00 B (56)参考文献 特開 昭62−48699(JP,A) J.of Virology,1987, Vol.61,No.11,p.3416−3423 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 14/115 A61K 39/155 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シグナル配列とヒト・パラインフルエンザ
    ウイルス3型のHN蛋白の細胞外ドメインに結合したヒト
    ・パラインフルエンザウイルス3型のF蛋白の細胞外ド
    メインよりなるキメラ糖蛋白とを含むポリペプチド。
  2. 【請求項2】シグナル配列とヒト・パラインフルエンザ
    ウイルス3型のHN蛋白の細胞外ドメインに結合したヒト
    ・パラインフルエンザウイルス3型のF蛋白の細胞外ド
    メインよりなるキメラ糖蛋白とを含むヒト・ワクチン。
  3. 【請求項3】シグナル配列とヒト・パラインフルエンザ
    ウイルス3型のHN蛋白の細胞外ドメインに結合したヒト
    ・パラインフルエンザウイルス3型のF蛋白の細胞外ド
    メインよりなるキメラ糖蛋白とを含むポリペプチドを発
    現できるDNA配列を含有する適当な宿主よりなる発現
    系。
  4. 【請求項4】ヒト・パラインフルエンザウイルス3型の
    HN蛋白の細胞外ドメインに結合したヒト・パラインフル
    エンザウイルス3型のF蛋白の細胞外ドメインよりなる
    キメラ糖蛋白。
  5. 【請求項5】ヒト・パラインフルエンザウイルス3型の
    HN蛋白の細胞外ドメインに結合したヒト・パラインフル
    エンザウイルス3型のF蛋白の細胞外ドメインよりなる
    キメラ糖蛋白を含むヒト・ワクチン。
JP1-502794A 1988-04-22 1989-03-03 ヒト・パラインフルエンザウイルス3型の免疫原性セグメント類を含有するキメラ糖蛋白類 Expired - Lifetime JP3026986B2 (ja)

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JPH03503760A JPH03503760A (ja) 1991-08-22
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J.of Virology,1987,Vol.61,No.11,p.3416−3423

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