JP3026405B2 - 自己平滑性セメントモルタル組成物の製造方法および施工方法 - Google Patents

自己平滑性セメントモルタル組成物の製造方法および施工方法

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JP3026405B2
JP3026405B2 JP6037494A JP3749494A JP3026405B2 JP 3026405 B2 JP3026405 B2 JP 3026405B2 JP 6037494 A JP6037494 A JP 6037494A JP 3749494 A JP3749494 A JP 3749494A JP 3026405 B2 JP3026405 B2 JP 3026405B2
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の床構築用材と
して好適な自己平滑(セルフレベリング、以下、SLと
もいう)性セメントモルタル組成物の製造方法および施
工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の床構築用材としてのSL材は、
従来、次のように取り扱われ施工されてきた。 1) セメントや石膏などを基材とし、これに骨材と流動
化剤・増粘剤・消泡剤・硬化調節剤・寸法安定剤など各
種の添加剤を配合して袋詰めされた粉体状SL材を施工
現場に搬入して取り扱う方式は、重量物の取り扱い作業
が多く過酷な労働を必要とし、流し延べ量の増大に伴っ
て施工現場での混練バッチ数が多くなると水の計量にバ
ラツキを生じ、SL材として重要な性能である流動性に
バラツキを生じて安定した品質の床下地が形成されない
という問題点があると共に、また、粉体を取り扱うため
粉塵の発生が作業環境を悪化させるという問題点があ
る。
【0003】2) この対策として、生コン工場にSL材
製造用の専用設備を設けて、スラリー状のSL材(以
下、生SL材ともいう)を製造し、コンクリート・ミキ
サー車を利用して施工現場に搬入し、施工場所に流し延
べる方法が採られている。生SL材を製造する際に用い
られるSL化用添加剤の中には、通常の用途の生コンの
品質に対して悪影響を及ぼすものがあることから、生S
L材を製造する際には生コン製造設備を共用することが
できず、専用の生SL材製造設備を必要とする。すなわ
ち、生SL材製造設備が設けられている特定の工場から
しか生SL材を供給することができない。しかも、生S
L材は、調製された後、時間の経過とともに流動性が低
下するので、流し延べるまでの時間は制約を受ける。調
製された後、流し延べるまでに長時間が経過するような
場合には、品質の劣化は避けられない。このようなこと
から、この方法では、安定した品質の生SL材を受け入
れて使用することができる流し延べ施工現場は、生SL
材製造設備が設けられている特定の工場に近接した地域
に限定されるという問題点がある。
【0004】本発明者らは、先に、一般の生コン工場に
おける通常の生コンクリート製造設備を用いて、生コン
クリートや生セメントモルタルを製造する際に用いられ
ている細骨材を用いて調製されたベースセメントモルタ
ルに、SL化用添加剤を加えて生SL材を製造し、コン
クリート・ミキサー車を利用して施工現場に搬入し、施
工場所に流し延べる方法(特願平3-351324号) を提案し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが先に提案
した前記の方法は、使用する細骨材が絶対乾燥状態ない
し表面乾燥飽水状態であるときには、適用することがで
きる。ところが、一般の生コン工場で使用される細骨材
は、通常、含水率が高くて湿潤状態にあることが多く、
貯蔵中に塊状となりやすい。塊状の細骨材を含む細骨材
を用いて、前記の方法でベースセメントモルタルを調製
すると細骨材の塊が残り、このようなベースセメントモ
ルタルにSL化用添加剤を添加すると、添加されたSL
化用添加剤が残留する細骨材の塊に付着したり、あるい
は添加剤の塊状物(ママコ)が生成し易く、得られた生
SL材の組成の均一性が不良となる。このような生SL
材を流し延べたときには、形成された硬化体表面のレベ
ル精度が悪くなるという問題点がある。
【0006】本発明の目的は、従来の施工法の問題点を
解決し、施工現場での粉体と重量物の取り扱い作業が大
幅に軽減され、しかも安定した品質のSL材を供給し得
る地域が制約されることがなく、生SL材を製造する際
に使用される細骨材の含水率が高いときにも、細骨材や
SL化用添加剤の塊状物の残留・生成あるいはミキサー
へのSL化用添加剤の付着がなく、表面に白華・突起お
よび気泡跡がなく平滑で良好な硬化体が形成され、レベ
ル精度が良い仕上がり床面を得ることができ、省力化と
床品質安定化が可能な、自己平滑性セメントモルタル組
成物の製造方法および施工方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行い、生SL材を製造する際に使用される細骨材の含
水率が高いときにも、基材材料の配合割合の範囲を規定
し、これに自己平滑性を付与するための特定範囲の量の
SL化用添加剤を加えて混練りする際に、水以外の各材
料と添加剤を所定の量比で配合して予め空練りした後
に、所要量の水を加えて混練りすることにより、更に、
得られたセメントモルタル組成物を特定範囲のフロー値
において流し延べることにより、施工現場における重量
物の取り扱い作業が大幅に軽減され、通常の生コン製造
設備を共用することができるので生SL材を供給し得る
地域が限定されることなく、しかも白華・突起および気
泡跡がなく平滑で良好な硬化体が形成され、レベル精度
が良い仕上がり床面を容易に得ることができることを知
り、本発明を完成した。
【0008】本発明の第一の発明は「セメント量が 300
〜900 kgの範囲で、細骨材セメント比(重量比)が 0.5
〜4の範囲内となる量の細骨材、水セメント比(重量
比)が0.6〜1.4 の範囲内となる量の水を構成材料とす
る基材1m3 あたり、流動化剤1〜15kg、増粘剤 0.5〜
10kgおよび消泡剤 0.3〜3kgを添加して自己平滑性セメ
ントモルタル組成物を製造するにあたり、含水率が2〜
15重量%の範囲である細骨材を用いるとき、水以外の前
記各材料と添加剤を前記規定範囲の量比で配合して空練
りした後に、所要量の水を加えて混練りすることを特徴
とする自己平滑性セメントモルタル組成物の製造方法」
を要旨とする。
【0009】本発明の第二の発明は「セメント量が 300
〜900 kgの範囲で、細骨材セメント比(重量比)が 0.5
〜4の範囲内となる量の細骨材、水セメント比(重量
比)が0.6〜1.4 の範囲内となる量の水を構成材料とす
る基材1m3 あたり、流動化剤1〜15kg、増粘剤 0.5〜
10kgおよび消泡剤 0.3〜3kgを添加して得られる自己平
滑性セメントモルタル組成物の施工方法において、含水
率が2〜15重量%の範囲である細骨材を用いるとき、水
以外の前記各材料と添加剤を前記規定範囲の量比で配合
して空練りした後に、所要量の水を加えて混練りし、得
られたセメントモルタル組成物をそのフロー値が20〜35
cmの範囲内であるときに流し延べ、硬化させることを特
徴とする自己平滑性セメントモルタル組成物の施工方
法」を要旨とする。
【0010】そして、本発明の組成物を得る方法におい
て、空練り処理は混練り装置を用いて少なくとも15秒間
行うことがよく、また、水を加えて行う混練り処理は混
練り装置を用いて 0.5〜2分間の範囲で行うことがよ
い。
【0011】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明の自己平滑性セメントモルタル組成物(以下、単に
本発明の組成物という)は、セメント、細骨材および水
からなる基材とこれに自己平滑性を付与するSL化用添
加剤から構成される。
【0012】本発明の組成物を構成する基材は、セメン
ト、細骨材及び水からなる。セメントとしては、普通ポ
ルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸
熱ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメン
ト、フライアッシュセメント、アルミナセメント、ジェ
ットセメントなどの各種のセメントを用いることができ
る。
【0013】細骨材は、一般の生コンクリート製造に用
いられるもの、あるいは左官用細骨材を用いることがで
き、その粒径が5mm以下、好ましくは2mm以下、更に好
ましくは1mm以下であるものがよい。
【0014】本発明の方法は、使用する細骨材の含水率
が2重量%未満であるときにも適用することができる
が、細骨材の含水率が2〜15重量%の範囲であるときに
好適であり、効果を奏する。含水率が15重量%を超える
細骨材を用いたときには、混練り物がミキサー内部に付
着し付着物の除去が困難である。また、付着物が、混練
り操作の途中で剥離して混練り物中に混入すると、混練
り時間を延長しても塊状物が残留する。
【0015】本発明の組成物を構成する基材1m3 あた
りに用いられる単位セメント量(C)は、 300〜900 kg/
3 の範囲がよい。300kg/m3 未満では、細骨材セメ
ント比が大きくなってセメントモルタル組成物のフロー
値が小さく、形成される硬化体のレベル精度が低下し、
強度が小さくなる。一方、900 kg/m3 を超えると、形
成される硬化体に亀裂を生ずる。
【0016】本発明の組成物を構成する基材において、
用いられた細骨材の重量(S) とセメント量(C) との重量
比S/C で表される、細骨材セメント比は、 0.5〜4の範
囲がよい。0.5 未満では、形成される硬化体に亀裂を生
ずる。一方、4を超えると、セメントモルタル組成物の
流動性が低下し、形成される硬化体仕上がり面のレベル
精度が低下する。
【0017】本発明の組成物を構成する基材において、
単位水量(W) と単位セメント量(C)との重量比W/C で表
される、水セメント比は、 0.6〜1.4 の範囲がよい。0.
6 未満では、得られたセメントモルタル組成物の流動性
が低く、形成される硬化体仕上がり面のレベル精度が低
下する。一方、1.4 を超えると、ブリージングや骨材沈
降が起こり、形成される硬化体に白華を生じ、亀裂が発
生する。
【0018】本発明の組成物を得るための、基材に自己
平滑性を付与するためのSL化用添加剤は、流動化剤・
増粘剤および消泡剤から構成される。流動化剤は、本発
明の組成物の混水量を多くしないで流動性を高める機能
を有するものであり、メラミンホルマリン縮合物スルホ
ン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリアルキルアリルス
ルホン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸アルデヒド縮合
物、ポリカルボン酸塩などが挙げられ、これらの一種ま
たは二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】流動化剤の添加量は、その種類により若干
異なるが、基材1m3 あたり、1〜15kgの範囲がよい。
添加量が1kg未満では流動性を向上させる効果が得られ
ず、形成される硬化体仕上がり面のレベル精度が低下す
る。一方、15kgを超えるとブリージングや骨材沈降が起
こり、形成された硬化体に白華を生ずる。
【0020】増粘剤は、本発明の組成物を流し延べた際
のブリージング水の発生や骨材沈降を防ぐ機能を有する
ものであり、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スなどのセルロースエーテル類、ポリアクリルアミド、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、カゼ
インなどの各種の水溶性高分子が挙げられ、これらの一
種または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】増粘剤の添加量は、その種類と分子量によ
って若干異なるが、基材1m3 あたり、 0.5〜10kgの範
囲がよい。添加量が 0.5kg未満であるとブリージングや
骨材沈降が起こり、形成される硬化体に白華を生ずる。
一方、10kgを超えると粘度が増大して流動性が低下し、
形成される硬化体仕上がり面のレベル精度が低下する。
【0022】基材に流動化剤や増粘剤を添加し、水を加
えて混練りした際に巻き込まれた空気が、これら添加剤
の界面活性作用によって気泡を形成するため、形成され
た硬化体表面に気体を含んだ泡状の突起や気体が揮散し
た跡のピンホールが生じて表面状態が悪化する。また、
気泡を含んだまま硬化して形成された硬化体はその強度
が低下する。
【0023】消泡剤は、このような現象の発生を防止す
る機能を有するものであり、アルコール系、ポリオール
系、脂肪酸エステル系、酸化エチレン−酸化プロピレン
系、シリコン系などの各種の消泡剤が挙げられ、これら
の一種または二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0024】消泡剤の添加量は、その種類によって若干
異なるが、基材1m3 あたり、 0.3〜3kgの範囲がよ
い。添加量が、 0.3kg未満では形成される硬化体に気泡
跡が残り、一方、3kgを超えても消泡効果はそれほど増
大せず経済的に不利である。なお、上記以外の添加剤と
してセメントの硬化促進剤・硬化遅延剤・収縮低減剤・
膨張剤などを必要に応じて用いることができる。
【0025】上記のように規定した範囲内の量比で、基
材材料の内、水を除くセメントおよび細骨材と、SL化
用添加剤としての流動化剤・増粘剤および消泡剤とを適
宜に組み合わせて配合して得られた組成物を、先ず、水
を加えることなく、予め空練りした後に、所要量の水を
加えて混練りし、本発明の組成物を得る。
【0026】本発明の組成物の製造方法において、水以
外の各材料とSL化用添加剤とを配合した組成物を空練
り処理する際に用いる装置としては、重力式または強制
攪拌式ミキサーと呼ばれる混練り装置を用いることがで
きる。重力式ミキサーとしては可傾式のものを、また、
強制攪拌式ミキサーとしてはパン型またはパグミル型の
ものを用いることができ、パグミル型が好ましい。特
に、二軸強制練りミキサーなど多軸式のものを用いるこ
とが好ましい。
【0027】空練りの時間は、少なくとも15秒間とし、
好ましくは 0.3〜5分間、更に好ましくは 0.5〜3分間
の範囲がよい。空練り時間が15秒未満であると、空練り
した配合組成物中に細骨材の塊が残留する。このような
状態の配合組成物に、水を加えて混練して得られた混練
り物を流し延べても平滑な床面が得られない。一方、空
練り時間が5分を超えても、空練りの効果は向上しな
い。
【0028】このようにして空練りした配合組成物に、
本発明で規定した範囲内の水セメント比となる量の水を
加えて混練りし、本発明の組成物を得る。空練りした配
合組成物を水を加えて混練り処理する際に用いる装置と
しては、空練り処理のときと同様に、重力式または強制
攪拌式ミキサーと呼ばれる混練り装置を用いることがで
きる。
【0029】混練り時間は、 0.5〜2分間の範囲がよ
い。混練り時間が 0.5分未満であると、混練りが不足
し、混練り物の材料分離が起きる。このような状態の混
練り物を流し延べても、平滑な床面が得られない。一
方、混練り時間が2分を超えると、混練り物中に混入す
る空気の量が増大して前記範囲の消泡剤の添加量では消
泡しきれず、混練り物の流動性を低下させるので、平滑
な床面が得られるフロー値を確保することができない。
【0030】本発明の組成物の施工方法において、本発
明の組成物を流し延べる際のフロー値(以下、Fとい
う)は、20〜35cmの範囲内であることが必要である。本
発明の組成物を流し延べる際のフロー値Fが20cm未満で
あると、形成された硬化体表面に突起が残り、仕上がり
床面のレベル精度が低下する。一方、35cmを超えるとブ
リージングや骨材沈降が起こり、形成された硬化体に白
華や表面剥離を生じ、仕上げ材 (上物) との接着不良を
起こすので好ましくない。
【0031】本発明の組成物を用いた施工法の態様の例
を以下に示すが、これに限定されるものではない。本発
明の組成物は、生SL材専用の製造設備で製造すること
は勿論、生コン製造設備との共用で製造することがで
き、一般に土木・建築工事の現場に生コンクリートを運
搬する際に用いられているミキサー車によって受け入れ
ることができる。生コン工場のミキサープラントにおい
て本発明で規定する条件で製造され、ミキサー車で施工
現場に運搬された本発明の組成物を、本発明で規定され
たF値の範囲内で、モルタルポンプ等を用いて施工場所
に流し延べ、トンボ等の表面均し道具を用いてならし、
硬化させる態様が可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明は、次の効果を奏する。 1) 生SL材を製造材料として含水率が高い細骨材を用
いたときにも、自己平滑性セメントモルタル組成物中に
おける細骨材やSL化用添加剤の塊状物の残留・生成を
防ぐことができ、流し延べて形成された硬化体の表面性
が良好である。 2) 白華・突起および気泡跡がなく平滑で良好な硬化体
が形成され、レベル精度が良い仕上がり床面を容易に得
ることができる。 3) 従来の施工法と比較して、建築物の床を構築する際
の施工時の大幅な省力化と仕上がり床面の品質の安定化
が可能になった。 4) 施工現場における粉体ならびに重量物の取り扱い作
業が大幅に軽減されて作業能率が向上し、粉塵による作
業環境の汚染を防止することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
具体的に説明する。本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に限定されるものでない。 実施例1〜5および比較例1〜5.表1に示す材料配合
比ならびに空練り・混練り条件(×印を付した値は、本
発明で規定した範囲からはずれた場合)で配合・空練り
・混練りし、各種のセメントモルタル組成物を得た。空
練りおよび混練り装置としては、二軸強制練りミキサー
(日本建機株式会社製, 容量3m3 ) を用いた。得られ
たセメントモルタル組成物1m3 の内、各 0.1m3 を、
表1に示すフロー値Fにおいて、モルタルポンプを用い
てコンクリートスラブ5m2 の上に20mm厚さで流し延
べ、トンボでならして自然硬化させた。試験したセメン
トモルタル組成物と得られた硬化体の物性・性状を、表
1に示した。
【0034】試験に用いた主な材料は、次のとおりであ
る。 ・セメント … 普通ポルトランドセメント ・細骨材 … 建築用左官砂 ・添加剤(a) … 流動化剤「SMF−PD」(日産化学
工業社製) ・ 〃 (b) … 増粘剤「デンカポバール」(電気化学
工業社製) ・ 〃 (c) … 消泡剤「SNデフォーマー 14 HP」
(サンノプコ社製)
【0035】
【表1】
【0036】表1に示した各評価項目の測定または試験
の方法、ならびに評価項目の欄における記号の意味は、
次のとおりである。 ・セメントモルタル組成物スラリーの状態… 径が5mm
を超える、細骨材またはSL化用添加剤の塊の有無を、
目視で観察して判定した。 ・細骨材またはSL化用添加剤の塊: 無し…○, 有
り…× ・フロー値F… JIS R5201 に規定される試験方法に準
じ、フローコーンに試料を充填してフローコーンを垂直
に持ち上げ、流出した試料が円状に広がり静止して形成
された円の直角二方向の直径を測定し、その平均値で表
した。
【0037】・硬化体の表面状態(白華・突起・気泡
跡)… セメントモルタル組成物を20mm厚で流し延べ、
20℃, 相対湿度60%で、7日経過後に目視および指触で
観察して判定した。 ・白華・突起・気泡跡:
無し…○, 有り…× ・硬化体の圧縮強度… 40×40×160 mmの型枠内に試料
を流し入れ、硬化後に脱型し20℃, 相対湿度60%で養生
して、材令4週時に一軸圧縮強度を測定した。
【0038】・総合評価: ○… 各項目の評価が、
いずれも、○である場合。 ×… 各項目の評価のいずれかが、×である場合。
【0039】本発明の要件を満たす条件で試験された実
施例1〜5では、いずれも平滑で良好な硬化体が形成さ
れ、レベル精度のよい床面が得られた。
【0040】一方、比較例1〜4は、材料配合比の点で
は、それぞれ本発明で規定する範囲内であるが、セメン
トモルタル組成物を調製する際の空練りおよび/または
混練り処理時間が、それぞれ本発明で規定した範囲から
はずれた場合であって、硬化体の圧縮強度は実施例で得
られた値とほぼ同等であるが、いずれも硬化体の表面状
態に難点があり、満足する結果が得られなかった。ま
た、比較例5は、基材材料として、含水率が本発明で規
定した範囲からはずれた15重量%を超えた細骨材を用い
た場合であって、満足する結果が得られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 24:00) 111:62 (56)参考文献 特開 平5−106331(JP,A) 特開 平7−215750(JP,A) 特開 平6−136922(JP,A) 特開 平1−164748(JP,A) 特開 平6−219809(JP,A) 特開 平1−208353(JP,A) 近藤泰夫・坂静雄 監修「コンクリー ト工学ハンドブック」11版(昭48.11. 15)(株)朝倉書店 p.86〜87 2. 9骨材の表面水と吸水量 の項 及び p.625〜626 iv)混練工程 の項 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/02 B28C 7/04 C04B 24:00 C04B 111:62

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント量が 300〜900 kgの範囲で、細
    骨材セメント比(重量比)が 0.5〜4の範囲内となる量
    の細骨材、水セメント比(重量比)が 0.6〜1.4 の範囲
    内となる量の水を構成材料とする基材1m3 あたり、流
    動化剤1〜15kg、増粘剤 0.5〜10kgおよび消泡剤 0.3〜
    3kgを添加して自己平滑性セメントモルタル組成物を製
    造するにあたり、含水率が2〜15重量%の範囲である細
    骨材を用いるとき、水以外の前記各材料と添加剤を前記
    規定範囲の量比で配合して空練りした後に、所要量の水
    を加えて混練りすることを特徴とする自己平滑性セメン
    トモルタル組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 空練りを、混練り装置を用いて少なくと
    も15秒間行う請求項1記載の自己平滑性セメントモルタ
    ル組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 水を加えて行う混練りを、混練り装置を
    用いて 0.5〜2分間の範囲で行う請求項1記載の自己平
    滑性セメントモルタル組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 セメント量が 300〜900 kgの範囲で、細
    骨材セメント比(重量比)が 0.5〜4の範囲内となる量
    の細骨材、水セメント比(重量比)が 0.6〜1.4 の範囲
    内となる量の水を構成材料とする基材1m3 あたり、流
    動化剤1〜15kg、増粘剤 0.5〜10kgおよび消泡剤 0.3〜
    3kgを添加して得られる自己平滑性セメントモルタル組
    成物の施工方法において、含水率が2〜15重量%の範囲
    である細骨材を用いるとき、水以外の前記各材料と添加
    剤を前記規定範囲の量比で配合して空練りした後に、所
    要量の水を加えて混練りし、得られたセメントモルタル
    組成物をそのフロー値が20〜35cmの範囲内であるときに
    流し延べ、硬化させることを特徴とする自己平滑性セメ
    ントモルタル組成物の施工方法。
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近藤泰夫・坂静雄 監修「コンクリート工学ハンドブック」11版(昭48.11.15)(株)朝倉書店 p.86〜87 2.9骨材の表面水と吸水量 の項 及び p.625〜626 iv)混練工程 の項

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