JP3026034U - ずれ止めのある隠し口を備えた衣類用防塵カバーの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、縫製された衣類又はクリーニン
グ仕上げをされた特に嵩の大きい衣類の全表面を覆う防
塵用のカバーであって、 該カバーに設けた隠し口及び該
隠し口が不必要に開口しないようにするものである。 【構成】 カバー素材を大幅、中幅、小幅のように異な
る幅で帯状に形成し、これらのカバー素材を重ね合せる
と共に、長手方向を直角に裁断して袋体の袋幅として送
材中に、中幅と小幅のカバー素材との重なり幅により隠
し口を作りながら該隠し口に線状及び点状の接着層を設
けた袋体を連続製袋するようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、縫製された衣類又はクリーニング仕上げをされた衣類の特に嵩の大 きい全表面を覆う防塵のためのカバーに関し、カバーの製袋中にカバーの上部に 熱刃物をもって施される廃棄部分と分離させる分離線を八字型に設けると共に、 この分離線の下部に、幅の異なるカバー素材の上下の端縁を重なり幅をもたせて 重ね合わせることで隠し口を設け、該隠し口に線状及び点状の接着層を設けるこ とにより、衣料の特にオーバー又は丹前などのように嵩張る物に被覆した場合に 隠し口が不要に開放しないようにすることである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のカバーのうち、オーバーコートとか着物など丈長で嵩張る衣類 を被覆してあった場合に、襟元に取付けてある値札を取替えたり、値段の変更な どの作業を行なう場合に、カバーの長い裾を襟元まで巻き上げなければならぬた め、煩雑な手数を要し、かつ消費する時間的損失が極めて大きかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記不都合に鑑み、カバー上部の切離線に近い位置であって中幅 のシート素材の外重ね部分と、小幅のシート素材の内重ね部分とを必要な重ね幅 に重ね合わせて隠し口を構成し、この隠し口に開閉自在の接着層を設けることで 値札の操作を迅速になし得ると共に、隠し口が衣類の嵩張りにも不要に開口しな いようにすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成させるために、本考案のカバーは上部に、爾後に廃棄部分と切 り離される分離線を設けると共に、下部に開口部を設け、該開口部と前記分離線 との間に、異なる幅のカバー素材の向き合う側の端縁を重なり幅を持たせて重ね 合わせることで隠し口を構成し、該隠し口に袋幅と等しい長さの接着層及び点状 の接着層を有するカバーを連続的に製袋するようにしたものである。

【０００５】

【作用】

上記のように構成されるカバーは、合成樹脂のシート素材の幅を大、中、小と 異にした帯状の複数を重ね合わせて間欠移送する間に、小幅と中幅のシート素材 の隣り合わせた側の重なり幅によって構成された隠し口に設けた線状又は点状の 接着層を引剥がして隠し口をトンネル状に開放してカバー内の衣料の襟元に付い ている値札を交換したり、値段の書き替えを行なう。

【０００６】

【実施例】

以下、実施例について図面を参照して説明すると、図１、図２(Ａ、Ｂ)、及び 図３(Ａ、Ｂ)に於いてカバー(１)は合成樹脂シートによる異なる幅のシート素材 (1a、1b、1c)によりなり、このシート素材(1a、1b、 1c)は大幅がシート素材(1a) 中幅がシート素材(1b)、 小幅がシート素材(1c)のように予じめ帯状に裁断したも のを、製袋機(Ｎ)のドラム(Ｃ、Ｃ1 、Ｃ2 )に巻装し、これらシート素材(1a、1 b、1c)をシート素材(1a)の幅に重ね合せて送出する間に、 前記シート素材(1b)の 表面には図３(Ａ)に示す給液筒(Ｋ)を介して即乾性の接着剤が線状に塗布されな がら対の駆動輪(Ｄ、Ｄ)の間に引き入れ、該駆動輪(Ｄ、Ｄ)の間欠送りによって 作業台(Ｅ)上へ送出され、作業位置(Ｖ)に於いてシート素材(1a、1b、1c)が間欠 停止をすると、作業位置(Ｖ)の上方に待機していた熱刃物(２)が下降する。

【０００７】 この熱刃物(２)は、図４(Ａ)、(Ｂ)に示すように底面にガード線(９、９)を図 １に示すように熱溶着させるほぼ八字型の刃先(2a)及び該刃先(2a)に平行させて 前記カバー(１)を、上部(図に於いて)の排棄部分(Ｆ)から切り離すための同じく 八字型の刃先(2b、2b)を有し、この熱刃物(２)が下降してカバー素材(1a、1b、1 c)に刃先(2a、2a)の熱溶着によるガード線(９、９)と、刃先(2b、2b)の熱溶着に よる分離線(３、３)を同時加工し、該分離線 (３、３) に複数個所の切欠部(４) を設け、分離線(３、３)の間に後記の衣類(Ｈ)を吊り下げるハンガー(Ｂ)のフッ ク通し孔(Ｈ1 )を設ける。

【０００８】 引続くカバー素材(1a、1b、1c)が次の間欠移送を経て停止をすると、作業位置 (Ｖ)では上述の分離線(３)とガード線(９)の熱溶着が行なわれ、作業位置(Ｖ１) に於いては袋幅ごとの熱溶断を行なう熱刃物(５)が下降し、カバー素材(1a、1b、 1c) に予じめ設定された袋幅の熱溶断を行ない、上述の作業を反復してカバー( １) を連続的に製袋する。

【０００９】 図５に示すカバー(１)は、切欠部(４)を設けない分離線(3a、3a)のみの場合で あって、前記熱刃物(２)は、刃先(2a、2a)のみを設けたもの(図示省略)を使用す る。また、図６に示すものは前記隠し口(７)を構成するシート素材(1b)の内重ね 部分(1d)に前記給液筒(Ｋ)の間欠的上下運動により点状の接着層(10a )を設けた ものである。

【００１０】 図７に示すものは、カバー(１)の使用状態の説明図であって、ハンガー(Ｂ)に 吊り下げられている衣類(Ｈ)をハンガー(Ｂ)のフック通し孔(Ｈ1 )を介して袋掛 け器(図示省略)に吊り下げられている状態でカバー(１)を上方から引き降ろす際 に、開口部(８)を開いて衣類(Ｈ)を上から下へ被覆する。上記の状態で衣類(Ｈ) の襟に取付けてある値札(13)を取替えたり、 値段の書き替えを行なう場合には、 カバー(１)の隠し口(７)の外重ね部分(1e)を摘み上げると同時に他の手の指先で 内重ね部分(1d)を逆方向の内側へ押し入れると、隠し口(７)がトンネル状に開口 するので、隠し口(７)から手を入れて値札(13)を取替えたり、値段の書き替えな どを行なう。この場合接着層(10、 10a )は通常の感圧性接着剤であるから分離及 び再度の接着は自在である。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような 効果を奏する。

【００１２】 カバー素材を、異なる幅の帯状のものを三枚重ねにして長手方向と直角の方向 に袋幅を取るようにしたので製袋能率を大幅に高めるのと併せてシート素材の節 減を計ることができる。

【００１３】 シート素材の小幅のものと中幅のものとの重なり幅により隠し口を設けたので カバーをもって被覆する衣類のうちオーバーコート、和服など丈の長いもの及び 嵩のある物の場合に於ける襟元に取付けた値札の取替えとか、値段の書き替えな どの作業を迅速に、かつ能率良く行なうことができる。

【００１４】 また、オーバーコート及び和服の丹前などのように嵩張る物を被覆した場合に 隠し口を構成する内重ね部分と外重ね部分との重なり幅の余裕と、接着層のずれ 方向への結合強度とによって隠し口が無用に開口することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案カバーの一部破断した平面図である。

【図２】(Ａ)は本案の幅の異なるシート素材の重ね合わ
せ関係の説明図である。(Ｂ)は幅の異なるシート素材の
移送状態の説明図である。

【図３】(Ａ)は本考案カバーを製袋する製袋機の略示的
説明図である。(Ｂ)は(Ａ)に於けるシート素材の送材関
係の説明図である。

【図４】(Ａ)は熱刃物の一実施例の底面図である。(Ｂ)
は(Ａ)に於けるＺ−Ｚ線の側面図である。

【図５】本考案カバーの別の実施例の平面図である。

【図６】本考案カバーの同じく別の実施例の一部破断し
た平面図である。

【図７】本考案カバーの実施要領の説明図ある。

【符号の説明】

１ カバー 1a カバー素材 1b カバー素材 1c カバー素材 ２ 熱刃物 2a 刃先 2b 刃先 ３ 分離線 ４ 切欠部 ５ 熱刃物 ６ 重なり幅 ７ 隠し口 ８ 開口部 ９ ガード線 10 接着層 10a 接着層 12 衣類 13 値札 Ｃ ドラム Ｃ1 ドラム Ｃ2 ドラム Ｋ 給液筒 Ｈ 衣類 Ｈ1 フック通し孔 1d 内重ね部分 1e 外重ね部分

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂シートを異なる幅の帯状に裁断
   して重ね合せたカバー素材(1a、1b、1c)を帯状の長手方
   向と直角の方向を袋幅とすると共にカバー素材(1b)と同
   (1c)の間に重なり幅(６)により形成された隠し口(７)を
   設けてなるカバー(１)を特徴とするずれ止めのある隠し
   口を備えた衣類用防塵カバーの構造。
2. 【請求項２】 請求項１記載のずれ止めのある隠し口を
   備えた衣類用防塵カバーの構造に於いて、下部に開口部
   (８)を有すると共に、上部にガード線(９)と平行させて
   ほぼ八字型を呈する切欠部(４)により断続する分離線
   (３)を設けると共に前記隠し口(７)に線状の接着層(10)
   及び点状の接着層(10a )を設けてなるカバー。
3. 【請求項３】 請求項１記載のずれ止めのある隠し口を
   備えた衣類用防塵カバーの構造に於いて、下部に開口部
   (８)及び上部に分離線(3a)を有すると共にカバー素材(1
   b)と同(1c)との重なり幅(６)の間に線状の接着層(10)及
   び点状の接着層(10a )を設けてなるカバー。