JP3025692U - 草刈機の刈刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は草刈機の刈刃が低速回転でも茎の大き
さや硬さにも左右されず切れ味が良く、基板用固定孔を
変えることによって刈刃の外縁の全ての刃部が使用で
き、更に、刃部の損傷少なく安全性の高い草刈機の刈刃
を提供することを目的としたものである。 【構成】本考案は、草刈機本体の回転機構と、中心に回
転機構用固定孔を穿設すると共に外周辺へ刈刃用固定孔
を等間隔で穿設した刈刃基板と、回転機構と刈刃基板と
を固定させるための基板用固定具と、刈刃用固定孔と刈
刃用固定具により遊動可能に且つ着脱可能に固定される
刈刃と、刈刃の偏心位置へ等間隔で穿設した複数の基板
用固定孔とを備えた草刈機であって、刈刃の外周へは刈
刃の中心点を通過する線の長さが相違する複数の凹部を
形成すると共に外縁の全周へ刃部を形成したものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、草刈機の刈刃に関するものであり、詳細には、刈刃基板の刈刃用固 定孔へ遊動可能に且つ着脱可能に固定する刈刃の基板用固定孔を偏心位置へ穿設 すると共に、刈刃の外周へ複数の凹部を形成したものである。

【０００２】

【従来技術】

従来、この種の草刈機の刈刃は電動モーター又はエンジン等の動力によって回 転する回転軸等の回転機構に円板状の刈刃基板を固定し、その刈刃基板の外周辺 へ矩形状又は鋸刃状を形成した複数の鋼板製の刈刃を固定し、刈刃基板と共に高 速回転させ雑草を刈り取るタイプのものと、刈刃基板の外周辺へ多数のナイロン コードを取着し、刈刃基板と共に高速回転させて遠心力を付与したナイロンコー ドで雑草を刈り取るタイプのものが一般的に使用されている。

【０００３】

【解決しようとする課題】

然し乍、刈刃基板の外周辺へ矩形状又は鋸刃状を形成した複数の鋼板製の刈刃 を固定したタイプのものは、刈刃の速度を上げないと刃部が雑草に直角に当たり 切れないため、刈刃を高速回転させて対応しているが、高速回転させている時に 刈刃が周辺の固形物に接触すると跳ね返ったり、小石等を遠くに飛ばし周辺のガ ラスや物、人等に当たり、事故を招くことも屡々あり、更に、高速回転は刈刃の 損傷や破損が著しく、その為、刈刃の交換を頻繁に行っており時間的にも、経済 的にも負担となっている実情である。

【０００４】 又、刈刃基板の外周辺へ多数のナイロンコードを取着したタイプのものは、前 述の複数の鋼板製の刈刃を用いたタイプのものより低速回転で雑草を刈り取るこ とができ、危険性は低いものの、ナイロンコードの強度不足から直ぐ切れなく成 ってしまい、頻繁に草刈機の回転を止めて、その都度ナイロンコードを適宜引き 出したり取り替えたりして使用しており、非能率的であると共に、ススキのよう な太くて丈夫な雑草では強度不足から刈り取ることができないものである。

【０００５】 その為、本願出願人は先に開示した「草刈機の刈刃」（平成７年６月２１日出 願）は、草刈機本体の回転機構と基板用固定具により固定させる刈刃基板の中心 へは回転機構用固定孔を穿設すると共に、刈刃基板の外周辺へ複数の刈刃用固定 孔を等間隔で穿設し、夫々の刈刃用固定孔と刈刃用固定具により遊動可能に且つ 着脱可能に固定される夫々の刈刃は円板状の外縁の全周に刃部を形成すると共に 複数の基板用固定孔を等間隔で且つ中心より一定巾ずらせた偏心位置へ穿設した ものであった。

【０００６】 前記出願の刈刃は円板状の外縁の全周に刃部を形成したものであり、茎の太い 雑草や、茎の硬い雑草であればスムーズな草刈作業が行えるものの茎の細い雑草 や、茎の軟らかい雑草が混在する場所では刈り残しが出て切れ味に不満があるも のであった。

【０００７】

【課題を解決した手段】

本考案の草刈機の刈刃は上記の事由に着目して創案したもので、モーター等の 動力を得て回転する草刈機本体の回転機構と、中心に回転機構用固定孔を穿設す ると共に外周辺へ複数の刈刃用固定孔を等間隔で穿設した刈刃基板と、回転機構 と前記刈刃基板とを固定させるための基板用固定具と、夫々の刈刃用固定孔と刈 刃用固定具により遊動可能に且つ着脱可能に固定される刈刃と、刈刃の中心より 一定巾ずらせた偏心位置へ等間隔で穿設した複数の基板用固定孔とを備えた草刈 機であって、刈刃の外周へは刈刃の中心点を通過する線の長さが相違する複数の 凹部を形成すると共に外縁の全周へ刃部を形成したものである。

【０００８】

【考案の目的】

従って、本考案は、草刈機の刈刃が低速回転で茎の大きさや硬さにも左右され ず切れ味が良く、基板用固定孔を変えることによって外縁の全周に刃部が形成さ れている刈刃の全ての刃部が使用でき、更に、刃部の損傷少なく安全性の高い草 刈機の刈刃を提供することを目的としたものである。

【０００９】

【考案の作用】

本考案の作用は、刈刃基板の複数の刈刃用固定孔と刈刃の基板用固定孔とを刈 刃用固定具により遊動可能に且つ着脱可能に固定したことによって、刈刃基板を 回転させると複数の刈刃は遠心力によって外方向に位置して雑草を刈り取ること ができ、更に、遊動可能な刈刃部は固形物等に接触した場合でも、接触した刈刃 が回転方向と逆方向に瞬間的に移動するものであり、更に、刈刃の偏心位置に複 数の基板用固定孔を穿設したことと着脱可能に固定したことにより刈刃の外縁の 全周に形成した刃部を全て使用することができ、加えて、刈刃の外周へは複数の 凹部を形成したことによって、あらゆる種類の雑草に切れ味が変わること無く対 応できるものである。

【００１０】

【実施例】

斯る目的を達成した本考案を以下実施例の図面によって説明する。

【００１１】 図１は本考案の実施例の草刈機の刈刃の説明のための平面図であり、図２は本 考案の実施例の草刈機の刈刃の説明のための一部断面とした要部側面図であり、 図３は本考案の刈刃の次実施例の平面図であり、図４は本考案の他の実施例の平 面図であり、図５は本考案の更に他の実施例の平面図である。

【００１２】 本考案は、草刈機の刈刃３に関するものであり、詳細には、刈刃基板１の刈刃 用固定孔１ａへ遊動可能に且つ着脱可能に固定する刈刃３の基板用固定孔３ｂを 偏心位置へ穿設すると共に、刈刃３の外周へ複数の凹部３ｃを形成したものであ り、モーター等の動力を得て回転する草刈機本体の回転機構（図示しない）と、 中心に回転機構用固定孔１ａを穿設すると共に外周辺へ複数の刈刃用固定孔１ｂ を等間隔で穿設した刈刃基板１と、前記回転機構と前記刈刃基板１とを固定させ るための基板用固定具（図示しない）と、前記夫々の刈刃用固定孔１ｂと刈刃用 固定具２により遊動可能に且つ着脱可能に固定される刈刃３と、該刈刃３の中心 より一定巾ずらせた偏心位置へ等間隔で穿設した複数の基板用固定孔３ａとを備 えた草刈機であって、前記刈刃３の外周へは刈刃３の中心点を通過する線の長さ が相違する複数の凹部３ｂを形成すると共に外縁の全周へ刃部３ｃを形成したも のである。

【００１３】 即ち、本考案の草刈機本体（図示しない）は電動モーター、エンジン等の動力 源を内装した駆動部から伸縮自在な杆状部材を延設させ、該杆状部材の先端に回 転軸等の回転機構を配設しているものであり、前記杆状部材へは肩掛けベルト、 グリップ及びセーフティカバー等が適宜付設されている公知のものである。

【００１４】 前記草刈機本体の先端に配設された回転軸等の回転機構に着脱可能に固定する 刈刃基板１は中心へ回転軸等の回転機構を挿通させる回転機構用固定孔１ａを穿 設しているものであり、前記回転軸の先端には螺条を螺設しており、ナット等の 刈刃基板固定具で着脱可能に固定している公知手段のものである。

【００１５】 そして、刈刃基板１の後述する刈刃３の半径より巾狭の一定巾を有した外周辺 へは複数の刈刃用固定孔１ｂを等間隔で穿設しているものであり、図１に図示す る如く、実施例では角部をカットした略正三角形状の角部をカットして刈刃基板 １としているものであるが、円板状のものでも正方形状のものでも構わなく、更 に、複数の刈刃用固定孔１ｂの数も特に限定しないものである。

【００１６】 更に、本考案は刈刃３に穿設した後述する基板用固定孔３ａと前記刈刃基板１ に穿設した複数の刈刃用固定孔１ｂと後述する刈刃用固定具２によって夫々遊動 可能に且つ着脱可能に固定するものであり、前記刈刃用固定具２は図２に図示の 如く、刈刃用固定孔１ｂと基板用固定孔３ａとの肉厚より若干厚い短管状のスペ ーサー２ａを貫挿すると共に、スペーサー２ａに更にボルト２ｂを貫通させて、 ボルト２ｂの螺子部にナット２ｃを螺着させて固定するものであり、尚、ナット ２ｃはシングルでも構わないがダブルナットとした方が緩むことがなくより安定 して固定できるものである。

【００１７】 そして、刈刃基板１の夫々の刈刃用固定孔１ｂと刈刃用固定具２よって夫々固 定させる複数の基板用固定孔３ａは刈刃３の中心より一定巾ずらせた偏心位置へ 等間隔で穿設したものであり、つまり、基板用固定孔３ａを偏心位置へ穿設して 遊動可能に固定したことによって、刈刃３は回転の遠心力によって固定した基板 用固定孔３ａが最も回転の中心に近い処に位置し、刈刃３は外縁の全周に刃部３ ｃを形成しているため、最も遠い位置の近傍に有する刃部３ｃにより雑草を刈り 取るものである。

【００１８】 更に、本考案では刈刃３の外周へは刈刃３の中心点を通過する線の長さが相違 する複数の凹部３ｂを形成したものであり、夫々の凹部３ｂへも刃部３ａを形成 したことにより、雑草の茎の太さや硬さに関係無くあらゆる雑草を切れ味良く刈 り取ることを可能としたものである。

【００１９】 又、経時使用して基板用固定孔３ａより最も遠い位置の近傍の刃部３ｃが摩耗 した場合、刈刃用固定具２を取外し、基板用固定孔３ａを隣にずらせ再固定する ことによって未使用の刃部３ｃで草刈を行えるものである。

【００２０】 つまり、本考案の草刈機の刈刃３は、図１に図示する矢印Ａの方に回転させて 、回転中は遠心力によって実線で描く位置に夫々の刈刃３は配置しており、図示 の上方に表わす刈刃３が固形部等に接触した場合、仮想線で描く位置或いは矢印 Ｂの方向へ移動して刈刃３の損傷を防ぐと共に、小石等による事故も激減するも のである。

【００２１】 又、図３乃至図５に図示する刈刃３はその他の実施例であり、これ等意外にも 各種の形状が考察できるが、刈刃３の外周へは刈刃の中心点を通過する線の長さ が相違する複数の凹部３ｂを形成したものであれば形状は限定しないものであり 、各形状共に凹部３ｂを含む外縁の全周へは刃部３ｃを形成しているものである 。

【００２２】

【考案の効果】

本考案の草刈機の刈刃は前述の構成によって、刈刃の外周へは複数の凹部を形 成し且つ外縁の全周に刃部を形成しているために、特に、茎の軟らかい雑草や、 茎の細い雑草にも対処でき、あらゆる雑草に対して切れ味が良く楽に草刈り作業 をすることができ、経済的で省エネにも成り、更に、着脱可能で刈刃は刃部が消 耗した場合、偏心位置に穿設した複数の基板用固定孔の位置を変えることによっ て外縁の全周に形成されている刃部の未使用部分を使用することができ経済的で あり、加えて、遊動可能な刈刃は草刈中に固形物等に接触した場合でも、回転方 向と逆方向に移動して固形物等を跳ね飛ばすことも刈刃の損傷もなく安全性も向 上させたものであり、画期的で実用性に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の実施例の草刈機の刈刃の説明の
ための平面図ある。

【図２】図２は本考案の実施例の草刈機の刈刃の説明の
ための一部断面とした要部側面図である。

【図３】図３は本考案の刈刃の次実施例の平面図であ
る。

【図４】図４は本考案の刈刃の他の実施例の平面図であ
る。

【図５】図５は本考案の刈刃の更に他の実施例の平面図
である。

【符号の説明】

１ 刈刃基板 １ａ 回転機構用固定孔 １ｂ 刈刃用固定孔 ２ 刈刃用固定具 ２ａ スペーサー ２ｂ ボルト ２ｃ ナット ３ 刈刃 ３ａ 基板用固定孔 ３ｂ 凹部 ３ｃ 刃部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】モーター等の動力を得て回転する草刈機本
   体の回転機構と、中心に回転機構用固定孔を穿設すると
   共に外周辺へ複数の刈刃用固定孔を等間隔で穿設した刈
   刃基板と、前記回転機構と前記刈刃基板とを固定させる
   ための基板用固定具と、前記夫々の刈刃用固定孔と刈刃
   用固定具により遊動可能に且つ着脱可能に固定される刈
   刃と、該刈刃の中心より一定巾ずらせた偏心位置へ等間
   隔で穿設した複数の基板用固定孔とを備えた草刈機であ
   って、前記刈刃の外周へは刈刃の中心点を通過する線の
   長さが相違する複数の凹部を形成すると共に外縁の全周
   へ刃部を形成したことを特徴とする草刈機の刈刃。