JP3025331B2 - 防火構造物 - Google Patents
防火構造物Info
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Description
に、火災時に防火構造物の内部から発生するガスを抜く
ことが容易な防火構造物に関する。
が発生すると被害が大きいと予想される場所において
は、消防法により防火構造物および/または防火ドアを
備えることが義務づけられており、延焼防止により被害
を最小限に押さえている。
度にさらされるため、壁、天井、床などの防火構造物ま
たは防火ドアの内部から、構造物自体に起因するガスが
発生することが知られている。すなわち、防火構造物や
防火ドアは、ほとんどの部分が耐熱性の不燃材料などで
構成されているが、その内部には接着剤や有機物が存在
するので、これらに起因して火災時に内部からガスが発
生する。このガスは、火災時の高温化によって一気に噴
出する傾向があるため、噴出ガスの圧力により防火構造
物や防火ドアが破壊してしまうという問題が、従来から
知られている。従って、防火構造物に要求される性能と
して、遮炎性、遮煙性、遮熱性、耐熱強度の他に、内部
ガス抜け性も重要視される。
り固定した構造(図8参照)。 (2) 耐火性板5とフレーム2を、釘等の針状固定体8を
用いて直接固定した構造(図9参照)。 などが提案されている。
示すような、耐火性板とフレームとを有機系接着剤によ
り固定しているものは、火災時の高温化により、接着力
が失われて保持力が低下する共に、フレーム又は芯材の
内部又は表面に存する有機成分の揮発や水分の気化によ
り、構造内部のガス圧力が高くなって耐火性板を内部か
ら圧迫し、耐火性板がフレームから剥がれ落ちることに
なり、防火の機能が失われてしまうという課題があっ
た。
れ落ちを防止するために、釘等の針状固定体を用いて耐
火性板とフレームとを直接固定することが考えられる
が、石膏、セメント、無機繊維集積体等からなる耐火性
板に針状固定体を打ち込むと、局部的応力のために歪み
が発生して、容易に耐火性板が破損してしまい、防火構
造物の製造が困難であった。また、製造時に破損を免れ
ても、針状固定体の打ち込みによる局部的応力が残留し
て破壊応力が著しく低下し、火災時の熱膨張や内部ガス
圧力の発生により、簡単に破損するという課題があっ
た。
時に耐火性板が剥がれ落ちることなく防火機能を維持す
ると共に、防火構造物の内部ガス抜きが容易にできる防
火構造物を提供することを目的とする。
め、本発明の防火構造物は、フレームの中空部に断熱性
の芯材を充填した構造物本体の少なくとも片面側に、耐
火性板と可燃性板とが順に積層されている構造物であっ
て、前記可燃性板の上から針状固定体により前記可燃性
板と前記耐火性板が前記フレームに固定されていること
を特徴とする。
とも無機繊維層と無機微粒子及びバインダーを含む層と
からなる積層体であって、無機繊維層はロックウール、
ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、炭素繊維、シリカーアル
ミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、金属繊維、セラ
ミックス繊維から選ばれる少なくとも一種の耐熱性繊維
であることが好ましい。
であることが好ましい。
の中空部に断熱性の芯材を充填した構造物本体の少なく
とも片側面に耐火性板を固定する際に、可燃性板を介し
て釘等の針状固定体を打ち込んで固定するため、可燃性
板が緩衝材として働き、局部的応力が緩和されて歪みが
発生し難くなり、製造時の破損が少なくなる。また、局
部的応力の残留が減少して破壊応力の低下が少なくな
り、火災時の破損を防止することができる。
り燃焼することにより、針状固定体の係止部と耐火性板
の間の可燃性板が薄くなり又は消滅して、可燃性板の厚
さに相当する隙間が生じ、内部ガス圧力により耐火性板
が針状固定体の係止部まで移動できる。そのため、フレ
ームと耐火性板との間に間隙が生じて、そこから内部ガ
スが解放されると共に、針状固定体の係止部により耐火
性板が剥がれ落ちないため、防火構造物の防火性能をそ
のまま維持することができる。
と無機微粒子及びバインダーを含む層とからなる積層体
であって、無機繊維層はロックウール、ガラス繊維、炭
化ケイ素繊維、炭素繊維、シリカーアルミナ繊維、シリ
カ繊維、アルミナ繊維、金属繊維、セラミックス繊維か
ら選ばれる少なくとも一種の耐熱性繊維であるという本
発明の好ましい構成によれば、防火性に優れ、強度も高
く、軽量で、防音性にも優れ、防火建築材料として総合
的に優れたものとすることができる。
構成によれば、強度を保つフレーム以外の断熱性の芯材
は多くの空気層を含み、耐火性板は無機微粒子及びバイ
ンダーを含んでいるため、強度が強く、且つ、音の吸収
や散乱が効率的に行われるため、ドアに要求される軽量
性と遮音性の両方を満足することが容易である。
に説明する。なお、本発明は下記の実施例によって限定
されるものではない。
部分破断斜視図である。フレーム2は、天然木材等の有
機材料、金属やセラミックス等の無機材料、天然木材に
防火剤を注入したもの、又はこれらの複合材料からな
り、一般に、方形状枠の形状に組み立てられる。なお、
強度を増すために、フレーム2を構成する辺の間に中桟
を組み込むのも好ましい構成である。
が装填され、構造物本体を構成する。断熱性の芯材3に
使用可能な耐熱性繊維としては、一例としてロックウー
ル、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、炭素繊維、シリカー
アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、金属繊維な
どを1種類以上使用するのが好ましい。別の繊維として
は、メタ系またはパラ系芳香族ポリアミド繊維(アラミ
ド繊維)、ポリアミドイミド繊維、ポリテトラフルオロ
エチレンなどのフッ素繊維、芳香族ポリエーテルアミド
繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、フェノール繊維、
セルロース繊維などのように有機繊維であっても300
℃以上で形状を保持できる繊維であれば使用できる。こ
れらの中でも特に好ましいのはロックウールである。本
発明の断熱性の芯材3を形成するには耐熱性の接着剤を
用いることもできる。
際の使用上の厚みの比較衡量から、約10〜40mm程度
の厚さにするのが好ましい。芯材2を形成する手段は、
前記耐熱性繊維を使用して乾式法または湿式法により繊
維集合体を形成させたり、あらかじめ耐火性板5内部に
前記耐熱性繊維を詰め込む手段などがある。また芯材3
の好ましい見掛比重は0.05〜0.3g/cm3 の範囲
である。断熱性、軽量化、および耐火性板5に外力が加
わった際の緩衝機能などを発揮させるためである。
5と可燃性板6とが順に部分又は全面に渡って積層され
る。可燃性板6は、天然木の挽材、単板、合板やパーチ
クルボード、繊維板等からなり、1mm〜5mm程度の厚さ
にするのが好ましい。これは、厚みが1mm未満では板自
体の強度が低下する傾向にあり、逆に5mmより厚い場合
は、板が炭化又は燃焼して消滅するまでの時間がかかる
等の理由によるものであり、通常の火災では、この間の
厚みが好ましい。
料からなる耐火性側板7が部分又は全面に渡って貼着さ
れる。
る。フレーム2と耐火性板5及び可燃性板6との固定
は、可燃性板6の上からフレーム2に当たるように、釘
等の針状固定体8を打ち込むことにより行われる。な
お、耐火性板5及び可燃性板6が均一な平面性を保つた
めに、フレーム全体に均等分散させて固定するのが好ま
しい。
は、釘の正面図であり、棒状本体の一端に係止部9を有
し、他端は尖頭状に形成されている。図3bは、ステー
プルの正面図であり、コ字状本体の頭部に係止部9´を
有し、足部は尖頭状に形成されている。但し、本発明に
用いられる針状固定体8は、係止部を有するものであれ
ば、これらのものに限定されない。
A´断面から見た断面図であり、図4aは火災発生前の
様子であり、図4bは火災発生時の様子を示す。火災発
生前の通常の使用状態では、フレーム2と耐火性板5と
可燃性板6とは、針状固定体8により各々密着して固定
され、それらの間隙は殆ど空いていない。しかし、火災
が発生して可燃性板6が炭化したり燃焼したりすると、
火災発生側の可燃性板6の厚み分が消滅し、耐火性板5
の固定力が減少して、針状固定体8の係止部までの範囲
で可動状態となる。火災発生時の熱により、防火構造物
の内部は水蒸気や有機ガスが充満して高圧状態になるた
め、可燃性板6に圧力が内部から作用して、針状固定体
8の係止部まで動いてフレーム2との間に間隙が生じ、
内部ガスはそこから解放されて、内部圧力が低下するこ
とになる。そのため、防火構造物全体の破壊を防止する
ことができる。また、火災発生側の耐火性板5も針状固
定体8の係止部で保持されるため、炎は防火構造物を越
えて侵入できず延焼を止めることが可能になる。なお、
炎がフレーム2との間隙から侵入することが想定される
が、内部ガスの噴出により防止される。
る様子の部分斜視図である。針状固定体8で固定された
可燃性板6の周辺部が燃焼して消滅し、耐火性板5が内
部ガスの噴出により外側へ反った状態になり、フレーム
2との間に間隙が生じている。その間隙から内部ガスが
噴出して、内部圧力を低下させることができる。
性板の断面図であり、図6aは全体断面図で、図6bは
図6aのC−C´部分断面図である。耐火性板5は高温
流体や炎を遮断する機能を有する。また耐熱性繊維層を
含むので、高温流体の圧力によって破壊される恐れがな
い。さらに緩衝機能を発揮する芯材3と相俟って防火構
造全体として弾力性を発揮し、より高温の流体の圧力に
対して対抗できる。さらに、耐火性板5を芯材3の両面
に形成することにより、もし一方の面の耐火性板5が破
壊されても残る他方の耐火性板5´により高温流体の伝
播や延焼防止ができる。このような耐火性板5、5´を
構成する耐熱性繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、ア
ルミナ−シリカ繊維、炭化ケイ素繊維(以上をセラミッ
クス繊維ともいう)などの耐熱性1000℃以上の無機
繊維を使用することが好ましい。なお、ガラス繊維など
のように耐熱性がやや低い繊維であっても、これらのセ
ラミックス繊維と併用することにより使用できる。そし
て特に好ましくは、耐火性板5は、少なくともセラミッ
クス繊維層と無機微粒子及びバインダーを含む層とから
なる積層体(以下無機繊維ボードという)で形成するこ
とである。
しいセラミックス繊維層は、乾式法または湿式法により
不織布や抄紙シートのように形成してもよいし、織物布
または編物を形成してもよい。このようにして得られた
セラミックス繊維層の表面に無機微粒子を含浸または塗
布し、さらにその上にバインダーを塗布するか、または
無機微粒子とバインダーを混合した組成物を含浸または
塗布し、乾燥または熱処理などによって接着一体化させ
る。前記バインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾ
ル、ジルコニアゾル、ケイ酸塩、リン酸塩、またはシリ
カセメント、アルミナセメント、マグネシアセメント、
ジルコニアセメントのような耐熱セメント類から選ばれ
るものを例示できる。次に無機微粒子としては、ロウ
石、長石、マグネシア、ケイソウ土、シリカ、シリカー
アルミナ、ムライトアルミナ、水酸化アルミニウム、炭
化ケイ素、ジルコン、ジルコニア、酸化チタン、酸化マ
グネシア、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸
マグネシウム、シラス、シラスバルーン、ガラス、ガラ
スバルーン、パーライト、ドロマイト、カオリン、シャ
モット、雲母、コージェライト、窒化ケイ素、窒化ホウ
素、セピオライト、アタパルジャイト、ベントナイト、
ヘクトライト、合成フッ素雲母、モンモリロナイト、各
種ウィスカー、炭素粉末、金属粉末などを例示できる。
0.8g/cm3 程度が好ましく、耐火性板5、5´の厚
さは2mm以上が好ましい。
る。繊維直径2〜3μmのシリカーアルミナ系セラミッ
ク繊維集合体シートを湿式抄造法によって作成する。こ
の繊維集合体シートは、2wt%アクリルエマルジョンを
含む、目付90g/m2 、見掛密度0.18g/cm3 、
厚さ0.5mmのものである。この繊維集合体シートを
8枚用意し、下記に示す配合により作成した粘度100
0cps のバインダーを、1枚の繊維シート上に乾燥重量
で470g/m2 塗布した。このようにして得られた繊
維シート上無機微粒子を含むバインダーを塗布したもの
を8枚積層し、10kg/cm2 の圧力を掛けて密着させた
後、乾燥し、目付4000g/m2 、見掛密度0.70
g/cm3 、厚さ5.7mmの板状に成形した。
視図である。フレーム2の内側の中空部には断熱性の芯
材3が装填され、フレームの外側面には耐火性側板7が
貼着される。この両面には、耐火性板5、5´及び可燃
性板6、6´が部分又は全面に渡って針状固定体8によ
り固定される。この外側面には、熱膨張率の大きい膨脹
材12が板状に貼着される。そして、全ての表面に化粧
板11、13を貼着して、防火構造物の装飾を行う。
物は、火災時に耐火性板が剥がれ落ちることなく防火機
能を維持すると共に、防火構造物の内部ガス抜きが容易
にできるため、防火構造物が破壊して延焼が拡大するの
を防止することができる。
が緩衝材として働き、局部的応力が緩和されて歪みが発
生し難くなり、製造時の破損が少なくなるため、防火構
造物の製造歩留まりを上げることができる。また、緩衝
材としての可燃性板により局部的応力の残留が減少して
破壊応力の低下が少なくなり、火災時の破損を防止する
ことができる。
図である。
る。
である。
見た断面図であり、図4aは火災発生前の様子であり、
図4bは火災発生時の様子を示す。
斜視図である。
図であり、図6aは全体断面図で、図6bは図6aのC
−C´部分断面図である。
視図である。
る。
ある。
合層 34 バインダー層
Claims (3)
- 【請求項1】 フレームの中空部に断熱性の芯材を装填
した構造物本体の少なくとも片面側に、耐火性板と可燃
性板とが順に積層されている構造物であって、前記可燃
性板の上から針状固定体により前記可燃性板と前記耐火
性板が前記フレームに固定されていることを特徴とする
防火構造物。 - 【請求項2】 耐火性板が、少なくとも無機繊維層と無
機微粒子及びバインダーを含む層とからなる積層体であ
って、無機繊維層はロックウール、ガラス繊維、炭化ケ
イ素繊維、炭素繊維、シリカーアルミナ繊維、シリカ繊
維、アルミナ繊維、金属繊維、セラミックス繊維から選
ばれる少なくとも一種の耐熱性繊維である請求項1に記
載の防火構造物。 - 【請求項3】 構造物がドアである請求項1に記載の防
火構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3080188A JP3025331B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | 防火構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3080188A JP3025331B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | 防火構造物 |
Publications (2)
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JPH04315690A JPH04315690A (ja) | 1992-11-06 |
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Family
ID=13711401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3080188A Expired - Lifetime JP3025331B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | 防火構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3025331B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101707750B1 (ko) * | 2015-10-16 | 2017-02-16 | 정연설 | 목재로 된 문의 단열방법 및 그 장치 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030051934A (ko) * | 2001-12-20 | 2003-06-26 | 주식회사 열린도어 | 방화 방염 난연성 도어 및 그 제조방법 |
JP5525296B2 (ja) * | 2010-03-12 | 2014-06-18 | 阿部興業株式会社 | 木製防火扉 |
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RU200596U1 (ru) * | 2020-05-19 | 2020-10-30 | Евгения Александровна Колесняк | Панель узла стыковочного для газодымоудаления |
-
1991
- 1991-04-12 JP JP3080188A patent/JP3025331B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
KR101707750B1 (ko) * | 2015-10-16 | 2017-02-16 | 정연설 | 목재로 된 문의 단열방법 및 그 장치 |
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---|---|
JPH04315690A (ja) | 1992-11-06 |
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