JP3024978U - 背負い式荷物持ち上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 腰に負荷を掛けることなく、重量物を簡易
に持ち上げること。 【解決手段】荷物運搬用の荷物持ち上げ装置において、
運搬する荷物に引っ掛けるフック部材６を先端に具備
し、他端を手動または自動で動作する巻上げ部材２に固
着され、この巻上げ部材の回転によって巻き上げられる
引上げ手段（ロープ５）と、この引上げ手段の前記巻上
げ部材を内蔵し、背負い面側に両肩に支持される背負い
部材を固着し、前記引上げ手段の昇降を案内する案内部
材を少なくとも１個取付け、腰周りに巻回して縛るベル
ト１４を下部に備えた背負い具１と、この背負い具の底
部に、上下の振動を吸収する緩衝部材１１を介在させて
取付けられ、地面や床面に接触して回転する車輪を備え
た歩行補助部材９とから構成される。巻上げ部材に固着
される前記引上げ手段はロープ５等の紐状物で形成し、
左右２本配置され、巻上げ部材の回動により巻き上げら
れる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、背中に背負う背負い具によって運搬用荷物を引き上げる背負い式 荷物持ち上げ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

酒類等の運搬用ケースや灯油等を搬送するのに両手で持ち上げて運搬する場合 、通常２０〜５０Ｋｇの重さを有する。これら重量物は腰を曲げて両手で運搬用 ケースを把持し、持ち上げて走行運搬したり、腰を曲げて重量物を持ち上げるこ とは腰に負担をかけていた。特に、高層建築物の団地など４階や５階に階段を登 って運搬することもあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

酒類等の運搬用ケース等を持ち上げるときに腰にかなりの負担を掛け、ギック リ腰の原因にもなったり、背骨のずれの原因にもなっていた。 また、重量物を持ち上げるために動力付リフトや階段用運搬ロボットなどを利 用することもできるが、高価であり日常の運搬器として適当ではない。 この考案の課題は、酒類等の運搬用ケース等の重量物を持ち上げるときに腰に 負担をかけず、巻き上げジャッキ等で簡単に背負うことができる背負い式荷物持 ち上げ装置を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案の前記課題は、荷物運搬用の荷物持ち上げ装置において、運搬する荷 物に引っ掛ける把持部材を先端に具備し、他端を手動または自動で動作する巻上 げ部材に固着し、この巻上げ部材の回転によって巻き上げられる引上げ手段と、 この引上げ手段の前記巻上げ部材を内蔵し、背負い面側に両肩に支持される背負 い部材を固着し、前記引上げ手段の昇降を案内する案内部材を少なくとも１個取 付け、腰周りに巻回して縛る緊帯部材を下部に備えた背負い具と、この背負い具 の底部に上下振動を吸収する緩衝部材を介在して取付けられ、末端に地面や床面 に接触して回転する車輪を配設した歩行補助部材とからなる構成によって達成で きる。

【０００５】 また、上記課題は、荷物運搬用の荷物持ち上げ装置において、運搬する荷物に 引っ掛ける把持部材を先端に具備し、他端を手動または自動で動作する巻上げ部 材に固着した引上げ手段を、前記操作杆の上下揺動により前記巻上げ部材に係合 するラチェットを回動させ、ロープまたは２本のロープからなる前記引上げ手段 を巻き上げて前記引上げ手段の先端に引っ掛けた前記重量運搬物を持ち上げ、背 負い具の底部に取りつけた歩行補助部材の車輪を地面上で回転支持しながら軽快 に運搬することができる。更に、この巻上げ部材を電動モータの回転軸に連結し 、電動によって巻上機を回動することによっても前記課題は達成できる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

この考案の背負い式荷物持ち上げ装置は、背負い部材に両手腕を差し通して背 負い具を両肩に背負い、この背負い具の巻上げ部材に固着した引き上げ手段であ る少なくとも１本のロープの先端の把持部材を酒類等の運搬ケースの両端に引掛 け、前記巻上げ部材の回動を手動で行う場合、例えば、脇下に配置した操作杆の 握部を上下に揺動して前記巻上げ部材の軸に嵌合したラチェットを回動し、巻上 げ部材を回動して前記ロープ等を案内部材に案内されて巻取り、先端の把持部材 を巻上げると運搬ケースは持ち上げられ、その状態で歩行することにより重量物 などを腰を曲げることなく、また背骨を真っ直ぐに保持したまま簡単に運搬する ことができる。特に、背負い具の底部に取りつけた歩行補助部材によって支持さ れるので腰への負担を軽減でき、軽快に重量物を運搬することができる。

【０００７】 また、引上げ手段の左右２本のロープを同時に巻き上げることなく、左右別々 に巻上げることができるから重量の異なる２個の運搬物を重さに応じて持ち上げ 高さを相違させてバランスを取って運搬することもできる。更に、巻上げ部材の 回動について操作杆を手動で操作することなく、手元の開閉スイッチを操作して 電動モータ等の自動巻上げ器によって巻上げ部材を回動させることもできる。 その上、背負い具の底部に歩行補助部材を取付けてあるから巻上げ部材等の重さ の人体への負担を軽減することができ、腰への負荷を生じない。また、引上げ手 段に重量物を吊り下げたときにも背負い具の歩行補助部材に重量かけることがで き、軽く運搬することができる。

【０００８】 この考案の背負い式荷物持ち上げ装置を図面に示す実施例に基づいて説明する 。 図１はこの考案の背負い式荷物持ち上げ装置の１実施例の使用態様を示す側面 図である。図２は図１の正面図である。図３は図１の手動式背負い式荷物持ち上 げ装置の全体斜視図である。図４はこの考案の背負い式荷物持ち上げ装置の他の 実施例の使用状態を示す側面図である。

【０００９】 １は背面に背負う背負い具で、この内部に巻上げ部材２を回動自在に配置して ある。この巻上げ部材２の軸にはラチェット３が回動自在に嵌合され、このラチ ェット３の歯爪が巻上げ部材２の突起に係合するようになっており、この内部に 巻戻し用弾性部材が配設されている。このラチェット３は脇下に配置され上下に 揺動する操作杆４の先端に固着されている。５は前記巻上げ部材２に固着され、 この回動によって巻き取られる紐状物で、ワイヤやロープである。この先端に運 搬重量物に引っ掛ける把持部材であるフック６が固着されている。７は背負い具 １の背面の両端側の上下に固着した背負い部材である。この背負い具１の上端に 肩当て案内部材８，８が配設され、この案内部材８，８の管内に前記引上げ部材 のロープ５，５を貫通させあり、この案内部材８の内面は引上げ手段であるロー プ５等が摺動し易いように加工してある。また、この案内部材８は肩上に乗せ易 いように湾曲してある。更に、可撓性物質で形成してある。

【００１０】 ９は背負い具１の底部に固着された歩行補助部材で、図面に示す実施例によれ ば背負い具１の安定性を保持するため２本配設してある。この下端には車輪１０ が回動自在に軸支され、かつ、この長さは背負う人のせの高さに合わせるために 長さを調節する調節部材１２が設けてある。また、この歩行補助部材９は背負い 具１の底部との間に緩衝部材１１が介在してある。この緩衝部材１１があること によって凹凸道を走行する場合や階段の昇降に際しても車輪１０の上下動を吸収 することになるから重量物等を楽に運搬することができる。１３は操作杆４の握 部に近接して設けたラチェットと巻上げ部材２との係合を解除して、巻上げ部材 ２を逆転させ、ロープ５を下降させることができる解除部材である。１４は人体 の腰に巻回する緊帯部材であるベルトである。

【００１１】 この考案の背負い式荷物持ち上げ装置について説明する。 背負い具１の歩行補助部材９，９の長さを調節部材１２によって調節し、背負 い具１の両側の背負い部材７，７に両手腕を通し、背肩に案内部材８，８を載せ 、ベルト１４を胴回りに緊縛して背負い具１を背中にしっかりと固定する。 次に、ロープ５の先端のフック６を荷物Ｗの把手に引っ掛ける。操作杆４の握 部を把持して上下に揺動することにより、ラチェット３を回転して巻上げ部材２ を巻戻し用弾性部材の付勢力に抗して回転させ、ロープ５を巻き上げ、手先の先 端まで荷物Ｗを持ち上げる。背負い具１の底部に取りつけた歩行補助部材９，９ の車輪１０，１０を地面上を転動させ歩行によって重量物を軽やかに運搬するこ とができる。 所定の運搬箇所で荷物Ｗを降ろすときは、操作杆４の握部に設けた解除部材１ ３を操作してラチェット３の歯爪と巻上げ部材２の突起との係合を解除し、制動 をかけながらロープ５を巻き戻し、荷物を降ろす。

【００１２】 この荷物Ｗが１個のときは左右のフック６，６を引っ掛け、両ロープ５，５を 同時に巻き上げて荷物Ｗを持ち上げることができ、また、荷物Ｗが２個のときは 左右のロープ５，５のフック６，６をそれぞれ引っ掛け、ロープ５，５を巻上げ 部材２によって同時に巻き上げるか、または巻上げ部材２に連結機構を組み込ん で、操作杆４に設けた切り換え機構により個々のロープ５，５を別々に巻き上げ て荷物Ｗを持ち上げることもできる。 その後、背面側に重量を掛けながら歩行することにより、歩行補助部材９，９ の車輪１０，１０を地面上に転動させて荷物Ｗを運搬する。

【００１３】

【実施例】

この考案の背負い式荷物持ち上げ装置の他の実施例について説明する。 上記図面に示す実施態様において、背負い具１の片側の操作杆４は１本につい て説明したが、背負い具１の両側に操作杆４を軸支し、左右のロープ５を別々に 操作するようにしてもよい。 また、背負い具１の巻上げ部材２を回動させる方法として操作杆４による手動 ではなく、図４に示されるように電動モータ１５を背負い具１内に配設し、電動 モータ１５に連動させて巻上げ部材２を回動させてもよい。そのときは引上げ手 段であるロープ５の案内部材８の先端付近に電動モータ１５の開閉スイッチ１６ を配置する。この開閉スイッチ１６の操作により巻上げ部材２を回動させたり、 巻き戻したりしてロープ５を上昇・下降させる。

【００１４】 前記背負い具１の底部に取付ける歩行補助部材９は２個でもよいが、背負い具 の中央に１本のみ取付けることもできる。 この考案の案内部材８は肩に乗せる場合に、湾曲形状にしてあるか、または撓 み易いような硬性物質、例えば、曲げ易い金属管などで形成してもよく、また、 可撓性の合成樹脂等で円筒管に形成したものでもよく、全体を柔軟性の物質で形 成することにより肩への負荷を軽減できる。 また、この考案の把持部材は、前記フックに代えてクリップや、紐の先端を運 搬物の枠に縛るようにしてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

この考案の背負い式荷物持ち上げ装置は、背負い具の操作杆を操作するだけで 酒類等の運搬用ケース等の重量物を肩上に載せたと同じようにして簡単に持ち運 ぶことができ、腰を曲げて両手で持ち上げる必要もないから腰痛の危険性も防止 することが出来る。また、動力式リフトに比較して安価で、簡易に製造すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の背負い式荷物持ち上げ装置の１実施
例の使用態様を示す側面図である。

【図２】図１の正面図である。

【図３】図１の手動式背負い式荷物持ち上げ装置の全体
斜視図である。

【図４】この考案の背負い式荷物持ち上げ装置の他の実
施例の使用状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１ …背負い具 ２ …巻上げ部材 ３ …ラチェット ４ …操作杆 ５ …ロープ ６ …フック ７ …背負い部材 ８ …案内部材 ９ …歩行補助部材 １０ …車輪 １１ …緩衝部材 １２ …調節部材 １３ …解除部材 １４ …ベルト １５ …電動モータ １６ …開閉スイッチ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】荷物運搬用の荷物持ち上げ装置において、 運搬する荷物に引っ掛ける把持部材を先端に具備し、他
   端を手動または自動で動作する巻上げ部材に固着し、こ
   の巻上げ部材の回転によって巻き上げられる引上げ手段
   と、 この引上げ手段の前記巻上げ部材を内蔵し、背負い面側
   に両肩に支持される背負い部材を固着し、前記引上げ手
   段の昇降を案内する案内部材を少なくとも１個取付け、
   腰周りに巻回して縛る緊帯部材を下部に備えた背負い具
   と、 この背負い具の底部に、上下振動を吸収する緩衝部材を
   介在して取付けられ、末端に地面や床面に接触して回転
   する車輪を配設した歩行補助部材と、 からなることを特徴とする背負い式荷物持ち上げ装置。
2. 【請求項２】前記巻上げ部材の側面に設けた突起に係合
   し、この巻上げ部材の回転軸に嵌合した一方向回転のラ
   チェットを固着した操作杆を手動によって上下揺動する
   ことによって前記巻上げ部材を一方向に回動して前記引
   上げ手段を巻き上げることを特徴とする請求項１記載の
   背負い式荷物持ち上げ装置。
3. 【請求項３】前記巻上げ部材の回動を開閉スイッチによ
   って始動・停止する電動モータによって動作させること
   を特徴とする請求項１記載の背負い式荷物持ち上げ装
   置。