JP3024504B2 - 金属の連続鋳造方法および鋳造装置 - Google Patents

金属の連続鋳造方法および鋳造装置

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JP3024504B2
JP3024504B2 JP7017792A JP1779295A JP3024504B2 JP 3024504 B2 JP3024504 B2 JP 3024504B2 JP 7017792 A JP7017792 A JP 7017792A JP 1779295 A JP1779295 A JP 1779295A JP 3024504 B2 JP3024504 B2 JP 3024504B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の連続鋳造に際
し、鋳片の表面性状の改善を実現するための鋳造方法と
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の連続鋳造においてはパウダーと呼
ばれる粉末または顆粒状の潤滑剤を鋳型内のメニスカス
上に投入し、操業を行っている。パウダーの一部は溶融
して鋳型と鋳片表面との間隙に流入し、両者間の潤滑作
用および熱緩和の役割を果たしている。さらに潤滑剤の
流入を促すためにオシレーションと呼ばれる鋳造方向へ
の微少な鋳型振動を与えている。しかし、鋳造条件に見
合った潤滑剤の流入量を得るには、鋳型振動条件を操作
するだけでは十分でなく、各々の条件に適した物性の潤
滑剤を用いることが必要となり、鋳込み初期と定常期で
潤滑剤の種類を変える等の使い分けを行う方法が採用さ
れている。
【0003】一方、近年生産性向上のため高速鋳造が指
向されているが、鋳型振動だけでは鋳型内面と鋳片表面
との間隙への潤滑剤の流入が不十分となり、焼き付きや
ブレークアウト等品質上および操業上の問題が発生し易
い。
【0004】潤滑剤の流入促進に電磁気力を利用するい
くつかの方法が提案されている。これらは上記の間隙に
潤滑剤を供給するために、メニスカス部を凸状に湾曲さ
せる電磁力を鋳型内の溶融金属に付与するものである。
【0005】図4は、電磁気力により鋳型内溶融金属の
メニスカス部を凸状に湾曲させる原理を説明する図であ
る。通電コイルに交流電流Iが流れると鋳型の周囲には
交流磁界Hが発生する。この交流磁界Hにより鋳型内の
溶融金属には誘導電流iが生じ、交流磁界Hと誘導電流
iとの相互作用により溶融金属には鋳型の中心方向に向
かうピンチ力Fが働く。このピンチ力Fにより溶融金属
は鋳型の中心方向に絞られ、メニスカス部は凸状に湾曲
するのである。
【0006】特開昭52−32824 号公報に示される鋳造方
法は、通電コイルが鋳型の内部に鋳型内壁を包囲するよ
うに耐火物で絶縁されて埋め込まれており、この通電コ
イルに交流電流を供給することによりメニスカス部を凸
状に湾曲させ、潤滑剤の流入を促進するものである。し
かしこの方法では低周波の交流電流が鋳型内を通過する
ため、潤滑剤が溶融金属に巻き込まれるという問題が発
生すると共に、印加する交流電流の周波数が高くなるほ
ど磁場が減衰しやすくなるために、所期の電磁効果が期
待できない。
【0007】特開昭64−83348 号公報に示されるパウダ
ーの供給方法では、上記発明と同様な装置によりパルス
状の電流を通電コイルに供給することによりメニスカス
部に振動を引き起こし、鋳型内面と鋳片表面との間隙を
周期的に変化させることによって、オシレーションを用
いずに潤滑剤を上記間隙に流入させることができる。
【0008】しかしこの方法では、上記特開昭52−3282
4 号公報の方法と同様に鋳型による磁場の減衰が大き
く、充分なピンチ力を得ることは難しい。
【0009】特開平2−274351号公報には、上記と同様
な装置にパルス電流に代わり1〜30Hz の低周波電流を
流す方法が示されているが、溶鋼流動が著しく特開昭52
−32824 号公報の場合と同様な問題が残る。
【0010】そこで、鋳型内の溶融金属に効率的に磁場
を作用させるために、鋳型に縦方向の細いスリットを設
け、スリットで仕切られた各セグメントに発生する誘導
電流によって鋳型内の溶融金属に電磁気力を付与する方
法が用いられる。
【0011】本発明者らは特開平5−212512号公報にお
いて、上記の鋳型に複数位相の高周波電流を印加してメ
ニスカスを蛇行振動させ、潤滑剤の流入を図る方法を提
案した。これによりオシレーションを用いることなく潤
滑剤の流入促進を達成するとともに、流入量の操作性を
向上させることができる。しかし、複数位相の電流を用
いると、電源装置が複雑となる上に位相の異なる各通電
コイルの電磁気的な干渉などが発生するという問題を避
けることができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋳型
内の溶融金属に効率的に電磁気力を印加し、物性の異な
る潤滑剤を使い分けるというような操作をすることな
く、容易に鋳造条件に応じた潤滑剤の流入量を得、潤滑
剤流入に対する操作性を向上させるとともに安定した高
速鋳造を実現することができる連続鋳造装置とこれを用
いる鋳造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1) 、(2) の連続鋳造方法と、これに用いる(3) の鋳造
装置にある。
【0014】(1)浸漬ノズルを介して鋳型内に供給さ
れた溶融金属の自由表面近傍に鋳造方向に平行な複数の
スリットを有する鋳型の周囲に鋳型を周回して設けた高
周波電流を導く通電コイルを、鋳造方向に平行に振動さ
せ、鋳型の中心方向に向かうピンチ力によりメニスカス
部の溶融金属を鋳型の中心方向に絞りつつ鋳造すること
を特徴とする金属の連続鋳造方法。
【0015】(2)浸漬ノズルを介して鋳型内に供給さ
れた溶融金属の自由表面近傍に鋳造方向に平行な複数の
スリットを有する鋳型の周囲に鋳型を周回して設けた高
周波電流を導く通電コイルを、鋳造方向に平行に振動さ
せると同時に、通電コイルに通流する電流実効値を、通
電コイルの振動に同期させて変調させながら、かつ、鋳
型の中心方向に向かうピンチ力によりメニスカス部の溶
融金属を鋳型の中心方向に絞りつつ鋳造することを特徴
とする金属の連続鋳造方法。
【0016】(3)浸漬ノズルを介して鋳型内に供給さ
れた溶融金属の自由表面近傍に鋳造方向に平行な複数の
スリットを設けた鋳型、鋳型の周囲に鋳型を周回する高
周波電流を導く通電コイル、通電コイルの位置を鋳造方
向に平行に振動させる駆動装置、通電コイルに通流する
電流実効値を通電コイル振動に同期させて変調する装置
および鋳型振動装置を備えた上記(1)または(2)に
記載の連続鋳造方法に用いることを特徴とする連続鋳造
装置。
【0017】上記(1) の方法では、次の、の条件を
選択することができる。
【0018】鋳型振動装置を用いて鋳型振動を加え、
通電コイルの電流実効値の前記同期変調装置を用いな
い。
【0019】鋳型振動装置および通電コイルの電流実
効値の前記同期変調装置をともに用いない。
【0020】上記(2) の方法では、次の、の条件を
選択することができる。
【0021】鋳型振動装置を用いて鋳型振動を加え
る。
【0022】鋳型振動装置を用いない。
【0023】
【作用】図1に基づいて本発明装置の構成例を説明す
る。図1は本発明装置の一部破断斜視図である。図示の
ように本発明装置は、溶融金属5の自由表面近傍に鋳造
方向に平行なスリット1が複数本配置された内部水冷構
造の鋳型2と、この周囲に巻かれた1ターン以上の通電
コイル3とを備えている。
【0024】通電コイル3は、支持アーム17を介して、
鋳造方向に平行な上下の振動を与えるための駆動装置11
により支持されている。図1において符号12は通電ケー
ブル、符号13は通電コイルに通流する電流実効値を通電
コイル振動に同期させて変調する装置、符号14は高周波
発振器、符号15はコイル振動駆動装置11のコントロー
ラ、符号16は鋳型位置検出器である。通電ケーブル12に
は、通電コイル3の振動に対応させるために同軸ケーブ
ルなどの柔軟性のあるものを用いる。
【0025】さらに鋳型2には、図示しない鋳型振動装
置が備えられている。この鋳型振動装置は通常の正弦波
振動を付与することができる装置であればよい。
【0026】鋳型2内には浸漬ノズル4から溶融金属5
が供給される。溶融金属5上には粉末状または顆粒状の
潤滑剤(以下、パウダーという)6が投入される。この
一部が溶融金属5の熱によって溶融し、溶融パウダー浴
8を形成する。溶融パウダーは鋳型2の内面と凝固シェ
ル7の表面との間隙9に流れ込んで一部は凝固し、鋳型
2の内面と鋳片表面との間の潤滑などの作用をもたら
す。
【0027】本発明の第1の方法では二種類の条件を選
択することができる。その一つは前記の、鋳型振動を
加えると同時に通電コイル3を鋳造方向に平行に振動さ
せながら鋳造するもの、他の一つは前記の、鋳型振動
を加えずに通電コイル3を鋳造方向に平行に振動させな
がら鋳造するものである。そして、これらの方法ではい
ずれも前記の同期変調装置13は使用しない。
【0028】図2は、通電コイル3を鋳造方向に平行に
振動させながら鋳造する場合の電磁気力(ピンチ力)の
作用を説明する要部の縦断面図である。
【0029】鋳造中、通電コイル3は駆動装置11によっ
て鋳造方向に周期的な振動を繰り返す。このときのコイ
ルの位置の違いによって鋳型2内の溶融金属5のメニス
カス形状が変化する。図2(a) は時間Aにおいて通電コ
イル3位置が鋳型2内の溶融金属5の略々メニスカス部
上端のレベルにある場合、図2(b) 、図2(c) は時間A
から或る時間経過した後の時間Bおよび時間Cにおい
て、通電コイル3位置が順次鋳造方向に低下した場合を
示す図である。図2において符号10はパウダーリムであ
る。
【0030】図2(a) に示す時間Aの場合では、鋳型2
の中心方向に向かう前述のピンチ力によりメニスカス部
の溶融金属5は鋳型2の中心方向に絞られ、鋳型2の内
面と溶融金属5との間隙9が増大する。図2(b) 、図2
(c) に示す時間Bおよび時間Cの場合では、溶融金属5
に作用するピンチ力の位置が順次低下するため、これに
応じて上記間隙9が増大する位置も順次変化して低下す
る。つまり、通電コイル位置が鋳造方向に周期的に変動
することで、メニスカス形状が蛇行運動することにな
る。これを繰り返すことによって鋳型2の内面と溶融金
属5との間隙9へのパウダーの流入が促進されるのであ
る。このとき鋳造条件に応じて、通電コイル3の鋳造方
向における移動量(振幅)、振動数などの通電コイル振
動条件および通電コイルの電流実効値を操作すること
で、パウダーの流入量を操作することが可能となる。
【0031】通電コイル3の鋳造方向における振幅の望
ましい範囲は3〜20mm程度、通電コイル3の振動の上
死点の望ましい位置はメニスカスレベルの上方10mm程
度、振動数の望ましい範囲は50〜200cpm程度で
ある。通電コイル3の振動駆動装置11としては、通電コ
イル3に取付けられた支持アーム17を図示しないモータ
ーに取付けた偏心カムによって上下させるような装置に
より、各種偏心量の異なるカムに付け替えることで振幅
を調整するのが簡易で望ましい。あるいは、振動駆動装
置11にステッピングシリンダーを用い、コンピューター
などで制御することによって、より多彩なモードで駆動
させることも可能である。
【0032】比較的低い鋳造速度の場合は、上述のコイ
ル振動だけで充分なパウダー流入を確保することができ
る。したがって、低速連続鋳造の場合には鋳型振動装置
を用いる必要はない。また、低速専用の連続鋳造機の場
合には鋳型振動装置を省略したり、また必要により同期
変調装置を省略したりすることもでき、装置の大幅な簡
素化を達成することができる。鋳型振動装置を省略した
場合では鋳型振動(以下、オシレーションともいう)マ
ークが生成しないため、特にステンレス鋼などで問題と
なるようなオシレーションマークに伴う偏析が解消され
る。
【0033】一方、高速鋳造時には電磁気力によるパウ
ダー流入促進だけでは十分でない場合がある。このよう
な場合は、前述のコイル振動と併用して鋳型振動を加え
ることによってパウダー流入量の増大を図り、鋳造を安
定化する。この鋳型振動条件には特に限定はなく、通常
用いられる正弦波振動を加えることでよい。
【0034】このとき、鋳型振動と通電コイル振動との
位相差を調整することによってパウダー流入量の制御を
行うことができる。特に通電コイル振動を鋳型振動と同
振動数の逆位相とすることでパウダーの最大流入量を得
ることが望ましい。つまり、通電コイルはその振動の上
死点でメニスカス部上端に位置させてオシレーションポ
ジティブ期の鋳型内面−メニスカス間の間隙増大を助長
し、逆にオシレーションネガティブ期には通電コイルは
その振動の下死点に移動させて、そのレベルで同様に間
隙を増大させパウダーの流入部を確保するのである。
【0035】本発明の第2の方法は、通電コイルを鋳造
方向に平行に振動させると同時に、通電コイルに通流す
る電流実効値を通電コイル振動に同期させて変調するも
のである。この同期変調装置を用いて、通電コイルの機
械的振動に同調させて通電コイルの電流実効値を変調さ
せることで、パウダー流入量の増大を図ることができ
る。この場合、通電コイルが引き抜き方向側へ移動して
いる間(コイル下降期)のみ通電し、逆方向への移動時
(コイル上昇期)には電流実効値を遮断するか、もしく
は大きく低下させることが一層望ましい。
【0036】図3はこのときの通電コイルの位置とコイ
ル電流実効値の様子を模式的に示す図である。通電コイ
ル下降時には鋳型内面とメニスカスとの間隙が広がるた
め、その部分にパウダーが流入し、コイルの下降に伴っ
てパウダー流入部も下降してゆく。さらに通電コイル振
動の下死点で電流を遮断するか、もしくは大幅に低下さ
せることで鋳型内面とメニスカスとの間隙のパウダーが
押し出され、鋳型内面と鋳片表面との間隙にパウダーが
流入する。また、コイル上昇期は下死点での通電状態、
すなわち無通電もしくは低電流値とする。これを繰り返
すことでパウダーの流入量増大を実現することができる
のである。
【0037】この効果は、前記の条件のように鋳型振
動を加えない場合にも得ることができるが、上記方法は
前記のように鋳型振動と併用してもよい。この併用の
場合、さらにパウダー流入の向上効果が得られ、前記
の条件の場合と同様に高速鋳造に有利である。また、前
記の条件の場合にも言えることであるが、通電コイル
の微小なアラインメントのずれなどによって生じる鋳型
周方向でのパウダーの不均一流入を解消することができ
る。これは、鋳型振動により生じる溶融パウダーの圧力
変動によって、鋳型周方向の圧力偏差が緩和されるため
である。
【0038】本発明の第2の方法の場合には、電力コス
トも低減させることができる。ただし、通電コイルの機
械的な振動に同期させて通電コイルの電流実効値を変調
させる制御を行う必要があるため、常時一定通電する場
合に対し、制御のための同期変調装置が必要となる。
【0039】通電コイルの機械的振動の検出には接触型
の変化センサーや非接触型のレーザー変位計などの計
器、通電コイルの電流実効値変調には電磁リレーによる
強弱電流回路の切替えなどの方法、同期変調制御には通
電コイルの位置信号を入力とした信号演算器によるシー
ケンサーあるいはプロセスコンピューターなどを介し、
出力信号を制御する方法を用いることができる。
【0040】上記効果は鋼種を問わず得られるため、本
発明方法と装置ではどのような鋼種にも適用することが
できる汎用性がある上に、操作性が高く、安定してパウ
ダー流入促進を図ることができる。さらに、場合によっ
てはオシレーションのような大型の駆動系を必要とせ
ず、軽量で小型な通電コイルの駆動装置のみでパウダー
の流入を促進させることができ、大幅な設備の簡素化を
達成することも可能である。
【0041】
【実施例】
(本発明例1)図1に示す構成の本発明装置を用い、表
1に示す組成の溶鋼を対象として表2および表3に示す
条件でスラブ型鋳片の連続鋳造を行った。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】鋳造は溶鋼を浸漬ノズルで鋳型内に供給し
つつ、上部には連続鋳造用パウダーを投入し、オシレー
ションを加えずに2.0m/minの速度で行った。こ
のとき通電コイル中心が鋳型上端から95〜112mm
の間で移動するように、振動数110cpmで振動させ
た。
【0046】いずれのチャージもブレークアウト等の操
業上の問題は発生せず、安定した鋳造ができた。鋳造さ
れた鋳片には表面欠陥は認められず、全長にわたって非
常に良好であった。また鋳片表面にはメニスカスの蛇行
の痕跡による周期的な縞模様が観察されたが偏析等はな
く、品質上は全く問題なかった。
【0047】鋳型直下から回収したパウダーフィルムの
厚みは平均1.13mmであり、従来法による鋳造の場
合の結果と有意差はなく、充分潤滑剤の流入が行われて
いることが判明した。
【0048】(本発明例2)表1の組成の溶鋼および本
発明例1の鋳型を用い、ストローク6mm、振動数21
0cpmの鋳型振動も付与して鋳造速度3.6m/mi
nで鋳造を行った。
【0049】このとき通電コイルの振幅は17mm、振
動数は鋳型振動数と同一とし、逆位相の振動を与えた。
その他の条件は本発明例1と同じとした。
【0050】得られた鋳片には焼き付き、二重肌等の痕
跡は認められず非常に良好であり、通電コイル振動と鋳
型振動との併用による悪影響は特に認められなかった。
【0051】本発明例1と同様にして回収したパウダー
フィルム厚みは平均1.15mmであった。
【0052】(本発明例3)表1の組成の溶鋼および本
発明例1の鋳型を用い、鋳造速度2.7m/minで鋳
造を行った。このとき通電コイルの振幅は17mm、振
動数は160cpmとし、通電コイル下降期のみ通電を
行った。その他の条件は本発明例1と同じとした。
【0053】得られた鋳片には焼き付き、二重肌等の痕
跡は認められず非常に良好なものであった。本発明例1
と同様にして回収したパウダーフィルム厚みは平均1.
24mmであった。電力消費量は常時通電していた本発
明例1に比べ、約6割まで低減した (比較例1)表1の組成の溶鋼および本発明例1の鋳型
を用い、鋳型振動および通電コイル振動を付与せずに鋳
造を行った。通電条件、鋳込み条件等は本発明例1と同
じとした。
【0054】その結果、鋳型の焼き付きによる拘束性の
ブレークアウトが発生し、鋳造を中止した。
【0055】(比較例2)表1の組成の溶鋼および本発
明例1の鋳型を用い、鋳型振動のみを加え、通電コイル
振動を付与せずに鋳造を行った。その他の鋳造条件は本
発明例2と同じとした。
【0056】その結果、鋳片には鋳型との焼付きによる
拘束性のシェル破断の痕跡が認められた。本発明例1同
様にして回収したパウダーフィルム厚みは平均0.76
mmであった。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、パウダー流入量の操作
性を向上させることで、良好な表面性状を有する鋳片を
高速かつ安定に鋳造することが可能である。場合によっ
ては大型で煩雑な鋳型振動装置を省略して装置を簡素化
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳造装置の構成例を示す一部破断斜視
図である。
【図2】本発明方法の原理を説明するための鋳造装置要
部の縦断面図である。
【図3】通電コイル位置と電流実効値との関係を示す模
式図である。
【図4】本発明方法の電磁気的な作用原理を説明する図
である。
【符号の説明】
1:スリット、 2:鋳型、 3:通電コイル、
4:浸漬ノズル、5:溶融金属 6:潤滑剤
(パウダー)、 7:凝固シェル、8:溶融パウ
ダー浴、9:間隙、 10:パウダーリム、11:通電コ
イルの振動駆動装置、 12:通電ケーブル、13:同期
変調装置、14:高周波発振器、 15:コイルの振動駆動
装置のコントローラ、16:鋳型位置検出器、17:支持ア
ーム、I:交流電流、 H:交流磁界、 i:誘導
電流、 F:ピンチ力
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−187553(JP,A) 特開 平5−212512(JP,A) 特開 平8−132199(JP,A) 特開 平5−15949(JP,A) 特開 平7−266004(JP,A) 特開 平2−147150(JP,A) 特開 昭64−83348(JP,A) 特開 昭52−32824(JP,A) 特開 平2−274351(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/115 B22D 11/04 311 B22D 11/07

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浸漬ノズルを介して鋳型内に供給された溶
    融金属の自由表面近傍に鋳造方向に平行な複数のスリッ
    トを有する鋳型の周囲に鋳型を周回して設けた高周波電
    流を導く通電コイルを、鋳造方向に平行に振動させ、
    型の中心方向に向かうピンチ力によりメニスカス部の溶
    融金属を鋳型の中心方向に絞りつつ鋳造することを特徴
    とする金属の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】浸漬ノズルを介して鋳型内に供給された溶
    融金属の自由表面近傍に鋳造方向に平行な複数のスリッ
    トを有する鋳型の周囲に鋳型を周回して設けた高周波電
    流を導く通電コイルを、鋳造方向に平行に振動させると
    同時に、通電コイルに通流する電流実効値を、通電コイ
    ルの振動に同期させて変調させながら、かつ、鋳型の中
    心方向に向かうピンチ力によりメニスカス部の溶融金属
    を鋳型の中心方向に絞りつつ鋳造することを特徴とする
    金属の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】浸漬ノズルを介して鋳型内に供給された溶
    融金属の自由表面近傍に鋳造方向に平行な複数のスリッ
    トを設けた鋳型、鋳型の周囲に鋳型を周回する高周波電
    流を導く通電コイル、通電コイルの位置を鋳造方向に平
    行に振動させる駆動装置、通電コイルに通流する電流実
    効値を通電コイル振動に同期させて変調する装置および
    鋳型振動装置を備えた請求項1または請求項2に記載の
    連続鋳造方法に用いることを特徴とする連続鋳造装置。
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