JP3024479B2 - データ変換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、文字・記号等の輪郭線
の形状を規定するアウトラインデータを、その内部を塗
りつぶしたイメージであるドットデータに変換するデー
タ変換装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、文字・記号等のキャラクタの輪郭
線の形状を直線及び曲線を定義する点の座標値で表すこ
とで規定するアウトラインデータを、コンピュータ等を
用いて処理して、印刷や画面表示等の形で出力する場合
における、出力デバイスの最小単位である画素毎にＯＮ
／ＯＦＦを設定したデータであるドットデータを作成す
ることが広く行われている。

【０００３】一般に、アウトラインデータをその内部に
ドットを配置したイメージであるドットデータに変換す
るには、始めに、アウトラインに対して、所望の大きさ
へのサイズ変換、及び高品位のドットデータを得るため
の形状補正（以後、これらをまとめて変形変換と称す
る）を施し、その後、ラスタースキャン方式等の公知の
技術でアウトラインを塗りつぶしたイメージであるドッ
トデータへの変換を行う。そして、これにより１つのデ
ータで様々な大きさのキャラクタのドットデータを出力
することを可能としている。

【０００４】また、従来、上記した変形変換の処理方式
には様々なものがある。その１つとして、本出願人は以
下に述べるような方式を先に提案している。

【０００５】この方式は、アウトラインデータとヒント
データと所望の文字サイズを用いて処理を行うものであ
る。ここにおいて、ヒントデータは、アウトラインデー
タのｘｙ方向における量子化誤差による線幅の不揃いを
補正する垂直／水平線の位置を示す２つで１組の座標値
の情報（線幅情報）である。

【０００６】尚、ヒントデータとしてはこれに限らず様
々なものが考えられるが、ここでは説明を容易にするた
めに線幅情報のみとする。

【０００７】処理はｘ方向ｙ方向の一方ずつ順に行われ
る。これを図４を用いて説明する。図４は、キャラク
タ’「’のｙ方向の変換について概念的に示した図であ
る。図のような位置に線幅情報が付されている。

【０００８】まず始めに、処理対象となっている方向の
ヒントデータの各情報の座標値を文字サイズに相当する
大きさにサイズ変換する。すなわち、ｙ１、ｙ２をＶ
１、Ｖ２に変換する。次に、線幅情報の組でサイズ変換
後の距離を形状補正する。すなわち、Ｖ１をＹ１にＶ２
をＹ２に変換する。尚、このとき、処理前の元データの
座標値との対応をとっておく。すなわち、ｙ１とＹ１、
ｙ２とＹ２の対応をとる。次に、線幅情報の座標値と原
点で区切られた領域毎にその領域の変形変換式を決定す
る。これは、各領域の境界である原点、或いは線幅情報
の元の座標値とサイズ変換、形状補正した座標値との関
係をリニアに結ぶことで得ることができる。すなわち、
図４の実線で示したような関数を設定する。従って、元
のアウトラインデータ４１は、アウトラインデータ４３
のように変形変換される。

【０００９】この方式は、サイズ変換と形状補正が一つ
の変換関数で変換できるため、高速に処理できるという
利点がある。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の方式では、補正情報が付されていない点
も単にサイズ変換された位置からずれる事があった。例
えば、図４の４４に示すものである。

【００１１】キャラクタの中には、例えば縦長の’［’
を’「’と’「’とＹ方向に対称な形状を縦に並べて表
すように、複数のキャラクタをつなぎ合わせて、大きな
１つのキャラクタを作ることがある。一般にこの様な用
法に用いられるキャラクタは元のアウトラインデータの
段階で、互いに密着するように作成してある。しかしな
がら、上述したようなずれにより、変形変換した後の段
階でつなぎ目に隙間が生じ、品質を劣化させるという問
題があった。

【００１２】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、複数のキャラクタをつなぎ合わ
せた場合にも、そのつなぎ目に隙間ができない、高品位
なドットデータを高速に発生することが可能なデータ変
換装置を提供することを目的としている。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のデータ変換装置は、文字・記号等の輪郭線の
形状を規定するアウトラインデータを、その内部を塗り
つぶしたイメージであるドットデータに変換する過程
で、前記アウトラインデータに対して所望の大きさに変
換するためのサイズ変換と補正情報に基づいた形状補正
とを一つの変換関数を用いて施すものであり、更には、
前記アウトラインデータと補正情報を記憶するととも
に、該アウトラインデータ中で、形状補正の影響を受け
たくない部分を指示する補正禁止情報を記憶するアウト
ラインデータ記憶手段と、前記アウトラインデータ記憶
手段から必要なアウトラインデータ、補正情報および補
正禁止情報を読み出す情報読み出し手段と、前記情報読
み出し手段により読み出された情報に基づいて、アウト
ラインデータを変形する変形変換手段とを備えている。

【００１４】尚、前記変形変換手段は、前記情報読み出
し手段により読み出された情報に基づいて、前記補正禁
止情報により指示されていない部分については前記サイ
ズ変換と形状補正を施し、補正禁止情報により指示され
ている部分についてはサイズ変換のみを施すことでアウ
トラインデータを変形するものであることを特徴とす
る。

【００１５】また、前記変形変換手段における補正情報
に基づいた形状補正が、線幅の補正であってもよい。

【００１６】

【作用】上記の構成を有する本発明のデータ変換装置の
アウトラインデータ記憶手段は、アウトラインデータと
補正情報を記憶するとともに、該アウトラインデータ中
で、形状補正の影響を受けたくない部分を指示する補正
禁止情報を記憶し、情報読み出し手段は、前記アウトラ
インデータ記憶手段から必要なアウトラインデータ、補
正情報及び補正禁止情報を読み出し、変形変換手段は、
前記情報読み出し手段により読み出された情報に基づい
て、アウトラインデータを変形する。

【００１７】尚、変形変換手段は前記補正禁止情報によ
り指示されていない部分については前記サイズ変換と形
状補正を施し、補正禁止情報により指示されている部分
についてはサイズ変換のみを施すことでアウトラインデ
ータを変形する。

【００１８】また、変形変換手段は、前記補正情報に基
づいて線幅の補正を行う。

【００１９】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。図１は本発明を適用したレーザプリ
ンタの制御回路のうち、主としてアウトラインデータか
らドットデータを発生する部分の構成の概要を示すブロ
ック図である。

【００２０】この制御回路の主体を成すマイクロコンピ
ュータ部１０は、ＣＰＵ１２、キャラクタＲＯＭ１３、
プログラムＲＯＭ１４、テキストメモリ１５、ワーキン
グメモリ１６、ドットデータメモリ１７を備えている。
そして、これらＣＰＵ１２等は、バス１８を介して互い
に接続されている。また、マイクロコンピュータ部１０
には、バス１８を介して入力部１９及び印字部１１０が
接続されている。

【００２１】次に、上記各部の詳細について説明する
と、入力部１９は、外部から供給されるキャラクタコー
ドと文字サイズのデータを入力するものであり、印字部
１１０は、ドットデータメモリ１７から読み出したドッ
トデータを電子写真方式により印字する装置である。

【００２２】プログラムＲＯＭ１４は、本実施例で行う
様々な制御を実施するためのプログラムを記憶するもの
であり、テキストメモリ１５は、入力部１９から入力さ
れるキャラクタコード、文字サイズのデータを記憶する
ものである。

【００２３】また、ワーキングメモリ１６は、ＣＰＵ１
２がプログラムを実行するときに必要なデータを一時的
に記憶するものであり、ドットデータメモリ１７は、ア
ウトラインデータから変換されたドットデータを記憶す
るものである。

【００２４】更には、キャラクタＲＯＭ１３は、キャラ
クタの輪郭線の形状を示す情報であるアウトラインデー
タと、アウトラインデータの量子化誤差を補正する為の
付加情報であるヒントデータとを記憶するものである。

【００２５】以下に本実施例におけるアウトラインデー
タを変形変換する処理をキャラクタ’「’のｙ座標を例
に挙げ、図２に示す変形変換の概念を表す図と、図３に
示すフローチャートを用いて説明する。

【００２６】図２は、キャラクタＲＯＭ１３に格納され
ているアウトラインデータの図の位置にｙ線幅情報とｙ
補正禁止情報が付されている元のアウトラインデータ２
１と、サイズ変換関数によるアウトラインデータ２２
と、サイズ変換と形状補正を施した変換関数によるアウ
トラインデータ２３とを示している。

【００２７】ここにおいて、前記キャラクタは、点２
８、２９の位置で他のキャラクタと縦方向に密着させて
用いられることがあるため、この点にサイズ変換以外の
影響を与えたくない。従って、この位置のｙ方向には補
正禁止情報が付されている。

【００２８】まず始めに、Ｓ１で、キャラクタＲＯＭ１
３より、処理対象となるキャラクタの処理対象となる方
向の座標値、線幅情報、及び補正禁止情報を読み出す。
そして、その後Ｓ１０の変形変換処理を行う。まずＳ２
で、線幅情報が付されている座標値ｙ１、ｙ２の変形変
換後の座標値Ｙ１、Ｙ２を求める。これは、サイズ変換
したＶ１、Ｖ２を求めて、Ｖ２をＹ２の位置に決定し、
Ｙ２から所望の距離をとった位置にＹ１を決定すること
で形状補正する。次にＳ３で、原点、ｙ１、ｙ２で区切
られた領域毎に変換式を求める。本実施例では変換式は
一次関数とする。従って、ｙ０−ｙ１間の変換式は、
（０，０）（ｙ１，Ｙ１）を結んだ直線の式、ｙ１−ｙ
２間の変換式は、（ｙ１，Ｙ１）（ｙ２，Ｙ２）を結ん
だ直線の式となる。この処理によって、各領域のサイズ
変換と形状補正の要素を含んだ変形変換関数が定義され
る。次にＳ４で、アウトラインの元データのｙ座標値
を、各座標値を含む領域の変換式で変換する。ここまで
の処理は、従来技術の項で述べた方式と同じである。Ｓ
５が本発明の主たる部分である。ｙ補正禁止情報が付さ
れた点を単にサイズ変換した位置に移動する。すなわ
ち、点２４、２５を点２６、２７に移動する。

【００２９】尚、この変形変換の処理はｘ座標について
もアウトラインデータのｘ座標値、ｘ線幅情報、ｘ補正
禁止情報を用いて全く同様に処理を行えば良い。

【００３０】以上のようにサイズ変換したアウトライン
データの内部にドットを配置することでドットデータを
作成し、ドットデータメモリ１７に格納する。この処理
に関しては、既に実用化されている様々な公知の技術が
あり、又、本発明の主たる部分ではないため説明を省略
する。

【００３１】尚、本発明は以上詳述したような実施例に
限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の変更を行うことか可能である。

【００３２】例えば、本実施例ではレーザプリンタに本
発明のデータ変換装置を適用した例を示したが、これに
限らず、他の方式のプリンタやディスプレイ装置にはも
ちろん、アウトラインデータからドットデータを出力す
る装置ならどのようなものでも応用可能である。

【００３３】また、本実施例では形状補正として線幅の
補正のみで説明したが、他の補正を付加しても良い。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のデータ変換装置は、複数のキャラクタをつなぎ合
わせた場合にもそのつなぎ目に隙間ができない、高品位
なドットデータを高速に発生することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のアウトラインデータ処理部の構成を
示すブロック図である。

【図２】本実施例のサイズ変換処理の概念を表す図であ
る。

【図３】本実施例のサイズ変換処理の動作を示すフロー
チャートである。

【図４】従来のサイズ変換処理の概念を表す図である。

【符号の説明】

１３ キャラクタＲＯＭ（アウトラインデータ記憶手
段） Ｓ１ 情報読み出し手段 Ｓ１０ 変形変換手段

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G09G 5/24 G06T 3/40 G06T 11/20 G09G 5/28

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 文字・記号等の輪郭線の形状を規定す
   るアウトラインデータを、その内部を塗りつぶしたイメ
   ージであるドットデータに変換する過程で、前記アウト
   ラインデータに対して所望の大きさに変換するためのサ
   イズ変換と補正情報に基づいた形状補正とを一つの変換
   関数を用いて施すデータ変換装置において、 前記アウトラインデータと補正情報を記憶するととも
   に、該アウトラインデータ中で、形状補正の影響を受け
   たくない部分を指示する補正禁止情報を記憶するアウト
   ラインデータ記憶手段と、 前記アウトラインデータ記憶手段から必要なアウトライ
   ンデータ、補正情報および補正禁止情報を読み出す情報
   読み出し手段と、 前記情報読み出し手段により読み出された情報に基づい
   て、アウトラインデータを変形する変形変換手段とを備
   え、 前 記変形変換手段は、前記情報読み出し手段により読み
   出された情報に基づいて、前記補正禁止情報により指示
   されていない部分については前記サイズ変換と形状補正
   を施し、補正禁止情報により指示されている部分につい
   てはサイズ変換のみを施すことでアウトラインデータを
   変形することを特徴とするデータ変換装置。
2. 【請求項２】 前記変形変換手段における補正情報に
   基づいた形状補正が、線幅の補正であることを特徴とす
   る請求項１記載のデータ変換装置。