JP3024241B2 - 集積回路の自動配置配線システム - Google Patents

集積回路の自動配置配線システム

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JP3024241B2 JP3072402A JP7240291A JP3024241B2 JP 3024241 B2 JP3024241 B2 JP 3024241B2 JP 3072402 A JP3072402 A JP 3072402A JP 7240291 A JP7240291 A JP 7240291A JP 3024241 B2 JP3024241 B2 JP 3024241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集積回路の自動配置配
線システムに利用され、特に、ゲートアレイ型半導体集
積回路におけるクロック等タイミングの重用なネット
(NET)の配置配線方式に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゲートアレイ型半導体集積回路で
は、高集積化、大規模化が急速に進んでおり、これに伴
う配線幅の縮小は、配線抵抗を増大させている。また、
配線容量に関しても、設計寸法の微細化により、フリン
ジング効果の影響が増大し、配線幅が細くなったとして
も、配線密度の高いところでは、かえって容量が増大す
る傾向にある。配線の遅延時間は、抵抗と容量の積に比
例するので、近年の配線抵抗、および配線容量の増大
は、これまで無視できたアルミニウム等の抵抗値の低い
金属配線の遅延時間でさえも、無視できないほど大きく
なっている。実際、1mm当りの抵抗と容量が、各々、50
Ω/mm 、0.2pF/mmの金属で、20mmの長さの配線をしたと
すれば、配線のみの遅延時間でさえ、2nsを超える場合
がある。これは、高速化の進む半導体集積回路の中にあ
って非常に大きな値だといえる。
【0003】このような配線遅延時間の増大により、注
意しなければならないのは、クロックバスのように、タ
イミングが重要なネットである。例えば、図7のように
一つのクロックドライバ7で多数のフリップフロップ8
を動かす場合、クロックドライバ7に一番近いフリップ
フロップ8と一番遠いフリップフロップ8とでは、クロ
ック信号の動作は、配線の遅延時間だけずれることにな
る。
【0004】従って、配線の遅延時間が増大すれば、本
来、同時に動作しなければならないはずのフリップフロ
ップ8の動作するタイミングが、大きくばらつき誤動作
を起こす危険性がある。この危険性を避けるためには、
どのフリップフロップ8も、クロックドライバ7からの
配線長が同じになるように配置配線してやればよい。し
かし、ゲートアレイ型半導体集積回路ではTAT(ター
ンアランドタイム)の短縮が重要なため、配置配線は全
て計算機を用いて、ラインサーチ法や、MAZE法など
のアルゴリズムに従って、自動で行う。そのような処理
の中で、クロックバスの最適な配線を考えるのは困難で
ある。この問題を解決するために、最近のゲートアレイ
型半導体集積回路の自動配置配線方式は、クロックバス
を一番最初に配線するようにし、また、それはできるだ
け冗長配線のない最短距離で行う。そしてクロックバス
の配線が完了してから、他のブロックの配線を行う方式
をとっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の配置配線方
式では、配線処理のみでクロックバスの最適な配線を行
おうとするが、実際には配置がよくなければ最適な配線
はできない。しかし、一般のアルゴリズムでは、ブロッ
クの配置はそのブロックにつながるネットの引きの強さ
によって決まるため、クロックネットについてのみよい
配置になるとは必ずしもいうことができない。
【0006】また、図7のような回路構成の場合、配線
の遅延時間を考えないとしても、負荷が非常に重いため
クロックドライバ7の出力波形がなまり、やはり誤動作
を起こす可能性がある。そのため、図7のような回路
は、図8のように、クロックドライバ7を二つに分割す
るのが普通である。しかし、実際に配置配線が行われた
ときに、クロックドライバ7がどのように配置される
か、つまり、図8のようになるか、または図9のように
なるかで、各フリップフロップ8へのクロック信号が伝
わる時間のばらつき方(クロックスキューと呼ぶ)は異
なる。逆に、クロックドライバ7をうまく配置してやれ
ば、配線長が多少ばらついても、クロックスキューを小
さくおさえることが可能であるが、従来の配置配線方式
では、そのような処理は行うことができない。
【0007】また、非常に長い配線では、途中にバッフ
ァを入れて分割したほうが、遅延時間が早く、しかもな
まりの少ない波形を伝えることができるが、従来の配置
配線方式では、このような処理も行うことができない。
【0008】以上説明したように、従来の集積回路の自
動配置配線システムでは、機能ブロックの配置をよくし
て配線を行い、クロックスキューを小さくすることがで
きない欠点があった。
【0009】本発明の目的は、前記の欠点を除去するこ
とにより、機能ブロックの配置をよくして配線を行い、
クロックスキューを小さくできる配置配線方式を有する
集積回路の自動配置配線システムを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、機能ブロック
の配置配線を自動的に行う配置配線手段を備えた集積回
路の自動配置配線システムにおいて、前記配置配線手段
は、配線遅延時間を算出する配線遅延時間算出手段と、
この配線遅延時間算出手段により配置配線結果を解析し
てクリティカルパスを見出しこのクリティカルパスに
おいて所望の遅延時間を実現するように配線を分割し、
バッファを挿入できる再配置領域を求めるクリティカル
パス解析手段と、前記再配置領域の中に前記バッファを
挿入し領域内について再配置配線を行い配線長の違いに
よる遅延時間のばらつきを小さく抑える再配置配線手段
とを含むことを特徴とする。
【0011】
【作用】クリティカルパス解析手段は、配線遅延時間算
出手段により配置配線結果を解析しクリティカルパスを
見出し、このクリティカルパスにおいて所望の遅延時間
を実現するように配線を分割し、バッファを挿入できる
再配置領域を求める。そして、再配置配線手段により再
配置領域内にバッファを挿入し、クリティカル配線をこ
のバッファを介して分割配線し、バッファ挿入によって
生じた他機能ブロックの配置替えを再配置領域内で行
う。
【0012】従って、機能ブロックの配置をよくして配
線を行い、クロックスキューを小さくすることが可能と
なる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0014】図1は本発明の一実施例の要部を示すブロ
ック構成図である。
【0015】本実施例は、原始レイアウトデータ21を入
力し、機能ブロックの配置配線を自動的に行い配置配線
データ22を出力する配置配線手段30を備えた集積回路の
自動配置配線システムにおいて、配置配線手段30は、本
発明の特徴とするところの、配線遅延時間を算出する配
線遅延時間算出手段31と、この配線遅延時間算出手段31
により配置配線結果を解析し、クリティカルパスにおい
て所望の遅延時間を実現するように配線を分割し、バッ
ファを挿入できる再配置領域を求めるクリティカルパス
解析手段32と、前記再配置領域の中に前記バッファを挿
入し領域内について再配置配線を行う再配置配線手段33
とを含んでいる。なお、ここで、配置配線手段30は、例
えば、アプリケーションプログラムが走る電子計算機に
よって実現される。
【0016】次に、本実施例の動作について、図2に示
す流れ図、ならびに図3〜図5に示す本実施例の適用例
の処理過程を示す説明図を参照して説明する。
【0017】始めに、原始レイアウトデータ21を入力し
機能ブロックの配置を行う(ステップS1)。図3は配
置処理の終わった状態を表す。次にクリティカルパスと
して、機能ブロック1から機能ブロック2をつなぐパス
を見出し、配線6を設ける。(ステップS2、S3)。
その結果が図3である。次に、配線6の途中にバッファ
を入れることにより、機能ブロック1から機能ブロック
2の遅延時間を早めることができるかどうかを調べる
(ステップS4、S5、S6)。
【0018】単位長当りの配線抵抗および容量を各々
R、Cとすれば、配線の遅延時間はRとCの組みを何組
もつなげた分布定数回路として扱うことにより近似でき
る。配線長をl、機能ブロック2の入力端子容量をCL
とすれば、この配線の遅延時間Td0は、次の(1) 式で近
似できる。 Td0≒Rl・{1/2 C(l+1)+CL } ……(1)
【0019】(1) 式から、配線長lが増加すると、遅
延時間は2次関数的に増加することがわかる。この配線
を、l1 とl−l1 の長さに2分割し、間にバッファを
入れるとすると、配線の遅延時間Td1は、バッファの入
力端子容量をCB とすると次の(2) 式で与えられる。 Td1=Rl1 {1/2 C(l1 +1)+CB }+R(l−l1 ){1/2 C(l−l1 +1)+CL } =Rl{1/2 C(l+1)+CL }−Rl1 {C(l−l1 )+CL −CB } ……(2)
【0020】また、信号を駆動する、機能ブロック1の
スイッチング速度も、配線容量が変われば変化するの
で、配線を分割することによる、スイッチング速度の減
少ΔT1 は、出力インピーダンスをZとすれば次の(3)
式で与えられる、 ΔT1 =Z(Cl+CL )−Z(Cl1 +CB ) =Z{C(l−l1 )+CL −CB } ……(3)
【0021】これに対し、分割前よりも増加する遅延
時間は、バッファのゲート遅延TB で、これは、バッフ
ァの出力インピーダンスをZB、基本遅延時間をEB
すると次の(4) 式で与えられる。 TB =ZB {C(l−l1 )+CL }+EB ……(4)
【0022】従って、分割前よりも、遅延時間を小さく
するためには、 Td0>Td1+TB −ΔT1 ……(5) となるような、l1 を決めてやればよい。このようにし
て、求まったl1 の領域が図4の再配置領域4である。
【0023】次に、この再配置領域4内に、バッファを
配置するために、機能ブロック3を下方にずらして、バ
ッファとしての機能ブロック5を挿入し配線6を分割配
線する(ステップS7、S8)。再配置配線を行った結
果が図5である。このとき、機能ブロック3が動かせな
い場合は、再配置領域4の中で配置可能なセルを探し、
なければメッセージを出力し、処理を終わり、次の配線
に移る。そして、他にクリティカルパスがあるかないか
を検討し(ステップS9)、あればステップS2に戻
り、なければ配線処理を行い終了する(ステップS10)
【0024】図6は、本実施例による他の適用例を示す
説明図である。(1)〜(4) 式を用いれば、配線を分割さ
せる処理は、遅延時間を小さくするだけではなく、逆に
大きくすることも可能であることは明らかである。図6
では遅延時間を大きくする目的で、クロックドライバ7
のすぐ近くに配置されたフリップフロップ8の手前にバ
ッファ9を配置して、このバッファ9を介して、クロッ
クドライバ7とフリップフロップ11とを接続している。
【0025】また、バッファ10は、これとは逆に、遅延
時間を小さくするために、クロックドライバ7と、クロ
ックドライバ7より遠くに配置されたフリップフロップ
11との配線の中間点あたりに配置して、このバッファ10
を介して配線している。このようにすることにより、配
線長の違いによる遅延時間のばらつきを小さくすること
ができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、集積回
路の配置配線処理の中に、配線遅延時間計算手段、クリ
ティカルパス解析手段および再配置配線手段を持つこと
により、機能ブロックの配置をよくし、配線長のばらつ
きによる遅延時間のばらつきを小さくし、スキュー効果
を小さくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の要部を示すブロック構成
図。
【図2】 その動作を示す流れ図。
【図3】 その適用例の配置状態を示す説明図。
【図4】 その適用例のクリティカルパス解析結果を示
す説明図。
【図5】 その適用例の再配置配線結果を示す説明図。
【図6】 その別の適用例の再配置配線結果を示す説明
図。
【図7】 従来の第一の配置配線例を示す説明図。
【図8】 従来の第二の配置配線例を示す説明図。
【図9】 従来の第三の配置配線例を示す説明図。
【符号の説明】
1、2、3、5 機能ブロック 4 再配置領域 6 配線 7 クロックドライバ 8、11 フリップフロップ 9、10 バッファ 21 原始レイアウトデータ 22 配置配線データ 30 配置配線手段 31 配線遅延時間算出手段 32 クリティカルパス解析手段 33 再配置配線手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 H01L 21/82

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能ブロックの配置配線を自動的に行う
    配置配線手段を備えた集積回路の自動配置配線システム
    において、 前記配置配線手段は、 配線遅延時間を算出する配線遅延時間算出手段と、 この配線遅延時間算出手段により配置配線結果を解析し
    てクリティカルパスを見出しこのクリティカルパスに
    おいて所望の遅延時間を実現するように配線を分割し、
    バッファを挿入できる再配置領域を求めるクリティカル
    パス解析手段と、 前記再配置領域の中に前記バッファを挿入し領域内につ
    いて再配置配線を行い配線長の違いによる遅延時間のば
    らつきを小さく抑える再配置配線手段とを含むことを特
    徴とする集積回路の自動配置配線システム。
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