JP3024163U - 移動式防音ハウス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】道路上等において騒音源となる工事を行う場合
に、該騒音源となる工事現場の周囲を、防音パネル等を
組み合わせて、防音壁又は防音ハウスを組み立てるのが
通常であった。これでは、騒音源となる工事が、短期間
で終わるような場合でも、防音ハウス等の組立、及び解
体に長い日数をようするため、工事の能率に支障をきた
すので、もっと簡単に、工事現場に設置し、又は移動で
きるような防音ハウスが望まれる。 【解決手段】防音壁からなる防音ハウスの前後４ヶ所に
ジャッキを介して車輪を取り付け、該ジャッキによって
前記車輪を下に降ろすことによって、防音ハウスを浮き
上がらせ、前記車輪によって、必要な場所に移動するこ
とができるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は式防音ハウスに関するものである。 すなわち、道路上等にドリル等で穴を穿ったり、道路上に工事のためのコンプ レッサを設置したり、該コンプレッサを作動させるためのエンジンを設置するよ うな場合に、前記ドリル等の騒音や、コンプレッサやエンジン等の騒音源から発 生する騒音が、近隣に迷惑をかけないようにするため、前記各音源を防音壁から 成るハウス状の構造物で囲んで、前記音源からの騒音を遮断するためのものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、道路上に地下鉄工事用の竪穴を穿ったり、地下に地下設備を埋設す る等のために、道路に穴を穿ったり、道路上の工事のために、コンプレッサ等を 設置したりする場合に、道路上に穴を穿つための騒音や、道路上に設置したコン プレッサ等の騒音源からの騒音を遮断し、近隣に迷惑をかけないようにするため 、防音壁から成る遮蔽物、或いは防音パネル等を用いて屋根までも覆った構造の 、防音ハウスを設置する例が多かった。 防音壁としては、中身に綿状物等の吸音材をいれて、鉄板や網等で囲んでパネ ル状に構成した防音パネルを、多数横に連結して壁状に構成したものが通常であ る。

【０００３】 そのため、従来は、竪穴を穿つ現場や、コンプレッサを設置する現場等の騒音 源の周囲に、前記多数の防音パネルを組み合わせて壁状に囲い、又は、屋根まで も前記のような防音パネルで覆うのが通常であった。

【０００４】

【考案が解決使用とする課題】

前記のように、従来は騒音源を囲んで防音パネルから成る防音壁を組み立てて 防音ハウスを構成したり、また、工事が終了した後は、前記防音パネルを取り外 して前記防音ハウス等を解体したりしていた。 然し、これでは、地下鉄工事のための竪穴のように、２〜３年以上の間、同一 の場所に設置して置く場合は、あまり問題はないが、短時間の、例えば２〜３日 で終わるような、騒音を発する工事について、前記のようにして何日もかけて防 音ハウスを組み立てるとすれば、騒音を発する工事の期間に比して、騒音を遮断 するための防音ハウスの組み立て、設置、及び解体、運搬にかかる日数が、あま りに多くなってしまい、工事の能率を著しく低下させることになってしまう。

【０００５】 よって、前記のような、短日時で終わるような、道路上の騒音を発する工事に ついて、該騒音を遮断して、近隣に迷惑をかけないようにするためには、短時間 に容易に騒音源の周囲に設置でき、また短時間に、他の場所へ移動できるような 防音ハウスの提供が望まれる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するための手段として、先ず、防音パネル等の防音壁によって 防音ハウスを組立て、該防音ハウスの前後４箇所に、ジャッキを介して車輪を取 付け、該ジャッキによって前記車輪を下に降ろすことによって前記防音ハウスを 浮き上がらせて、前記車輪によって移動することができるように構成したもので あり、また前記防音ハウスに取り付けた車輪のうち、前の車輪は方向変更が可能 なように構成し、防音ハウスの移動に当たって、必要な方向へ進行することを可 能にしたもの、さらには、前記防音ハウスの上部を取り外し可能に構成し、防音 ハウスの移動に当たって、歩道橋等のような桁下を通過するような場所があると きは、起重機等によって前記防音ハウスの上部だけを取り外し、下部だけを前記 車輪によって移動できるように構成したものである。

【０００７】 上記構成によって、防音ハウスが容易に移動できるから、該防音ハウスを騒音 源となる場所に移動させて前記車輪を上に上げて、防音ハウスを道路等の地面上 に設置し、工事が終わったときは、再び前記車輪を下に降ろして、該防音ハウス を別の工事現場へと容易に移動・設置することができるものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図１は本考案を実施せる防音ハウスの側面概念図であって、防音ハウス本体１ は多数の防音パネル２、２…とＨ型鋼等から成る枠３、３…とを組み合わせて成 り立っている。

【０００９】 そして、前記防音ハウス本体の４箇所には、前の車輪４が２個と、後ろの車輪 ５が２個取り付けてある。

【００１０】 図２は、前記防音ハウスの後ろの車輪５付近の要部拡大図であるが、同図に示 すように、後ろの車輪５は防音ハウスの壁面をなす防音パネル２の一枚にジャッ キ６が防音ハウスの壁面に取付けられている。そして前記ジャッキ６に油圧を送 って該ジャッキのシャフト７を伸ばすことによって、前記後ろの車輪５が下に下 がり、相対的に防音ハウス本体１は車輪によって浮き上がる構造になっている。

【００１１】 次に、図３は前記防音ハウスの、前の車輪付近の、上を図面右側に記載した、 要部拡大前面図であって、前の車輪４、キングピン取付け枠８、キングピン９、 下枠１０、下枠に固定されて立ち上がった構造の前の車輪固定枠１１、ジャッキ ６、ジャッキのシャフト７、及び回転ローラ１２等を拡大して図示したものであ る。

【００１２】 同図に明らかなように、防音ハウス本体の前面にはキングピン取付け枠８を固 定し、該キングピン取付け枠８の中央部にはキングピン９を貫通させ、該キング ピン９を介して、下枠１０が取付けられており、該下枠１０の両側には前の車輪 固定枠１１を立ち上がらせて取り付けてある。

【００１３】 前記前の車輪固定枠１１には、後ろの車輪５について説明したのと同様に、ジ ャッキ６が取り付けられており、該ジャッキ６のシャフト７を伸ばすことによっ て、前の車輪４を下に下げ、防音ハウス本体１を相対的に上に押し上げて浮き上 がらせ、前記前の車輪４、４と前記後ろの車輪５、５とによって防音ハウス本体 １が移動可能になっている。

【００１４】 本考案の防音ハウスを移動させるためには、前記のようにして、車輪を下げた 後に、防音ハウスの前方の適所に牽引索を取付け、牽引用自動車等によって牽引 して移動させることができる。勿論、本考案の防音ハウスに自動走行のための動 力を取り付けてもよい。

【００１５】 ところで、前記キングピン９を介してキングピン取付け枠８に取り付けられた 下枠１０はキングピン９を中心にして、本案防音ハウスの上面図である図４に、 点線で示すように、左右に回転することが可能に構成してある。

【００１６】 この場合に、前記キングピン取付け枠８に取り付けた回転ローラ１２が回転し て、防音ハウス本体１の荷重を分散させて下枠１０に受け止めさせ、且つ下枠１ ０がキングピン９を中心に左右に回転するのを、スムーズにするのに役立つので ある。

【００１７】 図３に示す前記構成によって、下枠１０が、また下枠１０に固定された前輪固 定枠１１が、また前輪固定枠１１にジャッキ６を介して取り付けられた前の車輪 ４、４の方向が、図４に点線で示すように左右に動くことになるから、本考案の 防音ハウスを移動させるときは、前記のようにして前の車輪４、４の方向を変え て、必要な方向へと進行することができるものである。

【００１８】 次に、図５は本考案の防音ハウスの上部１′を取り外している状態を、上を右 側に記載した側面図である。 同図に示すように、防音ハウスの上部１′は取り外し可能に構成しておき、同 図に示すように、防音ハウス本体１の上部１′だけをクレーン車等の起重機１３ によって取り外すことが出来るものである。

【００１９】 これは、防音ハウスを移動する途中に歩道橋等の桁下部を通過する必要がある ときに、予め防音ハウスの上部１′を取り外して、下部だけを前記車輪によって 移動するものである。取り外した上部は、別に台車等によって移動するか、又は 解体して移動し、防音ハウス本体１の下部の上に取り付ければよい。

【００２０】

【実施例】

図１に示す防音ハウスの前部の囲い枠１４の中には、図示は省略したが、本件 防音ハウスの車輪を上下するためのジャッキに油圧を送るためのコンプレッサー や、該コンプレッサーを稼働させるための動力源等が格納されている。

【００２１】 但し、これらのコンプレッサー等は、必ずしも防音ハウスに搭載しておく必要 はなく、別の動力車から油圧を送るようにしてもよい。 また、前記実施の形態においては、防音ハウスの防音壁は、防音パネル等を組 み合わせて構成したものを紹介したが、これに限らず、鉄板や網等の二重壁の内 側に吸音材を挿入した、一体の壁状に構成したもの、その他騒音を吸収・遮断す る構造のものであればよい。

【００２２】 また、前記前の車輪の方向変換のための構造も、前記実施の形態にかぎられる 必要はない。 回転ローラ１２についても、必ずしもキングピン取りつけ枠８にとり付ける必 要はなく、下枠１０に取りつけてもよい。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は前記のように、防音ハウスにジャッキを介して車輪を取付け、移動可 能に構成したから、短時間のうちに必要な場所に設置し、また短時間のうちに別 の場所に移動させることができるから、簡単な道路工事等のように、騒音を発生 する工事の期間が短いときに、各工事現場の移動に従って、効率よく、各工事現 場へと防音ハウスを移動させることができる。

【００２４】 また、防音ハウスに取り付けた車輪のうち、前の車輪は方向変更が可能なよう に構成したから、この防音ハウスを牽引して、別の場所に移動するに当たって、 スムーズに方向変換を繰り返して、必要な現場へと移動ができる。

【００２５】 さらに、防音ハウスの上部を取り外し可能に構成したものは、防音ハウスの移 動の途中に歩道橋等の桁下部がある場合には、予め上部を取り外し、下部だけを 移動させることができる。そして上部については、前記のように別に移動して、 下部の上に取り付ければよいので、移動の途中に桁下部があるような場合にあっ ても、容易に防音ハウスの移動ができる。

【図面の簡単な説明】

図１ 本考案を実施せる移動式防音ハウスの側面概念図
である。 図２ 前記防音ハウスの後ろの車輪付近の要部拡大図で
ある。 図３ 前記防音ハウスの前の車輪付近の要部拡大図であ
る。 図４ 前記防音ハウスの上面図である。 図５ 前記防音ハウスの上部を外している状態を示す側
面概念図である。

【符号の説明】

１…防音ハウス本体 ２…防音パネル ３…枠 ４…前の車輪 ５…後ろの車輪 ６…ジャッキ ７…（ジャキの）シリンダ ８…キングピン取り付け枠 ９…キングピン １０…下枠 １１…前の車輪固定枠 １２…回転ローラ １３…起重機 １４…囲い枠

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 防音壁から成る防音ハウスの前後４箇所
   に、ジャッキを介して車輪を取付け、前記ジャッキによ
   って前記車輪を下に降ろすことによって前記防音ハウス
   を浮き上がらせて、前記車輪によって移動可能に構成し
   たことを特徴とする、移動式防音ハウス。
2. 【請求項２】 防音ハウスに取り付けた車輪のうち、前
   の車輪は方向変更が可能なように構成し、防音ハウスの
   移動に当たって、必要な方向へ進行することを可能にし
   た、請求項１記載の移動式防音ハウス。
3. 【請求項３】 防音ハウスの上部は取り外し可能に構成
   し、防音ハウスの移動に当たって、桁下等を通過するよ
   うな場所があるときには、起重機等によって予め防音ハ
   ウスの上部を取り外し、下部だけを前記車輪によって移
   動できるように構成した請求項１又は２に記載の移動式
   防音ハウス。