JP3023071B2 - 導波管の製造方法 - Google Patents
導波管の製造方法Info
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- JP3023071B2 JP3023071B2 JP586596A JP586596A JP3023071B2 JP 3023071 B2 JP3023071 B2 JP 3023071B2 JP 586596 A JP586596 A JP 586596A JP 586596 A JP586596 A JP 586596A JP 3023071 B2 JP3023071 B2 JP 3023071B2
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Description
【０００１】
【技術分野】本発明は、導波管の製造方法に関する。
【０００２】
【従来技術およびその問題点】波長がサブミクロンから
ｎｍオーダの電磁波用の導波管は、非常に高い形状精度
と面精度を要求される。このような要求に応える導波管
の製造方法として従来、導波管母型を精密に加工し、そ
の表面に電鋳加工により、導波管金属材料を一層以上形
成した後、中心の導波管母型を薬品により溶融除去する
方法が広く用いられている。導波管金属材料には、原理
的に導波管母型の形状が転写されているから、母型を除
去することで、精密な形状の導波管ができる。
ｎｍオーダの電磁波用の導波管は、非常に高い形状精度
と面精度を要求される。このような要求に応える導波管
の製造方法として従来、導波管母型を精密に加工し、そ
の表面に電鋳加工により、導波管金属材料を一層以上形
成した後、中心の導波管母型を薬品により溶融除去する
方法が広く用いられている。導波管金属材料には、原理
的に導波管母型の形状が転写されているから、母型を除
去することで、精密な形状の導波管ができる。
【０００３】母型材料には従来、その加工の容易さから
アルミニウム合金が用いられてきた。ところが、アルミ
母型を用いて電鋳加工した導波管は、その導波面に微細
な凹凸が生じるという問題点があることが判明した。そ
の理由は、次のように考えられる。
アルミニウム合金が用いられてきた。ところが、アルミ
母型を用いて電鋳加工した導波管は、その導波面に微細
な凹凸が生じるという問題点があることが判明した。そ
の理由は、次のように考えられる。
【０００４】アルミニウムは直接電鋳すると、電鋳金属
が付着しにくい。このため従来、アルミ母型上に電鋳金
属を形成するときには、電鋳の前に無電解メッキにより
薄いＺｎ層を付着させ（亜鉛置換）、その後電鋳加工を
行なっている。この無電解メッキの際には、亜鉛の付着
性を向上させるため、その前処理としてアルミ母型の表
面をエッチングにより僅かに粗してから行わねばなら
ず、このエッチングの際、表面に微細な凹凸が生じる。
従って、母型材料形状が転写されるＺｎ層、及びこのＺ
ｎ層上にさらに形成される導波管金属材料の導波面も微
細な凹凸が避けられない。すなわち、如何にアルミ母型
を精密に加工しても、亜鉛置換時にその表面精度が悪化
すれば、そのＺｎ表面上にさらに付着形成される導波管
金属材料の表面（導波面）精度も当然悪化する。導波面
の微細な凹凸は導波性能を明らかに悪化させ、特に使用
波長が単波長化するにつれてその問題が顕著になる。
が付着しにくい。このため従来、アルミ母型上に電鋳金
属を形成するときには、電鋳の前に無電解メッキにより
薄いＺｎ層を付着させ（亜鉛置換）、その後電鋳加工を
行なっている。この無電解メッキの際には、亜鉛の付着
性を向上させるため、その前処理としてアルミ母型の表
面をエッチングにより僅かに粗してから行わねばなら
ず、このエッチングの際、表面に微細な凹凸が生じる。
従って、母型材料形状が転写されるＺｎ層、及びこのＺ
ｎ層上にさらに形成される導波管金属材料の導波面も微
細な凹凸が避けられない。すなわち、如何にアルミ母型
を精密に加工しても、亜鉛置換時にその表面精度が悪化
すれば、そのＺｎ表面上にさらに付着形成される導波管
金属材料の表面（導波面）精度も当然悪化する。導波面
の微細な凹凸は導波性能を明らかに悪化させ、特に使用
波長が単波長化するにつれてその問題が顕著になる。
【０００５】
【発明の目的】本発明は、導波管の製造方法についての
以上の問題意識に基づき、導波面に微細な凹凸の生じな
い製造方法を得ることを目的とする。
以上の問題意識に基づき、導波面に微細な凹凸の生じな
い製造方法を得ることを目的とする。
【０００６】
【発明の概要】本発明は、電鋳加工の際、母型材料の表
面に微細な凹凸が生じることがなく、母型材料の加工表
面形状をそのまま導波管金属材料に正確に転写できる母
型金属材料について研究の結果、真鍮が最も好ましい母
型材料であること、及び精度及び強度の点から、この真
鍮製母型材料上に電鋳によって形成する導波管金属材料
はＡｕ単体であること（すなわち製造される導波管全体
がＡｕの無垢材からなること）が好ましいことを見出し
て完成されたものである。
面に微細な凹凸が生じることがなく、母型材料の加工表
面形状をそのまま導波管金属材料に正確に転写できる母
型金属材料について研究の結果、真鍮が最も好ましい母
型材料であること、及び精度及び強度の点から、この真
鍮製母型材料上に電鋳によって形成する導波管金属材料
はＡｕ単体であること（すなわち製造される導波管全体
がＡｕの無垢材からなること）が好ましいことを見出し
て完成されたものである。
【０００７】すなわち、本発明方法は、導波管母型の周
囲に、電鋳加工により少なくとも一層の導波管金属材料
を形成するステップと；導波管母型を薬液により溶融除
去して導波管金属材料を取り出すステップと；を有する
導波管の製造方法において、導波管母型を真鍮から構成
し、かつ電鋳加工により形成する導波管金属材料をＡｕ
のみとし、かつこのＡｕを単独で導波管としての強度を
有する厚さとしたことを特徴としている。真鍮は、加工
性に優れ、かつ安価で入手が容易であるため、導波管の
製造コストを上げることがない。導波管金属材料の全体
を、電鋳により、単独で導波管としての強度を有する厚
さのＡｕから構成することにより、精度及び強度に優
れ、使用環境を選ばない導波管を得ることができる。
囲に、電鋳加工により少なくとも一層の導波管金属材料
を形成するステップと；導波管母型を薬液により溶融除
去して導波管金属材料を取り出すステップと；を有する
導波管の製造方法において、導波管母型を真鍮から構成
し、かつ電鋳加工により形成する導波管金属材料をＡｕ
のみとし、かつこのＡｕを単独で導波管としての強度を
有する厚さとしたことを特徴としている。真鍮は、加工
性に優れ、かつ安価で入手が容易であるため、導波管の
製造コストを上げることがない。導波管金属材料の全体
を、電鋳により、単独で導波管としての強度を有する厚
さのＡｕから構成することにより、精度及び強度に優
れ、使用環境を選ばない導波管を得ることができる。
【０００８】
【発明の実施形態】以下図示実施形態について本発明を
説明する。図１に示す例は、最も単純な断面円形の導波
管の製造に本発明方法を適用した例である。ブランク材
料１１は、真鍮からなっている。本発明方法は、その一
形態によると、この真鍮ブランク材料１１を所定の寸法
形状、例えば断面円形の導波管母型（凸型）１２に精密
に加工する機械加工工程、この導波管母型１２を第一電
鋳槽、例えばＡｕ電鋳槽２０内に入れてその表面にＡｕ
層１３を形成する第一電鋳加工工程、Ａｕ層１３を付着
形成した真鍮ブランク材料１１を、別の金属の電鋳槽、
例えばＮｉ電鋳槽２１にいれて、Ａｕ層１３上に、Ｎｉ
層１４を同様に電鋳加工する第二電鋳加工工程、及び以
上の電鋳加工の終了した素材をＮｉ電鋳槽２１から取り
出し、母型溶融除去薬液槽２２内に入れて、中心の導波
管母型１２を溶かして除去する溶融除去工程からなって
いる。母型溶融除去薬液槽２２内には、導波管母型１２
を溶かすことができる薬液、例えばクロム酸が入れられ
ている。電鋳加工は、周知のように、電鋳槽中に、非電
鋳金属材料と、電鋳金属材料からなるプラス電極２５と
を挿入し、非電鋳金属材料をマイナス極に接続して行な
われる。
説明する。図１に示す例は、最も単純な断面円形の導波
管の製造に本発明方法を適用した例である。ブランク材
料１１は、真鍮からなっている。本発明方法は、その一
形態によると、この真鍮ブランク材料１１を所定の寸法
形状、例えば断面円形の導波管母型（凸型）１２に精密
に加工する機械加工工程、この導波管母型１２を第一電
鋳槽、例えばＡｕ電鋳槽２０内に入れてその表面にＡｕ
層１３を形成する第一電鋳加工工程、Ａｕ層１３を付着
形成した真鍮ブランク材料１１を、別の金属の電鋳槽、
例えばＮｉ電鋳槽２１にいれて、Ａｕ層１３上に、Ｎｉ
層１４を同様に電鋳加工する第二電鋳加工工程、及び以
上の電鋳加工の終了した素材をＮｉ電鋳槽２１から取り
出し、母型溶融除去薬液槽２２内に入れて、中心の導波
管母型１２を溶かして除去する溶融除去工程からなって
いる。母型溶融除去薬液槽２２内には、導波管母型１２
を溶かすことができる薬液、例えばクロム酸が入れられ
ている。電鋳加工は、周知のように、電鋳槽中に、非電
鋳金属材料と、電鋳金属材料からなるプラス電極２５と
を挿入し、非電鋳金属材料をマイナス極に接続して行な
われる。
【０００９】導波管母型１２を除去した導波管１０の両
端部には、図２に示すように、周知の手段により接続フ
ランジ１６が設けられる。導波管１０のＡｕ層１３の内
面には、精密に機械加工された導波管母型１２の表面形
状が転写されている。導波管母型１２は、被削性に優れ
た真鍮からなっていて、しかも真鍮は、表面に何ら追加
工または追処理をせずに電鋳加工に供することができる
ため、電鋳加工によって、表面精度を悪化させることが
ない。よって、導波管１０の内面は、機械加工によって
得られる導波管母型１２の表面精度と同等の表面精度が
得られる。
端部には、図２に示すように、周知の手段により接続フ
ランジ１６が設けられる。導波管１０のＡｕ層１３の内
面には、精密に機械加工された導波管母型１２の表面形
状が転写されている。導波管母型１２は、被削性に優れ
た真鍮からなっていて、しかも真鍮は、表面に何ら追加
工または追処理をせずに電鋳加工に供することができる
ため、電鋳加工によって、表面精度を悪化させることが
ない。よって、導波管１０の内面は、機械加工によって
得られる導波管母型１２の表面精度と同等の表面精度が
得られる。
【００１０】以上の実施例における第二電鋳工程は、省
略することがある。これは、使用環境が厳しい場合に
は、第一電鋳工程で形成されるＡｕ層１３と、第二電鋳
工程でこのＡｕ層１３上に形成される別の金属層１４と
の熱膨張係数の差により、Ａｕ層１３に応力が加わって
微小な変形が生じ、導波性能が悪化するからである。第
二電鋳工程を省略する場合には、Ａｕ層１３の厚さを必
要な機械的な強度が得られる厚さにする。すなわち、い
ずれにしても、電鋳加工により形成する導波管金属材料
は、単独で導波管としての強度を有する厚さとする。電
鋳加工によれば、このような強度の導波管金属材料を導
波管母型１２の外側に形成することができる。
略することがある。これは、使用環境が厳しい場合に
は、第一電鋳工程で形成されるＡｕ層１３と、第二電鋳
工程でこのＡｕ層１３上に形成される別の金属層１４と
の熱膨張係数の差により、Ａｕ層１３に応力が加わって
微小な変形が生じ、導波性能が悪化するからである。第
二電鋳工程を省略する場合には、Ａｕ層１３の厚さを必
要な機械的な強度が得られる厚さにする。すなわち、い
ずれにしても、電鋳加工により形成する導波管金属材料
は、単独で導波管としての強度を有する厚さとする。電
鋳加工によれば、このような強度の導波管金属材料を導
波管母型１２の外側に形成することができる。
【００１１】以上の実施例は、直管導波管に本発明を適
用したものであるが、本発明は、導波管回路のＨ面を曲
げるＨベンド導波管、Ｅ面を曲げるＥベンド導波管、波
面を回転させるツイスト導波管、周波数を変換するテー
パ導波管等、すべての導波管の製造に適用できる。
用したものであるが、本発明は、導波管回路のＨ面を曲
げるＨベンド導波管、Ｅ面を曲げるＥベンド導波管、波
面を回転させるツイスト導波管、周波数を変換するテー
パ導波管等、すべての導波管の製造に適用できる。
【００１２】
【発明の効果】以上のように本発明方法によれば、内面
の形状精度と面精度が高い導波管を得ることができ、特
に、波長がサブミクロンからｎｍオーダの電磁波の分離
取出用の導波管の製造に好適である。
の形状精度と面精度が高い導波管を得ることができ、特
に、波長がサブミクロンからｎｍオーダの電磁波の分離
取出用の導波管の製造に好適である。
【図１】本発明による導波管の製造方法の一例を示す工
程概念図である。
程概念図である。
【図２】本発明方法により製造した導波管の斜視図であ
る。
る。
１０ 導波管 １１ 真鍮ブランク材料 １２ 導波管母型 １３ Ａｕ層 １４ Ｎｉ層 ２０ Ａｕ電鋳槽 ２１ Ｎｉ電鋳槽 ２２ 母型溶融除去薬液槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−61947（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−45601（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−133830（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−214004（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−141204（ＪＰ，Ａ) Ｒ．Ｋｉｇｈｉｇｈｔ，”ＵＰＤＡＴ ＥＤ ＰＲＯＣＥＳＳ ＨＡＳ ＷＯＤ ＥＲ ＡＰＰＥＡＬ”，Ｍａｃｈｉｎｅ ｒｙ ａｎｄ ｐｒｏｄｕｃｔｉｏｎ ｅｎｔｉｎｅｅｒｉｎｇ，７ Ｍａｒｃ ｈ 1984，ｐｐ．14−15 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01P 11/00 ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ) ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)
Claims (1)
- 【請求項１】 導波管母型の周囲に、電鋳加工により少
なくとも一層の導波管金属材料を形成するステップと； 導波管母型を薬液により溶融除去して導波管金属材料を
取り出すステップと；を有する導波管の製造方法におい
て、 上記導波管母型を真鍮から構成し、かつ上記電鋳加工により形成する導波管金属材料をＡｕ
のみとし、かつこのＡｕを単独で導波管としての強度を
有する厚さとした ことを特徴とする導波管の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP586596A JP3023071B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 導波管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP586596A JP3023071B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 導波管の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09199915A JPH09199915A (ja) | 1997-07-31 |
| JP3023071B2 true JP3023071B2 (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=11622857
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP586596A Expired - Fee Related JP3023071B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 導波管の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3023071B2 (ja) |
-
1996
- 1996-01-17 JP JP586596A patent/JP3023071B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| Ｒ．Ｋｉｇｈｉｇｈｔ，"ＵＰＤＡＴＥＤ ＰＲＯＣＥＳＳ ＨＡＳ ＷＯＤＥＲ ＡＰＰＥＡＬ"，Ｍａｃｈｉｎｅｒｙ ａｎｄ ｐｒｏｄｕｃｔｉｏｎ ｅｎｔｉｎｅｅｒｉｎｇ，７ Ｍａｒｃｈ １９８４，ｐｐ．１４−１５ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09199915A (ja) | 1997-07-31 |
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