JP3022683U - 靴 下 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 口ゴムの開口端部のめくれの発生をなくし、
緊締力を高め、かつ、生産性を上げることの出来る靴下
を得る。 【解決手段】 シングルシリンダ靴下編機で編成され、
口ゴムの端部数コースを裏編目が外側に位置するよう折
り返して細筒環状体した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、口ゴム部に特徴を有する靴下に関する。

【０００２】

【従来の技術】

靴下は筒状に編み始め、適宜コース編み進めた処で、編成した編地を折り返し 二重の編地部分のウエルト部とし、以下脚部，踵部，胛部・底部，爪先部と編み 進む編成手段、或いは、筒状に編み始め適宜コースを口ゴムを挿入した口ゴム部 とし、以後前記同様に脚部以下を編成する編成手段等が知られている。

【０００３】 然し、上記の編成手段の内、前者の編成手段による靴下では発生を見ないが、 後者の編成手段による靴下では口ゴム端縁の一枚の編地端部が、開口の外側或い は内側にめくれる状態が発生し、外観を悪くし、また緊締の程度を低下させた。 これは、靴下の該部編地が、両面編などに比較しめくれの発生し易い平編組織が 主として用いられるためである。

【０００４】 また、上記折り返して二重にした編地の編成を行う靴下にあっては、該折り返 し部を編成するためコース数は他の部分の２倍のコース数を編成しなければなら ず、その分生産性が低下することになる。更に、編成時に二重の編地とする部分 （ダブルウエルト）の最初のコースを把持し、適宜コース数編成の後、編成され た編地を折り返し、前記把持した最初のコースを編み付けるためにトランスファ ージャックが用いられるが、トランスファージャックがややもすると編成時に種 々のトラブルの原因となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記の点に鑑みて、口ゴム部の開口端部のめくれの発生をなくし、 緊締力を高め、かつ、生産性を上げると共に装飾性も高めることの出来る靴下を 得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

シングルシリンダ靴下編機で編成され、第１コースを適宜ウエールおきの針で 編成した平編とし、第２コースはすべての針で編成した平編とし、第３コースは 第１コースと同じ適宜ウエールおきの針で編成した平編とし、第４コース以後数 コースは第３コースと同じ針で編成した平編とし、その後の少数コースはすべて の針で編成した平編とし、口ゴム部の端部数コースを裏編目が外側に位置するよ う折り返してなる細筒状の口ゴム部端縁とした。

【０００７】

【考案の実施形態】

本考案の実施の形態を次に説明する。

【０００８】 本考案靴下１は、トランスファージャックを有しないシングルシリンダ靴下編 機で編成される。しかし、トランスファージャックを有する靴下編機であっても 、トランスファージャックを使用せずに本考案靴下を編成することは出来る。本 考案靴下の編組織の一例の一部を図１に示す。本考案靴下１は口ゴム部２の開口 端縁３から編成を開始する。図１において、編み始めの第１コースは、１本おき の針Ｎ２，Ｎ４，……Ｎ８，……を選択して、該針により平編を編成する。第２ コースはすべての針Ｎ１，Ｎ２，……Ｎ９，……を選択して平編を編成し、第３ コースでは奇数番号の針Ｎ１，……Ｎ９，……は第２コースの糸をくわえたまま 休止させて編成には使用せず、偶数番号の針Ｎ２，……Ｎ８……により平編組織 の編成を行う。第４コース以後１０乃至２０の小数コースは第３コースと同様の 針選択により平編組織の編成を行う。小数コース編成後の第Ｘコースで、第２コ ースと同様の全針Ｎ１，Ｎ２，……Ｎ９，…の選針を行い、すべての針で平編組 織の編成を行う。

【０００９】 上記第Ｘコースの編成により奇数番針Ｎ１，……Ｎ９，……に係止していた第 ２コースのニードルループＮＬ２は、第Ｘコースの同番針のニードルループＮＬ Ｘに係止することになり、第３コースから第Ｘ−１コースまでの偶数針により編 成されたループは細筒状に巻き込まれ細筒環状体９として口ゴム部２の開口端縁 ３となる。上記小数コースの編成で、コース数を１０乃至２０コース以上とする と、口ゴム部２の開口端縁３は細筒環状体９とはならず、従来のダブルウエルト の如き状態となってしまい、本考案靴下の特徴を発揮できない。以下Ｘ＋１コー ス以降は通常の靴下編成と同様の編成が行われ、口ゴム部２，脚部４，踵部５， 胛部６及び底部７，爪先部８と編成される。口ゴム部２には必要に応じ、適宜コ ースごとに伸縮糸（図示せず）を編み込む。上記において、第１コース及び第３ コース以下は１本おきに針を休止させて編成したが、２本おきあるいわ間隔を変 化させても良いが、第１コースと第３コース以下第Ｘ−１コースまでとは同じ針 を休止させる。

【００１０】 上記の編成により口ゴム部２の開口端縁３の編地は脚部の内側即ち裏編み目が 外側に出る（図２参照）ことになる。この外側に出る裏編み目は、前記第２コー スから第Ｘコースまでのコース数が多いと口ゴム部に帯状に幅のある袋部となる が、コース数が少ないと、該開口端縁３が細筒環状体９となる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案靴下は上記した如く、シングルシリンダ靴下編機で編成され、口ゴムの 端部数コースを裏編目が外側に位置するよう折り返してなる袋状の二重編とした ために、本考案は次の効果を有する。

【００１２】 １．トランスファージャックを持たないシングルシリンダ靴下編機での袋状の二 重編みが可能である。 ２．トランスファージャックを用いないので編成時のトラブルが少なく、かつ、 トランスファージャックを用いた袋状の二重編み靴下より口ゴム部の編成コー スを少なくすることができ、生産性を高めることが出来る。 ３．編み始め数コースが裏編み目になるため、裏側に表われる変化組織を容易に 表側で表現でき、パイル編等裏側にのみ現れる変化組織を表側にも表現でき、 装飾等にも効果がある。 ４．一部の針で袋状の二重編みを編成するため、袋状部の編み幅が狭くコース方 向のフィット性が増し、着用時のずれを少なくすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案靴下の組織を示す平面図である。

【図２】本考案靴下の概略断面図である。

【符号の説明】

Ｎ１，Ｎ２，Ｎ３，Ｎ４，Ｎ５，Ｎ６，Ｎ７，Ｎ８，Ｎ
９ 針 ＮＬ２ 第２コースのニードルループ ＮＬＸ 第Ｘコースのニードルループ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シングルシリンダ靴下編機で編成され、
   第１コースを適宜ウエールおきの針で編成した平編と
   し、第２コースはすべての針で編成した平編とし、第３
   コースは第１コースと同じ適宜ウエールおきの針で編成
   した平編とし、第４コース以後の小数コースは第３コー
   スと同じ針で編成した平編とし、その後のコースはすべ
   ての針で編成した平編とし、口ゴム部の端部数コースを
   裏編目が外側に位置するよう折り返してなる細筒状の口
   ゴム部端縁としたことを特徴とする靴下。
2. 【請求項２】 第１コースは、１本おきの針で編成した
   平編よりなる請求項１記載の靴下。
3. 【請求項３】 第３コースは、１本おきの第１コースと
   同じ針で編成した平編よりなる請求項１記載の靴下。
4. 【請求項４】 口ゴム部は伸縮糸を用い、或いは用いな
   い編組織とした請求項１記載の靴下。