JP3022575B2 - 防振装置付きカメラ - Google Patents

防振装置付きカメラ

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JP3022575B2
JP3022575B2 JP1259626A JP25962689A JP3022575B2 JP 3022575 B2 JP3022575 B2 JP 3022575B2 JP 1259626 A JP1259626 A JP 1259626A JP 25962689 A JP25962689 A JP 25962689A JP 3022575 B2 JP3022575 B2 JP 3022575B2
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    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B2217/00Details of cameras or camera bodies; Accessories therefor
    • G03B2217/005Blur detection

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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)
  • Indication In Cameras, And Counting Of Exposures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カメラのぶれ振動を防止する手段を内蔵し
た防振装置付きカメラに関する。
[従来の技術] 従来、カメラにおける防振装置については種々提案さ
れている。この防振装置は、カメラのぶれ振動を検出
し、撮影レンズの一部もしくは全体が上記ぶれ振動を打
ち消すように駆動されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、撮影レンズの一部を駆動する方法では、特
別の光学系を必要とし(つまり新しく光学系の統計を必
要とし)、従来からある光学系を利用することができな
いという欠点がある。
また、撮影レンズ全体を駆動する方法では、上記欠点
はないが、振動の補正のためにレンズ全体を光軸に平行
に動かす機械的構造が複雑になるという欠点があるた
め、フィルムも含めレンズ全体を回動させるのが望まし
いことになる。しかしながら、フィルムも含めて回動さ
せる際に、圧板および後蓋も一体に駆動すると、撮影者
に振れる事によって、防振のための動作が阻害されるこ
とになる。
本発明は、このような課題に着目してなされたもの
で、それ目的とするところは、撮影レンズ全体が振動防
止の駆動を行なった際でも、後蓋が動かされないように
した防振装置付きカメラを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の防振装置付きカメラは、弾性部材を介してフ
ィルム用の圧板が設けられている後蓋とカメラの外装体
とを一体的に保持する保持部材と、上記保持部材に対し
て移動可能に構成され、撮影レンズ及び上記圧板に押圧
されるフィルムを支持する構造体を含む撮影系が配置さ
れた枠体と、カメラのぶれ振動を検出するぶれ振動検出
手段と、上記ぶれ振動検出手段の出力に基づいて、ぶれ
振動を打消す方向に上記枠体を駆動するぶれ振動補正手
段と、を具備し、上記ぶれ振動補正手段が駆動されてい
る時には、上記弾性部材の弾性変形により上記保持部材
と上記フィルム用の圧板とが相対移動することを特徴と
する。
[作 用] ぶれ振動検出手段の出力に基づいてフィルムを支持す
る構造体を含む枠体をぶれ振動が打消される方向に駆動
させる。この時、圧板は保持部材及び外装体と一体的に
保持されているために動かずフィルムが動くことになる
が、圧板は弾性体によって後蓋に対して支持されている
のでフィルムを位置及び平面性を保ちつつ押圧する。
[実施例] 以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明
する。
第1図は本発明に係るカメラの内部構造を示し、第2
図は同じくカメラの外装構造を示している。すなわち、
131は略T字形をした本カメラの強度を保つための保持
部材を示しており、この保持部材131は、たとえばアル
ミダイカストや高強度プラスチックモールド材料などか
らなり、一端にカメラの後蓋115の開閉ロックユニット4
00を取付けるための立上がり部131dを配設してある。こ
の立上がり部131dには長方形状の穴があいていて、開閉
ロックユニット400を外側に取付けたとき、開閉ロック
ユニット400の一部が前記穴から内側に突出し、この突
出した機構部で後蓋115のロック部材115dと係合して開
閉のロック機構をなすよう構成されている。
保持部材131のT字形のもう一端には、立上り部131e
が配設され、その上面には後蓋115の開閉支点となるヒ
ンジ受け部401がビスにより固着されている。さらに、
ヒンジ受け部401の下方には、そのヒンジ受け部401と対
をなし、後蓋115の一対の回転手段115eの突起を支える
もう一方のヒンジ受け部(図示せず)が固着されてい
る。
保持部材131のT字形状の外周面は、中央に比べ一段
高い縁が形成されており、中央部は凹部になって全体の
剛性を上げる役割を果たしている。また、保持部材131
の外周には複数の取付用の穴が配設されている。
保持部材131には、第1図に示すようにT字形のほぼ
中央部付近のフィルム面側に立上り部131fと加速度セン
サ118を収納するための段部131aが形成されている。立
上り部131fの上端部には、第3図に示すように半球形を
した滑らかな軸受面131bと、押え板129を固着するため
の取付穴131cが配設されている。押え板129は、中央部
に穴129bを配設した円筒形状と、この円筒形状により両
側に伸びた突出部129dと保持部材131への取付穴129cを
配設してある。また、押え板129の中央の下面には半球
形をした滑らかな軸受面129aが形成されている。
第3図において、130は一端にねじ部130aを形成した
球形の支持軸である。この支持軸130は、保持部材131と
押え板129との間にねじにより狭持され、抜けることは
ない。また、支持軸130の球面と、保持部材131の軸受面
131bと押え板129の軸受面129aの球面形状は極めて僅か
な隙間を保って一致しているので、がたがなく、滑らか
に回転することができるよう挟持されている。なお、支
持軸130のねじ部130aは、第1の構造部材101に累合さ
れ、固着されている。
第2図において、134は一部にR面を持つトンネル形
をした鏡胴部外装部材で、フィルム側一端に立上がり部
を持ち、第1の保持アーム402に固着するための取付穴
が配設してある。また、鏡胴部外装部材134の底面側の
両端には、保持部材131に固着するための取付穴が配設
されている。この鏡胴部外装部材134が前記取付穴によ
り保持部材131と、第1の保持アーム402に固着されたと
き、鏡胴部外装部材134とカメラのレンズ鏡枠100との間
には一定の隙間が保たれる。
第1の保持アーム402は、中央部がほぼ円弧状をした
曲面部と、両側に平面部を配した板状の部品で、両端に
保持部材131に固着するための取付穴と、外装部材を取
付けるための取付穴を配設してある。第1の保持アーム
402は、保持部材131に一体的に固着されることにより、
外装部材に外力がかかった時に変形などがおきないよ
う、支持するための強度部材の役割を果たしている。
第2の保持アーム403は、両端にZ状の曲げを配設
し、さらに保持部材131に固着するための取付穴を配設
してある板状の部品である。第2の保持アーム403は、
第1の保持アーム402と同様に、保持部材131にビスなど
で固着され、同様に外装部材に外力がかかったとき、変
形などがおきないように支持するための強度部材の役割
を果たしている。
404は右側面外装部材で、第1の保持アーム402と保持
部材131にビスで固着され、カメラ本体機構ブロック405
やレンズ鏡枠100とは一定の隙間を保って固着されてい
る。ここで、カメラ本体機構ブロック405とは、カメラ
の巻上げ機構、ミラー機構、ファインダ機構など、カメ
ラの作動機構を第2の構造部材102、第3の構造部材103
に取付けた機構ユニットを表している。406は左側面外
装部材で、第1の保持アーム402と保持部材131にビスで
固着され、右側面外装部材404と同様に変形を防止され
ていて、また、カメラ本体機構ブロック405やレンズ鏡
枠100と一定の隙間を保って固着されている。
135はカメラの上カバーで、この上カバー135は、第1
の保持アーム402および第2の保持アーム403、保持部材
131の立上り部131d,131eに固着される。このとき、他の
外装部材と同じようにカメラ本体機構ブロック405とは
一定の隙間を保って固着される。
136は接眼枠カバーで、この接眼枠カバー136は上カバ
ー135の後端面に一体的に固着され、カメラ本体機構ブ
ロック405の接眼レンズ枠部112と一定の隙間を保って固
着されている。
一方、後蓋115には、周囲を囲むように漏光を防ぐた
めの段差115a,115b,115cが配設され、一端には、公知の
方法により配設された開閉ヒンジのための一対の回転軸
115eと、開閉ロック用のロック部材115dが配設されてい
る。後蓋115は、高強度プラスチックモールド材料で成
形により形成されているが、操作上、外力がかかりやす
い部分であるため、内側には補強用のリブ115fが形成さ
れている。
また、後蓋115には、フィルムを所定の位置に保つた
めの板バネ137により弾性的に保持されたフィルム圧着
板114が取付けられている。フィルム圧着板114は、板バ
ネ137の圧着力により、第3の構造部材103の上下の圧着
板レール面103aに圧着している。
周囲に一段高い立上り部を持ち、一部に切欠き部を配
した第1の底板116は、保持部材131のフィルム側底面を
覆うように保持部材131に固着されている。また、第2
の底板138は、保持部材131のレンズ側底面を覆うように
保持部材131に固着されている。さらに、第3の底板139
は、カメラのレンズ先端の下方にあって保持部材131に
固着され、レンズ鏡枠100の先端とは一定の隙間を保っ
て固着されている。
次に、カメラの内部構造を主に第1図にしたがって述
べる。第1図において、100は図示しない連動機構によ
りカメラのオートフォーカス機構、電動ズーム機構、絞
り機構、、クロスフォーカス(近接撮影)など(図示せ
ず)を備えたいわゆるレンズ鏡枠部分を示している。ま
た、100a〜100rはレンズ鏡枠100に内蔵され、オートフ
ォーカス、ズーム、マクロ撮影などの動作により、それ
ぞれの位置関係がかわって所定の撮影ができるよう構成
された撮影レンズを示している。レンズ鏡枠100は、周
囲に円弧状の突出部100l(第2図参照)を配設してあ
り。カメラ本体機構ブロック405の強度を保つための第
2の構造部材102にビスなどで固着されている。
カメラ本体機構ブロック405の強度部材は、組立上、
第2の構造部材102のほか、第3の構造部材103とで構成
され、相互に一体的に固着されるようビスなどで組立て
られる。また、第1の構造部材101には、前記第2の構
造部材102のほか、第3の構造部材103とレンズ鏡枠100
が、相互に一体的に固着されるようビスなどで組立てら
れる。さらに、第1の構造部材101、第2の構造部材10
2、第3の構造部材103は、アルミダイカストや高強度プ
ラスチックなどで成形され、十分な強度を保っている。
撮影レンズ100rのフィルム両側には、1眼レフの可動
ミラー104と、その可動ミラー104を支持し、一端に回動
中心点105aを配設した可動ミラー枠105が配設され、さ
らに可動ミラー枠105には撮影レンズからの光路を分割
し、オートフォーカスセンサ108へ光路を導くための分
割ミラー106が配設されている。分割ミラー106は、分割
ミラー106を支持し撮影時には光路から退避されるため
の分割ミラー枠107により支持されている。これらの可
動ミラー機構およびオートフォーカス用ミラー機構は、
公知の方法によりカメラのレリーズに連動して撮影光路
より退避するよう構成されている。
撮影レンズを通った光は可動ミラー104で反射し、フ
ァインダスクリーン109で結像する。そして、撮影者
は、ペンタプリズム111、接眼レンズ112a,112bを通して
ファインダスクリーン109に結像した撮影像を見えるよ
うになっている。また、ファインダスクリーン109、ペ
ンタプリズム111はプリズム枠110により保持されてい
る。プリズム枠110は、1眼レフで公知の方法により第
2の構造部材102に保持されている。接眼レンズ112a,11
2bは接眼レンズ枠112に固着され、この接眼レンズ枠112
は第2の構造部材102に一体的に固着されている。
可動ミラー104のフィルム面側には、フォーカルプレ
ーンシャッタ113が配設され、図示しない駆動回路に基
づいてシャッタ113の開閉制御が可能なように配設さ
れ、公知の方法で露光がなされるよう構成されている。
レンズ鏡枠100は、第1の構造部材101に固着されてい
る。第1の構造部材101は、略T字形をした板状の部材
で(第2図参照)、一部に取付穴が配設され、第2の構
造部材102および第3の構造部材103を固着するよう形成
されている。
第1の構造部材101の下方には、第4図に示すような
ローラ125とローラ軸132を保持するためのローラ軸受12
6が左右両端に固着されている。ローラ軸受126は、両端
に取付用の穴が配設され、中央にはローラ軸132を累合
するためのねじが形成されている。ローラ軸132は一端
にねじが形成され、一部にローラ125と嵌合する段部が
形成された段付ねじである。このローラ軸132は、ロー
ラ125をローラ軸受126にがたなく滑らかに回動可能に狭
持している。
また、第1の構造部材101のレンズ側前端付近には、
ばね123のフック部を固定するためのばねかけ133が植設
されている。さらには、第1の構造部材101の中央付近
の底面側には、ヨー方向制御のためのガイド軸128が底
面方向に植設されている。
また、第1の構造部材101のフィルム面のほぼ下方に
は、支持軸130が累合によりがたなく固着されて、支持
軸130を中心に第1の構造部材101、第2の構造部材10
2、第3の構造部材103と、これらに固着されたレンズ鏡
枠100およびカメラ本体機構ブロック405はピッチング方
向、およびヨー方向にがたなく滑らかに回動が可能とな
っている。
保持部材131の上面で凹部をなす平面上には、レンズ
側の先端カメラぶれを検知するための第1の加速度セン
サ117が固着されている。加速度センサ117のフィルム面
側で、ほぼ光軸の下方には第1の超音波モータ120が固
着され、その出力軸には立体カム124が固着されてい
る。立体カム124は、第5図(a)に示すように、中央
部に第1の超音波モータ120の出力軸と一体的に固着す
るための軸受部124aが配設され、出力軸に直角方向にね
じでクランプされ、一体的に回転できるようになってい
る。
立体カム124の外周には、回転制御のための光学的信
号と磁気的信号が記録されていて、光学的信号を読取る
ためのフォトリフレクタ(限界センサ)139a,139bと、
磁気的信号を読取るための磁気センサ140が、外周より
一定の隙間をあけた位置に配設されている(第6図参
照)。これらのフォトリフレクタ139a,139bおよび磁気
センサ140は、立体カム124の外周との高さ関係や隙間を
微妙に調節するための取付台142に固着されている。な
お、この取付台142の他端は保持部材131に固着されてい
る。
ところで、立体カム124の上面側には、第1の超音波
モータ120の約180゜の回転で最大リフトから最低リフト
まで変化する2条のカム面124bが配設してある。このカ
ム面124bには、ローラ125が当接し、第1の超音波モー
ター120の回転動作により、ローラ125を介して第1の構
造部材101を上下に作動させることが可能になってい
る。
ローラー125は、第5図(b)に示すように、後述す
る第2の超音波モータ121により支持軸130を中心にヨー
方向の回動がされるため、半径Rの円弧上を僅か回動す
る。このとき、ローラ125とカム面124bの当接ポイント
ガずれて、ピッチ方向の回動が発生することをできるだ
け防止するために、ローラ125はカム面124bに対し、第
5図(b)のように、僅かハの字形に半径Rの円弧に沿
うように傾いて配設されており、立体カム124のカム面1
24bも2つのローラ125の当接面がそれぞれ同一のカムリ
フト量になるようなカム形状が形成されている。
カム面124bは、後述する加速度センサのカメラぶれ信
号に関連して駆動制御される第1の超音波モータ120の
回転方向と回転量により第1の構造部材101を上下作動
させ、第1の構造部材101に固着されたレンズ鏡枠100並
びにカメラ本体機構ブロック405のカメラぶれ振動を補
正可能に形成されている。
保持部材131のレンズ側先端付近で、第1の構造部材1
01に植設されたばねかけ133の下方には、もう1つのば
ねかけ122が植設され、ばねかけ133とばねかけ122との
間には、ローラ125と立体カム124を常に当接させておく
ための緊定ばね123が配設されている。バネ123は、カメ
ラを上下に立体カム124が高速で往復作動したときも、
立体カム124とローラ125が離間することのないように十
分強い張力で緊定されている。
保持部材131には、第2の超音波モータ121が固着され
ている。第2の超音波モータ121の出力軸には、第6図
に示すようなカム127が固着されている。カム127の中央
下方には、第2の超音波モータ121の出力軸を固設する
ための円筒形の突出部が形成され、出力軸と係合する嵌
合穴127bと出力軸と該カム127を一体的に固着するため
のクランプビス取付用の穴127cが配設され、クランプビ
スで一体的に固着されている。また、カム127には、回
転にしたがってカムの中心からの距離が変化する一定の
幅の溝127aが加工されている。
一方、第1の構造部材101には、前述のようにカム127
の溝127aに嵌合するようにガイド軸128が固設されてい
る。ガイド軸128は、第7図に示すように支持軸130の中
心より等距離rの円弧状の軸により形成されていて、カ
ム溝127aとがたなく滑らかに摺動できるように、僅かな
隙間をもって嵌合している。
そして、立体カム124の回動により第1の構造部材101
が上下に揺動したとき、ガイド軸128はカム溝127aを上
下に揺動しても支持軸130との距離rが変わらないた
め、カム溝127aとの間で作動不良を起こす心配はない。
また、カム溝127aからガイド軸128が外れることのない
ように十分な長さをもっている。
ここでは、より作動の確実さを増すために、円弧上の
ガイド軸128について説明したが、支持軸130とガイド軸
128との距離rを一定値以上の長さを確保できれば、揺
動範囲が1゜〜2゜程度のカメラぶれ防止機構にした場
合は、ガイド軸128は真直状であっても、カム溝127aと
カム軸127aのわずかな隙間で前記揺動による作動不良の
防止は可能である。
第2の超音波モータ121が回動すると、ガイド軸128は
カム127のカム軸127aにガイドされ、第2の超音波モー
タ121の出力軸からの距離が変化する。その際、第1の
構造部材101は支持軸130を中心にヨー方向に回動する。
一方、ガイド軸128とカム軸127aは、カメラを縦位置、
横位置にかまえたときも、カメラの自重を支えてがたな
く滑らかに摺動が可能なだけの強度と摺動性を持ってい
る。
保持部材131には、第2の構造部材102のほぼ下方に加
速度信号の処理回路や超音波モータの駆動・制御回路な
どから制御部119が配設してある。制御部119は、後述す
る本発明のカメラぶれを補正するための信号処理回路並
びに駆動制御回路全体を示すものであり、それぞれ上下
方向の制御回路・左右方向の制御回路を内蔵している。
また、保持部材131のフィルム面側端部には切欠き部131
aが形成され、第2の加速度センサ118が配設されてい
る。
次に、制御部119の各部の構成を第8図の全体ブロッ
ク図を用いて説明する。ただし、ここでは、カメラの上
下方向のぶれ振動の除去装置についてのみ述べるが、左
右方向については上下方向と同様な回路で対応ができ
る。117,118は、カメラのぶれ振動を検出するための加
速度センサで、第1図においてカメラの最前部と最後部
に配置されている。これらの加速度センサ117,118の感
度方向は、上下方向になるように配置されていて、か
つ、上方向の加速度が加わったとき正の電圧を、下方向
の加速度が加わったとき負の電圧を出力するように配置
されている。
3は引算回路で、加速度センサ117,118の各出力の差
を出力する。すなわち、加速度センサ117の出力をVa1
118の出力をVa2、引算回路3の出力をVaとすると、Va=
Va1−Va2となる。これは、カメラの上下方向の回転運動
の加速度を示す信号となっている。たとえば、加速度セ
ンサ117が上向きの各速度を受け、加速度センサ118が下
向きの加速度を受けたとする。このとき、Va1>0,Va2
0となるので、Va>0となる。これは、カメラの上下方
向の回転運動が上方向に加速されたことを意味する。
加速度信号Vaは積分回路5に入力され、速度信号VV
変換される。積分回路5の入出力波形の一例を第9図に
示す。この例では入力Vaが正弦波なので、出力もやはり
90゜位相の遅れた正弦波となっている。
7はコンパレータで、速度信号VVと後述する超音波モ
ータ(以降、単にUSMと略称する)120の回転速度を示す
信号VRの大小を比較し、その結果をデジタル信号SD(カ
ウント方向信号)として出力する。すなわち、回転速度
信号VR>速度信号VVのとき、SD=“H"(ハイレベル)
を、VR<VVのときSD=“L"(ローレベル)を出力する。
9は絶対値回路で、加速度信号Vaを入力し、その絶対
値|Va|を出力する。入出力波形の一例を第10図に示す。
10は電圧制御発振器(以降、単にVCOと略称する)
で、加速度信号Vaの絶対値|Va|を入力し、|Va|の電圧に
比例した周波数のパルスを出力する。すなわち、|Va|が
小さいときは低い周波数、|Va|が大きいときは高い周波
数のパルスを出力する。
11は4ビットのアップ・ダウンカウンタで、入力端子
として、アップカウント・ダウンカウント切換端子U/
D、クロック入力端子CK、プリセット値入力端子D3〜D0
を持ち、出力端子としてカウント値出力端子Q3〜Q0を持
つ。アップカウント・ダウンカウント切換端子U/Dに入
力される信号が“L"のときアップカウント、“H"のとき
ダウンカウントが選択される。この入力端子U/Dは後述
するオーバーフロー防止回路12を経てコンパレータ7の
出力に接続されている。クロック入力端子CKは、VCO10
の出力に接続されていて、入力されるパルスの立上がり
エッジによって、カウントが行われる。
プリセット端子PRに入力される信号が“H"のときは通
常のカウント動作が行なわれ、“L"のときはプリセット
動作が行なわれる。プリセット動作とは、クロック入力
端子CKに入力されるクロックとは無関係にプリセット値
入力端子D3〜D0に入力されている値(2進数)をカウン
ト値としてセットする動作のことである。ここで、D3は
プリセット値の最上位桁、D0は最下位桁を表している。
たとえば、“H"=1,“L"=0とすると、プリセット値
(D3,D2,D1,D0)が(H,L,L,L)=(1,0,0,0)のときプ
リセット動作が行なわれると、それまでカウンタにセッ
トされていた値やクロック入力とは無関係に、カウント
値(Q3,Q2,Q1,Q0)が(1,0,0,0)にセットされる。ここ
で、Q3はカウント値の最上位桁、Q0は最下位桁を表して
いる。
プリセット端子PRは、後述する防振オン/オフ制御回
路22の出力端子に接続されていて、かつ、この信号は、
やはり後述するシーケンス制御回路23にも入力されてい
る。プリセット値端子D3〜D0は、シーケンス制御回路23
の出力端子に接続されている。カウント値出力Q3〜Q0
は、カウンタ11にセットされているカウント値(Q3,Q2,
Q1,Q0)を出力する端子で、後述するオーバーフロー防
止回路12、D/Aコンバータ(以降、単にDACと略称する)
13、USMオン/オフ回路14に接続されている。
オーバーフロー防止回路12は、カウンタ11のオーバー
フローを防止するための回路で、第11図に詳細回路図を
示す。この回路は、カウンタ11のカウント値(Q3,Q2,Q
1,Q0)が(0,0,0,0)あるいは(1,1,1,1)となったとき
に、端子U/Dの入力をAND・OR回路201でカウンタ11自信
の出力Q3に切換える回路で、それ以外のとき、すなわち
(Q3,Q2,Q1,Q0)が(0,0,0,0,)あるいは(1,1,1,1)以
外のときには、端子U/Dには正規のカウント方向信号
SD、すなわちコンパレータ7の出力が入力される。カウ
ント値(Q3,Q2,Q1,Q0)が(0,0,0,0,)のとき、端子U/D
には、AND・OR回路201によってQ3=0=“L"が入力さ
れ、カウンタ11のモードはアップカウントのモードに固
定される。また、(Q3,Q2,Q1,Q0)=(1,1,1,1,)のと
きは、端子U/DにはQ3=1=“H"が入力され、カウンタ1
1のモードはダウンカウントのモードに固定される。す
なわち、このオーバーフロー防止回路12は、カウンタ11
がオーバーフローを起こすこと、すなわち、カウント値
(Q3,Q2,Q1,Q0)が(0,0,0,0,)→(1,1,1,1)や、(1,
1,1,1,)→(0,0,0,0)といった変化をすることを防止
している。
13はDAC(D/Aコンバータ)で、入力はカウンタ11のカ
ウント値出力端子Q3〜Q0、出力は後述するUSM制御回路1
5のコントロール端子に接続されている。このDAC13は、
入力されたデジタル値(Q3,Q2,Q1,Q0)に比例したアナ
ログ電圧VCONT(コントロール電圧)を出力する。DAC13
の入出力特性を第12図に示す。すなわち、カウンタ11の
カウント値(Q3,Q2,Q1,Q0)が(0,0,0,0,)のとき、DAC
13の出力VCONTはOVとなり、(1,0,0,1)以上のとき正の
電圧を出力し、(0,1,1,1)以下のとき負の電圧を出力
する。
14は後述するUSM制御回路15にUSMオン/オフ信号SUO
を送るためのUSMオン/オフ回路で、入力はカウンタ11
のカウント値出力端子Q3〜Q0に、出力はUSM制御回路15
のUSM制御回路端子に接続されている。第13図にUSMオン
/オフ回路14の詳細回路図を示す。カウンタ11のカウン
ト値(Q3,Q2,Q1,Q0)が(1,0,0,0,)のときに限って、U
SMオン/オフ回路14の出力、すなわちUSMオン/オフ信
号SUOは“L"となり、それ以外のときは“H"となる。後
述するUSM制御回路15は、USMオン/オフ信号が“L"のと
き、やはり後述するUSM120を停止させ、“H"のとき動作
させるため、結局、カウンタ11のカウント値(Q3,Q2,Q
1,Q0)が(1,0,0,0,)のときUSM120は停止し、それ以外
の場合は動作することになる。
15はUSM制御回路で、本防振機構のアクチェータであ
るUSM(超音波モータ)120を制御するための回路であ
る。入力端子としてコントロール端子とUSMオン/オフ
端子の2つを持ち、出力端子として2相のUSM駆動端子
をもつ、コントロール端子からは、DAC13の出力するコ
ントロール電圧VCONTを入力し、USMオン/オフ端子から
はUSMオン/オフ回路14の出力するUSMオン/オフ信号S
UOを入力する。出力はUSM120に接続されている。
第14図にUSM制御回路15の詳細ブロック図を示す。USM
制御回路15は、絶対値回路203、対数変換回路204、VCO2
05、コンパレータ206、USM駆動回路207より構成されて
いる。コントロール端子より入力されたコントロール電
圧VCONTは、絶対値回路203およびコンパレータ206に入
力される。絶対値回路203の出力|VCONT|は、対数変換回
路204に入力され、対数に変換される。USM制御回路15に
対数変換回路204が挿入されている理由については、後
述する。
VCO205は、対数変換回路204の出力を入力し、この入
力電圧に比例した周波fNのパルス(回転速度制御信号
VN)を出力する。|VCONT|とfNとの関係を第15図(b)
に示す。|VCONT|の値が小さい領域、たとえば|VCONT|=
V2のときは、曲線の傾きは大きく、|VCONT|の変化に対
するfNの変化率は大きい。反対に|VCONT|の値が大きい
領域、たとえば|VCONT|=V1のときは、曲線の傾きは小
さく、|VCONT|の変化に対するfNの変化率は小さい。VCO
205の出力、すなわち回転速度制御信号VNは、USM駆動回
路207に入力される。一方、コンパレータ206は、コント
ロール電圧VCONTの符号を判定し、USM駆動回路207に対
し、回転方向制御信号SDを出力する。すなわち、VCONT
>0のとき、SD=“L"となる。さらに、USMオン/オフ
回路14の出力するUSMオン/オフ信号SUOもまた、USM駆
動回路207に入力される。
USM駆動回路207は、上記の3つの信号、すなわち、回
転速度制御信号VN、回転方向制御信号SD、USMオン/オ
フ信号SUOを入力し、2相のUSM駆動信号VUA,VUBを出力
する。回転速度制御信号VNは電力増幅され、90゜位相の
ずれた2相のUSM駆動信号VUA,VUBとして出力される。こ
のとき、VUA,VUBは、VNの周波数fNと同じ周波数とな
る。この周波数、すなわち駆動周波数fNによってUSM120
の回転速度が制御される。VUAとVUBの位相関係(進み遅
れの関係)は、回転方向制御信号SDによって決められ、
その結果、USM120の回転方向が決められる。この様子を
第16図に示す。
すなわち、SD=“H"のとき、VUAがVUBよりも90゜進ん
だ位相になり、このときUSM120はCW方向(時計方向)に
回転する。反対にSD=“L"のとき、VUBがVUAよりも90゜
進んだ位相になり、このときUSM120はCCW方向(反時計
方向)に回転する。また、USMオン/オフ信号SUOは、US
M駆動回路207をオン,オフする。すなわち、SUO=“H"
のときは、USM駆動回路207は上記のような動作を行な
い、USM駆動信号VUA,VUBを出力するが、SUO=“L"のと
きは、USM駆動信号VUA,VUBを出力しない。したがって、
その結果、USM120は、SUO=Hのときに動作し、SUO
“L"のときには停止することになる。
120は回転切換可能なUSM(超音波モータ)で、防振動
作のアクチュエータとして用いられている。本実施例で
は進行波型USMを用いているが、他の多式のものでも、
回転方向の切換えが可能な超音波モータなら使用可能で
ある。USM120は、USM制御回路15によって、回転速度、
回転方向、あるいはオン/オフを制御されている。速度
制御の方法はいろいろある。たとえば、駆動電圧を変化
させる方法、2相の駆動信号の位相を変化させる方法な
どである。本実施例では、駆動周波数fNを変化させる方
法を用いている。第17図に、USM120の駆動周波数fNと回
転速度N(無負荷時)との関係を示す。
すなわち、USM120は、その共振周波数f0以上で、f0
近い駆動周波数f1で駆動されれば、速い回転速度N1で回
転するが、f0から離れたf2で駆動されれば回転速度はN2
のように遅くなる。なお、駆動周波数fNを共振周波数f0
以下にすると、USM120は停止してしまうので、fNはf0
の値にする必要がある。すなわち、速度制御は、駆動周
波数がf1からf2にかけての領域で行なう。さらに、この
速度制御方式、すなわち駆動周波数fNを変化させて回転
速度Nを制御する方式を特徴的な現象として、fNの大小
によって、fNの変化に対するNの変化率が変わるという
ことがある。
すなわち、駆動周波数fNがf1のように小さい場合(共
振周波数f0に近い場合)には、fNの変化に対する回転速
度Nの変化率は大きい。反対に、fNがf2のように大きい
場合(f0から離れている場合)には、fNの変化に対する
Nの変化率は小さい。この現象は、USMを一定速度で回
転させるような場合には、それほど問題にならないが、
防振動作のように、時々刻々と回転速度を変化させるよ
うな使用方法の場合、問題となる。この件については、
動作の説明のところで述べる。
17はUSM120の回転軸に連結されているロータリーエン
コーダで、USM120の回転に伴って、90゜位相の異なる2
層のパルスSRA,SRBを出力する。本実施例では、1回転
当り1000パルスの出力のある磁気エンコーダを用いてい
る。ロータリーエンコーダ17の配置を第18図(b)に示
す。ロータリーエンコーダ17は、磁気ドラム208、磁気
センサ209、波形整形回路210から構成されている。磁気
ドラム208と、後述するフォトリフレクタの反射板211
は、立体カム124の下部に取付けられていて、これと一
体になって回転する。磁気ドラム208の側面には、相互
にN,S極が着磁されている。磁気センサ209は、磁気ドラ
ム208の着磁面に対向する位置に固定されていて、磁気
ドラム208の回転による磁界の変化を検出し、90゜位相
の異なる2相の信号を出力する。波形整形回路210は、
この信号を入力し、波形整形をしてデジタル信号SRA,S
RBを出力する。
ロータリーエンコーダ17は、USM120の回転速度が速け
れば高い周波数のパルスを出力し、遅くなれば周波数も
さがる。また、回転方向によって2相のパルスの位相関
係(進み、遅れの関係)が変化する。すなわち、USM120
がCW方向(時計方向)に回転しているとき、2相パルス
の位相はSRAがSRBに対して進んでいるが、CCW方向(反
時計方向)に回転しているときは、SRBがSRAに対して進
んでいる。この様子を第19図に示す。
18は回転速度検出回路で、ロータリーエンコーダ17の
出力する2相のパルスSRA,SRBを入力し、USM120の回転
速度を示すアナログ信号VR(回転速度信号)を出力す
る。すなわち、SRA,SRBの周波数を計測し、これをアナ
ログ電圧に変換して出力している(出力VRの絶対値は、
SRA,SRBの周波数に比例する)。また、SRA,SRBの位相関
係からUSM120の回転方向を判定し、出力VRの符号を決め
ている。すなわち、USM120がCW方向に回転すれば、ロー
タリーエンコーダ17の出力の位相はSRAが進みとなり、
このとき回転速度検出回路18の出力VRは正の値となる。
反対にUSM120がCCW方向に回転すれば、ロータリーエン
コーダ17の出力はSRBが進みとなり、出力VRは負とな
る。前記したとおり、本回転速度検出回路18の出力であ
る回転速度信号VRは、コンパレータ7に送られる。
139a,139bは限界センサで、第18図に示すように、立
体カム124のCW,CCW方向回転の限界角度を検出するため
のものであり、立体カム124が限界の角度に達したこと
が検出されたなら、USM16を停止させることになる。本
実施例では、限界センサ139a,139bとしてフォトリフレ
クタを用いている。限界センサ139aはCW方向回転の限界
を、限界センサ139bはCCW方向回転の限界を検出する。
限界センサ139a,139bの配置を第18図に示す。立体カ
ム124の下部には磁気ドラム208とともに、フォトリフレ
クタの反射板211が取り付けられていて、立体カム124と
一体となって回転する。反射板211のA領域(角度にす
ると180゜)は赤外光の反射率の良い面、B領域は反射
率の悪い面となっている。限界センサ139a,139bは、赤
外光を発射し、その反射光を検出することによって、反
射板211のA領域と対向しているとき“L"を出力し、B
領域と対向しているとき“H"を出力する。ここで、立体
カム124の動作の限界とは、ローラ125が立体カム124の
段差Cの部分に達したときである。また、段差Cは、立
体カム124の2条のカムの終端で段差が形成されている
部分である。
すなわち、ローラ125が段差Cを越えるまで立体カム1
24を回転させると、立体カム124の回転角とローラ125の
リフト量との比例関係が崩れてしまう。あるいは、ロー
ラ125が段差C当たっていて、カム124の回転が停止して
しまったりする。そこで、ローラ125が段差Cに達する
以前にUSM120を強制停止させる。限界センサ139a,139b
を第18図(a)に示す位置に配置しておけば、ローラ12
5の軸の段差Cとの角度がθとなったところで、限界
センサ139a,139bのうち、どちらか一方の出力が“H"に
なる。なお、D,Eは限界センサ139a,139bの反射板の境界
点を示している。
すなわち、立体カム124がCW方向に回転し続けると、
反射板211のD点が限界センサ139aに対向する位置に来
たところで、限界センサ139aの出力が“L"から“H"に変
わる。また、CCW方向に回転した場合は、反射板211のE
点が限界センサ139Bに対向する位置に来たところで、限
界センサ139bの出力が“L"から“H"に変わる。限界セン
サ139a,139bのうち、どちらか一方の出力が“H"となっ
たとき、USM120を強制停止させれば、ローラー125が段
差Cが乗り越えることはない。なお、角度θは、ロー
ラ125の大きさやUSM120の停止精度などから適当な値に
決めればよい。
21は限界検出回路で、限界センサ139a,139bの各出力S
LA,SLBと、速度信号VVを入力し、限界停止信号SLを出力
する。限界停止信号SLは、後述する防振オン/オフ制御
回路22へ入力される。限界検出回路21の詳細回路図を第
20図に示す。すなわち、SLA=“H"かつVV>0のときに
限ってSL=1となる。
22は防振オン/オフ制御回路で、速度信号VVと、限界
停止信号SLと、後述するシーケンス制御回路23の出力す
る防振オン/オフ信号SBOを入力し、プリセット信号SPR
を出力する。プリセット信号SPRは、カウンタ11のプリ
セット端子PRとシーケンス制御回路23に入力される。防
振オン/オフ制御回路22の詳細回路図を第22図に示す。
防振オン/オフ制御回路22は、D形フリップフロップ回
路215、コンパレータ213、NORゲート21により構成され
ている。防振オン/オフ信号SBOは、フリップフロップ
回路215の入力Dに入力される。
また、速度信号VVは、コンパレータ213の非反転入力
端子に入力される。コンパレータ213の出力は、フリッ
プフロップ回路215のクロック入力CKに接続されてい
て、速度信号VVの値が負から正に変化するとき“L"から
“H"へ変化する。このとき、フリップフロップ回路215
の入力Dの状態が出力Qに現れる。NORゲート214の出力
であるプリセット信号SPRは、フリップフロップ回路215
の出力Q、あるいは限界停止信号SLのうち、少なくとも
一方が“L"のとき“L"となる。
23はシーケンス制御回路で、防振動作全体のシーケン
スを制御している。本実施例ではマイクロコンピュータ
を用いている。入力として、限界センサ139bの出力
SLB、ロータリーエンコーダ17の出力SRA、防振オン/オ
フ制御回路22の出力、すなわちプリセット信号SPR、図
示しない手段が出力する防振オン信号、防振オフ信号が
あり、出力として防振オン/オフ信号SBOと、カウンタ1
1に入力するプリセット値D3〜D0がある。なお、防振オ
ン信号は、たとえばカメラの第1レリーズスイッチがオ
ンされることによって出力され、また防振オフ信号は、
たとえばシャッタ閉完了スイッチによって出力される。
プリセット値(D3,D2,D1,D0)は通常(1,0,0,0)にな
っている。防振オン信号が入力されると、防振動作を開
始させるため、防振オン/オフ信号SBOを“L"から“H"
にする。また、防振オフ信号が入力されると、防振動作
を停止させるため、防振オン/オフ信号SBOを“H"か
“L"にする。防振動作の停止は、プリセット信号SPR
よって確認できる。防振動作の停止が確認されると、す
なわち、プリセット信号SPRが“H"から“L"に変わる
と、次にイニシャライズ動作を行なう。まず、プリセッ
ト値(D3,D2,D1,D0)を(1,0,0,0)以下の値、たとえば
(0,1,1,1)にする。
このようにすることによって、立体カム124をCCW方向
に回転させることができる。CCW方向に回転し続けれ
ば、第18図(a)におけるEが限界センサ139aと対向す
る位置に達し、限界センサ139aの出力SLBが“L"から
“H"に変わる。シーケンス制御回路23は、これを検出
し、プリセット値(D3,D2,D1,D0)を(1,0,0,0)以上の
値、たとえば(1,0,0,1)に切換える。すると、今度は
立体カム124はCW方向に回転する。このとき、ロータリ
ーエンコーダ17はパルスを出力するが、シーケンス制御
回路23は、これをカウントし、ローラ125が立体カム124
のスロープの中間位置に来たところ、すなわち、第18図
(a)に示す位置に来たところで、カム124の回転を停
止させる。すなわち、Eが限界センサ139bに対向する位
置から、角度にてθからθだけ、カム124をCW方向
に回転させる。ロータリーエンコーダ17の出力パルス数
は回転角に比例するため、パルス数をカウントすること
によって回転角を検出できる。また、最後にカム124を
停止させるときには、プリセッタ値(D3,D2,D1,D0)を
(1,0,0,0)に戻す。
次に、以上のように構成されたカメラぶれ防振装置を
内蔵したカメラの動作について説明する。はじめに、第
1図において防振動作が開始される前の状態を説明す
る。前述のように、第1の構造部材101には、カメラの
主要機構部であるレンズ鏡枠100をはじめ、ファインダ
機構、ミラー機構および第3の構造部材103に取付けら
れた巻上げ機構などが取付けられ、支持軸130を中心に
上下、左右に回動自在となっている。さらには、第1の
構造部材101に取付けられたレンズ鏡枠100およびカメラ
本体機構ブロック405は、外装部品134,135,116,139,13
8,404,406,136と一定の隙間を保って保持されている
(これも前述の通り)。
防振動作が開始される以前には、立体カム124は第18
図(a)に示す初期位置、すなわちローラ125がカム124
のスロープの中間に来る位置に停止している。これは、
前述のイニシャライズ動作が完了して停止している位置
である。
いま、撮影者がカメラを構えるなどして、カメラの上
下方向にぶれ振動が加わっているとする。また、ぶれ振
動は単振動であると仮定する。カメラの操作スイッチや
レリーズボタンに連動して、防振用の回路が起動される
と、加速度センサ117,118は、それぞれカメラ最前部、
最後部に加わっている上下方向の加速度を検出し、信号
Va1,Va2を出力する。すると、引算回路3は、それらの
差Va1=Va1−Va2を出力する。この値Vaは、カメラの上
下方向の回転運動の加速度を表している。加速度信号Va
は、積分回路5によって速度信号VVに変換される。
次に、カメラのレリーズスイッチに連動した、たとえ
ばレリーズ第2段スイッチや、ミラー駆動スイッチなど
に連動したスイッチなどに連動した防振オン信号がシー
ケンス制御回路23に入力されると、シーケンス制御回路
23は、防振動作を開始するため、防振オン/オフ信号S
OBを“L"から“H"にする。
これを受けた防振オン/オフ制御回路22は、速度信号
VVが負から正に変わる瞬間に、すなわちVV=0となった
ときに、プリセット信号SPRを“L"から“H"に切換え
る。カウンタ11は、プリセット端子PRに入力するプリセ
ット信号SPRが“L"である間は、カウント動作を行なわ
ず、シーケンス制御回路23の出力するプリセット値(D
3,D2,D1,D0)=(1,0,0,0,)をそのまま出力している。
カウンタ11の出力(Q3,Q2,Q1,Q0)が(1,0,0,0,)であ
る間は、USMオン/オフ回路14からのUSMオン/オフ信号
SUOは“L"となり、その結果、USM制御回路15はUSM駆動
信号VUA,VUBを出力しない。すなわち、USM120は停止し
ている。
プリセット信号SPRが“H"になると、カウンタ11はカ
ウント動作を開始する。カウンタ11がアップカウントあ
るいはダウンカウントを行ない、カウント値が中央値
(1,0,0,0)からずれると、USMオン/オフ回路14はこれ
を検出し、USMオン/オフ信号SUOを“L"から“H"にす
る。USMオン/オフ信号SUOを受けたUSM制御回路15は、U
SM120に駆動信号VUA,VUBを出力しはじめ、USM120は回動
する。速度信号VV=0の瞬間にモータの動作を開始する
のは、速度信号VVが「0」のときはぶれが停止している
瞬間であるため、モータの追従遅れを最小にすることが
できるからである。
また、カウンタ11のカウント値は、DAC13によってコ
ントロール電圧VCONTに変換され、USM制御回路15に送ら
れる。USM制御回路15は、コントロール電圧VCONTに応じ
た周波数fNの駆動信号VUA,VUBを出力するため、USM120
の回転速度はVCONTに応じて変化する。なお、カウンタ1
1のカウント値が大きく変化し、飽和してしまったよう
な場合にも、オーバーフロー防止回路12によってカウン
ト値が最大値から最小値、あるいはその逆の変化をする
ことはないので、USM120が突然逆回転するようなことは
ない。
本実施例のUSM制御回路15は、駆動周波数fNを変化さ
せることによって、USM120の回転速度をコントロールし
ている。ところが、前記したように、駆動周波数fNと回
転速度Nとの関係はリニアではなく、指数関数的である
(第15図a参照)。ぶれ振動は、速度および加速度が時
々刻々と変化し続けると考えられるので、これを補正す
るには、USM120の速度、加速度も時々刻々と変化させな
ければならない。すなわち、本防振装置では、USM120の
回転数Nの変化率をもコントロールしている。このと
き、駆動周波数fNと回転速度Nとの関係がリニアではな
いために、カウンタ11の出力と回転速度Nとの関係もま
たリニアではないとすると、回転速度Nの変化率のコン
トロールが難しくなる。そこで、USM制御回路15中に対
数変換回路204(第14図参照)を挿入し、カウンタ11の
出力とUSM120の回転速度Nとの関係をほぼリニアにして
ある(第15図参照)。
正確に言えば、USM120の回転速度Nは、カウンタ11の
出力が決まれば1つの値に決まるわけではなく、USM120
にかかる負荷によって変化してしまう。したがって、US
M120の回転速度Nを制御するためには、その回転速度N
を検出し、制御回路にフィードバックしてやる必要があ
る。このため、USM120の回転軸に連結されたロータリー
エンコーダ17と、回転速度検出回路18によってUSM120の
回転速度を検出し、回転速度信号VRをフィードバックし
ている。すなわち、コンパレータ7、カウンタ11、DAC1
3、USM制御回路15、USM120、ロータリーエンコーダ17、
回転速度検出回路18によって構成される系のフィードバ
ックにより、速度信号VVと回転速度信号VRとが一致する
ように、USM120の回転速度が決められる。
加速度信号Vaは、絶対値回路9とVCO10によってVaの
絶対値の比例する周波数のパルスに変換され、カウンタ
11のクロック入力端子CKに力される。すなわち、カウン
タ11のカウントの速度は、加速度信号Vaの絶対値に比例
する。前記したように、カウンタ11の出力とUSM120の回
転速度Nとは、ほぼリニアな関係となっているので、US
M120の回転速度Nの変化率は、ここで決まる。回転速度
の変化率とは加速度にほかならず、上記の動作を言い換
えれば、加速度信号VaによってUSM120の回転運動の加速
度をコントロールしているということになる。たとえ
ば、ぶれ振動の速度の変化率、すなわち加速度が大きい
場合には、カウンタ11に入力するクロックの周波数が高
くなり、その結果、USM120の回転速度の変化率は大きく
なる。逆に、ぶれ振動の加速度が小さい場合には、カウ
ンタ11のクロック周波数は低くなり、USM120の回転速度
の変化率は小さくなる。
以上のように、加速度センサで検出したカメラぶれ信
号により、USM120が駆動制御されると、USM120の出力軸
に固着された立体カム124が同時に回動する。立体カム1
24にはローラ125が当接しており、立体カム124の回動に
より、第1の構造部材101を上下に作動させる。さら
に、第1の構造部材101には、前述のようにレンズ鏡枠1
00と、カメラ本体機構ブロック405が保持されているの
で、USM120の回動制御によって上下方向のカメラぶれが
補正されるようになっている。
次に、限界センサ139a,139b、限界検出回路21の動作
を第18図,第20図,第21図を用いて説明する。前記した
ように、防振動作における立体カム124の回転角には限
界があり、ローラ125がカム124の段差Cを越えると防振
動作が不可能になる。そこで、限界センサ139a,139bに
よって限界角に近づいたことを検出し、信号SLA,SLB
出力する。信号SLAはCW方向の限界角に近づいたとき、
信号SLBはCCW方向の限界角に近づいたとき出力される。
ところが、単に信号SLAあるいはSLBが出力されたとき
にUSM120を止めるだけだと、ひとたび動作が停止すれ
ば、その後、動作を再開できず、防振動作が中断してし
まう。そこで、限界検出回路21は、速度信号VVを入力
し、限界角に接近し、かつ限界方向に動こうとしている
ときのみ、USM120を休止させるようにする。
いま、補正可能なぶれ量を越えるぶれ振動が加わった
とする(第21図参照)。カメラが下方へ回転し、それに
応じてカム124がCW方向に回転し、やがて限界角に接近
し、信号SLAが“H"になる。このとき、VV>0なので、
限界検出回路21中のコンパレータ213の出力SVは“H"と
なり、限界検出回路21の出力SLは“L"となり、USM120は
停止する、ところが、やがてカメラが上方向へ回転しは
じめると、VV<0となり、USM120はCCW方向に回転を再
開する。逆方向の限界に達したときも同様である。
ここまでは、カメラのぶれ防止の動作を上下方向の補
正について、しかもわかりやすく説明するために単振動
に仮定して説明してきたが、カメラぶれは振動の一種で
あり、解析的には単振動の集合であるので、カメラぶれ
も本発明の方法により補正が可能である。
また、これまでの説明では、上下方向の補正について
説明してきたが、カメラぶれは上下方向と左右方向があ
るので、両方を補正した方がより完全なカメラぶれ補正
が可能なことは言うまでもない。
第23図は本発明に係るカメラを正面より見た図であ
る。前述のように、本発明には上下方向の制御部と全く
同じ左右方向のぶれ補正をするための制御部が配設され
ている。カメラの下方で保持部材131の左右に延出した
腕には、左右方向の加速度を検出する第3の加速度セン
サ143と第4の加速度センサ144が配設され、固着されて
いる。この加速度センサ143,144の各出力は、上下方向
の加速度センサ117,118と同様に左右方向の制御部の引
算回路を経て、信号処理される。ここでは、上下方向へ
のぶれ補正の説明と重複するので以降の説明は省略する
が、制御部119で制御された信号により第2の超音波モ
ータ121が駆動制御される。
第2の超音波モータ121には、前述のようにカム127が
固着され、溝127aにはガイド軸128が挿入されているの
で、第2の超音波モータ121の回動によりガイド軸128は
溝127aの内周に沿って移動する。このとき、溝127aは第
2の超音波モータ121の回転量により一定の左右方向の
移動ができるようなカム形状に形成されているため、制
御信号により所定の左右方向の補正が可能となってい
る。
これまでの説明で、カメラぶれの上下方向のぶれはカ
ム124の回動により補正し、左右方向のカメラぶれはカ
ム127により補正することを説明してきた。ところで、
カメラぶれの量は個人差はあるが、通常の写真撮影にお
いては、大きくても画面上で1mm程度の像ぶれである。
したがって、このカメラぶれを補正するための前記2つ
のカムで変位させる量は、光軸を1゜〜2゜補正する程
度の小さなもので、カメラぶれの補正が可能である。
立体カム124の回動により揺動する第1の構造部材101
には、左右方向のぶれを回動補正するガイド軸128が植
設されているため、このガイド軸128は支持軸130を中心
に上下方向に僅か円弧運動をすることになる。このと
き、カム溝127aとの間には若干の摺動が発生するが、第
6図(b)の支持軸130とガイド軸128、カム溝127aの位
置関係からもわかるように、第6図(b)のガイド軸12
8はゆるい円弧状のカム溝127aが形成されているため、
ガイド軸128が立体カム124の回動により上下にわずか円
弧運動をしてもガイド軸128は円弧状に形成されてお
り、カム溝127aとは極めて僅かな隙間を持って、なおか
つがたなく滑らかに摺動できるよう構成されているの
で、作動不良を起こすことはない。
第6図(b)はカム127の周辺をカメラの下側より見
た図である。カム127の周囲には、立体カム124と同様に
磁気センサ145と限界センサ146,147が配設されていて、
上下方向の補正と同様の方法で駆動制御のための信号を
出力する。
このように、左右方向のぶれ量に応じて制御部119で
駆動制御された第2の超音波モータ121の回動により、
ガイド軸128を介して第1の構造部材101は支持軸130を
中心に左右に回動され、ぶれ補正される。
以上のように構成されたカメラぶれ防止機構が働き、
この間にカメラシャッタが閉じ、露出が終了すると、露
出の終了に連動した信号発生回路により防振オフ信号が
シーケンス制御回路23に入力される。シーケンス制御回
路23はこれを受け、防振オン/オフ信号SOBを“H"から
“L"に戻す。防振オン/オフ制御回路22はこれを受け
て、速度信号VVが負から正に変わる瞬間にプリセット信
号SPRを“H"から“L"にする。SPR=“L"はカウンタ11の
プリセット端子PRに入力し、カウンタ11をプリセットの
モードにし、USM120を停止させる。
防振動作が終了すると、イニシャライズ動作を行な
う。シーケンス制御回路23には、プリセット信号SPR
入力されていて、SPR=“L"となったことが検出された
なら、イニシャライズ動作を行なうことによって、立体
カム124のスロープの中心にローラ125をもってくるた
め、次回の防振動作時には立体カム124の作動ストロー
クはいっぱいに使って防振動作が可能となる。
また、このイニシャライズ動作は立体カム124のみで
なく、左右方向のぶれ補正を行なうカム127においても
同様な回路で動作させることで、上下方向と同じく作動
範囲の自由度を増せることは言うまでもない。一眼レフ
カメラにおいては、ミラーダウン前にイニシャライズ動
作をさせれば、イニシャライズ動作によるファインダ像
のゆれが撮影者に見えることがないので好ましい。
なお、説明中、カウンタ11は4ビットとしたが、当然
これに限定されるものでなく、8ビットあるいは16ビッ
トなどでも可能である。また、本実施例では、電源とし
て正負の両電源を使用する構成を記したが、勿論、片電
源でも可能である。
第24図は防振機構の支持軸の別の実施例を示す。第1
の構造部材101には第1の回転軸407が累合され、第2の
回転軸408に対して回動可能に支持されている。一方、
第2の回転軸408は支持部材409に嵌合し、紙面に対し垂
直方向に回動できるよう支持されている。また、支持部
材409は保持部材131にねじなどで固着されているので、
第1の構造部材101は前記2つの回転軸407,408を中心に
X,Y方向に回動可能である。
このように、支持軸は前記実施例のように球形をした
ものでも、X,Yそれぞれ回転軸を分割して設けたもので
もどちらでもよい。
次に、第25図に基づいて本発明の第2の実施例につい
て説明する。これまで第1の実施例では、カメラのファ
インダ形式は一眼レフタイプのもので説明した来たが、
本発明は一眼レフタイプに限らず、レンジファインダ式
のコンパクトカメラやスチルビデオカメラなどの撮影装
置全般にわたる発明である。ここでは、レンジファイン
ダ式のカメラについて、第2の実施例として説明する。
カメラのファインダ枠412は、ズームにより連動する
よう2重構造になっている。ファインダ枠412と一定の
隙間を保って第1の外装部材409とファインダ窓410が第
2の外装部材411に取付けられている。接眼枠412は、カ
メラの撮影機構を保持している構造部材426に取付けら
れている。撮影レンズ413は、図示しない手段によりオ
ートフォーカス、ズームなどの一連の撮影動作ができる
よう図示しない機構に連結され、第2の鏡枠部材415に
取付けられている。第2の鏡枠部材415のレンズ側先端
には、レンズバリアなどの機構を持った第1の鏡枠部材
414が取付けられている。このレンズ側先端の第1の鏡
枠部材4141および第2の鏡枠部材415は、外装部材とは
一定の隙間を保って取付けられている。
第2の鏡枠部材415のカメラの後端側には、支持軸421
が累合されている。構造部材426の光軸より上方の後蓋4
17には、光漏れを防止するための凹凸が設けられてお
り、後蓋417は図示しない開閉ロック部材により、構造
部材426とはわずかな隙間を保って外装部材に保持され
ている。後蓋417には圧板418が移動可能に取付けられ、
圧板ばね419により構造部材426を押圧するよう取付けら
れている。
次に、カメラの底面側には第3の外装部材416があ
り、第2の外装部材414、後蓋開閉ロック部材などとと
もに強度を保つ保持部材420に取付けられている。保持
部材420は、フィルム面側の端に後蓋417と係合し、光漏
れを防止するための凹凸が形成してあり、後蓋417が閉
じたとき、光がフィルムに漏れないようになっている。
また保持部材420の後端面には、第1の実施例と同様な
ボールジョイントの軸受部が形成され、支持軸421を上
下左右とも自由に回転可能で、かつ抜けないよう保持し
ている。また、保持部材420には、やはり第1の実施例
と同様のX方向ぶれ補正手段422とY方向ぶれ補正手段4
23が固着されている。
そして、それぞれX方向ぶれ補正手段422には、鏡枠
部材415との第1の連結手段424が連結され、Y方向ぶれ
補正手段423には、鏡枠部材415との第2の連結手段425
が連結されている。なお、427a,427bは加速度センサ、4
28は制御部である。また、第25図では2つの加速度セン
サ427a,427bを図示しているが、X方向、Y方向それぞ
れ2個づつの加速度センサが配設されているのは第1の
実施例と同じである。
このように、レンズシャッタカメラにおいて、カメラ
ぶれを発生すると、加速度センサがカメラのぶれを検知
し、制御部428で演算処理された信号により、X方向ぶ
れ補正手段422およびY方向ぶれ補正手段423を駆動し、
鏡枠部材415を回動制御してカメラぶれを補正すること
が可能である。
カメラぶれ補正手段が作動すると、撮影装置は支持軸
412を中心に回動するが、このとき構造部材426は、後蓋
417に連結した圧板418の位置を圧板ばね419の力にさか
らって僅か変えながら、ぶれ補正の動作を行なうことに
なるが、圧板418は圧板ばね419の圧着力で常に構造部材
426を押圧しているので、構造部材426から浮き上がるこ
とがなく、常にフィルムを安定して保持し続けることが
できる。
なお、上記実施例では、回動支点をカメラの光軸より
下側に設けた例で説明してきたが、それとは逆、すなわ
ち接眼レンズの近傍に回動支点を設ければ、さらに異和
感の少ないぶれ防止機構が可能である。
また、LSR式のファインダは露出中に像消失がある
が、レンジファインダカメラの場合は露出中もファイン
ダ像が見えているため、本発明の効果はレンジファイン
ダ式カメラの方が顕著である。
第26図は本実施例のと後蓋部分の詳細構造を断面図に
て示している。これまで述べたように、後蓋429は撮影
装置の構造部材433と一定の隙間を保って光漏れのない
よう係合している。
また、圧板432は、圧板ばね430の弾性により構造部材
433のアパーチャの上下に配設されたレール状の突起433
a,433bに所定の力量で圧接している。圧板ばね430は後
蓋429にリベット431で固着されている。その詳細な構造
を第27図に示す。圧板ばね430の左右に延出した中央部
にU字形の切り欠きがあるのは、後蓋429に配設された
図示しない突起に係合し、圧板ばね430の弾性を保ちな
がら固定するためのものである。
第28図には、従来の圧板圧着部を用いたときの図を示
している。従来、圧板の圧着面はアパーチャの上下にカ
メラ本体より台形状の断面をもったレール状の突出部を
配設していた。ところが、カメラぶれ防振機構が働いて
構造部材433が数Hzから10数Hzでぶれ補正の行動を行な
うと、圧板432とレール突起433aは第28図に示すよう、
コーナーエッジで圧板432を押し、摩耗が激しく、耐久
性上の問題があった。
本発明では、第29図に示すように、レール状の突起43
3a,433bの断面をR状にすることにより、カメラのぶれ
防振機構が働いて構造部材433が振動しても、滑らかに
圧板ばね430の追従を可能にするとともに、圧板ばね430
の圧着力によるぶれ防振機構への負荷を軽減できるとい
う効果がある。
なお、第29図(a)は、本発明のごとく先端を円弧状
にしたレール状の突起433a,433bと圧板432との接触部を
示すもので、カメラぶれ防止動作を開始する前の状態を
示している。第29図(b)は、カメラぶれ防止動作が行
われ、レール状の突起433a,433bが図示しない支持軸を
中心に回動することによって、圧板432が角度θだけ傾
斜した状態を示している。このとき、本発明のようにレ
ール状の突起433a,433bの先端が円弧状になっているの
で、第28図のようにコーナエッジで圧板432を傷付ける
ことがない。
次に、第30図は圧板部の別の実施例を示す。435は構
造部材433から突出したフィルムのガイドレールであ
る。フィルムガイドレール435のアパーチャより外側に
は、4つのほぼ球状をした圧板受け436a,436b,436c,436
dがフィルムガイドレール435より所定の段差をもって配
設されている。第31図にはその構造部材433の断面図を
示した。この圧板受け436a,436b,436c,436dは、構造部
材433に一体的に配設されていて、成形により形成され
ていても、別部品によって一体的に固着され形成されて
いてもよい。
第32図はさらに別の圧板位置規制部の実施例を示す。
圧板432にはアパーチャ側のフィルムと対向する面であ
って、構造部材433に当接する位置に当たるそれぞれの
角付近に球状の突起437a,437b,437c,437bを配設してあ
る。一方の構造部材433の前記突起437a,437b,437c,437d
が当接する部分には平面が形成してある(図示せず)。
このように、圧板432と構造部材433との当接部のいず
れかを球状することにより、X方向のカメラぶれ補正動
作に対してもY方向のカメラぶれ補正動作に対しても圧
板432は極めて滑らかに追従が可能である。近年プラス
チックモールド成形技術が進歩し、極めて高い平面性を
維持しながら球状突起を成形できるようになっており、
本発明の圧板432の当接面の考案は容易にして効果の高
いものである。
なお、本発明は、カメラぶれを検知し、駆動回路によ
りカメラぶれ防振機構を作動させてカメラぶれを補正す
る方式のカメラだけでなく、カメラ撮影装置を防振ゴム
やダンパーなどを介して外装部材から揺動可能に保持
し、カメラぶれを軽減する方式のカメラにおいても、圧
板の当接部の形状を半球状にすることにより同様の効果
を得られるものである。
以上のように本実施例では、フィルムをガイドするフ
ィルムレールを配設した撮影装置をカメラぶれに応じて
移動可能にし、圧板でフィルムを圧着するとともに、圧
板の弾性部材を介して後蓋と外装部材を撮影装置とを一
定の隙間を確保して保持できるようにしたので、カメラ
ぶれ補正機構が作動したとき、撮影装置と圧板のずれを
圧板の弾性部材が吸収し、フィルムの平面性を保持した
ままカメラぶれ補正動作が可能である。しかも、後蓋お
よび外装部材は一定の隙間を持って保持されているの
で、撮影者が保持する外装部材を動かすことなしに補正
動作が可能である。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば、防振駆動によ
り枠体に設けられているフィルムが移動しても、該フィ
ルムは後蓋に設けられた圧板及び弾性体によって後蓋に
対して付勢されているので、後蓋を動かさなくても光軸
に対するフィルム面の平面性や位置を保ちつつ移動する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施例を説明するためのもので、第1図は
カメラの内部構造を概略的に示す縦断側面図、第2図は
カメラの外装構造を示す分解斜視図、第3図は支持軸と
その軸受面を説明する分解斜視図、第4図(a)はロー
ラとローラ軸を保持するためのローラ軸受を示す分解斜
視図、第4図(b)は第4図(a)の縦断側面図、第5
図(a)は第1の超音波モータに固着される立体カムの
構造を示す斜視図、第5図(b)はその立体カム上にお
けるローラの動作状態を説明する図、第6図(a)は第
2の超音波モータに固着されるカムの構造を示す斜視
図、第6図(b)はそのカムの周辺含部を示す平面図、
第7図は第6図のカムの溝に嵌合するガイド軸を説明す
る図、第8図は制御部の全体ブロック図、第9図は積分
回路の入出力波形図、第10図は絶対値回路の入出力波形
図、第11図はオーバフロー防止回路の構成図、第12図は
DACの入出力特性を示す図、第13図はUSMオン/オフ回路
の構成図、第14図はUSM制御回路の構成図、第15図はUSM
制御回路の特性図、第16図はUSM駆動信号の位相関係を
示す図、第17図はUSMの駆動周波数と回転速度との関係
を示す特性図、第18図(a)はロータリーエンコーダお
よび限界センサの配置状態を示す側面図、第18図(b)
は第18図(a)の上面図、第19図はロータリーエンコー
ダの出力パルス例を示す図、第20図は限界検出回路の構
成図、第21図は限界検出回路の動作を説明する各部の信
号波形図、第22図は防振オン/オフ制御回路の構成図、
第23図は左右方向の加速度を検出する加速度センサの設
置状態を示す図、第24図は防振機構の支持軸の別の実施
例を示す縦断側面図、第25図は本発明の他の実施例にお
けるカメラの内部構造を概略的に示す縦断側面図、第26
図は後蓋部分の詳細構造を示す縦断側面図、第27図は圧
板ばねの詳細構造を示す斜視図、第28図は従来の圧板圧
着部を用いたときの説明図、第29図はレール状突起と圧
板との接触部を示す図、第30図は圧板部の別の実施例を
示す図、第31図は第30図における構造部材の断面図、第
32図はさらに別の圧板位置規制部の実施例を示す図であ
る。 117,118……加速度センサ、134……外装部材、138……
底板、409,411……外装部材、100……レンズ鏡枠、101,
102,103……構造部材、120,121……超音波モータ、131
……保持部材、429……後蓋、430……圧板ばね、433a,4
33b……レール状突起、435……フィルムガイドレール、
436……圧板受け、437……球状突起、3……引算回路、
5……積分回路、6……コンパレータ、9……絶対値回
路、10……VCO、11……U/Vカウンタ、12……オーバフロ
ー防止回路、13……DAC、14……USMオン/オフ回路、15
……USM制御回路、17……ロータリーエンコーダ、18…
…回転速度検出回路、21……限界検出回路、22……防振
オン/オフ制御回路、23……シーケンス制御回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性部材を介してフィルム用の圧板が設け
    られている後蓋とカメラの外装体とを一体的に保持する
    保持部材と、 上記保持部材に対して移動可能に構成され、撮影レンズ
    及び上記圧板に押圧されるフィルムを支持する構造体を
    含む撮影系が配置された枠体と、 カメラのぶれ振動を検出するぶれ振動検出手段と、 上記ぶれ振動検出手段の出力に基づいて、ぶれ振動を打
    消す方向に上記枠体を駆動するぶれ振動補正手段と、 を具備し、上記ぶれ振動補正手段が駆動されている時に
    は、上記弾性部材の弾性変形により上記保持部材と上記
    フィルム用の圧板とが相対移動することを特徴とする防
    振装置付きカメラ。
  2. 【請求項2】弾性部材を介してフィルム用の圧板が設け
    られている後蓋とカメラの外装体とを一体的に保持する
    保持部材と、 上記保持部材に対して移動可能に構成され、撮影レンズ
    及び上記圧板に押圧されるフィルムを支持する構造体を
    含む撮影系が配置された枠体と、 上記枠体及び上記保持部材の後蓋側端部で、該枠体及び
    該保持部材が互いに回転自在となるように連結する連結
    手段と、 カメラのぶれ振動を検出するぶれ振動検出手段と、 上記保持部材に設けられていて、上記ぶれ振動検出手段
    からの出力があった際に、該保持部材に対するぶれ振動
    が打消される方向に上記枠体を駆動するぶれ振動補正手
    段と、を具し、 上記枠体は上記連結手段を支点として駆動されることを
    特徴とする防振装置付きカメラ。
  3. 【請求項3】連結手段は、上記枠体から突出した球状部
    を有する支持軸と上記保持部材に設けられている核球状
    部を受ける略半球状の受面とからなることを特徴とする
    請求項2に記載の防振装置付きカメラ。
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