JP3022202B2 - 同軸形誘電体フィルタ - Google Patents

同軸形誘電体フィルタ

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JP3022202B2
JP3022202B2 JP6248559A JP24855994A JP3022202B2 JP 3022202 B2 JP3022202 B2 JP 3022202B2 JP 6248559 A JP6248559 A JP 6248559A JP 24855994 A JP24855994 A JP 24855994A JP 3022202 B2 JP3022202 B2 JP 3022202B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波、準マイク
ロ波通信装置等に用いる同軸形誘電体フィルタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、同軸形誘電体共振器を用いる代
表的な誘電体フィルタの等価回路図であり、図4は、誘
電体フィルタのうち、キャパシタを使った従来例の同軸
形誘電体フィルタの構造を示す平面図である。代表的な
同軸形誘電体フィルタでは、図3に示すように、入力側
コネクタと同軸形誘電体共振器との間、同軸形誘電体共
振器の間(段間)、同軸形誘電体共振器と出力側コネク
タとの間の結合を得るためにキャパシタ(C1、C2、
C3)(またはインダクタ)等の部品を配置している。
従来例では、キャパシタは、所望の結合を得るためにア
ルミナ等の基板上に厚膜印刷等の技術で形成され、図4
に示すようにコンデンサ(キャパシタ)接続リードを用
いて接続されている。なお、図4において、符号8は、
同軸形誘電体共振器を示し、9は、入出力コンデンサを
示し、10は段間コンデンサを示し、13は金属ケース
を示し、11は入力側コネクタを示し、12は出力側コ
ネクタを示し、14はコンデンサ接続リードを示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通過帯域幅の
狭い同軸形誘電体フィルタを製作する場合、極めて微小
容量のキャパシタが必要となり、上記基板を使った結合
方法では容量の小さいキャパシタ等を実現するのは、そ
の構造上極めて困難であり、大量に生産できないという
欠点があった。
【0004】したがって、本発明の目的は、キャパシタ
等の部品を用いない新規な結合方法を用いてフィルタの
構造を簡略化し、部品点数を減少させることによって安
価に大量生産でき、製造コストを下げることができる同
軸形誘電体フィルタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、遮断導波管と、該遮断導波管内に距離
をおいて同軸上に配置した少なくとも2つの同軸形誘電
体共振器と、前記遮断導波管の入力側に固定された入力
側コネクタと、該入力側コネクタに設けられて、対向す
る前記同軸形誘電体共振器の内導体に非接触状態で挿入
される棒状の入力側アンテナと、前記遮断導波管の出力
側に固定された出力側コネクタと、該出力側コネクタに
設けられて、対向する前記同軸形誘電体共振器の内導体
に非接触状態で挿入される棒状の出力側アンテナとを有
することを特徴とする同軸形誘電体フィルタを採用する
ものである。
【0006】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0007】図1は、本発明の同軸形誘電体フィルタの
平面図であり、図2は、本発明の同軸形誘電体フィルタ
の側面図である。図1、図2において、符号1は、同軸
形誘電体共振器を示し、2は金属製の棒状の入力側アン
テナを示し、3は、金属製の棒状の出力側アンテナを示
し、6は金属ケースを示し、4は入力側コネクタを示
し、入力側アンテナ2を備えており、5は出力側コネク
タを示し、出力側アンテナ3を備えている。7は金属蓋
を示す。
【0008】図3で示すキャパシタC1、C3に相当す
るキャパシタが持つ容量は、入力側コネクタ4に設けら
れた棒状の入力側アンテナ2を対向して配置された同軸
形誘電体共振器1の内導体に挿入することによって、ま
た出力側コネクタ5に設けられた棒状の出力側アンテナ
3を対向して配置された同軸形誘電体共振器1の内導体
に挿入することによって、それぞれ、得られる。また、
これらの容量は、同軸形誘電体共振器1、1の内導体に
挿入する棒状アンテナ2、3の挿入量を変化させること
で、同軸形誘電体共振器の内導体と棒状アンテナとの対
向する面積が変化するので、変えることができる。した
がって、同軸形誘電体共振器の内導体に挿入する棒状ア
ンテナの挿入量を変化させることによって、キャパシタ
C1、C3を調整できる。
【0009】また、図3で示すキャパシタC2に相当す
るキャパシタは、同軸形誘電体共振器を遮断導波管(金
属ケース6と金属蓋7で構成される)内に設置したとき
相対する同軸形誘電体共振器の開放面間の距離を開ける
ことで与えられる。結合量は、遮断導波管内で誘電体共
振器の間隔を広げていくことで指数関数的に減衰してい
き、相対する同軸形誘電体共振器の間隔を変化させるこ
とで同軸形誘電体共振器間のキャパシタC2が調整でき
る。
【0010】同軸形誘電体フィルタの比帯域幅が1%未
満の狭帯域である同軸形誘電体フィルタの製作におい
て、前述のような結合方法を行うことで、微小容量のキ
ャパシタを使用するのと等価な結合が容易に得られ、狭
帯域なフィルタを製作することが可能になり、より高精
度な調整が可能である。
【0011】また、同軸形誘電体共振器を設置する位置
と棒状アンテナを挿入する量を一定に保つことで、大量
に同様な同軸形誘電体フィルタが製作可能であり、キャ
パシタやインダクタ等の部品を使用しないことからコス
トメリットもある。
【0012】(実験例)図1および図2に示す本発明の
同軸形誘電体フィルタの構造を用いた行った実験例につ
いて説明する。
【0013】外径20mm×50mm×8mm、内径6
mm×44mm×6mmの金属ケースを用い、同軸形誘
電体共振器としては、比誘電率が38であり、断面寸法
が一辺6.0mmであり、内導体の直径が2.5mmの
同軸形誘電体共振器を用いた。また入力側アンテナおよ
び出力側アンテナとしては直径1.2mmの棒状アンテ
ナを用いた。
【0014】中心周波数が約2500MHz、3dB帯
域幅が3.2MHzの同軸形誘電体フィルタを製作する
と、図1に示すC1およびC3に対応するキャパシタの
容量としては、約0.115pFが必要であり、C2に
対応するキャパシタの容量としては0.011pFが必
要である。一般に、図4に関連して説明したような従来
方式で、このような微小なキャパシタを製作する場合、
寄生容量等の影響やキャパシタが極めて小型となるため
加工精度の問題等により大量に安定してキャパシタを製
作することは極めて困難である。本発明の結合方法で
は、棒状アンテナを0.2mm同軸形誘電体共振器の内
導体に挿入することで0.115pFと等価である静電
容量が得られる。また、キャパシタC2に対応するキャ
パシタに対しては、同軸形誘電体共振器の間隔を3.9
mm離すことで0.011pFと等価である静電容量が
得られ、所望の同軸形誘電体フィルタを製作できる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって狭
帯域の同軸形誘電体フィルタの製作が容易となり、部品
点数を大幅に減少させ、構造を簡略化することによって
製造コストも下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の同軸形誘電体フィルタの平面
図である。
【図2】図2は、本発明の同軸形誘電体フィルタの側面
図である。
【図3】図3は、同軸形誘電体共振器を用いる代表的な
誘電体フィルタの等価回路図である。
【図4】図4は、誘電体フィルタのうち、キャパシタを
使った従来例の同軸形誘電体フィルタの構造を示す平面
図である。
【符号の説明】
1 同軸形誘電体共振器 2 入力側アンテナ 3 出力側アンテナ 4 入力側コネクタ 5 出力側コネクタ 6 金属ケース 7 金属蓋 8 同軸形誘電体共振器 9 入出力コンデンサ 10 段間コンデンサ 11 入力側コネクタ 12 出力側コネクタ 13 金属ケース 14 コンデンサ接続リード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/202 H01P 1/205

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮断導波管と、該遮断導波管内に距離を
    おいて同軸上に配置した少なくとも2つの同軸形誘電体
    共振器と、前記遮断導波管の入力側に固定された入力側
    コネクタと、該入力側コネクタに設けられて、対向する
    前記同軸形誘電体共振器の内導体に非接触状態で挿入さ
    れる棒状の入力側アンテナと、前記遮断導波管の出力側
    に固定された出力側コネクタと、該出力側コネクタに設
    けられて、対向する前記同軸形誘電体共振器の内導体に
    非接触状態で挿入される棒状の出力側アンテナと、を有
    することを特徴とする同軸形誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の同軸形誘電体フィルタに
    おいて、前記入力側アンテナと、対向する同軸形誘電体
    共振器との間の結合量に相当するキャパシタの静電容量
    は、前記入力側アンテナの同軸形誘電体共振器の内導体
    に非接触状態で挿入される挿入量によって調節可能であ
    り、前記出力側アンテナと、対向する同軸形誘電体共振
    器との間の結合量に相当するキャパシタの静電容量は、
    前記出力側アンテナの同軸形誘電体共振器の内導体に非
    接触状態で挿入される挿入量によって調節可能であり、
    隣接する2つの同軸形誘電体共振器の間の結合量に相当
    するキャパシタの静電容量は、同軸形誘電体共振器の間
    の距離を変化させることによって調節可能であることを
    特徴とする同軸形誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか1つに記載
    の同軸形誘電体フィルタにおいて、前記同軸形誘電体共
    振器は、円筒形または角筒形であり、かつ1/2波長の
    同軸形誘電体共振器であることを特徴とする同軸形誘電
    体フィルタ。
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