JP3022052U - 収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロピーディスク等の被収納板体の収納に
際して出し入れが容易で安定に支持することができかつ
出し入れの動作をスムーズに行うことができる収納ケー
スを提供する。 【構成】 前面壁及び背面壁がその対角線方向に沿っ
て形成された蝶番機構によりほぼ上半分を蓋体として開
閉するとともに蓋体の蝶番機構を底辺とする三角形の頂
点位置に蓋体をロックする釦機構を設けた収納用ケー
ス。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フロッピーディスク、コンパクトディスク等の磁気情報記録板又は 各種クレジットカード、名刺等の平板状カードあるいはこれらの専用カセットホ ルダーその他の板状体あるいは紙ナプキン等の紙用品（以下、フロッピーディス ク等と称す。）を機能性良く効率的かつ衛生的に整理、保存することができる収 納ケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、フロッピーディスク等を収納するケースとしては、例えば最も単純なも のとしては透明なプラスチック等からなる直方体状のケースの上部を開閉自在の 蓋体とし、この蓋を開けてケース内に数枚乃至十数枚のフロッピーディスク等を 収納する構造のものが用いられている。しかしながら、このような構造のもので はケース内にフロッピーディスク等を収納した場合、ケース内でフロッピーディ スク等が互いに重なり合ってフロッピーディスクの表面に付されたインデックス を外から視認することができず、取り出しに際して意図する対象フロッピーディ スクのみを探索して的確にこれを取り出すことが困難であるという問題点を有す る。また、取り出しに際して対象フロッピーディスク等を掴み難く取り出し作業 に困難をきたすという問題がある。さらにこれに加えて、ケースの蓋がケースか ら分離されるため、取り出し作業後に蓋が紛失あるいは破損するという事態を招 くことも考えられる。

【０００３】 取り出しに際して意図する対象フロッピーディスク等のみを探索して的確にこ れを取り出すことを容易にするために視認性を良くしかつ対象フロッピーディス ク等を掴み易くすることを企図して、収納ケースの蓋部をケース本体に比べ大き く形成し、取り出し時にはフロッピーディスク等がケース本体から大きく露出す るようにした収納ケースも考え出されている。しかしながら、このような構成で は開成時にケース本体でフロッピーディスク等を支持する壁面の面積が小さくな るため、フロッピーディスク等が斜めに傾斜し、振動等の原因でフロッピーディ スク等が倒れてかえって取り出し作業が困難になるという問題がある。

【０００４】 一方、上記問題点を考慮して、実開昭６３−７０３７７号公報には、名刺、カ ード等を個々に縦方向に収納するケースを複数個一方向に順次並設して連結し蛇 腹構造とした書類収納具が提案されている。この構成によれば、書類収納具内に 収納する名刺、カード等は個々のケース内に個別に必要なスペースを設けて収納 されることになるので安定に保持され、表題やインデックスの視認も容易に行う ことができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記実開昭６３−７０３７７号公報記載の書類収納具は、収納 物個々に対して収納スペースを蛇腹状に連設しなければならず、収納物が多い場 合には平面的に収納面積が著しく増大することになる。また、蛇腹構造の壁面は 繰り返し疲労によって破損し易く書類収納具としての信頼性に欠けるという欠点 を有する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述の問題点を解決するものであり、被収納用板体を直立状態で収 納する直方体状の収納用ケース本体と、該収納用ケース本体の両側壁面のほぼ対 角線方向を折線とし両側壁の上部側可動部分を蓋体として外方へ開成する蝶番機 構と、閉成時に前記蓋体を着脱自在に接合する釦機構と、を具備してなり、該釦 機構は前記収納用ケース本体の隅部を切欠形成して前記蓋体頂部に得られる平面 に設けられていることを特徴とする収納ケースを提供することを目的とする。ま たこの釦機構は、一方の前記蓋体に突設され閉成時に他方の前記蓋体の係止部に て係止される爪部と他方の前記蓋体に設けられ開成時の押圧動作によって前記爪 部を前記係止部から離脱させる摺動部材とから構成するようにしてもよい。

【０００７】

【作用】 本考案によれば、開成時には収納用ケース本体の表裏の側壁がその壁面の対角 線方向を折線として前方と後方に開成される。即ち、両側壁の上部側可動部分が 蓋体となって収納用ケースを開成状態とする。開成された状態で収納用ケースは 側壁面の対角線に沿って蓋体が前方と後方に開成されるため、被収納用板体が十 分に露出され被収納用板体それぞれの間に空隙を形成することができるので視認 性が良好となる。従って、対象とする被収納用板体の取り出しを容易に行うこと ができる。同時に収納用ケースに固定されている蓋体以外の表裏両側壁部分が充 分の面積と高さを有して被収納用板休を安定に支持しているので、被収納用板体 が倒れることもない。

【０００８】 さらに、収納用ケースを開成するための釦機構は、収納用ケース本体の上隅部 を切り欠いて得られる蓋体の平面に形成されているので、開成時に釦機構を押圧 する押圧力が収納用ケースに対して斜め下方向きに作用することとなり、収納用 ケースを載置面に押し付ける。従って、この反作用で釦機構の押圧動作が容易と なり、開閉動作をスムーズに行うことができる。閉成時には両方の蓋体を相互に 押し付けるのみで自動的に双方の蓋体がロックされる。釦機構は蓋体の開閉動作 の蝶番機構となる底辺に対して頂点付近に配置されており、閉成動作時に双方の 蓋体を相互に押し付ける力の集中点に対応している。即ち、本考案においては、 蓋体の開閉動作に際して付与される外部作用力が蓋体、釦機構及び収納用ケース 本体に対して最も効率よく働くように各構成要件が組み立てられている。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例についてフロッピーディスク用収納ケースを例にとっ て図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１０】 図１は本考案の一実施例であるフロッピーディスク用収納ケースの閉成状態を 示す斜視図である。収納用ケース本体１は直方体状に成型され、その内部中空部 分にフロッピーディスクが収納される。該収納用ケース本体１の前面壁２と背面 壁３はそれぞれその壁面のほぼ対角線方向を折線とする蝶番機構４により上部側 が前方と後方に開閉される蓋体５，６となる。収納用ケース本体１の隅部を切欠 成型することにより得られる蓋体５，６の頂部付近の平面には蓋体５，６をロッ クするための釦機構７が設けられている。釦機構７を押圧することにより後述す るごとく蓋体５，６のロックが外れ、蓋体５，６がそれぞれ前方と後方に開成さ れる。収納ケース本体１及び蓋体５，６はプラスティック、ナイロン、ポリエチ レン、塩化ビニール、ベークライトその他の合成樹脂あるいは厚紙、金属等で製 作されており、蝶番機構４はストライプ状の弾性体を折線に沿って前後面壁の外 部及び内部に貼設することにより構成されている。

【００１１】 図２は図１に示すフロッピーディスク用収納ケースを開成したときの斜視図で ある。図３は図１に示すフロッピーディスク用収納ケースを開成してフロッピー ディスク５を収納した状態を示す斜視図である。釦機構７を押圧して蓋体５，６ を蝶番機構４に沿って開成することにより、内部に三角形状の空洞が得られる。 この部分と蓋体５，６を閉成したときの蓋体５，６内部の空間がフロッピーディ スク８の収納スペースとなる。複数枚のフロッピーディスク８は収納用ケース本 体１の空洞内に収納され、前後面壁の内蓋体５，６以外の固定壁で傾倒すること なく安定に支持される。また蓋体５，６が前後面壁の対角線方向に沿って開成さ れているので、フロッピーディスク８が大きく外部に露出され、従ってフロッピ ーディスク８を相互にずらすことによりそれぞれのインデックス等の視認が容易 行われる。フロッピーディスク８の取り出しに際してもフロッピーディスク８を 掴み易く、取り出し作業が容易となる。さらにこのとき蓋体５，６の下部面は収 納用ケース本体１の底面に沿って併設されることになるので、収納用ケース本体 １が前後に倒れるのを防ぐための支持体としても機能する。蝶番機構４はストラ イプ状の薄い弾性体を張り合わせたものであるため、フロッピーディスク８の出 し入れに際して障害となる突起物がなく、収納及び取り出しの動作をスムーズに 行うことができる。

【００１２】 図４、図５及び図６は図１に示すフロッピーディスク用収納ケースの蓋体５， ６に設けられた釦機構７の構成及び動作を説明する動作説明図である。フロッピ ーディスク８を収納した後あるいは取り出した後、蝶番機構４に沿って蓋体５， ６を持ち上げ、相互に当接させることにより収納ケース本体１が閉成される。こ のとき、背面壁３側の蓋体６に突設されている爪部９が前面壁２側の蓋体５端面 に形成されたテーパ面１０に当接しテーパ面１０に沿って移動した後、蓋体５の 孔に挿入されている押圧操作用の摺動部材１１を押し上げ、摺動部材１１を挿入 している蓋体５の孔の内面壁に爪ごと係止される。この状態で蓋体５，６は相互 にロックされたこととなる。収納用ケース本体１を開成するときには、摺動部材 １１を押し付けることにより、爪部９を蓋体５の孔の内面壁から外し同時に蓋体 ５，６を相互に外方向へ引っ張ることにより図２に示すごとく収納用ケース本体 １が開成される。開成動作は、蝶番機構４の弾性体の弾性力を利用することによ り蓋体５，６を外方向へ引っ張る力を付与するようにすれば、摺動部材１１を押 圧するのみで自動的に蓋体５，６を開成することができる。

【００１３】 上記実施例はフロッピーディスク用収納ケースについて説明したが、本考案は これに限定されるものではなく、コンパクトディスク用収納ケースあるいはクレ ジットカードや名刺等の収納ケースとしても利用することができる。その他紙ナ プキン等種々の板状体を収納するケースとして用いることができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、収納用ケース本体の開成状態で収納用ケースは側壁面の対角 線に沿って蓋体が前方と後方に開成されるため、被収納用板体が十分に露出され 被収納用板体それぞれの間に空隙を形成することができるので視認性が良好とな り、対象とする被収納用板体の取り出しを容易に行うことができる。同時に収納 用ケースに固定されている蓋体以外の表裏両側壁部分が充分の面積と高さを有し て被収納用板体を安定に支持しているので、被収納用板体が倒れることもない。 また、収納用ケースを開成するための釦機構は、収納用ケース本体の上隅部を切 り欠いて得られる蓋体の平面に形成されているので、開成時に釦機構を押圧する 押圧力が収納用ケースに対して斜め下方向きに作用することとなり、収納用ケー スを載置面に押し付けるので、収納用ケースが載置面で横方向にずれることがな く、釦機構の押圧動作が容易となり、開閉動作をスムーズに行うことができる。 さらに、閉成時には両方の蓋体を相互に押し付けるのみで自動的に双方の蓋体が ロックされる。釦機構は蓋体の開閉動作の蝶番機構となる底辺に対して頂点付近 に配置されており、閉成動作時に双方の蓋体を相互に押し付ける力の集中点に対 応しており、蓋体の開閉動作に際して付与される外部作用力が蓋体、釦機構及び 収納用ケース本体に対して効率よく働く。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるフロッピーディスク用
収納ケースの閉成状態を示す斜視図。

【図２】図１に示すフロッピーディスク用収納ケースの
開成状態を説明する斜視図。

【図３】図１に示すフロッピーディスク用収納ケースの
使用状態を説明する斜視図。

【図４】釦機構の構成及び動作を説明する動作説明図。

【図５】同様に釦機構の構成及び動作を説明する動作説
明図。

【図６】同様に釦機構の構成及び動作を説明する動作説
明図。

【符号の説明】

１ 収納用ケース本体 ２ 前面壁 ３ 背面壁 ４ 蝶番機構 ５ 蓋体 ６ 蓋体 ７ 釦機構

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被収納用板体を直立状態で収納する直方
   体状の収納用ケース本体と、該収納用ケース本体の両側
   壁面のほぼ対角線方向を折線とし両側壁の上部側可動部
   分を蓋体として外方へ開成する蝶番機構と、閉成時に前
   記蓋体を着脱自在に接合する釦機構と、を具備してな
   り、該釦機構は前記収納用ケース本体の隅部を切欠形成
   して前記蓋体頂部に得られる平面に設けられていること
   を特徴とする収納ケース。
2. 【請求項２】 前記釦機構は、一方の前記蓋体に突設さ
   れ閉成時に他方の前記蓋体の係止部にて係止される爪部
   と他方の前記蓋体に設けられ開成時の押圧動作によって
   前記爪部を前記係止部から離脱させる摺動部材とから構
   成される請求項１記載の収納ケース。