JP3021721B2 - アルキルグリコシドの製造方法 - Google Patents
アルキルグリコシドの製造方法Info
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Description
製造方法に関し、詳しくは、未反応高級アルコールの含
量の少ない洗浄剤として有用なアルキルグリコシドの製
造方法に関する。
体界面活性剤であるアルキルグリコシドは、低刺激性界
面活性剤であり、しかも非イオン性界面活性剤であるに
もかかわらず、それ自身、安定な泡を生成するだけでな
く、他の陰イオン性界面活性剤に対して泡安定化剤とし
て作用することが知られており、近年注目されつつあ
る。
以上の高級アルコールとの反応によって製造されるた
め、反応生成物は、未反応高級アルコールを多量に含有
している。従って、界面活性剤として実際に使用する前
には、アルキルグリコシドと未反応高級アルコールを分
離する必要があり、反応生成物から極力、未反応高級ア
ルコールを除去することが望ましい。なぜならば、残存
高級アルコールそれ自体の匂いがアルキルグリコシドを
配合した製品の匂いの悪化につながるからである。
段により分離除去できるが、一般にアルキルグリコシド
の融点は高く、実際にポンプで輸送できるようにするた
めには、加熱により高温にする必要がある。他方、大部
分のアルキルグリコシドの熱安定性は限られており、若
干の熱履歴によっても、生成物の色相が悪化し、糖アル
コールが生成する傾向がある。
の色相の悪化を起こさずに未反応高級アルコールを除去
する方法が研究されており、いくつかの方法が提案され
ている。例えば、未反応高級アルコールを含んだ反応生
成物の薄膜を形成し、比較的高温で短い滞留時間で過剰
のアルコールを蒸発させる方法(特開昭59−5199号、特
開昭58−194902号、特開昭58−194901号各公報)、ある
いは、未反応高級アルコールの留去を二工程で行い、第
1の工程では薄層蒸発器内で、アルコール含量を約40〜
20重量%にし、第2の工程では、短路蒸発器内でアルコ
ール含量を3〜5重量%にする方法(特開昭64−47796
号公報)、更には、場合により、少量の短鎖アルキルグ
リコシド(炭素数1〜5)糖類を存在させ、より低温で
の流動性を改善し、過剰の未反応高級アルコールを蒸発
させる方法(特開昭58−194902号、特開昭58−194901号
各公報)、又、更には760 ミリバールにおける沸点が含
有未反応高級アルコールよりも50℃以上高く、洗浄剤、
乳化剤、洗浄促進剤等としての活性を有する一種又は数
種の粘度減少剤を添加し、アルキルグリコシドの分解温
度より少なくとも20℃低い温度で、過剰の未反応高級ア
ルコールを蒸留除去する方法(特開昭62−192396号公
報)等の提案がなされている。
シドの融点が高いため、未反応高級アルコール蒸留時の
高温での着色を極力抑えるため、滞留時間が短く熱履歴
の小さい薄膜状にして処理する薄膜蒸発機、特には強制
的に薄膜状にするかきとり式蒸発機等を用いるのが望ま
しいとうたっている。
レーター等を設置しても、アルキルグリコシドをはじめ
とする糖分等が飛沫同伴し、留出高級アルコール(以
下、留出アルコールと称す)への混入が避けられず、ま
た特開昭64−47796 号公報に示されるようにアルコール
の留去を、二工程で行っても、第1の工程で未反応高級
アルコールを20重量%迄除去すると、留出アルコール中
への糖分等の飛沫同伴等が生じ、留出アルコールの品質
は良いとは言えない。
存在すると、少量であってもこの留出アルコールを用い
てアルキルグリコシドを製造した場合、アルキルグリコ
シドの色相が悪化したり、アルキルグリコシドを生成す
る反応速度の低下を招き、反応時間が長くなる等の好ま
しからざる結果を引き起こす。かくして、留出アルコー
ルをアルキルグリコシド製造用の原料アルコールとして
再使用するには、何らかの精製を行う必要が出てくる。
それにもかかわらず、先に挙げた従来技術は、いずれ
も、一般にアルキルグリコシドを製造する際、高級アル
コールの過剰系で行い、反応生成物中に多量の未反応高
級アルコールが残存するにもかかわらず、留出アルコー
ルの再使用はうたっておらず、フレッシュなアルコール
のみで製造している。
に薄膜状にして蒸留する蒸発機は、他の蒸発機と比較し
て、伝熱面積当たりの装置コストが高価であり、該蒸発
機一段で未反応高級アルコールを除去するには、伝熱面
積の大きな大型の薄膜蒸発機が必要となったり、あるい
は、何基も必要となったりして、設備費が巨額になる傾
向にある。
アルコールの効率的な除去法及びその時得られる留出ア
ルコールがフレッシュな高級アルコールと同等の品質を
有し、未処理のままで再利用できるアルキルグリコシド
の製造法が望まれていた。
グリコシド反応生成物から熱履歴を極力抑え、過剰の未
反応高級アルコールを効率的に蒸発除去し、しかもこの
除去された高級アルコールはアルキルグリコシド製造の
再使用に耐えうる品質とし、さらには設備費を極力抑え
ることのできる方法について鋭意研究した結果、本発明
を完成させた。
直接反応させるか、又は糖と低級アルコールとを反応さ
せたのち、次いで高級アルコールを反応させて、未反応
高級アルコール含有アルキルグリコシド反応生成物を
得、次いで液膜生成に機械力を必要としない自然液膜蒸
発器を用いて、上記反応生成物より未反応高級アルコー
ルを除去して、未反応高級アルコール含量が5重量%以
下のアルキルグリコシドを製造することを特徴とするア
ルキルグリコシドの製造方法を提供するものである。
成物は周知の反応方法で得られるものであって、糖類と
高級アルコールを酸触媒の存在下に直接反応させる方
法、あるいは予め糖類をメタノール、エタノール、プロ
パノール又はブタノールなどの低級アルコールと反応さ
せ低級アルキルグリコシドとしたのち、高級アルコール
と反応させる方法のいずれの方法で得られたものであっ
てもよい。
なる高級アルコールとしては、下記式(I)で表される
アルコールが挙げられる。
ル基ないしアルケニル基、又はアルキルフェニル基を表
し、A は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nはその
平均値が0〜5の数である。) 本発明に係るアルキルグリコシドの原料となる糖類とし
ては、単糖類、オリゴ糖類あるいは多糖類が使用され
る。単糖類の具体例としては、アルドース類、例えばア
ロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロ
ース、イドース、ガラクトース、タロース、リボース、
アラビノース、キシロース、リキソースなどが挙げられ
る。オリゴ糖類の具体例としては、マルトース、ラクト
ース、スクロース、マルトトリオースなどが挙げられ
る。多糖類の具体例としては、ヘミセルロース、イヌリ
ン、デキストリン、デキストラン、キシラン、デンプ
ン、加水分解デンプンなどが挙げられる。これらのうち
望ましいものは炭素数6以下の還元糖である。
アルキルグリコシドの製造反応は、上記の出発物質を用
い、触媒、反応温度等の条件については公知の方法に従
って行われる(特公昭47−24532 号、 USP第3839318
号、EP第092355号、特開昭59−139397号、特開昭58−18
9195号など)。
た未反応高級アルコールを含有するアルキルグリコシド
反応生成物から、液膜生成に機械力を必要としない自然
液膜蒸発器を用いて、未反応高級アルコールを除去し
て、未反応高級アルコール含量が5重量%以下のアルキ
ルグリコシドを得る。
要としない自然液膜蒸発器としては、処理液がチューブ
又はプレート状の加熱缶の内壁を液膜となって流下する
流下液膜式蒸発器、処理液を加熱缶の下部より供給し、
加熱缶内で沸騰し、気液混相流となりついには薄膜とな
って上昇する上昇液膜式蒸発器等が挙げられる。
により説明する。図1〜3はそれぞれ本発明に用いられ
る自然液膜蒸発器の例を示す略示断面図であり、図1は
1段1パス方式、図2は1段循環方式、図3は多段1パ
ス方式のものである。尚、図中、1は処理液入口、2は
アルコール出口、3はアルキルグリコシド出口である。
膜状にする蒸発器に比べ、アルキルグリコシドをはじめ
とする糖分等の飛沫同伴が少なく、留出高級アルコール
は精製を行わなくても、アルキルグリコシドの製造に用
いることができる。また強制的に薄膜状にする蒸発器の
うち、かき取り式蒸発器等では作動中にかき取り羽根と
蒸発器内壁が接触することにより、かき取り羽根が削ら
れ、その削りかすがアルキルグリコシド中に混入され、
アルキルグリコシドの品質を低下させる可能性が大き
い。その点、自然液膜蒸発器はアルキルグリコシドの品
質を低下させる要因は少ない。
は、アルコールの炭素数や蒸気圧にもよるが、50〜250
℃が好ましく、更に好ましくは80〜200 ℃である。蒸発
温度が250 ℃より高いと色相劣化や平均糖鎖長の成長が
増大し品質上好ましくない。また50℃未満であると、液
の粘度が増大し伝熱効率が悪くなり、アルコールの蒸発
速度が低下する。
生成物から未反応高級アルコールを蒸発除去する際の残
存アルコール濃度は5重量%以下、好ましくは2重量%
以下である。5重量%を越えると、残存アルコール自体
の匂いがアルキルグリコシドを配合した製品の匂いの悪
化につながる。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
g及びパラトルエンスルホン酸1水和物0.66gを2リッ
トル撹拌槽で、温度 110℃、圧力40mmHgで反応を行っ
た。6時間の反応後、反応率が98%に達した。減圧を解
除し、NaOH 0.12gで中和した後、未反応グルコース等
の固形物を濾別し、反応生成物としての濾液を 930g得
た。反応生成物の色相はガードナー1であった。
下式薄膜蒸発器(伝熱面積0.08m2)にて、循環方式で、
循環流量 2.0リットル/min 、 140℃、0.2mmHg で30分
間処理し、アルキルグルコシド 260gと未反応n−デシ
ルアルコール670gとを分離した。得られたアルキルグ
ルコシドの未反応n−デシルアルコールの濃度は1重量
%であった。その35%水溶液の色相はガードナー3であ
った。また留出したn−デシルアルコール中のアルキル
グルコシドの含有量は0重量%であった。
撹拌槽にて130℃、0.1mmHgで 2.5時間処理し、アルキル
グルコシド 260gと未反応n−デシルアルコール 670g
とを分離した。得られたアルキルグルコシドの未反応n
−デシルアルコールの濃度は1重量%であった。その35
%水溶液の色相はガードナー10であった。また留出した
n−デシルアルコール中のアルキルグルコシドの含有量
は0重量%であった。
iped Film Evaporator(神鋼パンテック(株)製、伝熱
面積0.034 m2)に 300ml/min で導入し、160℃、 0.3m
mHgで処理し、アルキルグルコシド 245gと未反応n−
デシルアルコール 685gとを分離した。得られたアルキ
ルグルコシドの未反応n−デシルアルコールの濃度は1
重量%であった。その35%水溶液の色相はガードナー3
であった。また留分アルコール中のアルキルグルコシド
の含有量は 2.5重量%であった。
トルエンスルホン酸1水和物0.94gを2リットル撹拌槽
中で、温度115℃、常圧で生成水を留去しつつ3時間、
加熱還流した。反応系は均一となりブチルグルコシドの
生成を確認した。ここにn−デシルアルコール 790gを
加えて 115〜120 ℃にて徐々に40mmHgまで減圧し、ブタ
ノールを留去した。n−デシルアルコール添加4時間
後、減圧を解除し冷却した後、NaOH 0.2gで中和し、反
応生成物 800gを得た。反応生成物の色相はガードナー
4であった。
な方法で処理し、アルキルグルコシド224 gと未反応n
−デシルアルコール576gとを分離した。得られたアル
キルグルコシド中の未反応n−デシルアルコールの濃度
は1重量%であった。その35%水溶液の色相はガードナ
ー6であった。また留出したn−デシルアルコール中の
アルキルグルコシドの含有量は0重量%であった。
比較例1と同様な方法で処理し、アルキルグルコシド 2
24gと未反応n−デシルアルコール 576gとを分離し
た。得られたアルキルグルコシド中の未反応n−デシル
アルコールの濃度は1重量%であった。その35%水溶液
の色相はガードナー12であった。また留出したn−デシ
ルアルコール中のアルキルグルコシドの含有量は0重量
%であった。
比較例2と同様な方法で処理し、アルキルグルコシド 2
10gと未反応n−デシルアルコール 590gとを分離し
た。得られたアルキルグルコシド中の未反応n−デシル
アルコールの濃度は1重量%であった。その35%水溶液
の色相はガードナー6であった。また留出したn−デシ
ルアルコール中のアルキルグルコシドの含有量は 2.3重
量%であった。
とめて示す。
反応高級アルコール中へのアルキルグリコシド及び糖の
飛沫同伴が少ない為、精製を行わなくてもアルキルグリ
コシド製造のための原料アルコールとして再使用が可能
である。また、機械力を必要としない為、装置の構造や
取り扱い等が簡便であり、伝熱面積当たりの装置コスト
は強制薄膜蒸発装置に比べて安い。更に、薄膜状態で未
反応高級アルコールを蒸発させることにより、熱履歴が
小さく、高温での着色を極力抑えることができる。
す1段1パス方式の蒸発器の略示断面図である。
す1段循環方式の蒸発器の略示断面図である。
す多段1パス方式の蒸発器の略示断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 糖と高級アルコールとを直接反応させる
か、又は糖と低級アルコールとを反応させたのち、次い
で高級アルコールを反応させて、未反応高級アルコール
含有アルキルグリコシド反応生成物を得、次いで液膜生
成に機械力を必要としない自然液膜蒸発器を用いて、上
記反応生成物より未反応高級アルコールを除去して、未
反応高級アルコール含量が5重量%以下のアルキルグリ
コシドを製造することを特徴とするアルキルグリコシド
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3058596A JP3021721B2 (ja) | 1991-03-22 | 1991-03-22 | アルキルグリコシドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH04295490A JPH04295490A (ja) | 1992-10-20 |
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JP3058596A Expired - Fee Related JP3021721B2 (ja) | 1991-03-22 | 1991-03-22 | アルキルグリコシドの製造方法 |
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Country | Link |
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-
1991
- 1991-03-22 JP JP3058596A patent/JP3021721B2/ja not_active Expired - Fee Related
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