JP3021457U - 防災マスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着用容易で防災効果の高い、低コストの家庭
用防災マスクを提供する。 【解決手段】 耐火アルミコーティングの難燃布製頭巾
体１に頭部防護用の緩衝撃ダンパー２、広視野の透明耐
熱性覗き窓３、防煙フィルター４を有する複数の通気孔
部及び下部遮蔽布５を取着して防災マスクを構成し、更
に、小型で取扱簡易な照明具６及び音響器７を装備す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、地震、火災等の災害発生時に建物の倒壊や火災から人間の頭部を 防護し、避難するための頭巾式防災マスクに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の頭巾式防災マスクは、防災効果としての耐衝撃性、耐熱性等の特性を有 する部材を用いて、一定時間、人体の頭部を防護するもので、それぞれの特性を 高めた専用品や、他の用途、例えば買物袋や蒲団等に防災機能を追加するか、又 は内臓する等兼用化することによって利用度を拡げようとしたものが多い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような従来の専用品の場合は、防災効果としての特性は 優れているが、取扱いが容易でないため緊急の際に突差に着用又は操作ができな いとか、特殊材料を必要としたり、構造上複雑化するためコスト高になる等の欠 点があり、他の用途と兼用化したものの場合は全般に防災効果が低く、耐熱性が 十分でも防煙性が不足等効果のバランスに欠けるものが多く、防災効果を高めよ うとするとコスト高となり、取扱いが煩雑となる等、一般家庭用としては好まし くないという問題があった。

【０００４】 そこで本考案は、上述した従来の欠点や問題点を解決するため、子供でも容易 に着用し取扱うことができ、低コストでバランスのとれた防災効果を発揮するほ か、迅速な避難や救助にも役立つ一般家庭用として好適な防災マスクを提供する ことを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案に係る防災マスクは、耐火性外被を有する難 燃布製頭巾体であって、その頂部に緩衝撃材より成るダンパーを、前面に透明耐 熱材製の覗き窓を、複数の通気孔部に防煙フィルターを、顎部に対向する内周位 置に遮蔽布を縫着し、更に照明具と音響器とを装備したものである。

【０００６】 上記のように構成したので、本考案に係る防災マスクは、災害発生時に迅速に 着用することができ、被災者が避難するまでの間に必要な防災効果をバランス良 く維持できるとともに、照明具や音響器の操作により避難の誘導や救助活動にも 有効な役割を果たすことができる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態について図面を参照して説明する。 図１は本考案に係る防災マスクの偏面部分断面図及び正面図であり、図２は同 じく人体頭部に着用した状態を示す側断面図である。 図１において、頭巾体１は耐火性コーティングを施した難燃性布を裁断縫製し たものであって、本実施例では耐火用アルミニュームコーティング・ゴム引布で あって東京消防庁防火被服仕様・耐熱試験１級麻検第Ｂ−２０６５−１号に該当 するものを使用した。頭巾体１の頂部内測にはダンパー２としてフェルト又はポ リウレタン等の緩衝撃性に優れた部材であって、頭巾体１の頂部形状に適合する ように整形したものを縫着する。前面開口部には透明耐熱材より成る覗き窓３を 縫着するが、本実施例では市販のポリエーテルサルホン製透明フィルムを使用し た。頭巾体１の前面及び両側面に多数の小孔を穿設して形成した通気孔部１ａ， １ｂ，１ｃの内側に防煙フィルター４を縫着する。該防煙フィルター４としては 活性炭を含んだ特殊三重構造のものが市販されている。また、頭巾体１の下部内 側の、着用時に顎部に対向する内周位置に、筒状の遮蔽布５の上端部５ａを隙間 なく縫着し、下端部５ｂには、その径を伸縮自在にするためにゴム紐等が挿入さ れており、頭巾体１を頭部に着用した時に該下端部５ｂが頸部に密着し得るよう に形成されている（図２参照）。この場合の遮蔽布５は頭巾体１の下方から侵入 する煙を遮断するとともに、避難を終えるまでの間、最少限の吸気を保つための ものであって、頭巾体１により外界から保護されているため耐火、耐熱性等の特 性を有する布を使用しなくてもよい。更に、頭巾体１の外側面にはポケット１ｄ が設けられており、万年筆型等の小型携帯照明具６が着脱可能に挿着されている 。一方、頭巾体１の正面下部内側にはポケット１ｅが設けられており、電池式ブ ザー等の小型音響器が装備され、容易に脱落しないようにポケット１ｅの挿入口 はゴム紐等で閉じられている。なお、上記頭巾体１の縫製及び各構成物の縫着の 際に使用するミシン糸は耐熱性及び難燃性のコーネックスミシン糸を採用した。

【０００８】 上記のように構成した防災マスクは、折り畳んだ状態で手軽に保管ができ、ま た携帯も可能であって、災害発生の際には頭上から被り、遮蔽布５の下端部５ｂ を頸部まで引き降ろすことにより数秒程度で迅速確実に着用することができる。 そして、被災者が災害発生場所から安全な場所まで避難する僅か数分間の安全を 保つべき最も重要な時に、頭巾体１により炎や熱を遮断し、ダンパー２により落 下物の衝撃から頭部を防護し、防煙フィルターを経由した通気により煙の吸込み を防止して、必要とする十分な防災効果をバランス良く持続させることができる 。その間、前面の覗き窓から広範囲な視野が確保され迅速な避難行動が可能とな る。更に、暗夜の災害時や停電時には、挿着してある照明具６を抜き取って使用 することにより安全に避難することができるだけでなく、他の被災者の誘導にも 役立てることができる。また、装備したブザー等の音響器７を動作させることに より、被災者の所在位置を知らせ、迅速な救助活動を促進させることができる。 この場合、図１に示すように、音響器７としてスイッチ紐７ａを有するものを使 用すれば、該スイッチ紐７ａを単に引張りスイッチキーを引き抜くのみで音響器 ７を連続的に鳴動させることができるので、子供でも容易に操作することができ るという利点がある。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、以下に記載されるような効果を奏する 。 本考案により、一般家庭用として手軽に保管又は携帯が可能で、地震や火災等 の災害発生時に子供でも容易に着用できるとともに、災害発生場所から避難し終 えるまでの間に、バランスのとれた防災効果を発揮し、更に、照明具や音響器を 利用して避難や救助の迅速化も期待できる低コストの防災マスクを提供すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る防災マスクの実施例を示す側面部
分断面図及び正面図である。

【図２】本考案に係る防災マスクの着用状態を示す側断
面図である。

【符号の説明】

１ 頭巾体 ２ ダンパー ３ 覗き窓 ４ 防煙フィルター ５ 遮蔽布 ６ 照明具 ７ 音響器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 耐火性外被を有する難燃布より成る頭巾
   体であって、該頭巾体の頂部内側に緩衝撃材より成るダ
   ンパーを、前面開口部に透明耐熱材より成る覗き窓を、
   複数箇所に形成した通気孔部内側に防煙フィルターをそ
   れぞれ取着するとともに、前記頭巾体の着用時顎部に対
   向する内周位置に、下端部を頸部に密着するように伸縮
   自在に形成した筒状遮蔽布の上端部を隙間なく縫着し、
   更に、外側面に照明具を着脱可能に挿着し、前面下部内
   側に音響器を装着したことを特徴とする防災マスク。