JP3205324U - 防護マスク及び防護マスクユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】災害時に容易に装着することができ、しかも、装着するだけで少なくとも有毒ガスや煙の体内への侵入を確実に緩和できる防護マスク、及び、災害を検知して防護マスクの保管場所を確実に報知する防護マスクユニットを提供する。【解決手段】防護マスク1は、防火材で形成された可撓性の基材2に、視認部7と、呼吸部10と、頭部保護部30と、を備え、呼吸部は、有毒ガスや煙の体内への侵入を緩和するフィルター部11を備え、フィルター部は除去することでフィルター機能が活性化するセパレータ17を備え、使用時にはセパレータを除去しフィルター部を介して防護マスク内外の空気を互いに流通自在に形成する。防護マスクユニットは、建物の天井等に配設される災害検知器と、防護マスクの保管場所近傍に配設される点灯型報知器と、で構成される。【選択図】図1
Description
この考案は、災害時に容易に装着することができ、しかも、装着するだけで少なくとも有毒ガスや煙の体内への侵入を確実に緩和できる防護マスク、及び、災害を検知して防護マスクの保管場所を確実に報知する防護マスクユニットに関する。
従来より、火災や地震等の災害が発生した際、煙や有毒なガス、炎、落下物等から身体を防護しながら避難するための装着具が種々考案されており、中でも、特に防護が必要な頭部と顔面に特化した装着具は避難の際に最も重要な役割を果たす。
例えば、特許文献1に記載の防毒頭巾マスクでは、伸張性を備え、且つ耐熱性及び耐火性材料である基材を用いることで、頭部から首にかけて略密着して装着でき、しかも、呼吸の際に有毒なガスや煙を体内に取り込まないようフィルター構造を備えている。
また、特許文献2に記載の常備用防災具では、頭部を保護する安全帽の下端縁に防災フードを連接して頭部から首までを被覆可能とし、安全帽に配設された照明手段を点灯自在とする小型バッテリーを安全帽の所定箇所に内蔵している。
更に、防災フードには携帯電話やラジオ等の情報機器を収納自在に設けており、上述した小型バッテリーとの接続により該機器を使用可能に構成している。
しかしながら、特許文献1に係る防毒頭巾マスクでは、伸張性を備えた基材により顔面や頭部に基材が略密着しフィルター構造も備えることで有毒ガスや煙に対する防護が図られ、しかも、顔面や頭部への火傷を防止できる点では一定の効果が期待できるものの、基材を頭部に略密着させる構造により、頭部を保護するための機構を備えることが困難となり、落下物に対する防護については期待できなかった。
また、該マスクは装着することで基材に頭部等が略密着する構造により、装着の際には開口部を手で拡開しながら頭部を挿入し、首に向かって押し下げる必要があるが、精神的に動転しがちな災害時に間違いなく適切に装着することができるのか問題であった。
また、災害が発生していない平常時に防毒頭巾マスクを所定箇所に保管しておいても、フィルターを構成する活性炭等の部材が経時的に劣化するため、災害時に適切なフィルター機能を発揮できるか疑問があった。
この場合、例えば、フィルター部材に劣化防止用の被覆材等を貼着し、使用時に剥離除去することも検討されるが、災害時における不安定な精神状態で装着した万人が被覆部材の除去に思い至るか、または、短時間で適切に除去できるか問題である。
また、特許文献2に係る常備用防災具では、災害時の避難の際に携帯電話やラジオ等の情報機器のバッテリーが消耗したとしても、小型バッテリーを使用することで該機器の使用が可能となり、状況判断や外部との通信が可能となる点で一定の効果が期待できる。
しかしながら、このような状況は火災以外の災害時にその発生場所に長時間取り残された際の非常手段ではあるが、火災が発生した場合には一刻も早く安全な場所に移動することが求められるため、該防災具の機能を発揮できる機会は限定的であった。
また、夜間や火災時の煙による視界不良の際には、該防災具に配設された照明は一定の効果が期待できるが、災害時に一刻も早く避難することが求められる不安定な精神状態で装着した万人が照明の存在に思い至るか、または、照明のスイッチを短時間で適切にON状態にして点灯させることができるか非常に問題である。
更に、特許文献1,2に係る防毒頭巾マスクや常備用防災具は、災害に備えて保管しておいても、常日頃の避難訓練等でその保管場所を確実に認識していなければ、実際に災害が発生した際、万人が迷うことなく迅速に保管場所に辿り着き、装着できるか疑問があった。
特に、夜間や火災時の煙による視界不良の際にこれら防毒頭巾マスクや常備用防災具の保管場所を把握することは非常に困難であり、実用面で大きな問題があった。
本考案は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、災害時に容易に装着することができ、しかも、装着するだけで少なくとも有毒ガスや煙の体内への侵入を確実に緩和できる防護マスク、及び、災害を検知して防護マスクの保管場所を確実に報知する防護マスクユニットを提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本考案は以下のようなものを提供する。
請求項1に係る考案では、災害時に顔面及び頭部を一体に被覆して保護する防護マスクであって、防火材で形成された可撓性の基材に、視認部と、呼吸部と、頭部保護部と、を備え、前記視認部は防護マスク内側から目視により防護マスク外側を視認可能な透過性を有する耐熱材で形成し、前記呼吸部は、有毒ガスや煙の体内への侵入を緩和するフィルター部を備え、前記フィルター部は除去することでフィルター機能が活性化するセパレータを備え、使用時には前記セパレータを除去し前記フィルター部を介して防護マスク内外の空気を互いに流通自在に形成し、前記頭部保護部は外部から頭部への機械的衝撃を緩和する緩衝材で形成し、しかも、前記呼吸部は紐状のセパレータ分離部を備え、前記セパレータ分離部の一方の端部は前記セパレータと連結し、他方の端部にはセパレータ連結係止部を備えることで、前記セパレータ連結係止部により前記セパレータ分離部を防護マスクの保管場所近傍に係止することで防護マスクの前記保管場所から防護マスクを前記セパレータ分離部の長さに応じて所定距離だけ離間させると前記セパレータが前記フィルター部から分離するように構成したことを特徴とする防護マスク。
請求項2に係る考案では、前記フィルター部は含水した繊維材からなる湿潤な濡れ部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の防護マスク。
請求項3に係る考案では、前記基材に照明部を備え、前記照明部は前記視認部から視認される外部への視界に向けて照射される蓄電池により発光する光源を有し、しかも、前記照明部は紐状の照明スイッチ起動部を備え、前記照明スイッチ起動部の一方の端部は前記照明部の起動スイッチと着脱自在に連結し分離することで前記光源を発光状態とし、他方の端部には起動スイッチ連結係止部を備えることで、前記起動スイッチ連結係止部により前記照明スイッチ起動部を防護マスクの前記保管場所近傍に係止することで防護マスクの前記保管場所から防護マスクを前記照明スイッチ起動部の長さに応じて所定距離だけ離間させると前記照明スイッチ起動部の前記一方の端部が前記起動スイッチから分離して前記光源が発光するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の防護マスク。
請求項4に係る考案では、前記照明スイッチ起動部の前記一方の端部には前記照明部の電気配線の中途部を遮断する絶縁材料からなる絶縁体を備え、前記絶縁体の除去により前記電気配線が導通して前記光源が発光するように前記起動スイッチを構成したことを特徴とする請求項3に記載の防護マスク。
請求項5に係る考案では、紐状の手袋連結部を備え、前記手袋連結部の一方の端部に防熱手袋を連接し、他方の端部を防護マスクの前記基材に連接したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防護マスク。
請求項6に係る考案では、請求項1乃至5に記載の防護マスクと、建物の天井等に配設され火災や地震を検知する災害検知器と、前記防護マスクの保管場所近傍に配設される点灯型報知器と、で構成された防護マスクユニットであって、前記災害検知器が災害を検知すると前記点灯型報知器が作動して少なくとも光により災害の発生を報知すると共に前記防護マスクの前記保管場所を知らしめるように構成したことを特徴とする防護マスクユニット。
請求項1記載の考案によれば、災害時に顔面及び頭部を一体に被覆して保護する防護マスクであって、防火材で形成された可撓性の基材に、視認部と、呼吸部と、頭部保護部と、を備え、視認部は防護マスク内側から目視により防護マスク外側を視認可能な透過性を有する耐熱材で形成し、呼吸部は、有毒ガスや煙の体内への侵入を緩和するフィルター部を備え、フィルター部は除去することでフィルター機能が活性化するセパレータを備え、使用時にはセパレータを除去しフィルター部を介して防護マスク内外の空気を互いに流通自在に形成し、頭部保護部は外部から頭部への機械的衝撃を緩和する緩衝材で形成し、しかも、呼吸部は紐状のセパレータ分離部を備え、セパレータ分離部の一方の端部はセパレータと連結し、他方の端部にはセパレータ連結係止部を備えることで、セパレータ連結係止部によりセパレータ分離部を防護マスクの保管場所近傍に係止することで防護マスクの保管場所から防護マスクをセパレータ分離部の長さに応じて所定距離だけ離間させるとセパレータがフィルター部から分離するように構成したことより、災害発生時に保管場所から防護マスクを取り出すだけで、自らセパレータを除去しなくてもセパレータが自動的に除去されるので、災害時の不安定な精神状態であってもフィルター部が活性化し確実にフィルター機能を発揮することができる。
請求項2記載の考案によれば、フィルター部は含水した繊維材からなる湿潤な濡れ部を備えたことより、簡易な構造でフィルター部を構成できるので防護マスクを安価に製造でき、しかも、有毒ガスや煙の粒子の体内への侵入量を確実に緩和することができる。
請求項3記載の考案によれば、基材に照明部を備え、照明部は視認部から視認される外部への視界に向けて照射される蓄電池により発光する光源を有し、しかも、照明部は紐状の照明スイッチ起動部を備え、照明スイッチ起動部の一方の端部は照明部の起動スイッチと着脱自在に連結し分離することで光源を発光状態とし、他方の端部には起動スイッチ連結係止部を備えることで、起動スイッチ連結係止部により照明スイッチ起動部を防護マスクの保管場所近傍に係止することで防護マスクの保管場所から防護マスクを照明スイッチ起動部の長さに応じて所定距離だけ離間させると照明スイッチ起動部の一方の端部が起動スイッチから分離して光源が発光するように構成したことより、災害発生時に保管場所から防護マスクを取り出すだけで、自ら照明部のスイッチをON状態にすることなく照明部の光源を発光させることができるので、災害時の不安定な精神状態であっても確実に照明部を機能させることができる。
請求項4記載の考案によれば、照明スイッチ起動部の一方の端部には照明部の電気配線の中途部を遮断する絶縁材料からなる絶縁体を備え、絶縁体の除去により電気配線が導通して光源が発光するように起動スイッチを構成したことより、簡易でシンプルな構造で起動スイッチを構成できるので防護マスクを安価に製造でき、しかも、通常時の点灯確認作業を容易に行うことができるので簡便に取り扱うことができる。
請求項5記載の考案によれば、紐状の手袋連結部を備え、手袋連結部の一方の端部に防熱手袋を連接し、他方の端部を防護マスクの基材に連接したことより、災害時に防護マスクを装着すれば確実に防熱手袋の存在を認識でき、避難時に該手袋を装着することで、火災により高温となったドアノブを火傷することなく操作したり、怪我することなく瓦礫を除去しながら避難することができる。
請求項6記載の考案によれば、請求項1乃至5に記載の防護マスクと、建物の天井等に配設され火災や地震を検知する災害検知器と、防護マスクの保管場所近傍に配設される点灯型報知器と、で構成された防護マスクユニットであって、災害検知器が災害を検知すると点灯型報知器が作動して少なくとも光により災害の発生を報知すると共に防護マスクの保管場所を知らしめるように構成したことより、防護マスクの保管場所を認識していなくても確実に防護マスクを見つけて避難することができる。
本考案に係る防護マスクの要旨は、災害時に顔面及び頭部を一体に被覆して保護する防護マスクであって、防火材で形成された可撓性の基材に、視認部と、呼吸部と、頭部保護部と、を備え、視認部は防護マスク内側から目視により防護マスク外側を視認可能な透過性を有する耐熱材で形成し、呼吸部は、有毒ガスや煙の体内への侵入を緩和するフィルター部を備え、フィルター部は除去することでフィルター機能が活性化するセパレータを備え、使用時にはセパレータを除去しフィルター部を介して防護マスク内外の空気を互いに流通自在に形成し、頭部保護部は外部から頭部への機械的衝撃を緩和する緩衝材で形成し、しかも、呼吸部は紐状のセパレータ分離部を備え、セパレータ分離部の一方の端部はセパレータと連結し、他方の端部にはセパレータ連結係止部を備えることで、セパレータ連結係止部によりセパレータ分離部を防護マスクの保管場所近傍に係止することで防護マスクの保管場所から防護マスクをセパレータ分離部の長さに応じて所定距離だけ離間させるとセパレータがフィルター部から分離するように構成したことを特徴とする。すなわち、災害時に容易に装着することができ、しかも、装着するだけで少なくとも有毒ガスや煙の体内への侵入を確実に緩和できる防護マスクの提供を図ろうとするものである。
また、本考案に係る防護マスクユニットの要旨は、防護マスクと、建物の天井等に配設され火災や地震を検知する災害検知器と、防護マスクの保管場所近傍に配設される点灯型報知器と、で構成された防護マスクユニットであって、災害検知器が災害を検知すると点灯型報知器が作動して少なくとも光により災害の発生を報知すると共に防護マスクの保管場所を知らしめるように構成したことを特徴とする。すなわち、災害を検知して防護マスクの保管場所を確実に報知する防護マスクユニットの提供を図ろうとするものである。
以下、本考案に係る防護マスク及び防護マスクユニットの実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
[防護マスクの実施形態]
本考案の実施形態に係る防護マスク1は、図1(a)〜(c)に示すように、防火材で形成された可撓性の基材2に、視認部7と、呼吸部10と、頭部保護部30と、を備え、視認部7は防護マスク1内側から目視により防護マスク1外側を視認可能な透過性を有する耐熱材で形成し、呼吸部10は、有毒ガスや煙の体内への侵入を緩和するフィルター部11を備え、フィルター部11は除去することでフィルター機能が活性化するセパレータ17を備え、使用時にはセパレータ17を除去しフィルター部11を介して防護マスク1内外の空気を互いに流通自在に形成し、頭部保護部30は外部から頭部への機械的衝撃を緩和する緩衝材で形成している。
本考案の実施形態に係る防護マスク1は、図1(a)〜(c)に示すように、防火材で形成された可撓性の基材2に、視認部7と、呼吸部10と、頭部保護部30と、を備え、視認部7は防護マスク1内側から目視により防護マスク1外側を視認可能な透過性を有する耐熱材で形成し、呼吸部10は、有毒ガスや煙の体内への侵入を緩和するフィルター部11を備え、フィルター部11は除去することでフィルター機能が活性化するセパレータ17を備え、使用時にはセパレータ17を除去しフィルター部11を介して防護マスク1内外の空気を互いに流通自在に形成し、頭部保護部30は外部から頭部への機械的衝撃を緩和する緩衝材で形成している。
このように、防護マスク1は、簡易な構造でありながら装着しても視界を確保でき、呼吸も可能であるため、災害時であっても容易に装着でき、更に、避難時に少なくとも頭部や顔面を炎や瓦礫等から保護でき、しかも、落下物から頭部を保護することができる。なお、図2(b)は本実施形態に係る防護マスク1を装着した様子を示している。
また、呼吸部10は紐状のセパレータ分離部21を備え、セパレータ分離部21の一方の端部22はセパレータ17と連結し、他方の端部23にはセパレータ連結係止部24を備えている。
なお、本実施形態に係る防護マスク1の保管場所Aは、図3(a)に示すような前面開口で2段に形成された外観視矩形箱状の保管棚aに頭部保護部30が下方となる向きで保管したり、図8に示すような上方開口で仕切板71を備えた箱体70に視認部7が上方となる向きで保管したり、図9(a)、(b)に示すような壁面S等に吊着して保管する等して、保管棚aの背板a1や壁面S等に、図3(b)や図8、図9(a)、(b)に示すようなJ字状フックa2を配設している。
従って、セパレータ連結係止部24によりセパレータ分離部21を防護マスク1の保管場所Aに配設したJ字状フックa2に係止することで防護マスク1の保管場所Aから防護マスク1をセパレータ分離部21の長さに応じて所定距離だけ離間させるとセパレータ17がフィルター部11から分離する。
このように、防護マスク1は、保管場所Aから防護マスク1を取り出して装着する際に自動的にセパレータ17が除去されるので、災害時の不安定な精神状態であっても確実にフィルター機能を発揮させて呼吸機能を害することなく安全に避難することができる。
なお、本実施形態に係る防護マスク1では、照明部40や防熱手袋65を備え、視界不良の環境下における避難時の照明、及び高温の建具や危険な瓦礫等から手を保護する手袋として有効な機能を有している。
以下、本実施形態に係る防護マスク1の各部の構造について具体的に詳述する。
まず、防護マスク1の骨格をなす基材2は、図1(a)〜(c)、図2(a)に示すように、底部に開口を有する有底筒状の本体部3と、本体部3の開口縁から対向して両外側に伸延する肩防護部4,4と、肩防護部4,4を形成しない開口縁の前方から垂下した首防護部5と、を備えている。
基材2は、可撓性を備えたシート状の防火材からなり、上端部を凸状に湾曲させ、下端部の開口までを筒状に形成して本体部3をなしている。本体部3の前方上部には開口を形成して視認部7を配設し、視認部7の直下にも開口を形成して呼吸部10を配設している。
また、本体部3の上部内側面にはヘルメット状の頭部保護部30を配設し、本体部3の左右側部には各々照明部40,40を配設している。なお、照明部40の配設箇所や個数は本実施形態に限定されるものではない。
また、肩防護部4,4は基材2からなり略長方形状に形成し、防護マスク1装着時に装着者Mの両肩を上方から被覆して保護し、首防護部5も基材2からなり略半円弧状に形成し、装着者Mの首や胸の上部を保護する。
また、防熱手袋65は、紐状の手袋連結部66の一方の端部に連接し、他方の端部を肩防護部4,4の下側面に連接して防護マスク1と一体に構成している。
このように、防護マスク1は基材2に各部を備え、災害時の避難時に各々の機能を果たすことで安全で迅速な避難を可能としている。
各部の構造をより具体的に説明すると、基材2は防火材として防炎加工や難燃加工された可撓性を有する生地または合成樹脂材からなり、例えば、ポリエステル繊維を難燃剤に浸漬させ乾燥させることで難燃剤を繊維に固着させたり、防炎スプレーを基材2の表面に噴霧することができる。
視認部7は、防護マスク1内側から目視により防護マスク1外側を視認可能な透過性を有するシート状の耐熱材を横長の長方形状に形成し、本体部3に穿設した略同形状の開口を視認部7により閉塞するようにして基材2に接続している。耐熱材は、例えば、硬質塩化ビニル樹脂やポリカーボネート樹脂や強化ガラス等が挙げられる。
呼吸部10は、図4(a)〜(d)に示すように、有毒ガスや煙の粒子の体内への侵入を緩和するフィルター部11を備え、フィルター部11は前後フィルター12,13と、空気や水分を遮断するセパレータ17で被覆された含水した繊維材からなる湿潤な濡れ部16とからなり、使用時にはセパレータ17を除去して濡れ部16を露出させ、フィルター部11を介して防護マスク1内外の空気を互いに流通自在に形成している。
なお、呼吸部10は、少なくとも装着者Mの口に近接して呼吸ができるように形成しているが、本実施形態に係る防護マスク1では装着者Mの鼻にも近接して鼻呼吸を可能なように構成している。
更に、呼吸部10は紐状のセパレータ分離部21を備え、セパレータ分離部21の一方の端部22はセパレータ17と連結し、他方の端部23にはセパレータ連結係止部24を備えている。
本実施形態に係る防護マスク1では、フィルター部11は、図4(a)、(b)に示すように、矩形状の前フィルター12と後フィルター13と濡れ部16とで構成し、濡れ部16は矩形袋状のセパレータ17により被覆されている。また、前後フィルター12,13は、本体部3に穿設した略同形状の開口の開口縁を前後フィルター12,13の外縁部で挟持し縫合14により開口を閉塞するように基材2と接続している。
前後フィルター12,13と基材2との縫合14においては、セパレータ17を除去する際にセパレータ17を排出するためのセパレータ排出部15を形成するために、図4(b)に示すように、前後フィルター12,13の外縁部の左右一方の辺の中央部は基材2と縫合せず、この未縫合部分をセパレータ排出部15としている。
前フィルター12は、防炎加工や難燃加工された可撓性を有する生地または合成樹脂材からなり、例えば、ポリエステル繊維を難燃剤に浸漬させ乾燥させることで難燃剤を繊維に固着させることができる。また、後フィルター13は、通気性の良い不織布により形成している。
また、セパレータ17で被覆された濡れ部16は、前後フィルター12,13間に収納される。濡れ部16は、繊維状のガーゼに水分を含水したものであり、本実施形態に係る濡れ部16は、綿100%のガーゼに対し、主剤として精製水と、消毒剤として塩酸ポリヘキサニドと、抗菌・防カビ剤としてブチカルバミン酸ヨウ化ブロニビルと、を適量含有し、ガーゼから水分が滴下しない程度に含水させている。
このように構成した濡れ部16は、防護マスク1の装着者Mが呼吸部10を介して外気を吸引する際に、有毒ガスや煙の粒子を濾過する役割を果たす。
従って、外気を吸引する場合、埃等の大きな粒子は前フィルター12で集塵され、前フィルター12を通過した有毒ガスや煙の細かい粒子は濡れ部16で集塵される。濡れ部16を通過した清浄な空気は後フィルター13を通過して装着者Mの体内へと吸引される。
また、呼吸により装着者Mが吐き出す気体等は、後フィルター13から濡れ部16を介して前フィルター12を通過し、防護マスク1の外部に排出される。この場合、後フィルター13は、装着者Mの鼻や口が濡れ部16に直に接触せず、装着者Mの唾や痰等を濡れ部16に付着させないだけでなく、濡れ部16を防護マスク1に略固定させるための機能を果たす。
また、濡れ部16を被覆するセパレータ17は、空気や水分、ガス等の流通を遮断する材料、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂材により袋状に形成して濡れ部16を密封する。図4(c)に示すように、セパレータ17の左右一方の辺の中央部には紐状のセパレータ分離部21の一方の端部22が連結可能なように外側に凸状の連結部18を形成し、連結部18にはセパレータ分離部21を挿通して結束可能な挿通孔19を穿設している。
連結部18と対向するセパレータ17の他方の辺は、セパレータ17を連結部18側に引き抜く際に容易に破断するよう脆弱部20を形成している。脆弱部20は、例えば、セパレータ17を袋状に溶着する際に溶着温度や溶着幅等の製造条件を調整することで形成することができる。
また、セパレータ分離部21の他方の端部23には金属製で円環状のセパレータ連結係止部24を備えており、防護マスク1の保管場所A近傍に形成されたJ字状フックa2等に容易に係止することができる。
なお、セパレータ連結係止部24の形状や構造については本実施形態に限定されるものではなく、例えば、J型フックであったり、スプリングフックであったり、本考案の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能であり、当然にセパレータ分離部21の他方の端部23をそのまま結束して使用する場合であっても該端部23がセパレータ連結係止部24となることは言うまでもない。
呼吸部10を上述のように構成することで、防護マスク1を保管場所Aから取り出す際に、図4(d)に示すように、セパレータ分離部21の長さを超えた時点でセパレータ分離部21が直線状に緊張しつつ濡れ部16を被覆していたセパレータ17が脆弱部20を起点として破断し、前後フィルター12,13に形成したセパレータ排出部15からセパレータ17が排出される。
従って、防護マスク1を保管場所Aから取り出すだけでセパレータ17が除去され、フィルターとして活性化した新鮮な濡れ部16により、有毒ガスや煙の粒子から装着者Mを保護することができる。
なお、本実施形態に係るフィルター部11では濡れ部16を採用しているが、フィルター部11の構造や形状等はこれに限定されるものではなく、濡れ部16の水分を如何なる性質の液体で構成してもよく、また、濡れ部16の代わりにフィルターとして機能するもの、例えば、活性炭入りの乾燥した不織布等を用いたり、矩形状ではなく円形状に形成したり、セパレータ17の脆弱部20を他の方法で形成したり等、本考案の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
また、本考案に係るセパレータの語は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、フィルターとして機能する乾燥したガーゼを隣接配置した風船状の袋体に水分を内包し、袋体と連結した紐状のセパレータ分離部21を引き剥がすことで袋体が破断するように構成した場合であっても、破断する袋体の破断箇所がセパレータとなることは言うまでもなく、セパレータの除去によりフィルターが活性化する構成であれば本考案の要旨の範囲内である。
頭部保護部30は、図5(a)、(b)に示すように、装着者Mの頭部から両耳までを囲繞する緩衝材として合成樹脂材からなるヘルメット状に形成し、本体部3の上部内側面に配設している。使用される合成樹脂材は、例えば、耐熱性や耐候性に優れたFRP材やPC材等を用いることができる。
頭部保護部30は、滑らかに湾曲した頭部囲繞部31と、両耳を囲繞する耳囲繞部32,32と、で構成され、耳囲繞部32,32には複数の通音孔33を穿設すると共に、内側面にはウレタン等を円盤状に形成した耳緩衝材34を貼着している。
このように耳囲繞部32を形成することで、耳緩衝材34により装着者Mの耳の圧迫を緩和し、通音孔33を介して外部の音を聞き易くしている。なお、耳緩衝材34は通音孔33を通じて聞こえる音を更に鮮明にするために通音孔33と連通した複数の孔35を穿設したり、発泡密度を祖にして形成してもよい。また、耳囲繞部32に当接する本体部3の基材2に細かい孔を穿設してもよい。
また、頭部囲繞部31の内側壁には、頭部と頭部囲繞部31との間で別途の緩衝材としての役割を果たすウレタン等で形成した頭部緩衝材を貼着してもよい。この場合、頭上からの落下物に対して頭部囲繞部31が緩衝材として頭部を保護するばかりか、頭部緩衝材によっても更なる保護を行うことができる。
なお、本実施形態に係る頭部保護部30は頭部囲繞部31と耳囲繞部32とが一体となったヘルメット状に形成しているが、頭部保護部30の構造や形状等はこれに限定されるものではなく、例えば、耳囲繞部32を省略したり、分割した片部を紐状部材で各々連結してヘルメット状に形成したり、ウレタン等で形成した頭部緩衝材のみで柔軟性のある頭部保護部30を形成したり等、本考案の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
従って、防護マスク1は、図5(a)、(b)に示すような定型化したヘルメット状である必要がないため、例えば、小粒のウレタン等を扁平状の袋体に充填して形成した頭部緩衝材のみで柔軟性のある頭部保護部30を形成すれば、図8や図9(b)に示すように保管場所Aへの収納時に収納スペースを狭小に抑えることができる。
照明部40は、本体部3の左右側部に各々配設され、図6(a)〜(c)に示すように、視認部7から視認される外部への視界に向けて照射される蓄電池46により発光する光源51を有している。
また、照明部40は紐状の照明スイッチ起動部55を備え、照明スイッチ起動部55の一方の端部56は照明部40の起動スイッチ49と着脱自在に連結し分離することで光源51を発光状態とし、他方の端部57には起動スイッチ連結係止部58を備えている。
更に、照明スイッチ起動部55の一方の端部56には照明部40の電気配線の中途部を遮断する絶縁材料からなる絶縁体50を備え、絶縁体50の除去により電気配線が通電して光源51が発光するように起動スイッチ49を構成している。
具体的には、照明部40は、図6(b)に示すように、外形をなす有底円筒状で金属や合成樹脂の難燃性材料からなる筐体41と、配線部43と、蓄電池46と、光源51等が実装された回路基板53と、反射板54と、で構成し、筐体41の外周部に形成した図示しない固定部を介して基材2に縫合することで固定している。
なお、基材2への照明部40の固定方法については、例えば、基材2の外周部に照明部40を収納可能な収納部を形成して収納したり等、本考案の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
筐体41の周壁中途部には径方向に開口した絶縁体挿通孔42を穿設している。絶縁体挿通孔42は後述する絶縁体50を挿抜自在に形成している。
配線部43は、蓄電池46のマイナス端子側47と当接して導通するバネ材からなるマイナス端子部44を有すると共に、蓄電池46のプラス端子側48と当接して導通する板状で断面視L字状のプラス端子部45を有し、マイナス端子部44とプラス端子部45は各々回路基板53に接続され、光源51に通電することで発光する。
なお、本実施形態に係る照明部40では、光源51としてLED発光素子を用いているが、電気抵抗によりニクロム線が発光する電球であっても、その他如何なる光源であっても本考案の要旨の範囲内であり、光源51から照射される光52は、擂鉢状で前方拡開状の反射板54により拡散しながら前方を照射する。
筐体41に形成された絶縁体挿通孔42は、蓄電池46のプラス端子側48とプラス端子部45との接点に相当する箇所に形成しており、本実施形態では該接点を起動スイッチ49として形成している。そして、絶縁材料であるプラスチックの板材からなる絶縁体50をこれらの間隙に挿通することで電気配線の中途部が遮断され光源51が消灯し、絶縁体50を除去することで点灯するように構成している。
この場合、絶縁体50の除去により、バネ材からなるマイナス端子部44の付勢力により蓄電池46がプラス端子部45側に付勢して当接し、電気配線が導通する。
絶縁体50は、紐状の照明スイッチ起動部55の一方の端部56と連結し、他方の端部57には金属製で円環状の起動スイッチ連結係止部58を備えており、防護マスク1の保管場所A近傍に形成されたJ字状フックa2等に容易に係止することができる。
なお、起動スイッチ連結係止部58の形状や構造については本実施形態に限定されるものではなく、例えば、J型フックであったり、スプリングフックであったり、本考案の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能であり、当然に照明スイッチ起動部55の他方の端部57をそのまま結束して使用する場合であっても該端部57が起動スイッチ連結係止部58となることは言うまでもない。
また、本実施形態においては絶縁体50の挿抜により電気配線の導通を制御して起動スイッチ49としているが、起動スイッチ49をマグネットスイッチで形成し、照明スイッチ起動部55の一方の端部56にマグネットを配設する等、本考案の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
照明部40を上述のように構成することで、防護マスク1を図3(a)に示すような保管場所Aから取り出す際に、図6(c)に示すように、照明スイッチ起動部55の長さを超えた時点で照明スイッチ起動部55が直線状に緊張しつつ筐体41から絶縁体50が除去される。
従って、防護マスク1を保管場所Aから取り出すだけで照明部40の起動スイッチ49がON状態となり光源51が発光する。
また、図2(a)に示すように、防護マスク1の装着者Mの両肩を上方から被覆して保護する肩防護部4,4は、基材2をそのまま延設して形成してもよいが、上方からの落下物から装着者Mの肩を更に安全に防護するために、ウレタン等の緩衝材や軽量な合成樹脂材を基材2に内設等してもよい。
また、防護マスク1の装着者Mの首や胸の上部を保護する首防護部5も、基材2をそのまま延設して形成してもよいが、ウレタン等の緩衝材や軽量な合成樹脂材を基材2に内設等してもよい。
防熱手袋65は、例えば、アラミド繊維を主材としたり、外皮をシリコーンで形成したり、外部からの熱を手に伝達し難い材料で形成している。また、防熱手袋65は、紐状の手袋連結部66の他方の端部を肩防護部4,4の下側面に連接して防護マスク1と一体に構成しているが、手袋連結部66の他方の端部を連接する箇所は特に限定されない。
以上、説明したように本実施形態に係る防護マスク1は、防火材で形成された可撓性の基材2に、視認部7と、呼吸部10と、頭部保護部30と、を備え、視認部7は防護マスク1内側から目視により防護マスク1外側を視認可能な透過性を有する耐熱材で形成し、呼吸部10は、有毒ガスや煙の体内への侵入を緩和するフィルター部11を備え、フィルター部11は除去することでフィルター機能が活性化するセパレータ17を備え、使用時にはセパレータ17を除去しフィルター部11を介して防護マスク1内外の空気を互いに流通自在に形成し、頭部保護部30は外部から頭部への機械的衝撃を緩和する緩衝材で形成し、しかも、呼吸部10は紐状のセパレータ分離部21を備え、セパレータ分離部21の一方の端部22はセパレータ17と連結し、他方の端部23にはセパレータ連結係止部24を備えることで、セパレータ連結係止部24によりセパレータ分離部21を防護マスク1の保管場所A近傍に係止することで防護マスク1の保管場所Aから防護マスク1をセパレータ分離部21の長さに応じて所定距離だけ離間させるとセパレータ17がフィルター部11から分離するように構成したことより、災害発生時に保管場所Aから防護マスク1を取り出すだけで、自らセパレータ17を除去しなくてもセパレータ17が自動的に除去されるので、災害時の不安定な精神状態であっても確実に活性化したフィルター機能を発揮することができる。
また、フィルター部11は含水した繊維材からなる湿潤な濡れ部16を備えたことより、簡易な構造でフィルター部11を構成できるので防護マスク1を安価に製造でき、しかも、有毒ガスや煙の粒子の体内への侵入量を確実に緩和することができる。
また、基材2に照明部40を備え、照明部40は視認部7から視認される外部への視界に向けて照射される蓄電池46により発光する光源51を有し、しかも、照明部40は紐状の照明スイッチ起動部55を備え、照明スイッチ起動部55の一方の端部56は照明部40の起動スイッチ49と着脱自在に連結し分離することで光源51を発光状態とし、他方の端部57には起動スイッチ連結係止部58を備えることで、起動スイッチ連結係止部58により照明スイッチ起動部55を防護マスク1の保管場所A近傍に係止することで防護マスク1の保管場所Aから防護マスク1を照明スイッチ起動部55の長さに応じて所定距離だけ離間させると照明スイッチ起動部55の一方の端部56が起動スイッチ49から分離して光源51が発光するように構成したことより、災害発生時に保管場所Aから防護マスク1を取り出すだけで、自ら照明部40のスイッチをON状態にすることなく照明部40の光源51を発光させることができるので、災害時の不安定な精神状態であっても確実に照明部40を機能させることができる。
また、照明スイッチ起動部55の一方の端部56には照明部40の電気配線の中途部を遮断する絶縁材料からなる絶縁体50を備え、絶縁体50の除去により電気配線が導通して光源51が発光するように起動スイッチ49を構成したことより、簡易でシンプルな構造で起動スイッチ49を構成できるので防護マスク1を安価に製造でき、しかも、通常時の点灯確認作業を容易に行うことができるので簡便に取り扱うことができる。
更に、紐状の手袋連結部66を備え、手袋連結部66の一方の端部に防熱手袋65を連接し、他方の端部を防護マスク1の基材2に連接したことより、災害時に防護マスク1を装着すれば確実に防熱手袋65の存在を認識でき、避難時に該手袋65を装着することで、火災により高温となったドアノブを火傷することなく操作したり、怪我することなく瓦礫を除去しながら避難することができる。
なお、本実施形態に係る防護マスク1の変形例として、本体部3の所定箇所に液体を内包したセパレータを配設し、呼吸部10の構成の如く防護マスク1を保管場所Aから所定距離移動させることでセパレータが除去され、防護マスク1全体に液体が塗布されるような構造も可能である。この場合、液体は単なる水であってもよいが、人体に影響のない消火剤等であることが望ましい。
次に、本実施形態に係る防護マスクユニット100について図面を参照しながら説明する。
[防護マスクユニットの実施形態]
本考案の実施形態に係る防護マスクユニット100は、図7に示すように、上述した防護マスク1と、建物Bの天井U等に配設され火災や地震を検知する災害検知器101と、防護マスク1の保管場所A近傍に配設される点灯型報知器102と、で構成された防護マスクユニット100であって、災害検知器101が災害を検知すると点灯型報知器102が作動して少なくとも光により災害の発生を報知すると共に防護マスク1の保管場所Aを知らしめるように構成している。
本考案の実施形態に係る防護マスクユニット100は、図7に示すように、上述した防護マスク1と、建物Bの天井U等に配設され火災や地震を検知する災害検知器101と、防護マスク1の保管場所A近傍に配設される点灯型報知器102と、で構成された防護マスクユニット100であって、災害検知器101が災害を検知すると点灯型報知器102が作動して少なくとも光により災害の発生を報知すると共に防護マスク1の保管場所Aを知らしめるように構成している。
災害検知器101は、天井Uや壁面S等の通常では動くことがない箇所に設置され、その機能は火災警報器や地震警報器、又はこれらの複合機であり、火災の場合、例えば、煙の検知であれば、災害検知器101内に配設された発光ダイオードの光が通常では受光素子に到達しないように構成し、煙の粒子が該検知器101内に侵入することで粒子により乱反射した発光ダイオードの光が受光素子に到達して煙を検知することができる。
また、火災による熱の検知であれば、例えば、該検知器101内に配設された熱電対により所定の温度を検知することができる。
更に、地震の場合は、例えば、該検知器101内に配設された加速度センサや角速度センサにより該検知器の傾きや振動を検知することができる。
また、災害検知器101は、火災や地震が発生したことを検知して点灯型報知器102に伝達する手段として有線または無線による送信部を備えている。
点灯型報知器102は、防護マスク1の保管場所Aの近傍、本実施形態では保管棚aの上面に設置され、上部に回転灯103を有し、下部に受信部104を有している。受信部104は災害検知器101から送信された信号を有線または無線で受信し、上部の回転灯103を起動させるように構成している。
なお、災害検知器101や点灯型報知器102は、商用電源や蓄電池により稼働し、複数の災害検知器101からの検知信号を1つの点灯型報知器102で受信したり、複数の点灯型報知器102で受信することができ、防護マスク1の保管場所Aの数に対応して設置することができる。
従って、複数の部屋や各階のいずれかの部屋で火災が発生しても、各々の部屋において点灯型報知器102が防護マスク1の保管場所Aを知らしめることができる。
また、災害検知器101は、建物Bが備える電子錠に開錠のための信号を送信することもできる。この場合、火災や地震を検知することで停電により電子錠が無効化されて開錠できなくなるリスクをいち早く除去することができ、避難通路の確保が可能となる。このような開錠の信号は建物B全体に適用することができる。
なお、防護マスク1の保管場所Aについては、頭部保護部30を定型化したヘルメット状ではなく柔軟性のある構造を採用した場合には、例えば、図8に示すような上方開口で仕切板71を備えた小型の箱体70に視認部7が上方となる向きで縮小させて保管したり、図9(a)、(b)に示すような壁面S等に吊着して保管する等できる。
図9(a),(b)に示す保管構成では、防護マスク1の頭部周面に環状に縫合した脆弱な係止紐75を壁面S等に形成したJ字状フックa2に係止すると共に、セパレータ連結係止部24と起動スイッチ連結係止部58,58を同様にJ字状フックa2に係止することで防護マスク1を壁面S等に保管することができるように構成している。なお、図中の防護マスク1は、肩防護部4や首防護部5を形成しておらず、本体部3を本体部3の下端全周にわたり下方へ延設した形状としているが、これに限定されるものではない。
このように構成することで、防護マスク1を下方へ引っ張れば係止紐75が破断すると共にセパレータ17や絶縁体50が除去されてフィルター部11や照明部40が活性化した状態で防護マスク1を取り出すことができる。なお、防護マスク1を壁面S等に吊着する方法は様々であり、例えば、防護マスク1の頭部近傍を容易に分離可能なクリップ等で係止する等、種々の変形変更が可能である。
また、防護マスク1をカバー体76で略被覆して保管することで防護マスク1への埃等の付着を防止でき、更に、カバー体76を黄色や赤色等の目立つ色彩等で形成すれば、常に防護マスク1の保管場所Aを意識することができる。
この場合、カバー体76は、防護マスク1を略被覆する大きさで、上方一部開口で下方開口の略袋状に形成し、上方の開口部77の左右端部にカバー体係止紐78を環状に縫合して形成する。そして、カバー体係止紐78をJ字状フックa2に係止することで防護マスク1を被覆したまた保管することができる。なお、カバー体76は防護マスク1の下方が露出する程度の大きさに形成することで防護マスク1の取り出しが容易となる。
以上、説明したように本実施形態に係る防護マスクユニット100は、上述した防護マスク1と、建物Bの天井U等に配設され火災や地震を検知する災害検知器101と、防護マスク1の保管場所A近傍に配設される点灯型報知器102と、で構成された防護マスクユニット100であって、災害検知器101が災害を検知すると点灯型報知器102が作動して少なくとも光により災害の発生を報知すると共に防護マスク1の保管場所Aを知らしめるように構成したことより、防護マスク1の保管場所Aを認識していなくても確実に防護マスク1を見つけて避難することができる。
以上、本考案に係る防護マスク1と防護マスクユニット100の好ましい実施形態について説明したが、これら防護マスク1と防護マスクユニット100は特定の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形・変更が可能である。
A 保管場所
B 建物
U 天井
1 防護マスク
2 基材
7 視認部
10 呼吸部
11 フィルター部
16 濡れ部
17 セパレータ
30 頭部保護部
21 セパレータ分離部
22 一方の端部
23 他方の端部
24 セパレータ連結係止部
40 照明部
46 蓄電池
49 起動スイッチ
50 絶縁体
51 光源
55 照明スイッチ起動部
56 一方の端部
57 他方の端部
58 起動スイッチ連結係止部
65 防熱手袋
66 手袋連結部
100 防護マスクユニット
101 災害検知器
102 点灯型報知器
B 建物
U 天井
1 防護マスク
2 基材
7 視認部
10 呼吸部
11 フィルター部
16 濡れ部
17 セパレータ
30 頭部保護部
21 セパレータ分離部
22 一方の端部
23 他方の端部
24 セパレータ連結係止部
40 照明部
46 蓄電池
49 起動スイッチ
50 絶縁体
51 光源
55 照明スイッチ起動部
56 一方の端部
57 他方の端部
58 起動スイッチ連結係止部
65 防熱手袋
66 手袋連結部
100 防護マスクユニット
101 災害検知器
102 点灯型報知器
Claims (6)
- 災害時に顔面及び頭部を一体に被覆して保護する防護マスクであって、
防火材で形成された可撓性の基材に、視認部と、呼吸部と、頭部保護部と、を備え、
前記視認部は防護マスク内側から目視により防護マスク外側を視認可能な透過性を有する耐熱材で形成し、
前記呼吸部は、有毒ガスや煙の体内への侵入を緩和するフィルター部を備え、前記フィルター部は除去することでフィルター機能が活性化するセパレータを備え、使用時には前記セパレータを除去し前記フィルター部を介して防護マスク内外の空気を互いに流通自在に形成し、
前記頭部保護部は外部から頭部への機械的衝撃を緩和する緩衝材で形成し、
しかも、前記呼吸部は紐状のセパレータ分離部を備え、前記セパレータ分離部の一方の端部は前記セパレータと連結し、他方の端部にはセパレータ連結係止部を備えることで、前記セパレータ連結係止部により前記セパレータ分離部を防護マスクの保管場所近傍に係止することで防護マスクの前記保管場所から防護マスクを前記セパレータ分離部の長さに応じて所定距離だけ離間させると前記セパレータが前記フィルター部から分離するように構成したことを特徴とする防護マスク。 - 前記フィルター部は含水した繊維材からなる湿潤な濡れ部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の防護マスク。
- 前記基材に照明部を備え、
前記照明部は前記視認部から視認される外部への視界に向けて照射される蓄電池により発光する光源を有し、
しかも、前記照明部は紐状の照明スイッチ起動部を備え、前記照明スイッチ起動部の一方の端部は前記照明部の起動スイッチと着脱自在に連結し分離することで前記光源を発光状態とし、他方の端部には起動スイッチ連結係止部を備えることで、前記起動スイッチ連結係止部により前記照明スイッチ起動部を防護マスクの前記保管場所近傍に係止することで防護マスクの前記保管場所から防護マスクを前記照明スイッチ起動部の長さに応じて所定距離だけ離間させると前記照明スイッチ起動部の前記一方の端部が前記起動スイッチから分離して前記光源が発光するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の防護マスク。 - 前記照明スイッチ起動部の前記一方の端部には前記照明部の電気配線の中途部を遮断する絶縁材料からなる絶縁体を備え、前記絶縁体の除去により前記電気配線が導通して前記光源が発光するように前記起動スイッチを構成したことを特徴とする請求項3に記載の防護マスク。
- 紐状の手袋連結部を備え、前記手袋連結部の一方の端部に防熱手袋を連接し、他方の端部を防護マスクの前記基材に連接したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防護マスク。
- 請求項1乃至5に記載の防護マスクと、建物の天井等に配設され火災や地震を検知する災害検知器と、前記防護マスクの保管場所近傍に配設される点灯型報知器と、で構成された防護マスクユニットであって、
前記災害検知器が災害を検知すると前記点灯型報知器が作動して少なくとも光により災害の発生を報知すると共に前記防護マスクの前記保管場所を知らしめるように構成したことを特徴とする防護マスクユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016002053U JP3205324U (ja) | 2016-05-07 | 2016-05-07 | 防護マスク及び防護マスクユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016002053U JP3205324U (ja) | 2016-05-07 | 2016-05-07 | 防護マスク及び防護マスクユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3205324U true JP3205324U (ja) | 2016-07-21 |
Family
ID=56414064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016002053U Active JP3205324U (ja) | 2016-05-07 | 2016-05-07 | 防護マスク及び防護マスクユニット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3205324U (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR102193221B1 (ko) * | 2020-06-30 | 2020-12-18 | 코리아세이프티주식회사 | 대피용 방연마스크 |
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-
2016
- 2016-05-07 JP JP2016002053U patent/JP3205324U/ja active Active
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