JP3021394U - 凍結路面用滑り止め材散布車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 第１には、凍結路面に滑り止め材を効率良く
散布でき、第２には、滑り止め材の散布量を増減調整で
き、第３には滑り止め材の散布幅を規制することができ
る凍結路面用滑り止め散布車を提供すること。 【構成】 車体後部に中央の砂槽部と左右の防滑材槽部
を一体的に並設して後傾駆動可能に備え、隣り合う砂槽
部後端部左右と防滑材槽部後端部の底部分に両槽部に跨
がる排出口をそれぞれ開口し、この左右の排出口の下側
に同口の開口度合いを調整可能な開口調整要素をそれぞ
れ配設すると共に、左右の排出口直下に散布板を縦軸線
回りに駆動回転可能に配設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は凍結路面用の滑り止め材散布車に関する。

【０００２】

【従来の技術】

冬道の凍結した路面は、スリップ事故を起こし易く、車や歩行者にとって極め て危険である。 このようなスリップ事故対策として、凍結路面に砂や防滑材（塩化カルシウム 、塩化ナトリウム、酢酸カリウム等の融雪剤）を撒いているが、この作業はシャ ベルやスコップ等を用いた人力作業であるため、甚だ効率が悪く人的負担が大変 であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする課題は、第１には、凍結路面に滑り止め材を効率良く散布で き、第２には、滑り止め材の散布量を増減調整でき、第３には滑り止め材の散布 幅を規制することができる凍結路面用滑り止め材散布車を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記の課題を達成するため、車体後部に中央の砂槽部と左右の防滑材 槽部を一体的に並設して後傾駆動可能に備え、隣り合う砂槽部後端部左右と防滑 材槽部後端部の底部分に両槽部に跨がる排出口をそれぞれ開口し、この左右の排 出口の下側に同口の開口度合いを調整可能な開口調整要素をそれぞれ配設すると 共に、左右の排出口直下に散布板を縦軸線回りに駆動回転可能に配設したことを 特徴とする。 また本考案では、前記開口調整要素は、前記排出口の開口度合いを調整可能に 揺動可能に軸支された開閉板と、この開閉板に同板を揺動可能に連繋したシリン ダとからなることを特徴とする。 また本考案では、前記車体後端部に飛散防止部材を、左右の散布板を囲む態様 に垂設したことを特徴とする。

【０００５】 本考案における一体的な砂槽部と防滑材槽部は、車体後部のシャーシフレーム 上に後傾駆動可能に架装する態様、または後傾駆動可能な荷台に架装する態様の いずれであっても良い。また、開口調整要素は、前記した運転席から遠隔操作可 能な自動タイプに限らず、手動タイプのものであっても良い。 また、飛散防止部材は、地上高さを調整可能な態様にした場合には、散布幅を 拡縮可能である。

【０００６】

【作用】

隣り合う砂槽部後端部左右と防滑材槽部後端部の底部分に両槽部に跨がる排出 口をそれぞれ開口し、この左右の排出口の下側に同口の開口度合いを調整可能な 開口調整要素をそれぞれ配設すると共に、左右の排出口直下に散布板を縦軸線回 りに駆動回転可能に配設してあるため、排出口からの砂と防滑材の落下量を開口 調整要素で増減調整できると共に、この落下した砂と防滑材を直下の散布板で受 け止めつつ、その回転力によって混合させた状態に飛散することができる。 そして、車体後部に中央の砂槽部と左右の防滑材槽部を一体的に並設して後傾 駆動可能に備えてあるため、砂槽部と防滑材槽部の後傾角度を次第に増すことに より、滑り止め材を残らず効率的に散布することができる。

【０００７】 前記開口調整要素は、前記排出口の開口度合いを調整可能に揺動可能に軸支さ れた開閉板と、この開閉板に同板を揺動可能に連繋したシリンダとで構成してあ るため、このシリンダを運転席から遠隔操作して、開閉板による排出口の開口度 合いを調整して、散布量を増減可能である。

【０００８】 車体後端部に飛散防止部材を、左右の散布板を囲む態様に垂設してあるため、 飛散防止部材によって滑り止め材がみだりに飛散するのを防止できて、設定した 幅に散布可能である。

【０００９】

【実施例】

図面には本考案の凍結路面用滑り止め材散布車の一実施例を例示しており、車 体１後部には荷台２を後傾駆動可能に備えてあり、この荷台２上には中央の大部 の砂槽部４と左右の小部の防滑材槽部５を一体的に並設してある。 この砂槽部４と防滑材槽部５はステンレス製のもので、隣り合う砂槽部４後端 部左右と防滑材槽部５後端部のホッパー状部６における底部分6bには両槽部に跨 がる排出口７をそれぞれ開口し、この左右の排出口７の下側に同口の開口度合い を調整可能な開口調整要素８をそれぞれ配設してある。

【００１０】 開口調整要素８は、排出口７の開口度合いを調整可能に揺動可能に軸支された 開閉板8aと、この開閉板8aに同板を揺動可能に連繋したシリンダ8bとからなり、 シリンダ8bは運転席３のコントロールボックス９と短絡していて、運転席３から 開閉板8aによる排出口７の開口度合いを調整して、滑り止め材の散布量を増減調 整可能にしてある。

【００１１】 そして、左右の排出口７直下には散布板10を縦軸線回りに駆動回転可能にそれ ぞれ配設してある。この散布板10は、上面に突起部10a を放射状に突設して且つ 板面に孔部10b を開けて形成した円板状のもので、散布板10はホッパー状部６の 上面部6aにおけるモーター11と連結して且つ底部分6bから垂下している回転軸12 下端に一体回動状に軸着してあり、排出口７から落下してくる砂と防滑材を受け 止めつつ、突起部10a と孔部10b により効率良く混合させた状態で飛散可能にし てある。

【００１２】 車体１後端部における後側と左右両側部にはゴムマット製の飛散防止部材13を 、左右の散布板10を囲む態様に垂設して、滑り止め材が飛散するのを規制して、 散布幅を設定可能にしてある。

【００１３】 また、砂槽部４とホッパー状部６との間には下側が開口状の仕切り板14を、防 滑材槽部５とホッパー状部６との間には下側が開口状の仕切り板15を、それぞれ 配設してあり、砂と防滑材が一度に大量にホッパー状部６内に移動しないように 規制して、適量の砂と防滑材が仕切り板14,15 下を潜ってホッパー状部６へ移動 するようにしてある。

【００１４】 また、防滑材槽部５とホッパー状部６との間の仕切り板15前面側には金網16を 配設してあり、この金網16の各目を通過可能な粒状の防滑材が防滑材槽部５から ホッパー状部６へ移動可能にして、塊状の防滑材が排出口７を閉じることのない ようにしてある。

【００１５】 また、左右の排出口７位置におけるホッパー状部６の後面部6cには砂点検口17 と防滑材点検口18を開閉可能にそれぞれ形成していて、左右の排出口７の詰まり 等に対処可能にしてある。同様に、散布板10位置の後側の飛散防止部材13には散 布板点検口13a を開閉可能に形成していて、散布板10を点検可能にしてある。ま た、ホッパー状部６における後面部6cは蛍光面仕上げしてあり、さらに、上面部 6aとキャビン上面に配設した回転灯19、上面部6c左右に配設したテールランプ20 とともに、夜間作業時の安全性を高めてある。

【００１６】

【考案の効果】

Ａ．請求項１により、隣り合う砂槽部後端部左右と防滑材槽部後端部の底部分 に両槽部に跨がる排出口をそれぞれ開口し、この左右の排出口の下側に同口の開 口度合いを調整可能な開口調整要素をそれぞれ配設すると共に、左右の排出口直 下に散布板を縦軸線回りに駆動回転可能に配設してあるため、排出口からの砂と 防滑材の落下量を開口調整要素で増減調整できると共に、この落下した砂と防滑 材を直下の散布板で受け止めつつ、その回転力によって混合させた状態に飛散す ることができ、冬道の凍結路面に滑り止め材を、路面の凍結状態に応じて散布量 を増減して効率良く散布することができる。 したがって、スリップ事故を未然に阻止することができ、車のスムーズな安全 運転をバックアップできると共に歩行者も安全に歩行できる。

【００１７】 Ｂ．同項により、車体後部に中央の砂槽部と左右の防滑材槽部を一体的に並設 して後傾駆動可能に備えてあるため、砂槽部と防滑材槽部の後傾角度を次第に増 すことにより、滑り止め材を残らず効率的に散布することができる。

【００１８】 Ｃ．請求項２により、開口調整要素は、前記排出口の開口度合いを調整可能に 揺動可能に軸支された開閉板と、この開閉板に同板を揺動可能に連繋したシリン ダとで構成してあるため、このシリンダを運転席から遠隔操作して、開閉板によ る排出口の開口度合いを調整して、走行しながら散布量を自由に増減することが できる。

【００１９】 Ｄ．車体後端部に飛散防止部材を、左右の散布板を囲む態様に垂設してあるた め、飛散防止部材によって滑り止め材がみだりに飛散するのを防止できて、滑り 止め材を設定した幅に散布することができ、町中での凍結路面にも対応すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の凍結路面用滑り止め材散布車の一実
施例を例示している平面図。

【図２】 側面図。

【図３】 背面図。

【図４】 図２のイ−イ拡大縦断面図。

【図５】 図４のロ−ロ横断面図。

【図６】 散布板の拡大斜視図。

【図７】 砂槽部と防滑材槽部を斜め上方から見た部分
拡大斜視図。

【図８】 散布状態を示す縮小斜視図。

【符号の説明】

１ 車体 ２ 荷台 ３ 運転席 ４ 砂槽部 ５ 防滑材槽部 ６ ホッパー状
部 6a ホッパー状部の上面部 6b ホッパー状
部の底部分 6c ホッパー状部の後面部 ７ 排出口 ８ 開口調整要素 8a 開口調整要
素の開閉板 8b 開口調整要素のシリンダ ９ コントロー
ルボックス 10 散布板 10a 散布板の
突起部 10b 散布板の孔部 11 モーター 12 回転軸 13 飛散防止部
材 13a 散布板点検口 14,15 仕切り
板 16 金網 17 砂点検口 18 防滑材点検口 19 回転灯 20 テールランプ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体後部に中央の砂槽部と左右の防滑材
   槽部を一体的に並設して後傾駆動可能に備え、隣り合う
   砂槽部後端部左右と防滑材槽部後端部の底部分に両槽部
   に跨がる排出口をそれぞれ開口し、この左右の排出口の
   下側に同口の開口度合いを調整可能な開口調整要素をそ
   れぞれ配設すると共に、左右の排出口直下に散布板を縦
   軸線回りに駆動回転可能に配設したことを特徴とする凍
   結路面用滑り止め材散布車。
2. 【請求項２】 前記開口調整要素は、前記排出口の開口
   度合いを調整可能に揺動可能に軸支された開閉板と、こ
   の開閉板に同板を揺動可能に連繋したシリンダとからな
   る請求項１記載の凍結路面用滑り止め材散布車。
3. 【請求項３】 前記車体後端部に飛散防止部材を、左右
   の散布板を囲む態様に垂設したことを特徴とする請求項
   １または２記載の凍結路面用滑り止め材散布車。