JP3021088B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3021088B2
JP3021088B2 JP12950791A JP12950791A JP3021088B2 JP 3021088 B2 JP3021088 B2 JP 3021088B2 JP 12950791 A JP12950791 A JP 12950791A JP 12950791 A JP12950791 A JP 12950791A JP 3021088 B2 JP3021088 B2 JP 3021088B2
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仁 杉本
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数色のインクを吐出す
るインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピ
ュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴
い、それらの機器の画像形成(記録)装置の一つとし
て、インクジェット方式による記録ヘッドを用いてデジ
タル画像記録を行うものが急速に普及している。更に、
前記情報機器、通信機器のカラー化に伴い、記録装置に
おいてもカラー対応したものの需要が増えてきている。
このような記録装置においては、記録速度の向上のた
め、複数の記録素子を集積配列してなる記録ヘッド(以
下、マルチヘッドという)として、インク吐出口および
液路を複数集積したものを用い、さらにカラー対応とし
てシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの複数個の上
記マルチヘッドを備えたものが一般的である。
【0003】上記記録ヘッドのうち、吐出用ヒータの熱
エネルギーによって発生する気泡(バブル)を使用し
て、インクをインク吐出口から吐出させるものは、吐出
口の高度のマルチ化が可能であって、高品位の記録画像
が得られる特色を有している。この様なマルチヘッドの
1つ1つのマルチノズルは、全て同様な方法で同等に作
られていて、全てを同様に駆動させる事により、各マル
チノズルからのインクの1画素当たりのインク吐出量
を、ほぼ同量に揃えている。
【0004】しかし、マルチヘッドにおけるインクの吐
出量は間接的には周りの環境、直接的にはインクを含む
その周りのヘッドの温度に大きく影響される。周知のよ
うに、ヘッド温度が高いときにはインクの粘性が低下す
るため吐出量は大きくなり、ヘッド温度が低いときには
吐出量は小さくなる。この様な吐出量の差は印字後の画
像濃度にも大きく影響する。
【0005】そこで、一般的には環境に因らず吐出量を
安定させるために、ヘッドごとに温度調整(以下、温調
と称す)を行っている。これは、安定的な吐出が可能な
温度範囲の中で、ある定められた一定下限温度に達して
いない場合は、その温度に達するまでヘッドに対し加熱
を行うというものである。この様なヘッドの温度制御
は、吐出用ヒータとは別に設けた加熱用ヒータを用いて
行われ、記録時及び所定のスタンバイ状態で実施され
る。この様に、常に印字時のヘッド温度をある範囲内に
制御しておくことによって、インク吐出量を安定化さ
せ、どんな環境においてもヘッド温度による印字濃度差
の無い画像を得ている。
【0006】以上、ヘッド温調制御等の吐出量制御を行
うことにより、環境や印字デューティーなどの印字条件
の変化にも対応した吐出量の経時的な安定化、ヘッド間
の均一化を図ることができる。そして各色、各ヘッド同
条件の基にバランスのとれたカラー画像を得ることがで
きるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年、前
記情報機器、通信機器の低コスト化に伴って、記録装置
においても普通紙に印字対応したものの需要が増えてき
ている。一方で、普通紙においてはインクという液体を
吸収するに当って特別な対応がされていないため、イン
ク吸収を考慮して作られたコート紙に比べ、濃度が出に
くいという問題点がある。特に、文字キャラクタや罫線
等に用いるブラックインクの濃度については画像上重要
視されるところであり、改善が最も必要とされる点でも
ある。
【0008】ブラックの濃度を上げるために、「ブラッ
クのみ他色に比べ単位面積あたりのインク(染料)打ち
込み量を多くしなければならない」というのは最も基本
的な考え方である。この手段の1つとして、ブラックの
マルチヘッドのみ同じドット着弾点に2回印字を行うと
いう方法が最も一般的である。この様にすればブラック
のインク(染料)は他色の2倍となり、これに伴い濃度
もアップするのである。
【0009】ところがこれでは、確かに十分な濃度アッ
プは図れるが、異色同士の境界面でのにじみという、も
う一つ普通紙の大きな問題点が悪化されることとなって
しまっていた。また、同紙面、同位置をヘッドが2回づ
つ移動を繰り返しながら印字を進めていくので、タイム
コストが通常の2倍かかってしまうという問題点もあっ
た。
【0010】そこで、本発明は異色同士の大きなにじみ
を発生することなく、効率よく、例えばブラックの印字
濃度アップを図ることが可能なインクジェット記録装置
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
する本発明は、 ブラックインクを吐出する記録ヘッド
と他色インクを吐出する記録ヘッドを記録媒体に対して
スキャンさせることで記録を行うインクジェット記録装
置であって、ブラックインクによる記録を他色インクに
よる記録より、1スキャン当りの吐出量が少なくかつ多
いスキャン数でインクを重ねることで行い、記録媒体へ
のブラックインク付与量を他色インク付与量より多くす
る記録制御手段を備えることを特徴とする。本発明によ
れば、異色同士の大きなにじみ無しに効率よくブラック
の印字濃度アップを図ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して詳細に説明する。 (第1実施例)第1実施例は、先に説明した温調温度を
利用し、ブラックのみ他色より吐出量を常に多く設定し
ようとしたものである。図1はヘッド温度とその時の印
字吐出量を示したものである。従来例でも説明したよう
に、ヘッド温度が高いほど吐出量も高くなっている。即
ち、ヘッド温度は温調温度で制御可能な範囲である限
り、どんな環境においても各色ごとに目的の吐出量を得
ることができる。
【0013】そこで、本実施例においてはブラックのみ
温調温度をbとし、他3色をbよりも低いaとす。ヘッ
ド温度aにより吐出量V1 を、ヘッド温度bによりV2
(>V1 )という吐出量を得る。この値V2 は、ブラッ
クの濃度が目的値を満たす範囲の中で最もにじみを防ぐ
値、即ち最低値付近に設定されているものである。それ
ぞれのヘッドがそれぞれの温度a,bに達していない場
合は、加熱を加える。
【0014】この時の加熱時間とヘッド温度の様子を印
字開始前から示したものが図2である。印字開始ボタン
を押した瞬間に(t1 )ヘッド温度センサーが各色のヘ
ッド温度を感知し、印字許容温度の下限値(a,b)ま
で加熱を加える。この時、ヒーターのパワーをブラック
のみ大きくすることによって、温度上昇の傾きを大きく
し、印字を開始できる温調温度までの達成時間(t2 )
を揃えることが可能となる。その後は、それぞれの印字
許容範囲内で温度調整されながら印字を行っていく。こ
の様にすることによって、常に安定した吐出量で印字を
行い、ブラック濃度の高い高画質な画像を得ることがで
きる。
【0015】また、本実施例における温調制御による吐
出量制御を用いれば、上述とは逆にブラックのみ吐出量
を下げて、紙面上同位置における2回のスキャンにより
同着弾点に2回づつのインク着弾を行うことも可能であ
る。このとき、ブラックの温調温度をcとして吐出量を
他色の吐出量の1/2倍以上かつ1倍以下(V3 )に設
定しておけば、最終的なインク打ち込み量は通常より多
く、濃度アップが可能となる。また、1スキャンにおけ
るインク吐出量が少ないということはインクの紙への浸
透も早く、従って等しいインク打ち込み量を1ドットに
つき行う場合でも、この様に2回に分けて印字する方が
にじみが少なくてすむことになる。
【0016】本実施例による場合、温調温度を目標の吐
出量に合わせて調整しているので、例えばその時々の場
合によって、次のようなことも可能である。
【0017】カラープリンタの場合、モノカラ−の文字
キャラクタ−を印字する場合と、フルカラ−のイメージ
画像を印字する場合とでは、求められる画質要素が違
う。例えば、モノカラ−の文字キャラクターであれば文
字の濃度が高く、文字がはっきりしていることが求めら
れる一方、各色同士のにじみの様な問題は余り起こりに
くく、重要視されなくなる。反対に、フルカラーのイメ
ージ画像を印字する場合には、異色同士のにじみが大き
な画像問題となる。この2つの問題点は普通紙印字にお
いて特に顕著となり、濃度とにじみという同時に解決し
にくい互いに相反する関係となる。
【0018】従って、フルカラーのイメージ画像を印字
する場合には、本実施例のようにブラックインクの吐出
量をあまり多くして印字を行うと、ブラックインクの周
りへのにじみが悪化する恐れがある。よって、あらかじ
めプリンタ側のモードでキャラクター印字モードとイメ
ージ画像印字モードの2種類を設け、前者のみ本実施例
で提案した方法を用い、後者では全色とも等しい温調温
度で制御すれば、これら2つのモードを使い分けること
により、その時々に要求される高画質な画像を得ること
ができる。
【0019】以上説明したように、温調制御手段によ
り、ブッラクインクのヘッドのみ他色と異なる吐出量に
設定することにより、普通紙においてもにじみが無く、
効率的な濃度アップが可能である。 (第2実施例)本実施例はブラックの吐出量を上げる手
段として、本出願人が特願平3−4742号明細書で先
に提案したWパルス駆動の第1パルスを変調するWPW
M制御を用いるものである。
【0020】この方式は次のような場合に特に有効であ
る。記録速度を速くするためにヘッド駆動の記録周波数
を高くすると、先に説明した記録素子の熱エネルギーを
用いるインクジェット記録方式では、記録時の自己発熱
により吐出特性などの記録特性に関わるものが変化して
しまう場合もある。そこで、図3に示すようなPWM制
御が行うことにより、ヘッドの温度変化に応じた吐出量
の安定化を行う。即ち、ヘッドの温度変化に応じてプレ
ヒートパルスP1のパルス幅を変調することにより、メ
インヒートパルスP3による吐出量の安定化が可能であ
る。このようなPWM制御は、第1実施例で用いたヘッ
ド温調に比べて吐出量の制御応答が早いので、1走査毎
の制御はもちろん1走査内での制御も可能である。この
様な駆動走査をすることによって、周波数や印字デュー
ティーによらない安定した吐出量を得ることができる。
【0021】同図中Vopは、H・B(ヒーターボード)
上に熱エネルギーを発生させるために必要な電気的エネ
ルギ−であり、H・Bの面積・抵抗値・膜構造やヘッド
のノズル構造によって決まる。P1 はプレヒートパルス
幅、P2 はインターバルタイム、P3 はメインヒートパ
ルス幅を示している。T1 ,T2 ,T3 はプレヒートパ
ルスの立ち上がりからの時間であり、それぞれP1 ,P
2 ,P3 を決めるための時間を示している。分割パルス
幅変調駆動法は、P1 ,P2 ,P3 の順にパルスを与え
る。P1 はプレヒートパルスで主にノズル内のインク温
度を制御するためのパルス幅であり、ヘッドの温度セン
サーを利用した温度検知によってP1 のパルス幅を制御
する。この時H・B上に熱エネルギーを加えすぎてプレ
発泡現象が発生しないようにしている。P2 はインター
バルタイムでプレヒートパルスP1 とメインヒートパル
スP2 が相互干渉しないように一定時間の間隔を設ける
ためと、ノズル内インクの温度分布を均一化する働きが
ある。P3 はメインヒートパルスで、H・B上に発泡現
象を発生させノズル穴よりインク滴を吐出させる。これ
らのパルス幅は,H・Bの面積,抵抗値,膜構造やヘッ
ドのノズル構造,インク物性によって決まる。図4にヘ
ッド温度に対応したパルス幅テーブルを(a),(b)
として2種示す。図5に示すように、テーブル内容を
(a),(b)間で変更することにより、吐出量目標値
をVa、Vbの2種間で変えることが可能である。本実
施例における吐出量制御は、上述のヘッド温調制御によ
り基準的な吐出量を確保し、PWM制御によって安定化
するものである。
【0022】また、本実施例も第1実施例と同様、キャ
ラクターとイメージのモードによって目標吐出量、即ち
この場合は2種類のテーブルを使い分ければ、これに応
じて2種類のブラック吐出量を切り替えることができ
る。更に、PWM制御はヘッド温調に比べて吐出量の制
御応答が早いので、1走査毎はもちろん、1走査内でも
瞬時に2種類のブラック吐出量を切り替えることができ
る。従って、印字開始前にキャラクターかイメージかの
モード切り替えを行うこと無しに、プリンタ側でキャラ
クター信号と検知した部分のみ吐出量の大きなテーブル
で印字を行い、イメージデータと検知した部分では他色
と同じ、あるいは更に別の吐出量テーブルで印字を行う
ということもできる。この様にすれば第1実施例のよう
に、あらかじめモードを2つ設ける必要もなく、プリン
タ側で自動に吐出量を調整し、キャラクター画像とイメ
ージ画像が混在するような印字画像においても、にじみ
や、濃度薄といった問題のない高画質な画像を得ること
ができる。
【0023】また更に、本実施例においても第1実施例
のように逆にブラックの吐出量を下げ、つまり他色の1
/2〜1倍の範囲で吐出量設定したPWMのパルス幅テ
ーブルを用いて、2パス印字を行っても良い。
【0024】以上説明したように、ブラックの印字ヘッ
ドのみ他色と異なるPWMテーブルを設けることによ
り、にじみが少なく、能率の良いブラックの濃度アップ
が可能である。
【0025】(第3実施例)次に、第3実施例を説明す
る。ここではブラックの吐出量を上げる手段として、あ
らかじめ吐出口の大きなヘッドを用いることとする。図
6はブラックのマルチヘッドの吐出部(a)と、他3色
のそれ(b)とを印字ドットと共に比較したものであ
る。この図において、401はマルチヘッド、402は
マルチノズルである。この様にブラックのみヘッドの吐
出口の面積を大きくすることで、印字ドットを大きくす
ることができ、さらには印字濃度を目的値に達成させる
ことが可能である。また、本実施例によれば、第1及び
第2実施例のようにブラックのみ特別なヒーター駆動を
行うわけではないので、ヒ−タ−寿命も他色と同様に保
証できる。
【0026】また、第2実施例と同様、キャラクタ−信
号とイメージ信号によってブラック印字の吐出量を可変
にすることも、以下の方法を用いれば可能である。
【0027】図7は、矢印の方向へ印字を行う4色のヘ
ッドの並列状態を被印字面の紙面方向から吐出口に向か
って見た図である。ここに示すように、全4色に対しヘ
ッドはブラック2個(k1,k2)、シアン(c)、マ
ゼンタ(m)、イエロー(y)はそれぞれ1個づつの計
5個用意されている。ここで、ブラックの2個のヘッド
のうち1個(k1)は吐出口の大きなヘッド、もう一つ
(k2)は他色と同等な大きさの吐出口のヘッドであ
る。そして、キャラクター信号が入力されたときにはヘ
ッド(k1、C、M、Y)が駆動され、ヘッドk2は駆
動されない。また、イメージ信号が入力されたときはヘ
ッド(k2、C、M、Y)が駆動され、ヘッドk1は駆
動されない。この様に、ブラックインクの印字ヘッドを
使い分けることにより、第2実施例のように1スキャン
中に切り替わるその時々に適した吐出量制御を行うこと
ができる。また更に、本実施例においても第1、第2実
施例のように逆にブラックの吐出量を下げ、つまり他色
の1/2〜1倍の範囲で吐出量設定した吐出口のヘッド
を用いて、2パス印字を行っても良い。
【0028】以上説明したように、ブラックの印字ヘッ
ドのみ他色と異なる大きさの吐出口を用いることによ
り、にじみが少なく、能率の良いブラックの濃度アップ
が可能となる。
【0029】次に、上記各実施例のメカ的、回路的構成
について説明する。図8は、上記マルチヘッドで紙面上
を印字していく際のプリンタ部の構成を示したものであ
る。この図において、701はインクカートリッジであ
る。これらは、4色のカラーインク(ブラック、シア
ン、マゼンタ、イエロー)がそれぞれ詰め込まれたイン
クタンクと、702のマルチヘッドから構成されてい
る。703は紙送りローラで、704の補助ローラとと
もに印字紙707を抑えながら図の矢印の方向に回転
し、印字紙707をy方向に随時送っていく。また70
5は給紙ローラーであり、印字紙の給紙を行うととも
に、703、704と同様、印字紙707を抑える役割
も果たす。706は4つのインクカートリッジを支持
し、印字とともにこれらを移動させるキャリッジであ
る。キャリッジ706は印字を行っていないとき、ある
いはマルチヘッドの回復作業などを行うときには図の点
線で示した位置のホームポジション(h)に待機するよ
うになっている。
【0030】印字開始前、図の位置(ホームポジショ
ン)にあるキャリッジ706は、印字開始命令がくる
と、x方向に移動しながら、マルチヘッド702上のn
個のマルチノズル801により、紙面上に幅Dだけの印
字を行う。紙面端部までデータの印字が終了するとキャ
リッジは元のホームポジションに戻り、再びx方向への
印字を行う。この最初の印字が終了してから2回目の印
字が始まる前までに、紙送りローラ703が矢印方向へ
の回転することにより、幅Dだけのy方向への紙送りを
行う。この様にして、キャリッジ1スキャンごとにマル
チヘッド幅Dだけの印字と紙送りを繰り返し行うことに
より、一紙面上のデータ印字が完成する。
【0031】次に、上述した装置構成の各部の記録制御
を実行するための制御構成について、図9に示すブロッ
ク図を参照して説明する。制御回路を示す同図におい
て、10は記録信号を入力するインターフェ−ス、11
はMPU、12はMPU11が実行する制御プログラム
を格納するプログラムROM、13は各種データ(上記
記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存し
ておくダイナミック型のRAMである。14は記録ヘッ
ド18に対する記録データの供給制御を行うゲートアレ
イであり、インターフェース10、MPU11、RAM
13間のデータの転送制御も行う。20は記録ヘッド1
8を搬送するためのキャリアモータ、19は記録用紙搬
送のための搬送モータである。15はヘッドを駆動する
ヘッドドライバ、16、17は夫々搬送モータ19、キ
ャリアモータ20を駆動するモータドライバである。2
1は記録ヘッド18を加熱するための加熱用(サブ)ヒ
ータ、22は記録ヘッド18の温度を検出するための温
度センサである。
【0032】図10は、図9の各部の詳細を示す回路図
である。ゲートアレイ14は、データラッチ141、セ
グメント(SEG)シフトレジスタ142、マルチプレ
クサ(MPX)143、コモン(COM)タイミング発
生回路144、デコーダ145を有する。記録ヘッド1
8は、ダイオードマトリックス構成を取っており、コモ
ン信号COMとセグメント信号SEGが一致したところ
の吐出用ヒータ(H1からH64)に駆動電流が流れ、
これによりインクが加熱され吐出する。
【0033】上記デコーダ145は、上記コモンタイミ
ング発生回路144が発生したタイミングをデコードし
て、コモン信号COM1〜8のいずれか1つを選択す
る。データラッチ141はRAM13から読み出された
記録データを8ビット単位でラッチし、この記録データ
をマルチプレクサ143はセグメントシフトレジスタ1
42に従い、セグメント信号SEG1〜8として出力す
る。マルチプレクサ143からの出力は、シフトレジス
タ142の内容によって種々変更することができる。
【0034】上記制御構成の動作を説明すると、インタ
ーフェース10に記録信号が入るとゲートアレイ14と
MPU11との間で記録信号がプリント用の記録データ
に変換される。このとき、MPU11が記録信号の種類
(キャラクター信号、イメージ信号)を判断する。そし
て、モータドライバ16、17が駆動されるとともに、
ヘッドドライバ15に送られた記録データに従って記録
ヘッドが駆動され、印字が行われる。
【0035】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用する方式の記録ヘッド、記録
装置に於いて、優れた効果をもたらすものである。その
代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4
723129号明細書、同第4740796号明細書に
開示されている基本的な原理を用いて行なうものが好ま
しい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュア
ス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマン
ド型の場合には、液体(インク)が保持されているシー
トや液路に対応して配置されてい電気熱変換体に、記録
情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与
える少なくとも一つの駆動信号を印加することによっ
て、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘ
ッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号
に一対一対応し液体(インク)内の気泡を形成出来るの
で有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口
を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つ
の滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、
即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答
性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ま
しい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第
4463359号明細書、同第4345262号明細書
に記載されているようなものが適している。尚、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、更
に優れた記録を行なうことができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ブラックインクの1ド
ット当たりの吐出量を他色に比べ多くすることによっ
て、フルカラープリンタにおけるブラック濃度を従来よ
りも効率的に上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のヘッド温度と吐出量の関
係を示す図である。
【図2】印字開始時のヘッド温調制御によるヘッド温度
上昇の状態を示す図である。
【図3】第2実施例のPWM制御による吐出量設定の状
態を示す図である。
【図4】第2実施例のPWMテーブルを示す図である。
【図5】第2実施例のPWMテーブル変換による吐出量
制御を示す図である。
【図6】第3実施例のブラック用マルチヘッドと他3色
のマルチヘッド吐出口を示す図である。
【図7】第3実施例における印字の際のマルチヘッド配
列の状態を示す図である。
【図8】本発明の各実施例に用いるインクジェットプリ
ンタの印字部である。
【図9】図8に示す印字部の制御回路を示すブロック図
である。
【図10】図9に示す制御構成の詳細を示すブロック図
である。
【符号の説明】
18 記録ヘッド 21 サブヒータ 22 温度センサ 701 インクカートリッジ 702 マルチヘッド 703 紙送りローラ 705 給紙ローラ 706 キャリッジ 707 印字紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 名越 重泰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 秋山 勇治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−72580(JP,A) 特開 昭59−187861(JP,A) 特開 昭63−134249(JP,A) 特開 昭58−173669(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/205 B41J 2/05

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラックインクを吐出する記録ヘッドと
    他色インクを吐出する記録ヘッドを記録媒体に対してス
    キャンさせることで記録を行うインクジェット記録装置
    であって、 ブラックインクによる記録を他色インクによる記録よ
    り、1スキャン当りの吐出量が少なくかつ多いスキャン
    数でインクを重ねることで行い、記録媒体へのブラック
    インク付与量を他色インク付与量より多くする記録制御
    手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記記録ヘッドは、
    熱エネルギーによってインクに気泡の形成を含む状態変
    化を生起させ、該状態変化に基づいてインクを吐出する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09277511A (ja) * 1996-04-18 1997-10-28 Fuji Xerox Co Ltd インクジェットプリント装置

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