JP3021075U - 肩用パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 型崩れが防止でき、所定の形状を保持でき、
皺が生ずることなく、きれいな仕上がりにて高精度かつ
高品質で、装用した場合に外観を良好に保つことができ
る肩用パッドを提供すること。 【解決手段】 裏面が凹状曲面部として形成され、表面
が略々中央において中高の厚肉部として形成されるとと
もに、周縁を薄肉部として凸状に形成された芯体１と、
該芯体１の表裏全面を覆い、芯体１に密着固定された縦
横に伸縮可能な伸縮布２からなることを特徴とする肩用
パッド。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、肩用パッド特にブラウス等の肩部を整容するための肩用パッドに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ブラウス等の肩部に内装して肩部を整容するための肩用パッドとしては 、合成樹脂発泡体を加圧成形した芯体、又は積層した綿をキルティングすること により形成した芯体を布で覆い、その布の周縁部を縫合することにより裏面が肩 に装用可能な凹状曲面部に形成されるとともに、表面部はその略々中央が中高の 厚肉部を形成するとともに、周縁が薄肉部として形成された凸状曲面部に形成し たものがある。

【０００３】 また、他の従来例としては、ウレタンフォームよりなる合成樹脂発泡体のシー ト状材料の両面に接着剤を介して予め布地を接着し、その後このシート材を加熱 、加圧することにより肩用パッド等を成形するものがあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来の肩用パッドのうち前者においては、芯体を被覆してある布 が一方向しか伸縮しないものであるため、伸縮性の乏しい方向に布が無理に引っ 張られるとパッド全体の形状が崩れ易くなる。

【０００５】 逆に、布が縮む時は、表面及び裏面が単なる平面ではなく、裏面が凹状曲面を 形成し、表面が凸状曲面を形成しているため、布が該凹凸面になじまず、布が芯 体から離脱して皺ができ、装着感が悪化するとともに、外観も損なわれるという 問題があった。特に、薄い布地を使用するブラウスにおいて肩用パッドに皺が形 成されると、薄い布地の表面に皺が目立ち易くなり、外観上の不都合が顕著であ った。

【０００６】 また、ウレタンフォーム等の合成樹脂発泡体よりなるシート材に両面に接着剤 により予め布地を接着したものを加熱、加圧することにより肩用パッドを成形す るという後者の実施例では、肩用パッドを成形する際に加熱、加圧されることに より布が芯体としての合成樹脂発泡体と一体に凹状曲面部となる肩用パッドの表 面側において強く引っ張られる。逆に、凹状曲面部が形成される肩用パッドの裏 面側においては布が縮むこととなるため、肩用パッドの表裏面には皺が形成され 易く、仕上がりがきれいで、高精度かつ高品質の肩用パッドを製作することはで きなかった。しかも、合成樹脂発泡体よりなる芯体の肩用パッドは変色し易かっ た。

【０００７】 また、従来より一般的に使用されている肩用パッドは、人体の肩の自然の形状 に合わせて作製されていないため、肩パッドは肩の前側と後側で肩の体表から浮 き上がるような場合があった。

【０００８】 そこで、本考案は上記の問題に鑑みなされたものであって、型崩れが防止でき 、所定の形状を保持できる肩用パッドを提供することを目的とする。また、皺が 生ずることなく、きれいな仕上がりにて高精度かつ高品質で、装用した場合に外 観を良好に保つことができるとともに、自然感をもって快適に装用できる肩用パ ッドを提供することを目的とする。

【０００９】 また、本考案の目的は、人体の肩及びその付近の形状を考慮して、着用感及び 美観の良い肩用パッドを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、肩用パッドであって、裏面が凹状曲面部として形成さ れ、表面が略々中央において中高の厚肉部として形成されるとともに、周縁を薄 肉部として凸状に形成された芯体と、該芯体の表裏全面を覆い、芯体に密着固定 された縦横に伸縮可能な伸縮布からなることを特徴とする。

【００１１】 請求項２記載の考案は、前記肩用パッドが、その表面の稜線を境にして一方の 領域が他方の領域よりも狭く形成されることを特徴とする。

【００１２】 請求項３記載の考案は、前記肩用パッドが、前記稜線を境にして狭く形成され た領域が他方の領域よりも薄く形成されることを特徴とする。

【００１３】 請求項４記載の考案は、前記肩用パッドの前記稜線の端部表面が球面状に形成 されていることを特徴とする。

【００１４】 請求項１記載の考案によれば、芯体を被覆するための布が縦横に伸縮すること により、芯体の表面側に形成した凸状の曲面部と芯体の裏面側に形成した凹状曲 面部とになじんで密接する。また、芯体の表面側に設けた凸状曲面部と芯体の裏 面部に設けた凹状曲面部との異なる曲率になじんで布が接着される。

【００１５】 請求項２記載の考案によれば、その表面の稜線を境にして一方の領域が他方の 領域よりも狭く形成されているため、狭い方の領域を人体の前側に装用すること ができる。

【００１６】 請求項３記載の考案によれば、その表面の稜線を境にして狭く形成された領域 が広く形成された領域よりも薄く形成されているため、当該狭い方の領域を人体 の前側に装用した場合に、人体の鎖骨を考慮した肩用パッドの形状とすることが できるとともに、広い方の領域を後側に装用した場合には肩甲骨部分の人体の肉 の薄い部分を考慮した肩用パッドの形状とすることができる。

【００１７】 請求項４記載の考案によれば、前記稜線の端部が球面状に形成されているため 、人体の肩先の形状に沿った肩用パッドの形状を得ることができる。

【００１８】

【考案の実施の形態】 本考案に係る肩用パッドの実施例を図面に従って説明する。 本考案に係る肩用パッドは、図１及び図２に示すように、芯体１を表裏２枚の 布で覆うことにより形成されている。 芯体１は、積層した綿３と該綿３の両面を覆う不織布４とにより構成される。 このパッドを形成するには、成形用型の上に不織布４を置き、その上に綿３を所 望の厚さに積み重ねる。そして、積み重ねた綿３上にさらに不織布４を乗せるこ とにより形成される。

【００１９】 次に、不織布４の周縁部に接着剤を塗布した後、加圧成形により芯体１は裏面 側が凹状曲面部を有し、表面側には略々中央に中高の厚肉部と周縁には薄肉部が 形成される。また、芯体１は上述の不織布４又は綿３等の材料を使用して形成す るものに限定されず、例えば、合成樹脂発泡体を加圧成形するものや、積層した 綿をキルティングした芯体１とすることも可能である。

【００２０】 芯体１を覆う前記布２は、所望の形状及び大きさに裁断された後、接着剤５を 予め付着してあり、しかも縦横に伸縮可能な伸縮布を使用する。また、接着剤５ としては容易かつ安価に得られるのと、その品質が一定しているため合成樹脂製 のものが好ましい。この合成樹脂製接着剤を、例えば芯体２．５ｃｍ²当たり３ ８ポイント付着する。また、縦横に伸縮する布２としては、織製ではなく、編製 のものがある。

【００２１】 そして、所望の形状、大きさに裁断した布２により前記芯体１を覆い、その後 加熱、加圧することにより肩用パッドを成形する。この際、布２を裁断する寸法 は芯体１に対して所定幅の縫い代が形成できる程度のものとし、必要以上の大き さの布２は不要である。

【００２２】 肩用パッドの成形には、芯体１を成形するのに使用した型上に裏面側の布２を 載せ、その上に芯体１、さらに表面側の布２を載せて加圧しながら芯体１の裏面 側に設ける凹状曲面部１Ａと芯体１の表面側に設けられ、かつ略々中央が中高の 厚肉部であり、周縁を薄肉部として形成した凸状曲面部１Ｂとの異なる曲率の凹 凸を有する芯体１に対して表裏の布２がそれぞれ縦横に伸縮することにより凹状 の曲面部１Ａと凸状曲面部１Ｂとになじんで芯体１の表裏に密接して接着される 。

【００２３】 すなわち、芯体１の裏面側に設けた凹状曲面部１Ａに裏面側の布２が縦横の伸 縮し、一方向に強く引っ張られる等の偏って伸縮することがないので、多くの皺 が生ずるのを防止できる。従って、肩用パッドを装着する場合に、皺が生ずるこ とにより違和感を感ずることがなく、自然感の下に快適に肩用パッドを装用でき るとともに形崩れを防止できる。

【００２４】 また、表面側の布２が芯体１の表面側に形成した凹状曲面部１Ｂの曲率に応じ て縦横に平均的に伸縮するので、この布２が偏って無理に引っ張られることがな くなり、芯体１の表面になじんで密接する。従って、芯体１の表面側に皺が形成 されるのを防止されて、外観上の不体裁を防止できる。また、芯体１とともに布 ２が縦横に伸縮するので、運動をする場合においても肩用パッドの形崩れを防止 できるとともに機能性に富むほか、芯体１に対する布２の浮き上がりを防止でき る。

【００２５】 布２には、予め接着剤５が付着されていているので、接着剤５によって布２を 芯体１の表面側の凸状曲面部１Ｂと凹状曲面部１Ａとのそれぞれ異なる曲面に応 じて浮き上がりがなく密接してかつ確実に接着できる。さらに、表面側及び裏面 側の布２を芯体１の表裏面の布２の周縁を縫製するための縫製作業時に縫製が容 易かつ確実に行える。また、この際、手に接着剤５が付着して汚れるという不都 合もなくなり、接着剤５を余分に使用することもなく、仕上がりのきれいな肩用 パッドを形成できる。そして、最後に芯体１を加熱、加圧した後に周縁部を縫合 する。尚、図中符号６は肩用パッドの上面に接着してあるマジックテープであり 、このマジックテープ６によってブラウスの肩部への着脱操作を容易にできる。

【００２６】 人間の肩は、頸の付根と肩先の基準となる点を結んだ肩峰線を境として、前側 部分と後側部分が非対称に形成されている。また、この前側部分には鎖骨がある ため、肩用パッドを人間の肩の形状に合わせるためには、前側部分を後側部分よ り薄く形成する必要がある。さらに、人体は右肩と左肩では人体の中心線に対し て対称であるため、右肩用と左肩用とで異なる形状の肩用パッドを作製する必要 がある。これらの点を考慮して作製されたのが第２実施例乃至第４実施例として 示す肩用パッドである。

【００２７】 第２実施例として、図３乃至図４に示す肩用パッド１０は、通称ラグランタイ プと呼ばれる肩用パッドであって、図３においてＩ−Ｉ線が肩用パッド１０を当 該図面の縦方向に切断した場合の最高点を連ねた稜線１０Ｌであって、肩用パッ ド１０を人体に装用する場合には、この稜線１０Ｌが人体の前述の肩峰線に沿う ように装着される。この稜線１０Ｌを基準として上側の領域１０ａが人体の前側 部分（鎖骨側）、下側の領域１０ｂが人体の後側部分（肩甲骨側）に装着される 。また、この肩用パッド１０は左肩用パッドであって、肩用パッド１０の左側１ ０ｃが人体の外側（頸から遠ざかる方）に、肩用パッド１０の右側１０ｄが頸側 になるように装用される。この上側領域１０ａと下側領域１０ｂは例えば、上側 領域１０ａを４６％、下側領域１０ｂを５４％の割合とすることができる。さら に、前述のとおり、人体の前側部分には鎖骨があり、後側は肩甲骨の部分の肉厚 が薄くなっているため、図５に示すように、この人体の形状に合わせて形成した 本実施例に係る肩用パッド１０においては、上側領域１０ａが薄く、下側領域１ ０ｂが厚く形成されている。この厚さは、例えば上側領域１０ａで０．９ｃｍ、 下側領域１０ｂで１．５ｃｍとすることができる。

【００２８】 図４は、図３に示した肩用パッド１０の稜線１０Ｌに沿って切断した場合の断 面図である。肩用パッド１０の左側部分１０ｃの断面形状は表面で円弧状であっ て、この円弧の半径は、美観を考慮して例えば３ｃｍ〜４ｃｍとすることができ る。

【００２９】 第３実施例として、図６乃至図８に示す肩用パッド１０は、通称ボートネック タイプと呼ばれる肩用パッドであって、図６においてＩＩＩ−ＩＩＩ線が肩用パ ッド２０を当該図面の縦方向に切断した場合の最高点を連ねた稜線２０Ｌであっ て、肩用パッド２０を人体に装用する場合には、この線２０Ｌが人体の前述の肩 峰線に沿うように装着される。この稜線２０Ｌを基準として上側の領域２０ａが 人体の前側部分（鎖骨側）、下側の領域２０ｂが人体の後側部分（肩甲骨側）に 装着される。また、この肩用パッド２０は左肩用パッドであって、肩用パッド２ ０の左側２０ｃが人体の外側（頸から遠ざかる方）に、肩用パッド２０の右側２ ０ｄが頸側になるように装用される。この上側領域２０ａと下側領域２０ｂは例 えば、上側領域２０ａを４１％、下側領域２０ｂを５９％の割合とすることがで きる。さらに、前述の肩用パッドと同様、人体の肩峰線を境にして前側部分と後 側部分の形状の違いを考慮して製作した本実施例に係る肩用パッド３０は、図８ に示すように、上側領域３０ａが薄く、下側領域３０ｂが厚く形成されている。 この厚さは、例えば上側領域３０ａで０．９ｃｍ、下側領域３０ｂで１．４ｃｍ とすることができる。

【００３０】 第４実施例として、図９乃至図１１に示す肩用パッド１０は、いわゆるセミラ グランと呼ばれるタイプの肩用パッドである。図９においてＶ−Ｖ線が肩用パッ ド３０を当該図面の縦方向に切断した場合の最高点を連ねた稜線３０Ｌであって 、肩用パッド３０を人体に装用する場合には、この線３０Ｌが人体の前述の肩峰 線に沿うように装着される。この稜線３０Ｌを基準として上側の領域３０ａが人 体の前側部分（鎖骨側）、下側の領域３０ｂが人体の後側部分（肩甲骨側）に装 着される。また、この肩用パッド３０は左肩用パッドであって、肩用パッド３０ の左側３０ｃが人体の外側（頸から遠ざかる方）に、肩用パッド３０の右側３０ ｄが頸側になるように装用される。この上側領域３０ａと下側領域３０ｂは例え ば、上側領域３０ａを４０％、下側領域３０ｂを６０％の割合とすることができ る。さらに、前述の肩用パッドと同様、人体の肩峰線を境にして前側部分と後側 部分の形状の違いを考慮して製作した本実施例に係る肩用パッド３０は、図１１ に示すように、上側領域３０ａが薄く、下側領域３０ｂが厚く形成されている。 この厚さは、例えば上側領域３０ａで１．５ｃｍ、下側領域３０ｂで２．５ｃｍ とすることができる。

【００３１】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によれば、布が芯体の表面側に形成した凸状の曲面部と芯 体の裏面側に形成した凹状曲面部とになじんで密接するので、肩用パッドの型崩 れが防止でき、所定の形状を保持できる。また、従来のように布が芯体から離脱 状態になることから生ずる皺が生ずることなく、きれいな仕上がりにて高精度か つ高品質の製品が容易かつ確実に得られる。しかも、装用した場合に外観を良好 に保つことができるとともに、自然感をもって快適に装用できる。

【００３２】 請求項２記載の考案によれば、その表面の稜線を境にして狭く形成されている 領域を人体の前側に装用することができ、広く形成されている領域を人体の後側 に装用することができるため、着用感及び美観の良い肩用パッドを提供すること ができる。

【００３３】 請求項３記載の考案によれば、鎖骨及び肩甲骨付近の人体の形状を考慮した肩 用パッドの形状としているため、さらに着用感及び美観の良い肩用パッドを提供 することができる。

【００３４】 請求項４記載の考案によれば、人体の肩先の形状に合わせた肩用パッドの形状 としているため、さらに着用感及び美観の良い肩用パッドを提供することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る肩用パッドの第１実施例を示す分
解斜視図である。

【図２】図１に示す肩用パッドの一部切欠斜視図であ
る。

【図３】本考案に係る肩用パッドの第２実施例を示す平
面図である。

【図４】図３に示す肩用パッドのＩ−Ｉ線断面図であ
る。

【図５】図３に示す肩用パッドのＩＩ−ＩＩ線断面図で
ある。

【図６】本考案に係る肩用パッドの第３実施例を示す平
面図である。

【図７】図６に示す肩用パッドのＩＩＩ−ＩＩＩ線断面
図である。

【図８】図６に示す肩用パッドのＩＶ−ＩＶ線断面図で
ある。

【図９】本考案に係る肩用パッドの第４実施例を示す平
面図である。

【図１０】図９に示す肩用パッドのＶ−Ｖ線断面図であ
る。

【図１１】図９に示す肩用パッドのＶＩ−ＶＩ線断面図
である。

【符号の説明】

１ 芯体 ２ 布 ３ 綿 ４ 不織布 ５ 接着剤 ６ マジックテープ １０、２０、３０ 肩用パッド １０ａ、２０ａ、３０ａ 上側領域 １０ｂ、２０ｂ、３０ｂ 下側領域 １０ｃ、２０ｃ、３０ｃ 左側部分 １０ｄ、２０ｄ、３０ｄ 右側部分 １０Ｌ、２０Ｌ、３０Ｌ 稜線

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 裏面が凹状曲面部として形成され、表面
   が略々中央において中高の厚肉部として形成されるとと
   もに、周縁を薄肉部として凸状に形成された芯体と、 該芯体の表裏全面を覆い、芯体に密着固定された縦横に
   伸縮可能な伸縮布からなることを特徴とする肩用パッ
   ド。
2. 【請求項２】 前記肩用パッドは、その表面の稜線を境
   にして一方の領域が他方の領域よりも狭く形成されるこ
   とを特徴とする請求項１記載の肩用パッド。
3. 【請求項３】 前記肩用パッドは、前記稜線を境にして
   狭く形成された領域が他方の領域よりも薄く形成される
   ことを特徴とする請求項２記載の肩用パッド。
4. 【請求項４】 前記肩用パッドは、前記稜線の端部表面
   が球面状に形成されていることを特徴とする請求項１乃
   至３のいずれかに記載の肩用パッド。