JP3019723B2 - 回折光学素子の製造方法 - Google Patents

回折光学素子の製造方法

Info

Publication number
JP3019723B2
JP3019723B2 JP6150628A JP15062894A JP3019723B2 JP 3019723 B2 JP3019723 B2 JP 3019723B2 JP 6150628 A JP6150628 A JP 6150628A JP 15062894 A JP15062894 A JP 15062894A JP 3019723 B2 JP3019723 B2 JP 3019723B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resist
pattern
phase shift
light
shielding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6150628A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07333396A (ja
Inventor
則浩 片倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP6150628A priority Critical patent/JP3019723B2/ja
Publication of JPH07333396A publication Critical patent/JPH07333396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3019723B2 publication Critical patent/JP3019723B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物用顕微鏡である軟
X線顕微鏡や、X線を集光させて物質に照射させて分析
を行う分析機器などに利用されるゾーンプレートや、回
折格子などのX線用回折光学素子の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】X線顕微鏡やその他多くのX線を用いた
光学機器において、通常の光学レンズの代わりにゾーン
プレートなどの回折光学素子が使用されてきた。これ
は、X線の屈折率があらゆる物質でほとんど1であり、
従来から利用されている屈折を利用した光学レンズでは
集光することができないためである。
【0003】ゾーンプレートのようにX線の回折性・干
渉性を利用した回折光学素子を用いればX線を集光する
ことができる。従って、X線光学においてゾーンプレー
トは重要な光学素子である。
【0004】このようなゾーンプレートとは、基板上に
X線遮光輪帯が同心円状に形成され、各遮光輪帯間の基
板領域がX線透過輪帯とし、外周側に行くほど輪帯線幅
が細くなるように構成された回折格子である。その解像
力は最外周の最小な遮光輪帯線幅drとほぼ一致してい
る。従って、解像力を上げるためには最外周線幅を微細
にすることが必要である。
【0005】最外周線幅を微細にするため、ゾーンプレ
ートの作製には、IC作製などに用いられる超微細加工
技術が必要となってくる。従来からの方法としては、電
子線描画装置やホログラフィー技術を利用したものがあ
る。これは、X線透過基板上に形成されたAuなどのX
線吸収帯層にレジストを塗布し、まずレジスト上に所望
の輪帯に応じたパタンを上述描画手段によって描画・現
像した後、形成されたレジストパタンをマスクとしてそ
の下層にあるX線吸収体をエッチングしたり、またはレ
ジストパタンのスペース部にメッキ法などによって輪帯
パタンを形成するという操作によってゾーンプレートを
作製していた。
【0006】これらのゾーンプレートはSiN、SiC
などのX線透過メンブレン上に形成されるか、各隣接す
る輪帯どうしを一体に接続して保持する保持支柱を形成
し、基板(メンブレン)をエッチング等で除去した自立
型などがあった。また、X線回折格子についても同様の
方法で作製されていた。
【0007】しかし、所望の最小輪帯線幅が100nm
以下となると、上述のような方法で形成する場合、電子
線や紫外線のレジスト内での散乱、または、エッチング
工程での諸問題により、ラインアンドスペース比を理論
値どおりにしたり、微細な線幅を高精度に形成させるこ
とは、非常に困難であった。
【0008】そこで提案された方法が、特開平3−78
705号公報に示されているように、ゾーンプレートに
おいて、メンブレンの両面側にX線遮光輪帯を交互に、
即ち一方の面上に中心から奇数番目の輪帯を、他方の面
上に中心から偶数番面のX線遮光輪帯を設けるというも
のであった。
【0009】これは、基板表面の各透過領域を透過した
X線が基板裏面の各遮光輪帯によって分解されるもので
あり、各透過領域の幅を狭めることなく表面の透過領域
に対向する基板裏面に遮光輪帯を形成したため、片面だ
けに輪帯を設けた時よりも効率を低下させないまま分解
能を高めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に提案された作製方法においても、電子線描画装置等
の性能その他に左右され、やはりある線幅以下の輪帯を
形成することは不可能であった。
【0011】本発明は、上記問題を鑑み、X線透過基板
の表裏両面にX線遮光輪帯を交互に形成した形態のゾー
ンプレートまたは回折格子などの回折光学素子におい
て、描画装置・光露光装置では形成できなかった微小線
幅のパタンを形成し得る回折光学素子の製造方法を提供
することを主目的とする。また、本発明は、多層レジス
ト法を用い、エッチングガス圧を調整して等方性エッチ
ングを行なうことによって微細な線幅を持つ回折光学素
子を製造することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る回折光学素子の製造方
法では、複数の第1の遮光帯部または位相シフト帯部を
基板の一方の表面に予め定められた寸法の間隙部を介し
て形成し、前記基板の裏面に前記間隙部に対応するよう
に複数の第2の遮光帯部または位相シフト帯部を形成す
る回折光学素子の製造方法において、前記第1の遮光帯
部または位相シフト帯部を形成する工程として、前記基
板上に、少なくとも基板側から順に、X線吸収体層また
は位相シフト体層、下層レジスト、上層レジストを形成
する積層工程a1 と、前記上層レジストに前記第1の遮
光帯部または位相シフト帯部に応じたレジストパタンを
描画する工程a2 と、該上層レジストのパタンを下層レ
ジストに転写する工程a3 と、該下層レジストのパタン
をマスクとして前記X線吸収体層または位相シフト体層
をエッチングして前記第1の遮光帯部または位相シフト
帯部を形成するエッチング工程a4 とを有し、前記第2
の遮光帯部または位相シフト帯部を形成する工程とし
て、前記基板上に、少なくとも基板側から順に、X線吸
収体層または位相シフト体層、下層レジスト、上層レジ
ストを形成する積層工程b1 と、前記上層レジストに前
記第2の遮光帯部又は位相シフト帯部に応じたレジスト
パタンを描画する工程b2 と、該上層レジストのパタン
を下層レジストに転写する工程b3 と、該下層レジスト
のパタンをマスクとして前記X線吸収体層または位相シ
フト体層をエッチングして前記第2の遮光帯部または位
相シフト帯部を形成するエッチング工程b4 とを有し、
前記上層レジストのパタンを前記下層レジストに転写す
る工程a3 及び工程b3 は、予め定められたサイドエッ
チング量が得られるエッチングガス圧に設定して行なう
等方性エッチング工程を含み、前記工程a1 及び工程b
1 において前記上層レジストに形成されるレジストパタ
ンのライン幅は、予め、所望の遮光帯幅または位相シフ
ト帯幅に前記サイドエッチング量を加算して設定するも
のである。
【0013】また、請求項2に記載の発明に係る回折光
学素子の製造方法では、請求項1に記載の回折光学素子
の製造方法において、前記複数の遮光帯部及び間隙部
は、外周方向に向かって幅が小さくなるよう同心円状に
形成されるものである。
【0014】また、請求項3に記載の発明に係る回折光
学素子の製造方法では、請求項1又は請求項2に記載の
回折光学素子の製造方法において、前記工程a2 および
工程b2 は、互いに隣接する第1の遮光帯部または位相
シフト帯部どうしおよび互いに隣接する第2の遮光帯部
または位相シフト体部どうしを各々一体に接続する支持
部に対応するパタンを形成する工程を含むものである。
【0015】
【作用】本発明は、X線用の回折光学素子を製造する方
法として、板の表裏両面に、少なくともX線吸収体層、
下層レジスト、上層レジストを形成する(工程a1 ,b
1 )所謂多層レジスト法を用い、各々表裏両面の上層レ
ジストに形成した遮光帯部または位相シフト帯部に応じ
たレジストパタン(工程a2 ,b2 )をさらに下層レジ
ストに転写する(工程a3 ,b3 )際に、等方性エッチ
ングを行なうものである。
【0016】等方性エッチングは、垂直方向以外に横方
向にもエッチングが進む、即ちサイドエッチングが生じ
る反応性イオンエッチングである。従って、下層レジス
トの線幅はサイドエッチングによって従来のものより微
細となり、この下層レジストパターンをマスクとしてエ
ッチングされたX線遮光層では、微細な遮光帯部が形成
される。
【0017】さて、本発明の多層レジスト法に等方性エ
ッチングを用いた工程の一例として、三層レジスト法の
場合を図3に示す。図3において、基板(X線吸収体)
101上に、下層レジスト102、中間層103、上層
レジスト104を順次成膜し、まず、所定の線幅のレジ
ストパタンを上層レジスト104に電子線描画装置等を
用いて描画する(図3a)。多層レジスト法によれば、
パタン形成機能を担当する上層レジスト104におい
て、比較的アスペクト比が大きく基板(X線吸収体)1
01のエッチング加工時のマスク機能を担当する下層レ
ジスト102で隔てられることによって基板(X線吸収
体)101の影響が軽減され理想的なパタン形成がで
き、レジスト特性が最大限に発揮される。
【0018】この上層レジスト104に形成されたパタ
ンを中間層103に転写し(図3b)。さらに、中間層
103に形成されたパタンを下層レジスト102へと転
写する。この下層レジスト102へのパタン転写の際
に、通常の異方性エッチングなどの方法によれば、中間
層103のパターンは忠実に下層レジス102へ転写さ
れ、上層レジスト104のレジストパターンの線幅比が
ほぼそのまま再現される(図3c)。
【0019】しかしながら、ここで等方性エッチングを
行なうことによって、サイドエッチング効果により若干
逆樽型ではあるが、中間層103のパターンより線幅の
微細なパターンが得られる(図3d)。上層レジスト1
04及び中間層103のパターンのラインアンドスペー
ス比が1:1とすると、等方性エッチングによって形成
された下層レジスト102のラインアンドスペース比は
1:2、またはそれ以上となる。
【0020】従って、当初の描画後のレジストパタンの
線幅が従来の限界幅であれば、上記の等方性エッチング
によって得られた下層レジスト102のパターンをマス
クとしてエッチングし形成された基板(X線吸収体)1
01のパターンは、従来形成できなかったような微細な
線幅のラインをもつこととなる。
【0021】さらに、等方性エッチングを行なうにあた
って、エッチングガス圧とサイドエッチング量とは、定
量的な相関関係をもつことが見出されたことから、この
エッチングガス圧を設定することによって所望のサイド
エッチングが得られる。例えば、図4に示したサイドエ
ッチング量(μm)とO2 ガス圧(Pa)の関係のよう
に、あるガス圧に設定すれば、等方性エッチングによっ
て得られるサイドエッチング量は決定されるので、線幅
自体がどのような大きさの場合であっても、常に、ほぼ
同程度のサイドエッチングを生じさせることができる。
従って、逆に当初のパターンの線幅を、最終的に形成し
たい線幅に設定エッチングガス圧によって得られるサイ
ドエッチング分を予め加算して設定することができる。
【0022】本発明においては、以上のような等方性エ
ッチングにおけるエッチングガス圧の調整を利用するこ
とによって、従来の限界幅より微細なレジストパターン
をラインアンドスペース比1:2程度で基板表面の金属
層(X線吸収体)上に形成し、また同様に基板裏面の金
属層上に表面のスペース部ラインが来るようにレジスト
パタンを形成し、この両面パターンをマスクとしてイオ
ンミリングまたは反応性イオンエッチングなどで下部の
X線吸収体層をパターニングすれば、従来、描画装置な
どで実際に作製できた限界線幅の半分の線幅、また両面
併せて半分の回折定数を持つX線用の回折光学素子を製
造することができる。
【0023】さらに、上記の製造方法において、請求項
2に記載したように複数の遮光帯部及び間隙部を外周方
向に向かって幅が小さくなるよう同心円状に形成すれ
ば、両面併せて、最外周線幅が従来の実際に作製できた
限界線幅の半分の線幅、即ち解像力が倍のゾーンプレー
トを得ることができる。
【0024】また、請求項3に記載したように、上記の
工程a2 および工程b2 に互いに隣接する第1の遮光帯
部または位相シフト帯部どうしおよび互いに隣接する第
2の遮光帯部または位相シフト体部どうしを各々一体に
接続する支持部に対応するパタンを形成する工程をさら
に備えることによって、工程a4 及びb4 のエッチング
で第1、第2の遮光帯部または位相シフト帯部と共に、
これらの支持部が形成されるため、その他の間隙部、即
ち基板のX線透過領域を除去して自立型の回折光学素子
を製造することができる。このような自立型の回折光学
素子では、基板を透過する際のX線の損失分がなくな
り、X線の利用効率が高まる。
【0025】なお、本発明に用いる多層レジスト法は、
三層レジスト法に限られるものではなく、例えば二層レ
ジストを用いても構わない。この時、感光層である上層
レジストとして、例えば、Si含有レジストやSe−G
e系無機レジストなどの工程a3 ,b3 で行なわれる等
方性エッチング(反応性イオンエッチング)に耐性のあ
るものを用いれば良い。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって説明する。
まず、本発明の一実施例として三層レジスト法を用いた
X線用のゾーンプレートの製造方法を、図1の工程図で
示す。図1において、まず、環状のシリコンウエハ基台
3に張設されたSiN,SiCなどのX線透過メンブレ
ン1の表裏両面に、それぞれメンブレン1側から、ゾー
ンプレートの格子材料、即ち後にX線遮光輪帯となる金
やゲルマニウムの金属層2a,金属層2b、ポジ型レジ
ストであるAZ−1350(商品名,ヘキスト社製:オ
ルソジアゾキノン化合物を混入したフェノール系樹脂)
を下層レジスト4a,4bとし、さらに、SiO2 の中
間層5a,5b、電子線レジストであるPMMA(ポリ
メチルメタクリレート)の上層レジスト6a,6bを順
次成膜した(図1(a))。
【0027】次に、表面側の上層レジスト6aには実際
のX線遮光輪帯の中心から外周側へ向けて奇数番目の第
1の遮光輪帯群に応じたパタンを、裏面側の上層レジス
ト6bには実際のX線遮光輪帯の中心から外周に向けて
偶数番目の第2の遮光輪帯群に応じたパタンを電子線描
画装置によって描画した。これによって形成されたパタ
ンは、図1(b)の断面図に示すように、表裏でちょう
ど各輪帯が交互に形成された状態となっている。
【0028】なお、上層レジスト6a,6bで描画され
るパタンの線幅は、後の等方性エッチングによってサイ
ドエッチングされる分を考慮し、最終的に得られる線幅
にサイドエッチング分を加算した幅に設定する。ここで
は、最終的に形成されるべきゾーンプレートの最外周
(最小)線幅を0.05μm、サイドエッチング幅がパ
タンのライン両側で各々0.025μmづつとする。従
って、当初の上層レジスト2a,2bで描画される最外
周輪帯に相当するパタン部の線幅は0.1μmとする。
【0029】次に、表面側の上層レジスト6aのパタン
をマスクとして表面側の中間層5aにCHF3 ガスを用
いた反応性イオンエッチングを行ない、同様に裏面側の
上層レジスト6bのパタンをマスクとして裏面側の中間
層5bにCHF3 ガスを用いた反応性イオンエッチング
を行ない、各々上層レジストパタンを忠実に転写した
(図1(c))。
【0030】次に、上記の如く形成した表面側の中間層
5aのパタンをマスクとして表面側の下層レジスト4a
に、また裏面側の中間層5bのパタンをマスクとして裏
面側下層レジスト4bに、それぞれO2 ガスを使った反
応性イオンエッチングによってパタンを転写した(図1
(d))。
【0031】このとき、前述したように、サイドエッチ
ング幅としてそれぞれ0.025μm(両側で0.05
μm)が生じる等方性エッチングとなるように、図4か
ら、O2 ガス圧を約2.6Paが設定した。このよう
に、O2 ガス圧約2.6Pa、Rf出力150Wの条件
で等方性エッチングを行なった結果、最外周輪帯に相当
するパタン部のライン幅が0.05μmでラインアンド
スペース比が1:2程度の下層レジストパタンが形成さ
れた。
【0032】次に、この表面側下層レジスト4aのパタ
ーンをマスクとして表面側の金属層2aを、また裏面側
下層レジスト4bのパターンをマスクとして裏面側の金
属層2bを、それぞれ反応性イオンエッチング(異方
性)を用いてパタンニングを行うことにより、最外周線
幅が0.05μmの、両面併せて従来より微細な線幅の
遮光輪帯を持つゾーンプレートが得られた(図1
(e))。
【0033】次に、上記の実施例の変形例として、自立
型のゾーンプレートの製造方法を図2に示す。これは、
上記実施例と同様に、環状のシリコンウエハ基台13に
張設されたSiN,SiCなどのX線透過メンブレン1
1の表裏両面に、それぞれメンブレン11側から、ゾー
ンプレートの格子材料、即ち後にX線遮光輪帯となる金
やゲルマニウムの金属層12a,金属層12b、AZ−
1350の下層レジスト14a,14b、SiO2 の中
間層15a,15b、PMMAの上層レジスト16a,
16b、を順次成膜した(図2(a))後、表面側の上
層レジスト16aには実際のX線遮光輪帯の中心から外
周側へ向けて奇数番目の第1の遮光輪帯群に応じたパタ
ンを、裏面側の上層レジスト16bには実際のX線遮光
輪帯の中心から外周に向けて偶数番目の第2の遮光輪帯
群に応じたパタンを電子線描画装置によって描画するも
のであるが、ここで、最終的にそれぞれ隣接する遮光輪
帯どうしを一体的に接続する支持部を形成するために、
該支持部に対応するパタン部17a及び17bも同時に
形成した(図2(b))。この支持部は、ゾーンプレー
トを平面でみて各遮光輪帯に対して直交する状態で十字
型に設けるものとした。
【0034】表面側上層レジスト16a及び裏面側上層
レジスト16bに各々形成された第1及び第2の遮光輪
帯に応じたパタンは、各々中間層15a,15b、さら
に下層レジスト14a,14bへ転写されるが、支持部
に応じたパタン部17a及び17bも同時に転写され
る。
【0035】前述したように、中間層15a,15bの
パタンを下層レジスト14a,14bへ転写する際に
は、エッチングガス圧を設定して等方性エッチングを行
なうことによって所望のサイドエッチングを生じさせる
ため、予め当初の上層レジスト12a及び12bにレジ
ストパターンを形成する際の線幅は、最終的に形成すべ
き線幅にサイドエッチング分を加算して設定する必要が
あるが、ここでは、支持部に応じたパタン部17a,1
7bに関しても、最終的に得られる支持部の幅が各遮光
輪帯部を支持し得る程度のものとなるように、当初のパ
タン幅はサイドエッチング分だけ太くしておく必要があ
る。
【0036】このように下層レジスト14a,14bに
形成された、支持部に応じたパタン部を含むレジストパ
タンをマスクとし、金属層12a,12bを反応性イオ
ンエッチングを用いてパタンニングすることによって、
支持部18a,18bによって各々一体的に接続された
遮光輪帯が形成された(図2(c))。
【0037】さらに、表裏両面で第1及び第2の遮光輪
帯と支持部18a,18b以外の間隙部のメンブランを
エッチングにより除去することによって、両面併せて従
来より線幅の微細な遮光輪帯を有する自立型ゾーンプレ
ートが得られた(図2(d))。
【0038】なお、ゾーンプレートに限らず回折格子に
ついても、以上の実施例及びその変形例として示した製
造方法を用いることができる。この場合も、下層レジス
トへのパターン転写の際に、所望のラインアンドスペー
ス比、位相シフト部幅、格子定数となるサイドエッチン
グが得られるようにエッチングガス圧を設定し等方性エ
ッチングを行なう。
【0039】また、表面側の第1の遮光輪帯部または位
相シフト帯部と裏面側の第2の遮光輪帯部または位相シ
フト帯部は、上記実施例に示した用に、同一基板(メン
ブレン)の表裏に形成する方法に限らず、各々別個の基
板(メンブレン)に形成した後、基板どうしを接続する
方法も可能である。
【0040】さらに、三層レジスト法を用いた場合を以
上の実施例で説明したが、これ以外にも、例えば二層レ
ジスト法など、他の多層レジスト法を用いても良く、使
用するレジストは、用いるレジスト法に応じて適当なも
のを選択すれば良い。また、本発明にX線吸収体として
使用する素材も、Au、タングステン以外にも、製造す
る回折光学素子に求められる作用に応じて適宜選択す
る。
【0041】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明によれば、
従来のものより微細な線幅のX線用の回折光学素子を製
造することができる。また本発明では、従来より最外周
線幅の小さいゾーンプレートが製造可能であるため、こ
れを用いたX線光学系では、従来より高い集光率、解像
度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるゾーンプレートの製造
方法の工程を示す概念図であり、(a)〜(e)は各工
程におけるゾーンプレート基材の断面図である。
【図2】図1の実施例の変形例による自立型ゾーンプレ
ート製造方法の工程を示す概念図であり、(a)〜
(c)は各工程におけるゾーンプレート基材の断面図、
(d)はゾーンプレートの平面図である。
【図3】本発明の作用を説明するための多層レジスト法
と等方性エッチングを示す工程図である。
【図4】本発明の作用を説明するための、等方性エッチ
ングにおけるサイドエッチングとエッチングガス(O
2 )圧の関係を示す線図である。
【符号の説明】
1,11:メンブレン 3,13:シリコンウエハ基台 2a,2b,12a,12b,101:金属層 4a,4b,14a,14b,102:下層レジスト 5a,5b,15a,15b,103:中間層 6a,6b,16a,16b,104:上層レジスト 17a,17b:支持部に相当するレジストパタン部 18a,18b:(遮光輪帯)支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−214650(JP,A) 特開 平6−138300(JP,A) 特開 平6−130193(JP,A) 特開 平5−346503(JP,A) 特開 平4−160399(JP,A) 特開 平4−152297(JP,A) 特開 平2−307100(JP,A) 特開 平6−94898(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 1/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の第1の遮光帯部または位相シフト
    帯部を基板の一方の表面に予め定められた寸法の間隙部
    を介して形成し、前記基板の裏面に前記間隙部に対応す
    るように複数の第2の遮光帯部または位相シフト帯部を
    形成する回折光学素子の製造方法において、 前記第1の遮光帯部または位相シフト帯部を形成する工
    程として、 前記基板上に、少なくとも基板側から順に、X線吸収体
    層または位相シフト体層、下層レジスト、上層レジスト
    を形成する積層工程a1 と、 前記上層レジストに前記第1の遮光帯部または位相シフ
    ト帯部に応じたレジストパタンを描画する工程a2 と、 該上層レジストのパタンを下層レジストに転写する工程
    3 と、 該下層レジストのパタンをマスクとして前記X線吸収体
    層または位相シフト体層をエッチングして前記第1の遮
    光帯部または位相シフト帯部を形成するエッチング工程
    4 とを有し、 前記第2の遮光帯部または位相シフト帯部を形成する工
    程として、 前記基板上に、少なくとも基板側から順に、X線吸収体
    層または位相シフト体層、下層レジスト、上層レジスト
    を形成する積層工程b1 と、 前記上層レジストに前記第2の遮光帯部または位相シフ
    ト帯部に応じたレジストパタンを描画する工程b2 と、 該上層レジストのパタンを下層レジストに転写する工程
    3 と、 該下層レジストのパタンをマスクとして前記X線吸収体
    層または位相シフト体層をエッチングして前記第2の遮
    光帯部または位相シフト帯部を形成するエッチング工程
    4 とを有し、 前記上層レジストのパタンを前記下層レジストに転写す
    る工程a3 及び工程b3 は、予め定められたサイドエッ
    チング量が得られるエッチングガス圧に設定して行なう
    等方性エッチング工程を含み、 前記工程a1 及び工程b1 において前記上層レジストに
    形成されるレジストパタンのライン幅は、予め、所望の
    遮光帯幅または位相シフト帯幅に前記サイドエッチング
    量を加算して設定することを特徴とする回折光学素子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の遮光帯部及び間隙部は、外周
    方向に向かって幅が小さくなるよう同心円状に形成され
    ることを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程a2 および工程b2 は、互いに
    隣接する第1の遮光帯部または位相シフト帯部どうしお
    よび互いに隣接する第2の遮光帯部または位相シフト帯
    部どうしを各々一体に接続する支持部に対応するパタン
    を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1、また
    は請求項2に記載の回折光学素子の製造方法。
JP6150628A 1994-06-09 1994-06-09 回折光学素子の製造方法 Expired - Fee Related JP3019723B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6150628A JP3019723B2 (ja) 1994-06-09 1994-06-09 回折光学素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6150628A JP3019723B2 (ja) 1994-06-09 1994-06-09 回折光学素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07333396A JPH07333396A (ja) 1995-12-22
JP3019723B2 true JP3019723B2 (ja) 2000-03-13

Family

ID=15501019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6150628A Expired - Fee Related JP3019723B2 (ja) 1994-06-09 1994-06-09 回折光学素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3019723B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5339975B2 (ja) * 2008-03-13 2013-11-13 キヤノン株式会社 X線位相イメージングに用いられる位相格子、該位相格子を用いたx線位相コントラスト像の撮像装置、x線コンピューター断層撮影システム
US9640291B2 (en) 2012-11-02 2017-05-02 Carl Zeiss X-ray Microscopy, Inc. Stacked zone plates for pitch frequency multiplication
CN105006266B (zh) * 2015-06-13 2017-06-06 复旦大学 自对准双层x射线波带片的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07333396A (ja) 1995-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3174930B2 (ja) マスク
JP2986087B2 (ja) 位相シフト・リソグラフィ・マスクおよびその製造方法
EP0969327B1 (en) Multiple exposure apparatus and method
JP2988417B2 (ja) フォトマスク
JPH04136854A (ja) 半導体装置の製造方法
US5888678A (en) Mask and simplified method of forming a mask integrating attenuating phase shifting mask patterns and binary mask patterns on the same mask substrate
JP2986098B2 (ja) サブ波長構造を使用する多位相フォト・マスク
US6495297B1 (en) Type mask for combining off axis illumination and attenuating phase shifting mask patterns
US20020030802A1 (en) Projection exposure apparatus
WO1994019723A1 (en) Resolution-enhancing optical phase structure for a projection illumination system
JP3019723B2 (ja) 回折光学素子の製造方法
KR100475083B1 (ko) 미세한 콘택홀 어레이를 위한 포토마스크, 그 제조방법 및사용방법
JP3096841B2 (ja) ホトリソグラフィ方法及びそれに使用するホトリソグラフィシステム
US20030039893A1 (en) Exposed phase edge mask method for generating periodic structures with subwavelength feature
US8233210B2 (en) Illumination aperture for optical lithography
US6582856B1 (en) Simplified method of fabricating a rim phase shift mask
JP4345821B2 (ja) 露光用マスク及びパターン形成方法
KR20040010421A (ko) 노광방법 및 노광장치
EP1361478A1 (en) Method of manufacturing phase shift mask and phase shift mask
JP3458549B2 (ja) パターン形成方法および該方法を用いた半導体デバイス製造方法と装置
JP3133618B2 (ja) 縮小投影露光装置において用いられる空間フィルタ
JP3344098B2 (ja) ハーフトーン方式位相シフトマスク及びレジスト露光方法
US5428478A (en) Optical mask and exposure method using the optical mask
JPH0226851B2 (ja)
JPH0519447A (ja) 投影露光装置用マスク

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees