JP3019617U - 合成樹脂製液体収納容器における注出ノズルの密閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】液体注出ノズルを安定な密閉状態に保つと共
に、シユリンク包装しやすく、化粧効果にも優れた液体
収納容器を提供する。 【構成】先細り状の注出ノズル（１３）が連続一体に垂
立するキヤツプナツト（１２）を、円筒型容器本体
（Ａ）の上端ネジ口筒（１１）へ螺合締結して成る合成
樹脂製の液体収納容器において、上記注出ノズル（１
３）のオーバーヘツドカバー（Ｂ）を透明又は半透明な
合成樹脂から円筒型に造形して、その頂面中央部から注
出ノズル（１３）の先端部に差し込む針（１８）と、同
じく注出ノズル（１３）の先端部に外嵌する小筒（１
９）とを連続一体に垂下させ、上記オーバーヘツドカバ
ー（Ｂ）をキヤツプナツト（１２）へ上方から差し込み
套嵌させて、その針（１８）と小筒（１９）により注出
ノズル（１３）を密閉するように定めた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は合成樹脂製液体収納容器における注出ノズルの密閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、工作油や潤滑油、化粧液、芳香液、薬液などの各種液体を収納するた め、図４のような合成樹脂からブロー成形された円筒型容器本体（ａ）の上端ネ ジ口筒（１）へ、先細り状注出ノズル（２）が連続一体に垂立する合成樹脂のキ ヤツプナツト（３）を、被着状態に螺合締結して成る容器は公知である。

【０００３】 そして、これでは上記注出ノズル（２）を密閉するに当り、そのキヤツプナツ ト（３）から連続一体に延長された帯紐（４）の上端部に付属するトツプカバー （５）を、上記注出ノズル（２）の先端部へ被着させている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このような構成の密閉装置では、その注出ノズル（２）の反復的な 開閉使用によって、上記帯紐（４）が切れやすく、その切れないまでも経時的に 伸びるため、注出ノズル（２）を確実に安定良く密閉することができず、その注 出ノズル（２）からトツプカバー（５）が容易に脱落してしまうこととなる。

【０００５】 又、上記トツプカバー（５）を被着させたとしても、これを含む注出ノズル（ ２）の全体は、依然として先細り形態にあるため、熱収縮フイルムによるシユリ ンク包装上、そのフイルムが破れやすく、従っていたづらに厚肉のフイルムを採 用しなければならない。

【０００６】 更に、合成樹脂製品として静電気を帯びやすい関係上、塵埃が上記キヤツプナ ツト（３）の頂面や、これから垂立する注出ノズル（２）の外周面に付着・堆積 しやすく、その化粧効果を阻害する問題もある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案はこのような課題の改良を企図しており、そのための構成上先細り状の 注出ノズルが連続一体に垂立するキヤツプナツトを、円筒型容器本体の上端ネジ 口筒へ螺合締結して成る合成樹脂製の液体収納容器において、

【０００８】 上記注出ノズルのオーバーヘツドカバーを透明又は半透明な合成樹脂から円筒 型に造形して、その頂面中央部から注出ノズルの先端部に差し込む針と、同じく 注出ノズルの先端部に外嵌する小筒とを連続一体に垂下させ、上記オーバーヘツ ドカバーをキヤツプナツトへ上方から差し込み套嵌させて、その針と小筒により 注出ノズルを密閉するように定めたことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

本考案の上記構成によれば、注出ノズルのオーバーヘツドカバーが円筒型をな し、キヤツプナツトへ上方から差し込み套嵌されるようになっているため、円筒 型容器本体も含む全体を薄肉な熱収縮フイルムの使用により、その破れるおそれ なく確実にシユリンク包装することができる。

【００１０】 又、キヤツプナツトへ上方から差し込み套嵌された円筒型オーバーヘツドカバ ーにより、そのキヤツプナツトから垂立する注出ノズルも全体的に包囲されるた め、その注出ノズルの外周面や上記キヤツプナツトの頂面に、塵埃の付着・堆積 するおそれがなく、優美な化粧効果を保つことができる。

【００１１】 更に、上記オーバーヘツドカバーは透明又は半透明の合成樹脂から成り、その 頂面中央部から注出ノズルの先端部に差し込む針と、同じくノズルの先端部に外 嵌する小筒とが、連続一体に垂下されているために、その針の差し込み状況や小 筒の外嵌状況を外部から目視しつつ、これらによって注出ノズルを正確に密閉す ることができ、その密閉状態の安定性にも優れる。

【００１２】

【実施例】

以下、図示の実施例に基いて本考案の具体的構成を詳述すると、その合成樹脂 製液体収納容器の組立状態と分解状態を表わした図１〜３において、（Ａ）ポリ エチレンやその他の熱可塑性合成樹脂から有底の円筒型にブロー成形された容器 本体であり、その胴面を指先で強く押せば凹み、その操作手を離せば復元変形す る。

【００１３】 （１１）は容器本体（Ａ）の上端から連続一体に垂立するネジ口筒、（１２） はそのネジ口筒（１１）への被着状態として、上方から着脱自在に螺合締結され たキヤツプナツトであり、その頂面中央部から連通状態に一定高さ（Ｈ）だけ垂 立する先細り状の液体注出ノズル（１３）も含む全体として、熱可塑性合成樹脂 から一体に射出成形されている。

【００１４】 （１４）は上記キヤツプナツト（１２）の頂面に裏当て付属された弾性シール プレート、（１５）はそのキヤツプナツト（１２）の下端部から外向きに張り出 されたストツパーフランジであり、後述するオーバーヘツドカバーの開口縁部を 受け止める。（１６）は同じくキヤツプナツト（１２）の下端近傍部からやはり 外向きに張り出された係止フランジであり、その役目については後述する。

【００１５】 又、（Ｂ）は透明又は半透明の熱可塑性合成樹脂から、断面倒立Ｕ字型の円筒 状に射出成形されたオーバーヘツドカバーであり、その内径（Ｓ）が上記キヤツ プナツト（１２）の外径（Ｄ）とほぼ等しく寸法化されている。

【００１６】 （１７）は上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）の下端近傍部に位置しつつ、その 胴面から内向きに張り出された複数個の係止凸子であり、上記キヤツプナツト（ １２）側の係止フランジ（１６）と係脱自在に係止して、オーバーヘツドカバー （Ｂ）を浮き上がり不能な仮り止め状態に保つ。

【００１７】 （１８）は同じくオーバーヘツドカバー（Ｂ）の頂面中央部から内向き連続的 に垂下された針であり、そのオーバーヘツドカバー（Ｂ）をキヤツプナツト（１ ２）へ上方から套嵌させた時には、上記注出ノズル（１３）の先端部に差し込ま れて、その注出ノズル（１３）を密閉状態に封止する。

【００１８】 更に、（１９）は上記針（１８）を包囲する直径寸法として、やはりオーバー ヘツドカバー（Ｂ）の頂面中央部から内向きに垂下された小筒であり、そのオー バーヘツドカバー（Ｂ）をキヤツプナツト（１２）へ套嵌させた時には、上記注 出ノズル（１３）の先端部に外嵌して、その注出ノズル（１３）をやはり密閉状 態に封止する。

【００１９】 本考案の上記構成によれば、容器本体（Ａ）の上端ネジ口筒（１１）へ螺合締 結されているキヤツプナツト（１２）から上方へ、オーバーヘツドカバー（Ｂ） を抜き出すことにより、その開口する注出ノズル（１３）の先端部から内容物の 液体を注ぎ出し使用できることは、言うまでもない。

【００２０】 そして、上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）をキヤツプナツト（１２）へ上方か ら差し込み套嵌すれば、そのキヤツプナツト（１２）から垂立する注出ノズル（ １３）も包囲できることは勿論、そのオーバーヘツドカバー（Ｂ）の頂面中央部 から垂下する針（１８）が注出ノズル（１３）の先端部に差し込まれると同時に 、同じく小筒（１９）が注出ノズル（１３）の先端部へ外嵌することになるため 、その注出ノズル（１３）は自づと完全に密閉されるのである。

【００２１】 その場合、上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）は透明又は半透明の合成樹脂から 成るため、その針（１８）の差し込み状況や小筒（１９）の外嵌状況を外部から 目視点検することができる。

【００２２】 更に、上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）による注出ノズル（１３）の密閉状態 では、そのオーバーヘツドカバー（Ｂ）側の係止凸子（１７）がキヤツプナツト （１２）側の係止フランジ（１６）に対して、これを言わば乗り越えて係止する ことになるため、上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）を確固に仮り止めすることが でき、その浮き上がるおそれのない安定な密閉状態に保てるのである。

【００２３】

【考案の効果】

以上のように、本考案では先細り状の注出ノズル（１３）が連続一体に垂立す るキヤツプナツト（１２）を、円筒型容器本体（Ａ）の上端ネジ口筒（１１）へ 螺合締結して成る合成樹脂製の液体収納容器において、

【００２４】 上記注出ノズル（１３）のオーバーヘツドカバー（Ｂ）を透明又は半透明な合 成樹脂から円筒型に造形して、その頂面中央部から注出ノズル（１３）の先端部 に差し込む針（１８）と、同じく注出ノズル（１３）の先端部に外嵌する小筒（ １９）とを連続一体に垂下させ、上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）をキヤツプナ ツト（１２）へ上方から差し込み套嵌させて、その針（１８）と小筒（１９）に より注出ノズル（１３）を密閉するように定めてあるため、図４に基いて説示し た従来技術の課題を、簡素な必要構成のもとで完全に改良できる効果がある。

【００２５】 即ち、本考案の上記構成によれば、注出ノズル（１３）のオーバーヘツドカバ ー（Ｂ）が円筒型をなし、キヤツプナツト（１２）へ上方から差し込み套嵌され るようになっているため、円筒型容器本体（Ａ）も含む全体を薄肉な熱収縮フイ ルムの使用により、その破れるおそれなく円滑にシユリンク包装することができ る。

【００２６】 又、キヤツプナツト（１２）へ上方から差し込み套嵌された円筒型オーバーヘ ツドカバー（Ｂ）により、そのキヤツプナツト（１２）から垂立する注出ノズル （１３）も全体的に包囲されるため、その注出ノズル（１３）の外周面や上記キ ヤツプナツト（１２）の頂面に、塵埃の付着・堆積するおそれがなく、優美な化 粧効果を保つことができる。

【００２７】 更に、上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）は透明又は半透明の合成樹脂から成り 、その頂面中央部から注出ノズル（１３）の先端部に差し込む針（１８）と、同 じくノズル（１３）の先端部に外嵌する小筒（１９）とが、連続一体に垂下され ているために、その針（１８）の差し込み状況や小筒（１９）の外嵌状況を外部 から目視しつつ、これらによって注出ノズル（１３）を正確に密閉することがで き、その密閉状態の安定性にも優れる。

【００２８】 特に、請求項２の構成を採用するならば、オーバーヘツドカバー（Ｂ）をキヤ ツプナツト（１２）に対して、その不慮に浮き上がるおそれがない仮り止め状態 に固定でき、延いては注出ノズル（１３）の密閉状態を安定に維持し得る効果も ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の液体収納容器を示す斜面図である。

【図２】図１の分解状態を示す断面図である。

【図３】図１の３−３線に沿う断面図である。

【図４】従来品を示す一部破断の正面図である。

【符号の説明】

（１１）・上端ネジ口筒 （１２）・キヤツプナツト （１３）・注出ノズル （１６）・係止フランジ （１７）・係止凸子 （１８）・針 （１９）・小筒 （Ａ）・容器本体 （Ｂ）・オーバーヘツドカバー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先細り状の注出ノズル（１３）が連続一体
   に垂立するキヤツプナツト（１２）を、円筒型容器本体
   （Ａ）の上端ネジ口筒（１１）へ螺合締結して成る合成
   樹脂製の液体収納容器において、 上記注出ノズル（１３）のオーバーヘツドカバー（Ｂ）
   を透明又は半透明な合成樹脂から円筒型に造形して、そ
   の頂面中央部から注出ノズル（１３）の先端部に差し込
   む針（１８）と、同じく注出ノズル（１３）の先端部に
   外嵌する小筒（１９）とを連続一体に垂下させ、 上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）をキヤツプナツト（１
   ２）へ上方から差し込み套嵌させて、その針（１８）と
   小筒（１９）により注出ノズル（１３）を密閉するよう
   に定めたことを特徴とする合成樹脂製液体収納容器にお
   ける注出ノズルの密閉装置。
2. 【請求項２】キヤツプナツト（１２）の下端近傍部から
   係止フランジ（１６）を外向きに張り出す一方、オーバ
   ーヘツドカバー（Ｂ）の胴面から複数個の係止凸子（１
   ７）を内向きに張り出して、 その係止凸子（１７）と係止フランジ（１６）との係脱
   自在な係止により、上記オーバーヘツドカバー（Ｂ）を
   浮き上がり不能に固定維持したことを特徴とする請求項
   １記載の合成樹脂製液体収納容器における注出ノズルの
   密閉装置。