JP3019518U - 測量点明示用簡易標識 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 経済的に製造でき、打設作業性に優れ、その
上迅速的確に識別可能な測量点明示用簡易標識の提供。 【構成】 帯状片の一方の面の長さ方向中央部に１ｃｍ
前後の間隔をおいて一対の凸部を設け、他方の面は平面
の儘とし、必要に応じて単位長さ毎に分離可能に複数連
接し、不透明な帯状片の上に透明な帯状片を接着可能と
した測量点明示用簡易標識。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、任意座標における測量点の明示に適した簡易標識に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、地理院の測量による公共座標の測量点は基準点または水準点と呼ばれて おり、その表示には、例えば実公平３−３０８２１号公報に提案のある測量用鋲 等が使用されている。測量には前記の地理院の測量の他、一般の測量者により行 われる工事用測量がある。この工事用測量による座標は前記の公共座標に対して 任意座標と呼ばれている。

【０００３】 任意座標の測量者は測量時に工事の基点となる測量点に標識鋲を打設し、工事 の発注者は工事仕様書をこの基点となる測量点を基に工事内容を指定し、工事人 はこの基点となる測量点の標識鋲と仕様書に従って、工事内容を確認して見積書 を作成し、工事を受注して着工する。このようなことから任意座標の標識鋲は、 一般に測量者の測量後、約六ヶ月程度を経てから工事関係者に使用されることが 多い。

【０００４】 通常、上記した標識の周辺には、他の工事に関する測量点標識も無数に存在す る。そのため測量点標識は、測量から工事開始までの間、測量点を健全な状態で 標示し続けると共に、その間、各種の確認を行う関係者に自他用の識別が迅速的 確に行えることが重要である。そこで近年は図７に示す如く鋲座１３を有し、貫 通孔１４を設け、多色に色分けした円錐台状の標識１５が市販され広く用いられ ている。しかしこれ等の色分けのみでは測量者、或いは工事関係者は、上記した 如く測量後において必要の都度目指す測量点（標識）を選択確認するのは容易で ない。

【０００５】 そこで本願出願人は、これ等従来の標識の問題点を解決する測量点明示用板状 標識を実用新案登録第３０１３５５７号で先に提案した。しかし、この標識は鋲 を打設しても標識の両翼が一応に跳ね上がらず、遠近を問わず標識の確認が困難 で、課題を完全に解決出来ず、実用上問題があることが判明した。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、経済的に製造でき、打設作業性に優れ、その上遠近何れからでも迅 速的確に識別可能な測量点明示用の標識を提供して上記した従来の測量点標識が 有する全ての問題点を悉く解消することを課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記した課題を達成するため、ゴムまたはナイロン或いは塩化ビニ ール更には合成樹脂等を単品または混合して素材とし、帯状片の一方の面の長さ 方向中央部に１ｃｍ前後の間隔をおいて一対の凸部を設け、他方の面は平面の儘 とした測量点明示用簡易標識を第１の手段とし、

【０００８】 単位長さの測量点明示用簡易標識を単位長さ毎に分離可能に複数連接した第１ の手段に記載した測量点明示用簡易標識を第２の手段とし、

【０００９】 不透明な帯状片の上に透明な帯状片を接着可能とした第１の手段または第２の 手段に記載した測量点明示用簡易標識を第３の手段とするものである。

【００１０】

【作用】

本考案は、上記した手段を用いたので、左右２個の凸部を設けた面を下にし て使用すると、凸部間の中央部に鋲を打設した時該凸部を支点として両翼部が所 定の位置に完全に跳ね上がり標識が遠近意を問わず見やすくなる。色分けした 不透明な帯状片に必要事項を記載してその上に透明な帯状片を接着して使用する と測量点毎に測量者または工事区分の識別が的確になる。任意測量後、工事の 見積もり照会から着工までの間における必要な測量点の確認が迅速的確となり作 業能率と確認精度が向上し、工事が円滑に進捗する等、本考案特有の作用をもた らす。

【００１１】

【実施例】

以下図１〜図６により本考案の実施例を説明する。図１は本考案の一実施例の 平面図、図２は図１例の側断面図、図３は単位長さの測量点明示用簡易標識を単 位長さ毎に分離可能に複数連接した測量点明示用簡易標識の平面図、図４は図３ 例の側面図、図５は不透明な帯状片の上に透明な帯状片を重ねて接着する様構成 した測量点明示用簡易標識の平面図、図６は図５例の側面図である。

【００１２】 図において、１は不透明な帯状片、２は凸部、３は間隙、４は透明な帯状片、 ５は各帯状片のコイラー、６はコイラーケース、７は鋲、８は各帯状片の右片、 ９は各帯状片の左片である。なお、本考案の不透明な帯状片１をコンクリ−ト、 アスファルト、砂利場等に打設する鋲７の径は４ｍｍから１０ｍｍに及ぶので、 間隙３は図示の無加工の他、中央部に貫通孔（図示せず）を設けても良く、放射 状の切り込み（図示せず）を単独或いは貫通孔と併用しても良い。

【００１３】 図１、図２に示す帯状片１は、全長７５ｍｍを単位長とし、その中央部に設け た１ｃｍ程度の間隙３を介して該間隙の左右に凸部２を設けている。この凸部２ は前記間隙３に鋲７を打って帯状片１をコンクリ−ト、アスファルト、砂利場等 に打設する時、中央部側の面１０をコンクリ−ト、アスファルト、砂利場等に接 触或いは接地して右片８、左片９の両翼を所定位置に跳ね上げるものである。従 ってその側面形状は図２・図４に示す如く、中央部側の面１０を下開きに構成す ることが望ましく、下開き角度によって両翼の跳ねが上げ角度の調整を行う。ま た、凸部２を設けた面の反対の面は平面を構成しているので、両翼８と９を跳ね 上げる必要がないときはこの面を接地面として打設すると良い。

【００１４】 図３、図４に示す実施例は、単位長さの帯状片１を単位長さ毎に分離可能に複 数連接１１し、該連接１１した帯状片１をコイラー５に巻き取って使用可能とし て作業性を向上するものである。

【００１５】 図５、図６に示す実施例は、不透明帯状片１と透明帯状片４を重ねて使用する 例である。不透明帯状片１と透明帯状片４を各々のコイラー５に巻取り、このコ イラー５をコイラーケース６に収納し、不透明帯状片１を使用時に引き出し、平 面側に図示例の如く必要事項１２を記載し、下面に接着膜（図示せず）を施した 透明帯状片４を引き出して不透明帯状片１に重ねて接着し、単位長さ毎に分離し て使用する。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は上記の手段を用いて、上記した特有の作用を発揮させるので、従来か ら広く用いられている任意座標の標識に比較して、工事計画者及び工事受発注者 の確認が簡単かつ的確になる。そのため従来費やしていた多大の労力と時間が節 減され、作業の進行が極めて円滑になる。更に、本考案の簡易標識は形状が単純 なため安価に製造でき、生産性も高く、この種分野にもたらす効果は大きく、関 連分野への波及効果も大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の平面図。

【図２】図１例の側面図。

【図３】連接帯状片の平面図。

【図４】図３例の側面図。

【図５】重ね帯状片の平面図。

【図６】図５例の側面図。

【図７】従来例の断面図。

【符号の説明】

１：不透明な測量点明示用帯状片 ２：凸部 ３：間隙 ４：透明な測量点明示用帯状片 ５：帯状片用コイラー ６：帯状片用コイラーケース ７：鋲 ８：右辺 ９：左辺 10：凸部の中央部側の面

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状片の一方の面の長さ方向中央部に１
   ｃｍ前後の間隔をおいて一対の凸部を設け、他方の面は
   平面の儘とした測量点明示用簡易標識。
2. 【請求項２】 単位長さの測量点明示用簡易標識を単位
   長さ毎に分離可能に複数連接した請求項１に記載の測量
   点明示用簡易標識。
3. 【請求項３】 不透明な帯状片の上に透明な帯状片を接
   着した請求項１または請求項２に記載の測量点明示用簡
   易標識。