JP3019333U - 顕微鏡用の表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】より手軽に光学顕微鏡の拡大像を外部的に表示
できるような表示装置の提供。 【構成】撮像素子６や表示ユニット８を内蔵させたケー
シング１の側面に接続部２を設けた構造としている。そ
して必要時にこの接続部を介して顕微鏡の鏡筒Ｐに直接
的に接続して用いる。顕微鏡の対物レンズからの像は、
接続部を介して撮像素子の受光面に結像し、これが表示
ユニットの表示画面に表示される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、顕微鏡で得られる拡大像を表示するための表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

光学顕微鏡で得られる拡大像をビデオシステムにより表示装置に外部的に表示 するようにしたビデオ付き光学顕微鏡システムは既に実用化されている。このよ うなビデオ付き光学顕微鏡システムによると、顕微鏡観察を楽に行なえる、また 理科授業などの場合に、多数の生徒に同時に同じ顕微鏡像を見せることができる ので授業を進め易いなどの利点がある。しかし従来のビデオ付き光学顕微鏡シス テムは、一般に高級なシステムであり、広く普及するには至らず、その上記した ような利点が十分に活かされていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような事情の下になされたのが本考案で、より手軽に光学顕微鏡の拡大像 を外部的に表示できるような表示装置の提供を目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案による表示装置は、顕微鏡の鏡筒に接続可能で且つ顕微鏡からの像光を 導光可能とされた接続部をケーシングの一側面に設け、またケーシングの内部に 、前記接続部を介して導光される像光を受光する撮像素子、この撮像素子の出力 を処理して映像信号を形成する処理ユニットを内蔵させると共に、処理ユニット が与える映像信号に基づいて映像を表示する表示ユニットをその表示画面がケー シングの前面に露出する状態で内蔵させてなる。そして必要時に接続部を介して 顕微鏡の鏡筒に直接的に接続して使用できるようになっている。

【０００５】 この本考案による表示装置の接続部は、顕微鏡の鏡筒に被さるような構造に形 成することも可能であるが、より安定的な接続をより簡単になせるという点から 、接眼レンズを外した状態の顕微鏡の鏡筒に接眼レンズと同様に嵌め込んで接続 する構造とするのが好ましい。そのためには、ケーシングの側面から突出するよ うにして接続部を設け、この突出部分を鏡筒に嵌装させるようにする。

【０００６】 また本考案による表示装置は、顕微鏡の接眼レンズを外し状態にあって、顕微 鏡の対物レンズからの像を撮像素子の受光面に直接に実像として結像させるよう にすることも可能であり、また必要に応じて対物レンズと撮像素子の受光面の間 に補助レンズを設け、この補助レンズを介して対物レンズからの像を虚像にして 撮像素子の受光面に結像させるようにすることも可能である。

【０００７】 前者の方式は、簡単な構造で済ませることができるという利点があり、後者の 方式は、例えばリボルバー構造などで予め倍率ごとに作動距離を調節して設けら れている複数の対物レンズを切り替えた場合でも、対物レンズと試料との距離を その都度調整する必要がないという利点がある。即ち、実像結像方式の場合には 、対物レンズを切り替えるた場合に、この対物レンズに予め設定してある作動距 離が合わなくなり、焦点調節をその都度やり直す必要があるが、補助レンズによ る虚像結像方式では、補助レンズが顕微鏡の接眼レンズの役割を担うので、対物 レンズを切り替えてもこれに予め設定している作動距離がそのまま有効になり、 したがって焦点調節をその都度やり直さなくても済む。

【０００８】 また本考案による表示装置については、顕微鏡の機種ごとに鏡筒の傾き状態が 異なっているに対応できるようにすることが好ましい。そのためには、互いに回 動可能に接続させた第１ケーシングと第２ケーシングでそのケーシングを形成し 、第１ケーシングには表示ユニットを内蔵させ、他の要素は第２ケーシングに設 ける構造とする。そして第２ケーシングに設けた接続部で顕微鏡の鏡筒に接続し た状態で第１ケーシングを回動させることで、表示ユニットの画面を鏡筒の傾き 状態に応じて最も見やすい状態に合わせて使用する。

【０００９】 以上のように本考案による表示装置は、接続部を介して顕微鏡の鏡筒に直接的 に全体を接続した状態で使用でき、したがって従来のビデオ付き光学顕微鏡シス テムに比べ、手軽に利用できるし、また装置構造も格段に簡単なもので済ませる ことができ、ビデオ付き光学顕微鏡システムにおける種々の利点のより広汎な活 用の途を開くことができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を説明する。第１の実施例による表示装置は、図１及び 図２に示すように、平べったい箱状のケーシング１の下側面から接続部として嵌 装筒２を突設した構造とされ、この嵌装筒２を介して顕微鏡の鏡筒Ｐに嵌め込む 状態に装着して用いるようになっている。

【００１１】 嵌装筒２は、上記のように嵌装で顕微鏡の鏡筒Ｐへの接続に機能するもので、 そのために、鏡筒Ｐの内径にほぼ等しい外径が与えられている。またこの嵌装筒 ２は、顕微鏡の対物レンズからの像光を後述の撮像素子の受光面に導光する機能 も負い、そのために対物レンズからの像光を導光可能な内径が与えられている。 さらに嵌装筒２は、ケーシング１に対し螺合により着脱可能に取り付けられてお り、必要に応じて交換できるようにされている。

【００１２】 ケーシング１の内部には、導光部３の後方に撮像素子ユニット６が設けられ、 またこの撮像素子ユニット６が有している撮像素子からの出力を処理して映像信 号を形成するための処理ユニット７が設けられている。またケーシング１は、処 理ユニット７が与える映像信号に基づいて映像を表示する液晶表示ユニット８を 内蔵しており、この液晶表示ユニット８はその表示画面９がケーシング１の前面 に露出するようにされている。

【００１３】 またこの例では、処理ユニット７からの映像出力を外部用端子１０を介して外 部に出力できるようにされており、顕微鏡による拡大像を必要に応じて一般のデ ィスプレイＤにも表示できるようにしてある。

【００１４】 図３に示すのは、第２の実施例による表示装置の部分断面図で、図に見られる ように、本実施例では、嵌装筒２の内部に補助レンズ１１を設けている。なおこ のような補助レンズを接続部に組み込む構造としては、この例のような構造の他 に、例えば別部品とした補助レンズアダプターに補助レンズを組み込み、この補 助レンズアダプターを嵌装筒に接続する構造が可能である。

【００１５】 図４〜図６に示すのは、第３の実施例による表示装置である。この例では、ヒ ンジ構造の接続部２０により互いに矢印Ｘの如く回動可能に接続された第１ケー シング２１と第２ケーシング２２によりケーシング２３を形成している。

【００１６】 第１ケーシング２１は、液晶表示ユニット２４を内蔵し、この液晶表示ユニッ ト２４の表示画面２５がその前面に露出するようにされている。また第１ケーシ ング２１は、電源回路２６を内蔵しており、これに接続する外部用端子のための 接続開口２７が下面に設けられている。

【００１７】 第２ケーシング２２は、第１の実施例と同様の撮像素子ユニット２８及び処理 ユニット２９を内蔵し、またその下側面に接続部３０が突出状態で設けられてい る。この接続部３０は、そこに嵌装筒３１を螺合接続できるようにされている。 このようにしたのは、顕微鏡にスチルカメラを接続するために標準装備されてい るアダプタを嵌装筒３１として利用できるようにするためである。即ち本実施例 の表示装置を上記アダプタが装備されている顕微鏡に接続するには、このアダプ ターを嵌装筒３１として接続部３０に接続し、この嵌装筒３１を顕微鏡の鏡筒に 嵌め込むようにする。

【００１８】 上記のようにして顕微鏡に接続して顕微鏡による拡大像を表示画面２５で見る には、上記の回動性を利用して第１ケーシング２１の第２ケーシング２２に対す る角度を顕微鏡の鏡筒の傾き具合に応じて調節し、表示画面２５の向きが最も見 やすい状態にする。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によると、簡単な装置構造で手軽に光学顕微鏡の拡 大像を表示装置に表示して観察することができ、ビデオ付き光学顕微鏡システム における種々の利点のより広汎な活用の途を開くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例による表示装置の断面
図。

【図２】図１の矢印ＤＡ方向から見た側面図。

【図３】本考案の第２の実施例による表示装置の部分断
面図。

【図４】本考案の第３の実施例による表示装置の断面
図。

【図５】図４中の矢印ＤＢ方向から見た平面図。

【図６】図４中の矢印ＤＣ方向から見た正面図。

【符号の説明】

1 、23 ケーシング ２ 嵌装筒（接続部） 6 、28 撮像素子ユニット 7 、29 処理ユニット 8 、24 表示ユニット 9 、25 表示画面 １１ 補助レンズ ３０ 接続部 Ｐ 鏡筒

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 顕微鏡で得られる拡大像を表示するため
   の表示装置であって、顕微鏡の鏡筒に接続可能で且つ顕
   微鏡からの像光を導光可能である接続部がケーシングの
   一側面に設けられ、またケーシングの内部には、前記接
   続部を介して導光される像光を受光する撮像素子、この
   撮像素子の出力を処理して映像信号を形成する処理ユニ
   ットが内蔵されると共に、処理ユニットが与える映像信
   号に基づいて映像を表示する表示ユニットがその表示画
   面をケーシングの前面に露出させる状態で内蔵されてな
   り、必要時に接続部を介して顕微鏡の鏡筒に直接的に接
   続して使用できるようになっていることを特徴とする顕
   微鏡用の表示装置。
2. 【請求項２】 接続部は、ケーシングの側面から突出す
   るようにして設けられ、接眼レンズを外した状態の顕微
   鏡の鏡筒に嵌装して接続をなすようにされている請求項
   １に記載の顕微鏡用の表示装置。
3. 【請求項３】 接続部に補助レンズを設け、この補助レ
   ンズで顕微鏡からの像光を撮像素子に結像させるように
   した請求項１又は請求項２に記載の顕微鏡用の表示装
   置。
4. 【請求項４】 表示ユニットを内蔵する第１ケーシング
   と他の要素を備える第２ケーシングとでケーシングを形
   成し、且つこの第１ケーシングと第２ケーシングを互い
   に回動可能に接続させた請求項１〜請求項３の何れか１
   項に記載の顕微鏡用の表示装置。