JP3019108U - テレビの電源回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テレビの電源回路において、フライバックト
ランスの負荷を軽減して、その一部の巻線を省くことが
でき、フライバックトランスの小形化を図り、また、Ｃ
ＲＴディスプレイのインチ数が異なる機種に同一のフラ
イバックトランスを共用化可能とし、低コスト化を図
る。 【構成】 ＡＦＣ回路の電源を、フライバックトランス
２０の１次巻線２１側から導出されるビデオ電圧から取
り、垂直偏向回路の電源を、フライバックトランス２０
の１次巻線２１へ給電するスイッチングトランス２５の
出力電圧より取るようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フライバックトランスを含むテレビの電源回路に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、テレビの電源回路におけるフライバックトランスには、１次巻線、２次 巻線及び３次巻線が設けられ、３次巻線よりチューナでの同調周波数を自動制御 するＡＦＣ回路、受像管（ＣＲＴディスプレイ）での映像表示のためのビームを 垂直偏向する垂直偏向回路等の各種の負荷に電源を供給するようにしている。こ のようにフライバックトランスの３次巻線より各種の負荷に電源を供給している 関係で、テレビのＣＲＴディスプレイのインチ数が例えば１４インチと２０イン チとでは、それぞれのフライバックトランスの発熱量が大きく異なるので、フラ イバックトランス自体、異なるサイズのものを使用していた。

【０００３】 図１は、従来のフライバックトランスを含むテレビの電源回路を示す。フライ バックトランス２０は、１次巻線２１、２次巻線２２、３次巻線２３及びＣＲＴ のヒータ用巻線２４を有し、１次巻線２１には、テレビセットに供給される交流 電源の整流後の電圧が印加されるスイッチングトランス２５の出力電圧（１１５ Ｖ）が供給され、また、水平ドライブトランス２６の２次出力により制御される スイッチングトランジスタＱ１が接続されている。水平ドライブトランス２６は 、映像信号を処理するクロマ回路２７の水平出力ＨOUT により増幅器２８を介し て制御される。さらに、１次巻線２１からは、整流回路を経てＣＲＴのカソード アンプ用のビデオ電圧（１８０Ｖ）を導出し、２次巻線２２からは、ＣＲＴのア ノード電圧、フォーカス電圧、及びスクリーン電圧を導出し、また、３次巻線２ ３からは、ＡＦＣ回路電源（１８０Ｖ）、及び垂直偏向ＩＣ電源（２７Ｖ）を導 出している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような従来のフライバックトランスを含むテレビの電源 回路においては、ＣＲＴディスプレイのインチ数が異なる機種間で、異なるサイ ズのフライバックトランスを使用し、しかも、３次巻線を有するフライバックト ランスを使用していたため、コスト高となると共にサイズが大形化するという問 題があった。

【０００５】 本考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、フライバッ クトランスの負荷を軽減して、その一部の巻線を省くことができ、フライバック トランスの小形化が図れ、また、ＣＲＴディスプレイのインチ数が異なる機種に 同一のフライバックトランスを共用することができ、低コスト化が図れるテレビ の電源回路を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために請求項１の考案は、チューナでの同調周波数を自動 制御するＡＦＣ回路及び受像管での映像表示のためのビームを垂直偏向する垂直 偏向回路に電源を供給するテレビの電源回路において、ＡＦＣ回路の電源を、フ ライバックトランスの１次巻線側から導出されるビデオ電圧から取り、垂直偏向 回路の電源を、フライバックトランスの１次巻線へ給電するスイッチングトラン スの出力電圧より取るようにしたものである。 また、請求項２の考案は、請求項１に記載のテレビの電源回路において、ＡＦ Ｃ回路への給電パルスを、フライバックトランスの１次巻線側に接続されたビデ オ電圧用整流回路の整流前のラインから取り出したものである。

【０００７】

【作用】

上記構成を有する本考案のテレビの電源回路においては、ＡＦＣ回路の電源及 び垂直偏向回路のそれぞれの電源を、フライバックトランスの１次巻線側及び１ 次巻線へ給電するスイッチングトランスの出力電圧より取るので、フライバック トランスの負荷が軽減し、従来のフライバックトランスの一部の巻線が不要とな る。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。 図２はテレビの電源回路の要部を示す回路図である。フライバックトランス２ ０は、１次巻線２１、２次巻線２２、及びＣＲＴのヒータ用巻線２４を有するが 、従来の３次巻線を有していない。１次巻線２１には、テレビセットに供給され る交流電源の整流後の電圧が印加されるスイッチングトランス２５の出力電圧 （１１５Ｖ）が供給され、また、水平ドライブトランス２６の２次出力により制 御されるスイッチングトランジスタＱ１が接続されている。水平ドライブトラン ス２６は、映像信号を処理するクロマ回路２７の水平出力ＨOUT により増幅器２ ８を介して制御される。さらに、１次巻線２１からは、整流回路を経てＣＲＴの カソードアンプ用のビデオ電圧（１８０Ｖ）が導出され、２次巻線２２からは、 ＣＲＴのアノード電圧、フォーカス電圧、及びスクリーン電圧が導出されている 。

【０００９】 また、ＡＦＣ回路の電源（１８０Ｖ）は、フライバックトランス２０の１次巻 線２１側から導出されるビデオ電圧から取り出している。詳しくは、ＡＦＣ回路 への給電パルスを、フライバックトランス２０の１次巻線２１側に接続されたビ デオ電圧用整流回路の整流前のラインから取り出している。また、垂直偏向ＩＣ の電源（２７Ｖ）は、フライバックトランス２０の１次巻線２１へ給電するスイ ッチングトランス２５の出力電圧より取り出している。

【００１０】 スイッチングトランス２５の出力電圧より垂直偏向ＩＣの電源を取り出すため に、従来に比べて同スイッチングトランス２５の動作周波数を上げており、その ため、フライバックトランス２０の１次巻線２１への給電ラインにノイズ成分が 入り易くなるので、それを防止するために整流ダイオードＤに並列にスナバコン デンサＣを接続している。

【００１１】 上記のようにＡＦＣ回路及び垂直偏向ＩＣの電源を取り出しているので、フラ イバックトランス２０の従来の３次巻線２３（図１）及びそれらの端子は不要に なり、その結果、フライバックトランス２０の負荷・発熱を軽減できると共にフ ライバックトランス２０自体の形状を小形・軽量化でき、しかも、ＣＲＴのイン チ（例えば１４インチと２０インチ）の大小に関係なく同一のフライバックトラ ンス２０を共用化することができる。なお、このような電源供給の構成としても 、全体としての消費電力が増大するようなこともない。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案に係るテレビの電源回路によれば、ＡＦＣ回路の電源をフ ライバックトランスの１次巻線側より取り、垂直偏向回路の電源をフライバック トランスの１次巻線へ給電するスイッチングトランスの出力電圧より取るので、 フライバックトランスの負荷を軽減でき、一部の巻線を省くことができ、フライ バックトランスの小形・軽量化が図れる。しかも、ＣＲＴディスプレイのインチ 数の大小に関わらず同一のフライバックトランスを共用することができ、低コス ト化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のテレビの電源回路図である。

【図２】本考案の一実施例によるテレビの電源回路図で
ある。

【符号の説明】

２０ フライバックトランス ２１ １次巻線 ２５ スイッチングトランス

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チューナでの同調周波数を自動制御する
   ＡＦＣ回路及び受像管での映像表示のためのビームを垂
   直偏向する垂直偏向回路に電源を供給するテレビの電源
   回路において、 前記ＡＦＣ回路の電源を、フライバックトランスの１次
   巻線側から導出されるビデオ電圧から取り、 前記垂直偏向回路の電源を、フライバックトランスの１
   次巻線へ給電するスイッチングトランスの出力電圧より
   取るようにしたことを特徴とするテレビの電源回路。
2. 【請求項２】 ＡＦＣ回路への給電パルスを、フライバ
   ックトランスの１次巻線側に接続されたビデオ電圧用整
   流回路の整流前のラインから取り出したことを特徴とす
   る請求項１に記載のテレビの電源回路。