JP3018929U

JP3018929U - 配管外部から配管内部を超音波除染するための移動治具

Info

Publication number: JP3018929U
Application number: JP1995005328U
Authority: JP
Inventors: 光男原
Original assignee: 株式会社アトックス
Priority date: 1995-06-01
Filing date: 1995-06-01
Publication date: 1995-12-05
Anticipated expiration: 2001-06-01

Abstract

(57)【要約】【目的】原子力施設において、対象配管系統の除染に
際し、配管外部から超音波振動子を取り付けて行う内面
付着物除去治具をさらに改良し、除染効果を高めるため
に使用するホ−ン型振動子の冷却と、治具を移動させな
がら処理するための移動治具を提供する。【構成】移動台車１上で昇降可能な超音波振動子３
と、超音波振動子３とによって振動子３のホ−ン７が内
部に突出する冷却チャンバ４と、冷却チャンバ４の頂部
と配管ａ間に介在させる振動伝達材５と、冷却チャンバ
４に設けたストッパ端子１０に対し取付フック９を係合
して冷却チャンバ４と配管ａを固定する固定バンド６と
からなり、前記冷却チャンバ４には冷却剤を循環させる
入口管４ａと出口管４ｂを、ポンプｃから熱交換器ｂを
介し接続した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、原子力施設における配管外部から配管内部を超音波除染するための移動治具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

原子力施設における系統配管は、腐食生成物等の放射性汚染物質を含む廃液を流動させるので、汚染物質が残留蓄積し、放射線源として周辺環境の放射線量当量率が高くなる。このため残留蓄積する汚染物質の除去を行う除染を実施している。除染方法としては、(１)化学薬品により付着物を溶解し、剥離除去する方法、(２)研磨材を流動させて物理的に研磨除去する方法が取られている。しかしながら、(１)の化学薬品による溶解除去は、供用期間中の施設では、施設の健全性を確保するため、強力な溶解力を持つ薬品の使用が制限されるので、十分な除染効果が得られない。又、(２)の研磨材流動による除染は、曲管部等の一部に流動の不均一性により除染むらが生じること、又バルブ等は接面が荒れると機能を損うので研削できないことにより、除染対象から外されることになる等の問題がある。

【０００３】一方、対象系統配管は、除染のために開口部を設けて研磨材等を流動させることが出来なかったりする。また、除染により装置本体が汚染し放射性廃棄物となる。これらに対しても対策が望まれている。

【０００４】以上の方法に対し、低い溶解力の化学薬品による除染の効果をより高めたり、また、流動する研磨材によって除染が不可能な部分の除染にも適用し、かつ又、除染装置自身を汚染させない方法として、配管外部より超音波振動によるギャビテ−ションを与え、内面に付着残留する汚染物質を除去する方法が開発され、適用されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、対象配管系統の除染に際し、配管外部から超音波振動子を取り付けて行う内面付着物除去治具をさらに改良し、除染効果を高めるために使用するホ −ン型振動子の冷却と、治具を移動させながら処理するための先端治具を提供することを目的とする。なお、この治具を用い使用後の施設の配管系統の解体前に行う除染において、高い溶解力の化学薬品による溶解除染にも適用可能にしようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

移動台車１上で昇降可能な超音波振動子３と、超音波振動子３とによって振動子３のホ−ン７が内部に突出する冷却チャンバ４と、冷却チャンバ４の頂部と配管ａ間に介在させる振動伝達材５と、冷却チャンバ４に設けたストッパ端子１０に対し取付フック９を係合して冷却チャンバ４と配管ａを固定する固定バンド６とからなり、前記冷却チャンバ４には冷却剤を循環させる入口管４ａと出口管４ｂを、ポンプｃから熱交換器ｂを介し接続した。又固定バンド６を楔状の曲管用固定スペ−サ１４を介し曲管部ａ′に固定しうるようにした。

【０００７】

【実施例】

本考案はこれを要約すると、超音波が金属等の特定の物質内を伝わることを利用して、対象物の内面に付着する汚染物を、外部の非汚染部位からアクセスする既在の除染方法をより効果的に運用可能にしたものである。さらに詳しく言えば、発振子等を冷却しなければならないことから生じる作業の煩雑さを解消し、又対象物の形状が一定しないことの非汎用性を解消しうるようにしたものである。

【０００８】本考案は、従来、図１に示すとおり、除染対象物の表面に付着する汚染物を水中等において、超音波発振によるキャビテ−ション作用を利用して剥離除去する効果を応用し、さらに化学除染法と併用して両者の相乗効果を発揮し得るようにしたものである。

【０００９】図２は除染装置Ａによって除染対象となる配管ａの直線部を除染している図である。１は移動台車で、パンタグラフ２によって上下昇降可能である。３は超音波振動子、４は冷却チャンバで、冷却剤入口管４ａと冷却剤出口管４ｂを備えている。５は振動伝達材で超音波を伝え易く、かつ対象配管ａとの密着性にすぐれたナイロン板等が使われる。冷却チャンバ４は使用時には配管ａに固定バンド６（図３(ｄ)）で固定される。ｂは熱交換器、ｃはポンプで、冷却剤はこのポンプｃから熱交換器ｂで熱交換されて入口管４ａ、冷却チャンバ４、出口管４ｂを介し循環している。

【００１０】図３により除染装置についてより詳しく説明する。超音波振動子３の上部にボルト・ナット１５で冷却チャンバ４は取り付けられる。冷却チャンバ４内に突出しているホ−ン７により発生した超音波振動は、振動伝達材５を介して配管ａに伝達され、配管の壁を透過して配管の内壁に付着する汚染物をキャビテン作用によって剥離させる。そして、配管ａ内を流動する化学除染剤により系外に除去する。

【００１１】冷却チャンバ４内には冷却剤８を循環させるが、これにより超音波振動子３の加熱破損を防止する。冷却チャンバ４内に発生した振動は振動伝達材５を介し伝達されるが、この振動伝達材５は冷却チャンバ４の蓋をも兼ねている。

【００１２】固定バンド６によって配管ａに冷却チャンバ４を固定するには、固定バンドの取付フック９（図３(ｄ)）の一端にストッパ端子１０を引掛け、配管ａを図２に示す如く接合治具１１で連結し、締付治具１２によって締付けて固定する。取り外しはワンタッチ取り外しボタン１３を押し、接合治具１１の部分で切り離すと、冷却チャンバ４を容易に取り外すことができる。

【００１３】図４は曲管部ａ′の除染状態を示す図である。曲管部ａ′では、楔状の曲管用固定スペ−サ１４を使用することにより、容易に取り付けができ、運転も同様に支障なく行える。他に、図示しないが廃液タンク等の下面にも同様に使用できるが、タンクでは配管取付用の固定バンド６は使用できないので、振動子セット用移動台車１により押し付け固定しながら運転する。

【００１４】

【効果】

移動台車１上で昇降可能な超音波振動子３と、超音波振動子３とによって振動子３のホ−ン７が内部に突出する冷却チャンバ４と、冷却チャンバ４の頂部と配管ａ間に介在させる平板状又は楔状の振動伝達材５と、冷却チャンバ４の外部に設けたストッパ端子１０に対しフック９を係合して冷却チャンバ４と配管ａを固定する固定バンド６とからなり、前記冷却チャンバ４には冷却剤を循環させる入口管４ａと出口管４ｂを、ポンプｃから熱交換器ｂを介し接続した。かゝる構成としたので、対象配管系に対し、外部からの超音波除染において、配管ａの径の大きさ、直・曲管の別に限定されず汎用性の高い除染が可能となった。取り付け、取り外し、移動が極めて簡便に行えるので、作業環境の放射線量当量率内影響が極めて少なく出来る。超音波振動子の冷却面（一般的に循環性の高い潤滑油を使用）がリ−クしない閉ル−プであるので、冷却剤の周辺への飛散がなく、本体の汚染も適切な養生が可能であるので、新たな二次廃棄物の発生はない。さらに、この治具を用い使用後の配管系統の解体前に行う除染において、高い溶解力の化学薬品による溶解除染にも適用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の超音波除染法を示す。

【図２】本考案の除染装置Ａにて直管を除染している状
態を示す。

【図３】除染装置の詳細図で、(ａ)は側面図、(ｂ)は
(ａ)のＸ矢視図、(ｃ)は同じくＹ矢視図、(ｄ)は固定バ
ンド、(ｅ)は(ｃ)のＺ部拡大図。

【図４】曲管部の除染例を示す。

【符号の説明】

１振動子セット用移動台車２パンタグラフ３超音波振動子４冷却チャンバ 4a 冷却剤入口管 4b 冷却剤出口管５振動伝達材６固定バンド７ホ−ン８冷却剤９取付フック 10 ストッパ端子 11 接合治具 12 締付治具 13 ワンタッチ取り外しボタン 14 曲管用固定スペ
−サ 15 ボルト・ナットａ配管ａ′ 曲管部ｂ熱交換器ｃポンプ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】移動台車(１)上で昇降可能な超音波振動
子(３)と、振動子(３)のホ−ン(７)が内部に突出する冷
却チャンバ(４)と、冷却チャンバ(４)の頂部と配管(ａ)
間に介在させる振動伝達材(５)と、冷却チャンバ(４)の
外部に設けたストッパ端子(10)に対し取付フック(９)を
係合して、冷却チャンバ(４)と配管(ａ)を固定する固定
バンド(６)とからなり、前記冷却チャンバ(４)には冷却
剤を循環させる入口管(4a)と出口管(4b)を備え、これら
をポンプ(ｃ)から熱交換器(ｂ)を介し接続したことを特
徴とする配管外部から配管内部を超音波除染するための
移動治具。
【請求項２】固定バンド(６)を楔状の曲管用固定スペ
−サ(14)を介し曲管部(ａ′)に固定しうるようにした請
求項１の配管外部から配管内部を超音波除染するための
移動治具。