JP3018842B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP3018842B2
JP3018842B2 JP5190281A JP19028193A JP3018842B2 JP 3018842 B2 JP3018842 B2 JP 3018842B2 JP 5190281 A JP5190281 A JP 5190281A JP 19028193 A JP19028193 A JP 19028193A JP 3018842 B2 JP3018842 B2 JP 3018842B2
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pressure
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孝寛 ▲櫛▼部
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】低圧ポンプの吐出側と燃料噴射弁とを連
結する燃料通路内に吐出量を制御可能な高圧ポンプを配
置した燃料噴射装置が本出願人によりすでに提案されて
いる(特願平4−122235号参照)。この燃料噴射
装置では、高圧ポンプの吐出量を増大するように制御し
ても高圧ポンプの吐出量が増大しないときには高圧ポン
プが破損する恐れがあると判断して高圧ポンプの作動を
停止することにより高圧ポンプが破損するのを阻止する
ようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の燃
料噴射装置におけるように高圧ポンプの吐出量を増大す
るように制御しても高圧ポンプの吐出量が増大しない場
合高圧ポンプの作動を停止するようにするとこのとき燃
料噴射弁に燃料が供給されなくなり、その結果内燃機関
が停止してしまうという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、低圧ポンプの吐出側と燃料噴射弁
とを連結する燃料通路内に吐出量を制御可能な高圧ポン
プを配置した燃料噴射装置において、上記高圧ポンプを
迂回して低圧ポンプの吐出側と燃料噴射弁とを連結する
バイパス通路を形成すると共に該バイパス通路内にバイ
パス制御弁を配置し、上記高圧ポンプの吐出量を増大す
るように制御しても高圧ポンプの吐出量が増大しないと
きには上記バイパス制御弁を開弁するようにしている。
また上記問題点を解決するために本発明によれば、低圧
ポンプの吐出側と燃料噴射弁とを連結する燃料通路内に
高圧ポンプを配置し、該高圧ポンプがダイアフラムによ
って互いに隔離されたポンプ室とオイル室とを具備し、
該ポンプ室の流入側が低圧ポンプに連結されると共に該
ポンプ室の吐出側が燃料噴射弁に連結され、上記高圧ポ
ンプから燃料を吐出すべきときには作動油で満たされた
上記オイル室内の圧力を増大させることにより上記ダイ
アフラムを変位させて上記ポンプ室内に導かれた燃料を
吐出するようにした燃料噴射装置において、上記高圧ポ
ンプを迂回して低圧ポンプの吐出側と燃料噴射弁とを連
結するバイパス通路を形成すると共に該バイパス通路内
にバイパス制御弁を配置し、上記オイル室内の作動油の
粘度を検出する手段を具備して該手段により検出された
作動油の粘度が予め定められた設定粘度よりも高いとき
には上記バイパス制御弁を開弁するようにしている。さ
らに本発明によれば、上記高圧ポンプと上記燃料噴射弁
間の上記燃料通路内に燃料噴射弁に向けて流通可能な逆
止弁を設け、低圧ポンプから吐出された燃料の圧力が予
め該逆止弁の開弁圧よりも低く定められた設定圧力より
も低くなったときには上記バイパス制御弁を閉弁するよ
うにしている。また本発明によれば上記問題点を解決す
るために、高圧ポンプ内に形成される燃料流通路の一側
を低圧ポンプの吐出側に接続すると共に該燃料流通路の
他側を燃料噴射弁に接続し、該燃料流通路を開放又は遮
断可能な開閉制御弁を設け、高圧ポンプと燃料噴射弁間
に燃料噴射弁に向けて流通可能な逆止弁を設けた燃料噴
射装置において、上記逆止弁の開弁圧を上記高圧ポンプ
に供給される燃料の圧力よりも低く設定し、高圧ポンプ
の作動油の粘度を検出する手段を具備し、該手段により
検出された作動油の粘度が予め定められた設定粘度より
も高いときには開閉制御弁を制御して燃料流通路を開放
状態に維持するようにしている。
【0005】
【作用】請求項1および請求項2に記載の発明では、高
圧ポンプが破損する恐れがあるときには高圧ポンプを迂
回するバイパス通路を介して燃料噴射弁に燃料が供給さ
れる。さらに請求項3に記載の発明では、低圧ポンプの
吐出圧が低下したときに燃料通路およびバイパス通路内
に空気を含んだ燃料が吐出されるのが阻止される。また
請求項4に記載の発明では、高圧ポンプの作動を停止し
ても低圧ポンプの吐出圧でもって燃料噴射弁に燃料が供
給される。
【0006】
【実施例】図1を参照すると、1はシリンダブロック、
2はピストン、3はシリンダヘッド、4は燃焼室、5は
吸気弁、6は排気弁、7は吸気ポート、8は排気ポー
ト、9は燃焼室4内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁
をそれぞれ示す。燃料噴射弁9は燃料通路を構成する燃
料分配管10を介して高圧ポンプ11に連結され、高圧
ポンプ11は燃料通路を構成する燃料供給管12を介し
て燃料タンク13内に配置された低圧ポンプ14に連結
される。また、燃料分配管10内には高圧ポンプ11か
ら燃料噴射弁9に向けて流通可能な逆止弁15が配置さ
れる。この逆止弁15は逆止弁15上流に位置する燃料
分配管10内の燃料圧が逆止弁15下流に位置する燃料
分配管10内の燃料圧よりも予め定められた設定圧力だ
け高くなると開弁する。一方燃料供給管12内には圧力
レギュレータ16および燃料フィルタ17が配置され
る。圧力レギュレータ16は燃料供給管12内の燃料圧
が予め定められた一定圧力よりも高いときに開弁する弁
体16aを備え、この一定圧力は低圧ポンプ14の吐出
圧よりも低く設定される。この弁体16aが開弁すると
燃料供給管12内の燃料の一部が燃料逃がし通路16b
を介し燃料タンク13内に逃げるので燃料供給管12内
の燃料圧をこの一定圧力に維持することができる。した
がって高圧ポンプ11には一定圧力の燃料が供給され
る。なお、図1に示した実施例において燃料分配管10
内の逆止弁15の開弁圧は圧力レギュレータ16により
維持される燃料供給管12内の燃料圧よりも高く設定さ
れる。
【0007】図1に示した実施例において高圧ポンプ1
1はダイアフラム式ポンプから構成される。高圧ポンプ
11の断面図が示された図2を参照すると、18はハウ
ジング、19はハウジング18内に形成されたカム室、
20はカム室19内に配置されたカム、21はクランク
シャフト(図示しない)に連結されたカム回転軸、22
はプランジャ挿入孔23内に摺動可能に挿入されカム2
0により駆動されるプランジャ、24はプランジャ挿入
孔23を介してカム室19に連通されたオイル室、25
は燃料分配管10に連通されたポンプ室、26はオイル
室24とポンプ室25とを隔離するダイアフラム、27
はポンプ室25と燃料供給管12とを連結する燃料ポー
ト、28は燃料ポート27内に配置された開閉制御弁、
29は開閉制御弁28駆動用のソレノイドコイル、30
は圧縮ばね、31は磁性材料からなるステータをそれぞ
れ示す。またハウジング18内には一対のポート32が
形成され、各ポート32の一端はプランジャ挿入孔23
周面に開口し、各ポート32の他端はカム室19内に開
口する。なお、カム室19、各ポート32、プランジャ
挿入孔23、およびオイル室24内はほぼ大気圧の作動
油によって満たされている。一方燃料ポート27および
ポンプ室25内は燃料で満たされている。
【0008】また図2に示すようにハウジング18内に
はプランジャ挿入孔23を迂回してカム室19とオイル
室24とを連通可能にする溢流通路33が形成され、こ
の溢流通路33内には溢流制御弁34が配置される。溢
流制御弁34駆動用のソレノイド35が付勢されるとソ
レノイド35の電磁吸引力により溢流制御弁34が開弁
して溢流通路33が開放され、その結果カム室19とオ
イル室24とが連通される。一方ソレノイド35が消勢
されると圧縮ばね36のばね力によって溢流制御弁34
が閉弁されて溢流通路33が遮断され、その結果カム室
19とオイル室24との連通が阻止される。なお、高圧
ポンプ11の定常作動時溢流通路33は溢流制御弁34
によって遮断されており、したがってカム室19とオイ
ル室24との連通が阻止されている。
【0009】次に高圧ポンプ11の作動について説明す
る。なお、このとき溢流通路33は溢流制御弁34によ
って遮断されており、したがってカム室19とオイル室
24との連通が阻止されている。プランジャ22が上死
点に位置しているとき開閉制御弁用ソレノイド29はす
でに消勢されているが開閉制御弁28にはポンプ室25
内の燃料圧によって上向きの力が作用しており、その結
果開閉制御弁28は閉弁されている。また、このときダ
イアフラム26は上方に、すなわちポンプ室25に向け
て変位している。プランジャ22がプランジャ上死点か
ら下降し始めるとオイル室24内の圧力が低下し始め、
その結果ダイアフラム26が下方に変位し始める。ダイ
アフラム26が下方に変位し始めるとポンプ室25の容
積が増大されるのでポンプ室25内の燃料圧が低下す
る。開閉制御弁28に作用する上向きの力、すなわちポ
ンプ室25内の燃料圧による力、が開閉制御弁28に作
用する下向きの力、すなわち圧縮ばね30のばね力およ
び燃料ポート36内の燃料圧による力、よりも小さくな
ると開閉制御弁28が下方に変位して開弁し、その結果
燃料ポート27内の燃料がポンプ室25内に流入し始め
る。次いでプランジャ22が下死点近傍まで下降すると
オイル室24内の圧力とポンプ室25内の圧力とはほぼ
等しくなり、このためダイアフラム26の変位量はほぼ
零となる。一方、プランジャ22上死点近傍においてプ
ランジャ22周面によって閉鎖されていたポート32の
プランジャ挿入孔23側各開口はプランジャ22が下降
するのにつれて開口し、その結果ポート32を介してプ
ランジャ挿入孔23とカム室19とが連通される。次い
で各ポート32はプランジャ22の下死点直前において
全開する。
【0010】次いでプランジャ22が下死点から上昇し
てプランジャ22周面によってポート32が閉鎖される
とオイル室24内の圧力が上昇し始める。オイル室24
内の圧力が上昇し始めるとダイアフラム26が上方に向
けて変位し始めるのでポンプ室25の容積が減少し始め
る。このとき開閉制御弁28は開弁されているのでポン
プ室25内の燃料が燃料ポート27を介して燃料供給管
12内に逆流する。次いでソレノイド29が付勢される
と開閉制御弁28が上方に変位して閉弁し、その結果プ
ランジャ22の上昇に伴いポンプ室25内の燃料が加圧
され始める。次いでポンプ室25内の燃料圧が逆止弁1
5(図1)の開弁圧に達すると逆止弁15が開弁し、ポ
ンプ室25内の燃料が燃料噴射弁9に向けて吐出され
る。なお、開閉制御弁28が一旦閉弁されると開閉制御
弁28はポンプ室25内の燃料圧によって閉弁状態に維
持されるので開閉制御弁28を閉弁位置まで上昇させる
のに必要な短時間だけソレノイド29を付勢すればよ
い。
【0011】図1に示した実施例では高圧ポンプ11の
燃料吐出量を制御することによって燃料噴射弁9に供給
される燃料の圧力を予め定められた一定の目標燃料圧に
一致させるようにしており、また開閉制御弁28の閉弁
時間を制御することによって高圧ポンプ11の燃料吐出
量を制御している。開閉制御弁28の閉弁時間を長くす
ると開閉制御弁28開弁時間が短くなり、その結果ポン
プ室25から燃料ポート27を介して燃料供給管12内
に逆流する燃料量が減少するので高圧ポンプ11の燃料
吐出量が増大される。これに対し開閉制御弁28の閉弁
時間を短くすると開閉制御弁28開弁時間が長くなり、
その結果ポンプ室25から燃料供給管12内に逆流する
燃料量が増大するので高圧ポンプ11の燃料吐出量が減
少される。なお、開閉制御弁27駆動用ソレノイド29
および溢流制御弁34駆動用のソレノイド35は電子制
御ユニット50(図1)の出力信号に基づいてそれぞれ
制御される。
【0012】開閉制御弁28の開弁時期および閉弁時期
が示された図3を参照すると、開閉制御弁28の開弁時
期からカム29の回転角TCだけ遡った時期においてソ
レノイド29をオンにし開閉制御弁28を閉弁するよう
にしている。ところが開閉制御弁28の開弁時期は図3
に示すようにプランジャ22上死点からカム回転角αだ
け進んだ時期において一定とみなすことができるので本
発明による実施例ではカム回転角TC、すなわち開閉制
御弁28の閉弁時期を制御することによって開閉制御弁
28の閉弁時間を制御し、高圧ポンプ11の燃料吐出量
を制御している。すなわちカム回転角TCを大きくする
と開閉制御弁28閉弁時期が早くされ開閉制御弁28閉
弁時間が長くなるので高圧ポンプ11の燃料吐出量が増
大され、一方回転角TCを小さくすると開閉制御弁28
閉弁時期が遅くされ開閉制御弁28閉弁時間が短くなる
ので高圧ポンプ11の燃料吐出量が減少される。なお、
閉弁時期TCは燃料噴射弁9における要求燃料量に依存
して求められる基本閉弁時期TCBとフィードバック補
正係数Tfとの和として求められる(後述する)。また
ソレノイド29は機関運転状態に応じた短時間だけオン
にされる。
【0013】これに対し、溢流制御弁34が開弁されて
カム室19とオイル室24とが連通された場合プランジ
ャ22が上昇するとオイル室24内の作動油が溢流通路
33を介してカム室19内に流出し、プランジャ22が
下降するとカム室19内の作動油が溢流通路33を介し
てオイル室24内に流入し、その結果プランジャ22が
上昇してもオイル室24内の圧力が上昇しないのでこの
ときポンプ室25内の燃料は加圧されないこととなる。
なお、溢流制御弁34駆動用のソレノイド35は溢流制
御弁34の開弁期間中継続してオンにされる。
【0014】再び図1を参照すると図1に示した実施例
ではバイパス通路37が設けられ、このバイパス通路3
7の一端は圧力レギュレータ16と高圧ポンプ11間に
位置する燃料供給管12に連結され、バイパス通路37
の他端は逆止弁15と燃料噴射弁9間に位置する燃料分
配管10に連結される。また、バイパス通路37にはバ
イパス通路37の連通を制御するバイパス制御弁38が
配置される。バイパス制御弁38の拡大断面図が示され
た図4を参照するとバイパス制御弁38はソレノイド3
9により駆動される弁体40を備える。高圧ポンプ11
の定常運転時ソレノイド39は消勢されており、その結
果圧縮ばね41のばね力と弁体40先端部の環状頂面4
0a上に作用する燃料圧とによってバイパス制御弁38
が閉弁されている。したがってバイパス通路37が遮断
される。一方バイパス通路37を連通すべくソレノイド
39が付勢されるとソレノイド39の電磁吸引力により
弁体40が上昇されるのでバイパス制御弁38が開弁さ
れ、その結果バイパス通路37が連通される。なお、バ
イパス制御弁38駆動用のソレノイド39はバイパス制
御弁38の開弁期間中継続してオンにされ、またソレノ
イド39は電子制御ユニット50の出力信号に基づいて
制御される。
【0015】さらに図1を参照すると電子制御ユニット
50はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス
51を介して相互に接続されたROM(リードオンリメ
モリ)52、RAM(ランダムアクセスメモリ)53、
CPU(マイクロプロセッサ)54、入力ポート55お
よび出力ポート56を具備する。逆止弁15と燃料噴射
弁9間に位置する燃料分配管10には燃料分配管10内
の燃料圧に比例した出力電圧を発生する燃料圧センサ5
7が取付けられ、燃料圧センサ57の出力電圧はAD変
換器58を介して入力ポート55に入力される。負荷セ
ンサ59は例えばアクセルペダル(図示しない)の踏込
み量に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧はAD
変換器60を介して入力ポート55に入力される。ま
た、クランク角センサ61は例えばクランクシャフトが
30度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パル
スは入力ポート55に入力される。上死点センサ62は
例えば1番気筒が吸気上死点に達したときに出力パルス
を発生し、この出力パルスは入力ポート55に入力され
る。CPU54ではクランク角センサ61の出力パルス
と上死点センサ62の出力パルスとから現在のクランク
角が計算され、また高圧ポンプ11のカム20における
現在のカム回転角が計算される。さらにクランク角セン
サ61の出力パルスから機関回転数が計算される。一
方、出力ポート56は対応する駆動回路63を介して燃
料噴射弁9駆動用のソレノイド23、開閉制御弁28駆
動用のソレノイド29、溢流制御弁34駆動用のソレノ
イド35、およびバイパス制御弁38駆動用のソレノイ
ド39にそれぞれ接続される。
【0016】ところで上述したように高圧ポンプ11
(図2)においてプランジャ22がプランジャ上死点に
位置したときにはダイアフラム26は上方に、すなわち
ポンプ室25に向けて変位している。次いでプランジャ
22が下降を開始するとオイル室24内の作動油がプラ
ンジャ挿入孔23内に流出してオイル室24内の圧力が
低下するのでダイアフラム26が下方に向けて変位する
ようになり、プランジャ22がプランジャ下死点近傍に
位置したときにはダイアフラム26の変位量が零にな
る。ところが、例えばオイル室24内の作動油の粘度が
高い場合にはプランジャ22がプランジャ上死点から下
降を開始してもオイル室24内の作動油はプランジャ挿
入孔23内に直ちに流出せず、その結果プランジャ22
が下降してもオイル室24内の圧力が低下しないのでダ
イアフラム26が下方に向けて変位しなくなり、プラン
ジャ22がプランジャ下死点に達してもダイアフラム2
6の変位量が零になっていない。したがって、このとき
にはポンプ室25の容積が減少しているので次いで開閉
制御弁28が開弁したときにポンプ室25内に導かれる
燃料量が減少するようになり、その結果高圧ポンプ11
の燃料吐出量が目標の燃料吐出量よりも少なくなってし
まう。また、プランジャ22がプランジャ下死点に達し
てもダイアフラム26の変位量が零に戻らないときにプ
ランジャ22が上昇を開始してオイル室24内の圧力を
増大するようにするとダイアフラム26が過剰に変位す
る恐れが生じる。ダイアフラム26が過剰に変位すると
ダイアフラム26が破損する恐れがある。
【0017】一方、図1に示した実施例では開閉制御弁
28の閉弁時期を制御することにより高圧ポンプ11の
燃料吐出量を制御して燃料噴射弁9に供給される燃料の
圧力が目標燃料圧に一致するようにしている。したがっ
て、上述のようにプランジャ22下死点においてダイア
フラム26の変位量が零に戻らず高圧ポンプ11の燃料
吐出量が目標吐出量よりも減少しているときには高圧ポ
ンプ11の燃料吐出量が増大されるように開閉制御弁2
8の閉弁時期が早く設定される。そこで本発明による実
施例では開閉制御弁28の基本閉弁時期TCBよりも早
く定められた限界閉弁時期TCGを導入し、図5に示す
ように燃料噴射弁9における要求燃料量および燃料分配
管10内の燃料圧に基づいて計算された開閉制御弁28
の閉弁時期TCが限界閉弁時期TCGよりも早いときに
はプランジャ22下死点におけるダイアフラム26の変
位量が零に戻っていないと判断して溢流制御弁34を開
弁するようにしている。溢流制御弁34が開弁されると
溢流通路33が開放されるのでオイル室24とカム室1
9とが連通され、その結果プランジャ22が上昇しても
オイル室24内の圧力が上昇しないのでダイアフラム2
6が過剰に変位するのが阻止される。したがってダイア
フラム26が破損するのが阻止される。
【0018】また、本実施例において計算された開閉制
御弁28の閉弁時期TCが限界閉弁時期TCGよりも早
いときには開閉制御弁28の駆動が停止される。このた
め開閉制御弁28が継続して開弁しているので低圧ポン
プ14から吐出された燃料はポンプ室25内に継続して
導かれるが、このとき上述のように溢流制御弁34が開
弁されているのでポンプ室25内の燃料は加圧されな
い。したがってポンプ室25内は圧力レギュレータ16
(図1)によって調節された一定圧力の燃料で満たされ
るようになるが、このときの燃料圧では逆止弁15は開
弁しないのでその結果燃料噴射弁9に燃料が供給されな
くなってしまう。そこで図1に示した実施例では計算さ
れた開閉制御弁28の閉弁時期TCが限界閉弁時期TC
Gよりも早いときにはバイパス制御弁38を開弁してバ
イパス通路37を介し燃料噴射弁9に燃料を継続して供
給するようにしている。その結果ダイアフラム26が破
損するのを阻止しつつ燃料噴射弁9に継続して燃料を供
給でき、したがって機関停止を阻止できる。
【0019】次に、図6および図7を参照して上述の実
施例を実行するためのルーチンを説明する。図6および
図7を参照すると、まずステップ70では溢流制御弁3
4およびバイパス制御弁38を閉弁すべきときにセット
されるフラグがセットされているか否かが判別される。
通常このフラグはセットされていないのでステップ71
に進む。ステップ71ではすでに求められている機関回
転数Nおよび機関負荷Lから図8に示したマップに基づ
いて燃料噴射弁9から噴射すべき要求燃料量QFが計算
される。ステップ72ではステップ71において求めら
れた要求燃料量QFから図9に示したマップに基づいて
開閉制御弁28の基本閉弁時期に相当するカム回転角T
CB(図5)が求められる。図9からわかるように要求
燃料量QFが多いときほど基本閉弁時期に相当するカム
回転角TCBは大きくされる。次いでステップ73では
燃料圧センサ57の出力電圧に基づいて燃料分配管10
内の現在の燃料圧PHが計算され、ステップ74では燃
料分配管10内の目標燃料圧および現在の燃料圧PHな
どに基づいて燃料分配管10内の燃料圧PHを目標燃料
圧に一致させるフィードバック補正係数Tfが求められ
る。次いでステップ75ではカム回転角TCBにフィー
ドバック補正係数Tfを加算することによって開閉制御
弁28の閉弁時期に相当するカム回転角TCが求められ
る。
【0020】次いでステップ76では図10に示したマ
ップから基本閉弁時期に相当するカム回転角TCBに基
づいて開閉制御弁28の限界閉弁時期に相当するカム回
転角TCGが計算される。図10に示すように限界閉弁
時期に相当するカム回転角TCGは基本閉弁時期に相当
するカム回転角TCBよりも大きくされる。なお図8、
図9および図10に示したマップは予めROM52内に
それぞれ記憶されている。次いでステップ77では開閉
制御弁28の閉弁時期に相当するカム回転角TCが開閉
制御弁28の限界閉弁時期に相当するカム回転角TCG
よりも大きいか否か、すなわち計算された開閉制御弁2
8の閉弁時期が限界閉弁時期よりも早いか否かが判別さ
れる。ステップ77においてTC<TCGが成立すると
きにはステップ78に進んで開閉制御弁28の駆動を継
続して行う。次いで処理サイクルを終了する。これに対
しステップ77においてTC≧TCGが成立するときに
はステップ79に進んでフラグをセットし、次いでステ
ップ80およびステップ81に進んで溢流制御弁34を
開弁すると共にバイパス制御弁38を開弁する。次いで
処理サイクルを終了する。
【0021】一旦フラグがセットされるとステップ70
から次いでステップ80およびステップ81に進み、溢
流制御弁34およびバイパス制御弁38が開弁状態に維
持される。
【0022】ところで上述の実施例では燃料噴射弁9に
おける基本燃料噴射時間TAUBは要求燃料量QFから
計算される。この基本燃料噴射時間TAUBと要求燃料
量QFとの関係は図11に示すようなマップの形で予め
ROM52内に記憶されている。図11からわかるよう
に要求燃料量QFが多いときほど基本燃料噴射時間TA
UBは大きくされる。図11に示した基本燃料噴射時間
TAUBは高圧ポンプ11が駆動されて燃料分配管10
内の燃料圧PHが一定値PH0であるときに要求燃料量
QFだけ燃料噴射するための最適な燃料噴射時間であ
る。ところが開閉制御弁28の閉弁時期TCが限界閉弁
時期TCGよりも早いときには高圧ポンプ11の駆動が
停止されるので燃料分配管10内の燃料圧PHは一定値
PH0よりも低くなっており、このときに燃料噴射弁9
から基本燃料噴射時間TAUBだけ燃料噴射を行うと燃
料噴射弁9から噴射される燃料量が要求燃料量QFより
も少なくなってしまう。そこで本発明による実施例では
次式で定義される補正係数Kを基本燃料噴射時間TAU
Bに乗算することによって燃料噴射時間TAUを求め、
高圧ポンプ11の停止時における燃料噴射量が要求燃料
量QFに一致するようにしている。 K=(PH0/PH)1/2
【0023】図12には燃料噴射時間を計算するための
ルーチンが示される。図12を参照すると、まずステッ
プ82では図11のマップに基づいて基本燃料噴射時間
TAUBが計算される。次いでステップ83ではすでに
求められている燃料分配管10内の燃料圧PHから補正
係数Kが計算される。次いでステップ84では補正係数
Kを基本燃料噴射時間Tに乗算することによって燃料噴
射時間TAUが計算される。
【0024】上述の第1実施例において高圧ポンプ11
はダイアフラム式ポンプから構成されている。しかしな
がら高圧ポンプ11を燃料吐出量が制御可能な、例えば
容量式ポンプから構成することもできる。
【0025】図13には本発明による第2の実施例が示
される。図13に示した実施例において図1に示した実
施例と同様の構成要素は同一の番号で示し、また図13
では図1に示される電子制御ユニット50が省略されて
いる。図13を参照するとこの実施例でもバイパス通路
37が設けられ、このバイパス通路37の一端は圧力レ
ギュレータ16と高圧ポンプ11間に位置する燃料供給
管12に連結され、バイパス通路37の他端は逆止弁1
5と燃料噴射弁9間に位置する燃料分配管10に連結さ
れる。また、バイパス通路37にはバイパス通路37の
連通を制御するバイパス制御弁38が配置される。さら
に、図13に示した実施例において高圧ポンプ11は図
2に示したようなダイアフラム式ポンプから構成され
る。
【0026】ところで高圧ポンプ11内に設けられたオ
イル室24内の作動油の粘度は作動油の温度に依存し、
作動油の温度が低いときほど作動油の粘度は高くなって
いる。作動油の粘度が高いと上述したようにプランジャ
22下死点においてダイアフラム26の変位量が零に戻
らなくなるために高圧ポンプ11の燃料吐出量が減少
し、またダイアフラム26が破損する恐れが生じる。そ
こで本発明による第2の実施例ではオイル室24内の作
動油の粘度を代表するハウジング18表面温度tpを検
出するための温度センサ90をオイル室24を画定する
高圧ポンプ11のハウジング18の表面に取付け、温度
センサ90により検出されたハウジング18表面温度t
pが予め定められた設定温度t0よりも低いときには作
動油粘度が高いためにプランジャ22下死点においてダ
イアフラム26の変位量が零に戻らないと判断して溢流
制御弁34およびバイパス制御弁38を開弁するように
している。その結果、例えば内燃機関の冷間始動時にお
けるように作動油の粘度が高いときにダイアフラム26
が破損するのを阻止しつつ燃料噴射弁9に継続して燃料
を供給でき、したがって機関停止を阻止できる。一方、
ハウジング18表面温度tpが設定温度t0よりも高い
ときには作動油粘度が低いためにプランジャ22下死点
においてダイアフラム26の変位量が零に戻ると判断し
て溢流制御弁34およびバイパス制御弁38を閉弁する
ようにしている。その結果燃料噴射弁9に高圧の燃料を
供給できる。なお、温度センサ90はハウジング18表
面温度tpに比例した出力電圧を発生し、この出力電圧
は図示しないA/D変換器を介して電子制御ユニット5
0の入力ポート55に入力される。
【0027】上述のように図13に示した実施例では、
例えば内燃機関の冷間始動時にオイル室24内の作動油
の温度が設定温度よりも低いときにはバイパス制御弁3
8が開弁されるので燃料噴射弁9に燃料が供給され続け
る。このため溢流制御弁34が開弁されたことにより高
圧ポンプ11の作動が停止されても内燃機関が作動し続
けるのでシリンダブロック1およびシリンダヘッド3が
加熱されるようになり、その結果例えばエンジンルーム
内に配置された高圧ポンプ11も加熱されるようにな
る。高圧ポンプ11が加熱されるとオイル室24内の作
動油も加熱されるようになり、したがってオイル室24
内の作動油の粘度が低くなってくる。ところがこの第2
実施例ではオイル室24内の作動油の粘度を代表するハ
ウジング18表面温度tpが設定温度t0よりも高いと
きには溢流制御弁34を閉弁することにより高圧ポンプ
11を作動させるようにしているので燃料噴射弁9に高
圧の燃料を供給することができるようになる。なお、ハ
ウジング18表面温度tpが設定温度tよりも高いと
きにはバイパス制御弁38は閉弁され、その結果バイパ
ス通路37は遮断される。
【0028】ところで燃料タンク13内の燃料が少なく
なってくると低圧ポンプ14からは燃料と共に燃料タン
ク13内の空気が吐出されるようになる。低圧ポンプ1
4から吐出された燃料に空気が含まれていると燃料噴射
弁9から燃料と共に空気が噴射され、その結果燃料噴射
弁9から噴射される燃料量が正規の燃料噴射量よりも少
なくなってしまう。また、低圧ポンプ14から吐出され
た燃料に空気が含まれていると燃料供給管12、燃料分
配管10、あるいはバイパス通路37内に空気が存在す
るようになり、燃料タンク13内に新たに燃料が補給さ
れてもしばらくの間は燃料噴射弁9から空気を含んだ燃
料が噴射されることとなる。そこで本発明による第2実
施例では燃料供給管12内に燃料供給管12内の燃料圧
PLを検出する燃料圧センサ91を取付け、この燃料圧
センサ91によって検出された燃料圧PLが予め定めら
れた設定圧力PL0よりも低くなったときには燃料タン
ク13内の残存燃料量が少なくなっていると判断して溢
流制御弁34を開弁することにより高圧ポンプ11の作
動を停止すると共にバイパス制御弁38を閉弁すること
によりバイパス通路37を遮断するようにしている。こ
の設定圧力PL0は燃料分配管10内に配置された逆止
弁15の開弁圧よりも低く定められており、したがって
燃料供給管12内の燃料圧PLが設定圧力PL0よりも
低くなったときには逆止弁15は開弁せず、またバイパ
ス制御弁38は閉弁されているので燃料噴射弁9に空気
を含んだ燃料が供給されず、また燃料供給管12、燃料
分配管10、あるいはバイパス通路37内に空気が存在
するのが阻止される。なお、燃料圧センサ91は燃料供
給管12内の燃料圧PLに比例した出力電圧を発生し、
この出力電圧は図示しないA/D変換器を介して電子制
御ユニット50の入力ポート55に入力される。
【0029】図14および図15には上述の第2実施例
を実行するためのルーチンが示される。図14および図
15を参照するとまずステップ100では燃料供給管1
2内の燃料圧PLが設定圧力PL0よりも低いか否かが
判別される。ステップ100においてPL>PL0が成
立するときにはステップ101に進む。これに対しステ
ップ100においてPL≦PL0が成立するときにはス
テップ102およびステップ103に進み、ステップ1
02では溢流制御弁34を開弁し、ステップ103では
バイパス制御弁38を閉弁する。次いで処理サイクルを
終了する。
【0030】ステップ101では高圧ポンプ11のハウ
ジング18表面温度tpが設定温度t0よりも低いか否
かが判別される。ステップ101においてtp≦t0が
成立するときにはステップ104およびステップ105
に進み、ステップ104では溢流制御弁34を開弁し、
ステップ105ではバイパス制御弁38を開弁する。次
いで処理サイクルを終了する。
【0031】一方ステップ101においてtp>t0が
成立するときにはステップ106およびステップ107
に進み、ステップ106では溢流制御弁34を閉弁し、
ステップ107ではバイパス制御弁38を閉弁する。次
いでステップ108ではすでに求められている機関回転
数Nおよび機関負荷Lから図8に示したマップに基づい
て燃料噴射弁9から噴射すべき要求燃料量QFが計算さ
れる。ステップ109ではステップ108において求め
られた要求燃料量QFから図9に示したマップに基づい
て開閉制御弁28の基本閉弁時期に相当するカム回転角
TCBが求められる。次いでステップ110では燃料圧
センサ57の出力電圧に基づいて燃料分配管10内の現
在の燃料圧PHが計算され、ステップ111では燃料分
配管10内の目標燃料圧および現在の燃料圧PHなどに
基づいて燃料分配管10内の燃料圧PHを目標燃料圧に
一致させるフィードバック補正係数Tfが求められる。
ステップ112ではカム回転角TCBにフィードバック
補正係数Tfを加算することによって開閉制御弁28の
閉弁時期に相当するカム回転角TCが求められる。次い
でステップ113ではステップ112において計算され
たカム回転角TCに基づいて開閉制御弁28が駆動され
る。次いで処理サイクルを終了する。なお、その他の燃
料噴射装置の作動については第1実施例と同様であるの
で説明を省略する。
【0032】図16には本発明による第3の実施例が示
される。図16に示した実施例において図1に示した実
施例と同様の構成要素は同一の番号で示し、また図16
においても図1に示される電子制御ユニット50が省略
されている。図16を参照するとこの実施例ではバイパ
ス通路およびバイパス制御弁が設けられず、したがって
燃料供給管12と燃料分配管10とは高圧ポンプ11の
みを介して連結される。一方、燃料分配管10内には燃
料噴射弁9に向けて流通可能な逆止弁15が配置される
が、この逆止弁15の開弁圧は高圧ポンプ11に供給さ
れる燃料の圧力、すなわち圧力レギュレータ16によっ
て調節された燃料供給管12内の燃料圧よりも低く設定
されている。また、図16に示した実施例において高圧
ポンプ11は図2に示したようなダイアフラム式ポンプ
から構成され、この高圧ポンプ11はポンプ室25を備
えている。
【0033】ところでこの実施例においても高圧ポンプ
11のハウジング18表面には第2実施例と同様に温度
センサ90が取付けられている。この温度センサ90に
より検出されたハウジング18の表面温度tpが予め定
められた設定温度t0よりも高いときには作動油粘度が
低いためにプランジャ22下死点においてダイアフラム
26の変位量が零に戻ると判断して溢流制御弁34を閉
弁するようにしている。その結果燃料噴射弁9に高圧の
燃料を供給できる。これに対し、ハウジング18表面温
度tpが設定温度t0よりも低いときには作動油粘度が
高いためにプランジャ22下死点においてダイアフラム
26の変位量が零に戻らないと判断して溢流制御弁34
を開弁するようにしている。その結果、例えば内燃機関
の冷間始動時におけるように作動油の粘度が高いときに
ダイアフラム26が破損するのを阻止することができ
る。
【0034】また、ハウジング18表面温度tpが設定
温度t0よりも低いときには開閉制御弁28の駆動が停
止され、このため開閉制御弁28は開弁状態に維持され
ているので低圧ポンプ14から吐出された燃料はポンプ
室25内に継続して導かれる。ところがこのとき上述の
ように溢流制御弁34が開弁されているのでポンプ室2
5内に導かれた燃料は加圧されない。したがってポンプ
室25内は圧力レギュレータ16(図1)によって調節
された一定圧力の燃料で満たされるようになるが、図1
6に示した実施例ではこのときの燃料圧によって逆止弁
15が開弁するので高圧ポンプ11の作動が停止されて
も燃料噴射弁9に継続して燃料を供給でき、したがって
機関停止を阻止できる。
【0035】図17および図18には上述の第3実施例
を実行するためのルーチンが示される。図17および図
18を参照するとまずステップ120では高圧ポンプ1
1のハウジング18表面温度tpが設定温度t0よりも
低いか否かが判別される。ステップ120においてtp
≦t0が成立するときにはステップ121に進んで溢流
制御弁34を開弁し、次いで処理サイクルを終了する。
【0036】一方ステップ120においてtp>t0が
成立するときにはステップ122に進んで溢流制御弁3
4を閉弁する。次いでステップ123ではすでに求めら
れている機関回転数Nおよび機関負荷Lから図8に示し
たマップに基づいて燃料噴射弁9から噴射すべき要求燃
料量QFが計算される。ステップ124ではステップ1
23において求められた要求燃料量QFから図9に示し
たマップに基づいて開閉制御弁28の基本閉弁時期に相
当するカム回転角TCBが求められる。次いでステップ
125では燃料圧センサ57の出力電圧に基づいて燃料
分配管10内の現在の燃料圧PHが計算され、ステップ
126では燃料分配管10内の目標燃料圧および現在の
燃料圧PHなどに基づいて燃料分配管10内の燃料圧P
Hを目標燃料圧に一致させるフィードバック補正係数T
fが求められる。ステップ127ではカム回転角TCB
にフィードバック補正係数Tfを加算することによって
開閉制御弁28の閉弁時期に相当するカム回転角TCが
求められる。次いでステップ128ではステップ127
において計算されたカム回転角TCに基づいて開閉制御
弁28が駆動される。次いで処理サイクルを終了する。
なお、その他の燃料噴射装置の作動については第2実施
例と同様であるので説明を省略する。
【0037】上述の第3実施例において高圧ポンプ11
はダイアフラム式ポンプから構成されている。しかしな
がら高圧ポンプ11をポンプ室を備えた、例えば容量式
ポンプから構成することもできる。
【0038】また、これまで述べてきた3つの実施例に
おいて燃料噴射弁9は燃焼室4内に向けて燃料を噴射す
るようにしている。しかしながら燃料噴射弁9は機関吸
気通路内に向けて燃料を噴射するようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】高圧ポンプの作動が停止されたときにも
燃料噴射弁に燃料を継続して供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例を適用した内燃機関の
全体図である。
【図2】高圧ポンプの拡大断面図である。
【図3】高圧ポンプの開閉制御弁の開弁時期および閉弁
時期を示す線図である。
【図4】バイパス制御弁の拡大断面図である。
【図5】高圧ポンプの開閉制御弁の計算された閉弁時期
と限界閉弁時期との関係を示す図3と同様な線図であ
る。
【図6】開閉制御弁、溢流制御弁およびバイパス制御弁
を制御するためのフローチャートである。
【図7】開閉制御弁、溢流制御弁およびバイパス制御弁
を制御するためのフローチャートである。
【図8】要求燃料量と機関回転数および機関負荷との関
係を示す線図である。
【図9】要求燃料量と基本閉弁時期との関係を示す線図
である。
【図10】基本閉弁時期と限界閉弁時期との関係を示す
線図である。
【図11】要求燃料量と基本燃料噴射時間との関係を示
す線図である。
【図12】燃料噴射時間を計算するためのフローチャー
トである。
【図13】本発明による第2実施例を適用した内燃機関
の全体図である。
【図14】開閉制御弁、溢流制御弁およびバイパス制御
弁を制御するためのフローチャートである。
【図15】開閉制御弁、溢流制御弁およびバイパス制御
弁を制御するためのフローチャートである。
【図16】本発明による第3実施例を適用した内燃機関
の全体図である。
【図17】開閉制御弁および溢流制御弁を制御するため
のフローチャートである。
【図18】開閉制御弁および溢流制御弁を制御するため
のフローチャートである。
【符号の説明】
9…燃料噴射弁 10…燃料分配管 11…高圧ポンプ 12…燃料供給管 14…低圧ポンプ 37…バイパス通路 38…バイパス制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 59/46 F02M 59/46 Q (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 39/00 - 71/04 F02D 41/00 - 41/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低圧ポンプの吐出側と燃料噴射弁とを連
    結する燃料通路内に吐出量を制御可能な高圧ポンプを配
    置した燃料噴射装置において、上記高圧ポンプを迂回し
    て低圧ポンプの吐出側と燃料噴射弁とを連結するバイパ
    ス通路を形成すると共に該バイパス通路内にバイパス制
    御弁を配置し、上記高圧ポンプの吐出量を増大するよう
    に制御しても高圧ポンプの吐出量が増大しないときには
    上記バイパス制御弁を開弁するようにした燃料噴射装
    置。
  2. 【請求項2】 低圧ポンプの吐出側と燃料噴射弁とを連
    結する燃料通路内に高圧ポンプを配置し、該高圧ポンプ
    がダイアフラムによって互いに隔離されたポンプ室とオ
    イル室とを具備し、該ポンプ室の流入側が低圧ポンプに
    連結されると共に該ポンプ室の吐出側が燃料噴射弁に連
    結され、上記高圧ポンプから燃料を吐出すべきときには
    作動油で満たされた上記オイル室内の圧力を増大させる
    ことにより上記ダイアフラムを変位させて上記ポンプ室
    内に導かれた燃料を吐出するようにした燃料噴射装置に
    おいて、上記高圧ポンプを迂回して低圧ポンプの吐出側
    と燃料噴射弁とを連結するバイパス通路を形成すると共
    に該バイパス通路内にバイパス制御弁を配置し、上記オ
    イル室内の作動油の粘度を検出する手段を具備して該手
    段により検出された作動油の粘度が予め定められた設定
    粘度よりも高いときには上記バイパス制御弁を開弁する
    ようにした燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 上記高圧ポンプと上記燃料噴射弁間の上
    記燃料通路内に燃料噴射弁に向けて流通可能な逆止弁を
    設け、低圧ポンプから吐出された燃料の圧力が予め該逆
    止弁の開弁圧よりも低く定められた設定圧力よりも低く
    なったときには上記バイパス制御弁を閉弁するようにし
    た請求項1あるいは請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 高圧ポンプ内に形成される燃料流通路の
    一側を低圧ポンプの吐出側に接続すると共に該燃料流通
    路の他側を燃料噴射弁に接続し、該燃料流通路を開放又
    は遮断可能な開閉制御弁を設け、高圧ポンプと燃料噴射
    弁間に燃料噴射弁に向けて流通可能な逆止弁を設けた燃
    料噴射装置において、上記逆止弁の開弁圧を上記高圧ポ
    ンプに供給される燃料の圧力よりも低く設定し、高圧ポ
    ンプの作動油の粘度を検出する手段を具備し、該手段に
    より検出された作動油の粘度が予め定められた設定粘度
    よりも高いときには開閉制御弁を制御して燃料流通路を
    開放状態に維持するようにした燃料噴射装置。
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