JP3018794B2 - 出力回路 - Google Patents

出力回路

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JP3018794B2
JP3018794B2 JP4317020A JP31702092A JP3018794B2 JP 3018794 B2 JP3018794 B2 JP 3018794B2 JP 4317020 A JP4317020 A JP 4317020A JP 31702092 A JP31702092 A JP 31702092A JP 3018794 B2 JP3018794 B2 JP 3018794B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は出力回路に関し、特にM
OS型電界効果トランジスタ(FET)を用いたスリー
ステートの出力回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のCMOS構成の出力回路は、図4
に示すように、P型半導体基板31の主表面に設けられ
たP型ウェル32の主表面にN型拡散層34a,34b
をソース,ドレインとして形成し、さらにシリコン酸化
膜からなるゲート絶縁膜36を介して、ポリシリコン3
8のゲート電極を設けて、NチャネルMOSFET(図
5のNチャネルMOSFET302に相当)とし、また
N型ウェル33の主表面にP型拡散層35a,35bを
ソース,ドレインとして形成し、さらにゲート絶縁膜3
6を介して、ポリシリコン38のゲート電極を設けて、
PチャネルMOSFET(図5のPチャネルMOSFE
T301に相当)とし、アルミニウム(Al)を主成分
とするメタル37aでNチャネルMOSFETのソース
34aとP型ウェル32を接続するとともに、0ボルト
を供給する電源(VSS)端子と接続し、同様にメタル
37bでNチャネルMOSFETのドレイン34bとP
チャネルMOSFETのドレイン35bを接続するとと
もに、出力端子Oと接続し、またメタル37cでPチャ
ネルMOSFETのソース35aとN型ウェル33を接
続するとともに電源端子VDDと接続した構成となって
いた。
【0003】NチャネルMOSFETのゲート電極端子
A及びPチャネルMOSFETのゲート電極端子Bに
は、この出力回路を含む集積回路の演算結果により、P
チャネルMOSFETを導通させて、出力端子Oをハイ
レベルとする。あるいはNチャネルMOSFETを導通
させて出力Oをローレベルとする。又はNチャネルMO
SFETとPチャネルMOSFETとのいずれをも非導
通にして出力端子Oを高インピーダンスにするというス
リーステートを実現できるように、それぞれに制御信号
が入力される。
【0004】マイクロコンピュータを用いたシステムな
どでは、プリント基板上に配置された複数の集積回路
が、バス配線を共用して、互いに信号を相互伝達するた
め、それぞれの集積回路は出力をバス配線から切り離す
機能を必要とし、出力端子を高インピーダンスにできる
スリーステート出力回路が通常用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の出力回路に
おいては、電源VDDの電圧がバス配線を共用する他の
集積回路の出力のハイレベルより小さい場合に、出力回
路が高インピーダンス状態になるように端子A及び端子
Bの信号を与えても、出力端子OからVDD端子に向け
て電流が流れる経路が発生し、消費電力が急増してしま
うという問題点があった。
【0006】図5を参照して、前記の問題点を詳述す
る。チップ1は従来の出力回路を含む集積回路の出力部
で、既に図4を用いて説明したPチャネルMOSFET
301とNチャネルMOSFET302とからなる出力
回路と、これらのゲートを制御するためのCMOSNA
ND(CMOSトランジスタからなるNANDゲート)
回路303とCMOSNOR(CMOSトランジスタか
らなるNORゲート)回路304とを含んでいる。
【0007】ここで、端子CTには半導体チップ選択時
にハイレベルとなる信号が与えられ、端子CBには端子
CTの信号と逆相の信号が与えられる。即ち、端子CT
がハイレベルで入力Iがローレベルの時は、端子Bの点
はハイレベルとなり、PチャネルMOSFET301は
非導通である。一方、端子Aの点もハイレベルとなるの
で、NチャネルMOSFET302は導通となり、結果
として出力端子Oはローレベルの第1の状態となる。
【0008】端子CTがハイレベルで入力Iもハイレベ
ルの時は、端子B及びAの点はいずれもローレベルとな
り、PチャネルMOSFET301が導通し、Nチャネ
ルMOSFET302が非導通となり、出力端子Oはハ
イレベルの第2の状態となる。
【0009】さらに、チップ選択端子CTがローレベル
の時には、入力Iがいずれのレベルであっても、端子A
の点はローレベル,端子Bの点はハイレベルとなり、P
チャネルMOSFET301とNチャネルMOSFET
302とはいずれも非導通となって、出力端子Oが高イ
ンピーダンス状態となることが期待される。
【0010】しかしながら、出力端子Oがバス配線30
7を介して、このチップ1のVDD端子に供給される電
源電圧(例えば3ボルト)より高い電源電圧(例えば5
ボルト)を使用する他の半導体チップ2の出力回路と接
続され、チップ2のPチャネルMOSFET305及び
NチャネルMOSFET306のゲートにそれぞれロー
レベルの信号が印加された場合には、チップ1の端子C
Tをローレベル(端子CBはハイレベル)にして、チッ
プ2の出力端子O′を高インピーダンスの状態になるよ
うに設定しても、チップ2の5ボルトの電源から導通状
態のPチャネルMOSFET305,バス配線307,
PチャネルMOSFETのドレインとNウェル(図4の
P型拡散層35bとNウェル33)の間の寄生P−Nダ
イオード308を通じて、電源VDD(3ボルト)に向
かって電流が流れ、またPチャネルMOSFET301
もゲート・ドレイン間に閾値以上の電圧が印加されるの
で導通してしまう。このため、消費電力が急増してしま
うという欠点があった。
【0011】今後の素子寸法の微細化に伴う電界の増大
と、これによる信頼性の低下を防止するためには、素子
寸法に応じて電源電圧を低下させることが必要不可欠で
あり、これに伴って、開発時期の異なる集積回路の使用
電源電圧が異なる場合が増大するため、これらが同一プ
リント基板上でバス配線を共用して接続使用される機会
も増大すると予想され、前記の問題点はより深刻となり
つつある。
【0012】本発明の目的は、前記問題点が解決され、
寄生ダイオードを通してより低い電源側へ向かって電流
が流れたり、MOSFETに閾値以上の電圧が印加され
たりして、大電流が流れてしまうことのないようにした
出力回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の出力回路の構成
は、第1の入力信号と第2の入力信号とが供給されるN
AND回路と、前記第2の入力信号と逆相の第3の入力
信号と前記第1の入力信号とが供給されるNOR回路
と、第1の電源端子と第2の電源端子との間に直列接続
して設けられたエンハンスメント型Pチャネル電界効果
トランジスタとエンハンスメント型Nチャネル電界効果
トランジスタと、前記エンハンスメント型Pチャネル電
界効果トランジスタと前記エンハンスメント型Nチャネ
ル電界効果トランジスタとの共通接続点にドレイン又は
ソースが接続され、かつ前記第2の入力信号がゲートに
供給され、かつソース又はドレインが出力端子に接続さ
れたディプリーション型Nチャネル電界効果トランジス
タとを備え、前記NAND回路の出力が前記エンハンス
メント型Pチャネル電界効果トランジスタのゲートに接
続され、前記NOR回路の出力が前記エンハンスメント
型Nチャネル電界効果トランジスタのゲートに接続され
たことを特徴とする。
【0014】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の第1の実施例の出力回路を示す回路
図である。
【0015】図1において、本実施例の出力回路は、第
1の電源端子であるところの電源VDD(例えば3ボル
トの電圧を供給)と第2の電源端子41であるところの
電源VSS(通常0ボルト)の両端子との間に、エンハ
ンスメント型PチャネルMOSFET101とエンハン
スメント型NチャネルMOSFET102との直列体が
設置され、また両MOSFET101,102の共通接
続点と出力端子Oとの間にドレインとソースをそれぞれ
接続したディプリーション型NチャネルMOSFET1
03が設置され、第1の入力信号であるところのチップ
選択信号端子CTと第2の入力信号であるところのデー
タ入力端子Iとを入力とするCMOSNAND回路10
4の出力がPチャネルMOSFET101のゲートに供
給され、同様に、端子CTのチップ選択信号と逆相の第
3の入力信号の端子CBとデータ入力端子Iとを入力と
するCMOSNOR回路105の出力が、NチャネルM
OSFET102のゲートに供給されると共に、端子C
Tがディプリーション型NチャネルMOSFET103
のゲートにも接続されている。
【0016】次に本実施例の出力回路の動作を説明す
る。先ず、チップ選択信号端子CTへの入力信号がハイ
レベル即ち端子CBへの入力がローレベルの場合につい
て、動作を説明する。データ入力端子Iへの入力信号が
ハイレベルの第1の状態においては、CMOSNAND
回路104の入力は論理レベル〔1〕と論理レベル
〔1〕であるため、その出力は論理レベル
〔0〕即ちロ
ーレベルとなり、PチャネルMOSFET101は導通
となり、CMOSNOR回路105の入力は論理レベル
〔1〕と
〔0〕であるため、その出力も
〔0〕即ちロー
レベルとなって、NチャネルMOSFET102は非導
通となるため、PチャネルMOSFET101とNチャ
ネルMOSFET101との共通接続点の電位はVDD
端子の電位(3ボルト)と等しくなり、ディプリーショ
ン型NチャネルMOSFET103のゲートには端子C
Tの信号、即ちハイレベルが印加されるので、ディプリ
ーション型NチャネルMOSFET103も導通状態に
あるため、出力端子OにはVDD端子40の電位3ボル
トが出力される。ディプリーション型NチャネルMOS
FET103のゲートはハイレベルであるため、その導
通抵抗を低く押さえることができ、ディプリーション型
NチャネルMOSFET103を設けたことによる遅延
増加はほとんど生じない。
【0017】次に、端子CTへの入力信号がハイレベル
(端子CBはローレベル)でデータ入力端子Iへの入力
信号がローレベルの第2の状態においては、CMOSN
AND回路104の入力は論理レベル〔1〕と
〔0〕で
あるため、出力は〔1〕即ちハイレベルとなり、Pチャ
ネルMOSFET101は非導通となり、CMOSNO
R回路105の入力は
〔0〕と
〔0〕であるためにその
出力は〔1〕即ちハイレベルとなって、NチャネルMO
SFET102は導通となる。
【0018】その結果、PチャネルMOSFET101
とNチャネルMOSFET102の接続点は、電源VS
S端子41の電位(0ボルト)となり、ディプリーショ
ン型NチャネルMOSFET103は導通しているの
で、出力端子Oも0ボルトとなる。
【0019】チップ選択信号端子CTへの入力信号がロ
ーレベルで、端子CBへの入力信号がハイレベルの第3
の状態においては、データ入力信号端子Iがハイレベル
であってもローレベルであっても、CMOSNAND回
路104の出力はハイレベルとなり、CMOSNOR回
路105の出力はローレベルとなるため、PチャネルM
OSFET101とNチャネルMOSFET102とは
いずれも非導通となる。この時に、ディプリーション型
NチャネルMOSFET103のゲートには端子CTの
入力信号即ちローレベルの信号(通常0ボルト)が印加
されているため、ディプリーション型NチャネルMOS
FET103の閾値電圧を適当な値に設定しておくこと
により、出力端子Oに電源VDD端子40の電位(3ボ
ルト)以上の電圧(5ボルト)が印加されても、Pチャ
ネルMOSFET101とNチャネルMOSFET10
2の共通接続点の電位を電源VDD端子40の電位(3
ボルト)以下に押さえることができるため、Pチャネル
MOSFET101の寄生P−Nダイオードが順方向バ
イアスされて導通することが防止され、またPチャネル
MOSFETも非導通を維持することができる。
【0020】PチャネルMOSFET101とNチャネ
ルMOSFET102との共通接続点の電位を電源VD
D端子40の電位以下に保ったために必要なディプリー
ション型NチャネルMOSFET103の閾値VTD
は、端子40に供給される電源電圧をVddとし、また
ディプリーション型NチャネルMOSFET103の基
板とソース間にVddの逆バイアスを印加した時のバッ
クゲート効果による閾値の変動(上昇)分をΔVTDと
すると、VTD≧−(Vdd+ΔVTD)となる。
【0021】ここで、ΔVTDは、ゲート絶縁膜厚やP
型ウェル濃度により決定されるが、ΔVTD=0.5ボ
ルト,Vdd=3ボルトとすると、VTDが−3.5ボ
ルトより高い値であれば、出力端子Oに高い電圧が印加
されても、PチャネルMOSFET101とNチャネル
MOSFET102との共通接続点の電位が3ボルト
達する前に、ディプリーション型NチャネルMOSFE
T103が非導通となることによって、寄生ダイオード
が順方向バイアスされることを防止し、消費電流の増大
を防止することができる。
【0022】図2は本発明の第2の実施例の出力回路を
示す回路図である。図2において、本実施例は、ディプ
リーション型NチャネルMOSFET203に例えばM
OSFET102よりも厚いゲート絶縁膜のMOSFE
Tを用いている点が、図1と異なり、これ以外の部分
は、図1と同様な回路構成であり、動作については図1
と同様な動作をするため、ここではその説明は省略す
る。
【0023】図3に示すように、P型基板21の主表面
に形成されたP型ウェル22の主表面に薄いゲート絶縁
膜25aを有するNチャネルMOSFET23aと、こ
れよりも厚いゲート絶縁膜25bを有するNチャネルM
OSFET23bとを形成し、厚いゲート絶縁膜を有す
るNチャネルMOSFET23bを、図2のディプリー
ション型NチャネルMOSFET203に適用し、図2
でその他のMOSFETに(CMOSNAND回路10
4及びCMOSNOR回路105を構成するMOSFE
Tも含めて)図3のNチャネルMOSFET23aと同
一の薄いゲート絶縁膜25aを適用することにより、出
力端子Oに5ボルト等の高い電圧がバス配線を介して他
の集積回路から印加された場合でも、ゲート絶縁膜中の
電界を軽減することにより、絶縁膜の絶縁性劣化が防止
できるため、信頼性を高めることができる。一方、他の
MOSFETには薄い絶縁膜を適用して3ボルト等の低
電源電圧下でも大きなMOSFETの導通時電流を確保
して高速動作を実現できるという利点が生じる。
【0024】尚、図3において、24はN型拡散層であ
り、26はポリシリコンのゲート電極を示す。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、出力回
路と出力端子との間に第3の電界効果トランジスタを設
置し、このゲートをチップ選択信号で制御することによ
り、外部から出力端子に電源電圧より高い電圧が印加さ
れた場合にも出力端子から電源端子への電流を防止でき
るので、高い電源電圧を使用する他の集積回路とバス配
線を共用した場合にも、消費電力が増大することなく使
用できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の出力回路を示す回路図
である。
【図2】本発明の第2の実施例の出力回路を示す回路図
である。
【図3】図2で示した厚いゲート絶縁膜と薄いゲート絶
縁膜とのMOSFETを示す半導体基板の断面図であ
る。
【図4】従来の出力回路の出力部を示す半導体基板の断
面図である。
【図5】図4の従来の出力回路の回路上の問題点を示す
回路図である。
【符号の説明】
101,301,305 PチャネルMOSFET 102,302,306 NチャネルMOSFET 103 ディプリーション型NチャネルMOSFET 203 厚いゲート絶縁膜のディプリーション型Nチ
ャネルMOSFET 104,303 CMOSNAND回路 105,304 CMOSNOR回路 307 バス配線 308 寄生P−Nダイオード 21,31 P型基板 22,32 P型ウェル 23a NチャネルMOSFET 23b 厚いゲート絶縁膜のNチャネルMOSFET 24,34a,34b N型絶縁層 25a,36 ゲート絶縁膜 25b 厚いゲート絶縁膜 26,38 ポリシリコン 33 N型ウェル 35a,35b P型拡散層 37a,37b,37c メタル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の入力信号と第2の入力信号とが供
    給されるNAND回路と、前記第2の入力信号と逆相の
    第3の入力信号と前記第1の入力信号とが供給されるN
    OR回路と、第1の電源端子と第2の電源端子との間に
    直列接続して設けられたエンハンスメント型Pチャネル
    電界効果トランジスタとエンハンスメント型Nチャネル
    電界効果トランジスタと、前記エンハンスメント型Pチ
    ャネル電界効果トランジスタと前記エンハンスメント型
    Nチャネル電界効果トランジスタとの共通接続点にドレ
    イン又はソースが接続され、かつ前記第2の入力信号が
    ゲートに供給され、かつソース又はドレインが出力端子
    に接続されたディプリーション型Nチャネル電界効果ト
    ランジスタとを備え、前記NAND回路の出力が前記エ
    ンハンスメント型Pチャネル電界効果トランジスタのゲ
    ートに接続され、前記NOR回路の出力が前記エンハン
    スメント型Nチャネル電界効果トランジスタのゲート
    接続されたことを特徴とする出力回路。
  2. 【請求項2】 ディプリーション型Nチャネル電界効果
    トランジスタのゲート絶縁膜は、NAND回路及びNO
    R回路を構成する電界効果トランジスタのゲート絶縁膜
    よりも厚い膜厚を有する請求項1に記載の出力回路。
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