JP3018489U - 不織布形成鉢による養液栽培装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】根域を極度に制限し、かつ高濃度培養液で栽培
する高糖度トマト栽培の倍地作りの能率化と装置の簡畧
化を計るものである。 【構成】成形された不織布有底鉢（ポット）２にロック
ウール粒状綿１を詰めて倍地３とすることで、倍地作り
が能率化され、不織布の網目全体から高濃度培養液が滞
留することなく排液されるため、強制排水装置が不要に
なり、装置が簡畧化される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［産業上の利用分野］ この考案は、作物の養液栽培に必要な倍地に、不織布（遮根シート）を鉢型に 成形したポットに、ロックウールの粒状綿を詰めて、１株が６００ｍｌ前後の倍 地で高濃度培養液を点滴によって、高糖度、高品質のトマト、メロン等を栽培す る装置である。

【０００２】 ［從来の技術］ 図２は、從来の技術を示す図である。この方式は、静岡県農業試験場研究報告 第３８号（平成６年２月）「根域を制限した循環式養液栽培装置による高糖度ト マト生産」によるものである。この方式は倍地用のポットに從来のビニールポッ トを利用する（３）。この中に（１）のロックウール粒状綿を詰めるため、（２ ）不織布を一定の大きさに切り、（３）のビニールポット内に敷き、この中に（ １）のロックウール粒状綿を一定量詰めて（４）の状態にする。その際に平面の 不織布を円筒形のポットに入れるため、随所にたての皺が生じ（４−ａ）の如く 空間が生じ易い。この空間が後日生育中に根が乾き、根部裼変して生育障害を生 じ易くなる。また倍地全体は（ｂ）の状態になるが、ビニールポットは底部のみ に排水口があるため、（５）の如く養液の排水は１カ所のみとなり、（６）のよ うに排水用のシートが必要になり、次に（７）のように排液を受ける樋が必要に なる。 この方式でポット倍地を作るには作業が繁雑であり、能率がわるく、大量生産 には不向きである。

【０００３】 ［考案が解決しようとする課題点］ 本案は、その欠点を除いて、倍地作りの作業性と能率を向上させ、ポットの不 織布網目全体から適度に養液が浸み出るため、根腐れ障害が起り難く、底面に強 制排水のためのシートと排水用の樋は不用になり、装置全体が簡畧化される。

【０００４】 ［課題を解決するための手段］ 本案を図１で説明する。（２）の成形された不織布ポットに、（１）の粒状綿 を詰めて（３）とする。（ａ）は本装置に考案された鉢（ポット）を組合せたも のである。

【０００５】 ［作用］ 本案は以上のことから、倍土を詰める作業が單純化され、能率が向上される。 また、ポットの側面と底面全体から排液されるため、高濃度の培養液がポット内 に滞留することがなく、根傷み、根腐れを生じにくい。

【０００６】 ［実施例］ 本案を１０アール面積に実施するに当って、考案した方法では、從来方式の１ ／５の労力で同数の倍地を作ることができた。また作柄が安定し、糖度７〜１０ 度の高糖度トマトを底段位からコンスタントに生産することができた。

【０００７】 ［考案の効果］ 高糖度、高品質のトマ、メロン等が安定して生産できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の倍地作りの作業順序図と組立ての側面
図。

【図２】從来技術の作業順序図と側面図。

【符号の説明】

図１の１倍地に使用するロックウール粒状綿 ２成形された不織布ポット ３考案された倍地の斜視図 Ｂ考案された倍地の組立て側面図 図２の１倍地に使用するロックウール粒状綿 ２一定の大きさに切断した不織布シート ３ビニールポット ４倍地の上面図 ４−ａ倍地を詰めたとき生じ易い空間 ５ポットの排水口 ６強制排水シート ７排水受けの樋 ８装置の側面図

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【手続補正書】

【提出日】平成７年６月２７日

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【考案の名称】 不織布形成鉢による養液栽培装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】不織布（遮根シート）を丸鉢形又は角鉢形
   で、完全有底に成形した鉢（ポット）に、ロックウール
   の粒状綿又はバーミキュライト等を倍地として詰めた高
   糖度養液栽培装置。