JP3018433U - 漬物用鉄分補給具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の課題は、極めて効果的な漬物用鉄分
補給具を提供することにある。 【構成】 鉄分補給用鉄電極１と対向電極２より成る漬
物用鉄分補給具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、漬物用鉄分補給具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

漬物の製造過程において、ナス等のアントシアン色素を安定化して発色させる ために、従来、ミョウバン等の化学発色剤が使用されていたが、人体への有害性 が知られるにつれてその使用は減少しつつある。他方、これらに代わるものとし ては金属鉄そのものを用いて微量の鉄イオンの溶出により色素の安定化を図る方 法も周知であるが、鉄分の溶出効率が著るしく低いので漬物の安定した発色を得 ることは困難であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、極めて効果的な漬物用鉄分補給具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案補給具は、鉄分補給用鉄電極１と対向電極２より成り、ぬか漬床等に両 電極を埋設し、電池等の外部電源に連結して微弱電流を通じて鉄電極１の陽極溶 出を図るか、あるいは対向電極２を鉄電極１の表面の１部分に銀被覆して構成し 、−般に弱酸性であるぬか漬床等においてボルタ電池を構成させて自己起電力に より鉄イオンの溶出を図るものである。従来の鉄材のみを用いる方法にあっては 、局部電池が自然に構成されて鉄イオンの溶出が生じるのであるが、水素ガスの 発生によりこの電気化学的反応は容易に中断されてしまうのであり、これがこの 従来法の鉄分溶出効率が悪い主な理由であったのである。

【０００５】

【実施例】

図１は、本考案の第１実施例として、鉄電極１の表面の１部分にメッキ、真空 蒸着等の方法で銀被覆２を設けた場合であり、鉄電極１は鉄片、鉄線、鉄箔、鉄 網等々の任意形状・寸法のものでよく、特に家庭用としては鉄あみ、鉄箔１の表 面の１部分に銀被覆２を設けたものが使用に簡便である。使用時には、ぬか漬床 等に単に埋設・混入すれば足り、しかも起電力約１ボルト程度のボルタ電池とな るので鉄イオンの溶出効率は極めて良好となる。他方、水素ガスは銀被覆２から 発生する結果、反応の中断は生じないのである。

【０００６】 第２実施例としては（図示せず）、外部起電力により陽極鉄１を溶解させる方 式があり、この場合の対向電極２としては鉄、チタン、アルミニウム等の金属で も炭素材等の非金属でもよい。この実施例は、特に工業用として有用であり、通 電量等は漬物の量等に応じて所要鉄分の溶出に必要な程度に適宜設定することが できる。

【０００７】

【考案の効果】

本考案鉄分補給具によれば、漬物調整・製造過程において十分な鉄分の補給が 可能となるから、自然発色した漬物が容易に製造されうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案鉄分補給具の平面図

【符号の説明】

１ 鉄電極 ２ 銀被覆対向電極

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄分補給用鉄電極１と対向電極２より成
   る漬物用鉄分補給具。