JP3018176U - 異方向性ブラインド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】充分な遮蔽と採光とをブラインドの上下方向に
おいて部分的に同時に達成するようにする。 【構成】回転軸５、６の正逆回転によりスラットの傾斜
角度を変えるブラインドにおいて、回転軸５、６をヘッ
ドボックス７内にて２本軸支し、各々の回転軸５、６に
巻き付けた複数組の一対のラダーテープ８ａ、８ｂ、９
ａ、９ｂを、一群のスラットである上半分のブロックに
対して、載置コードを設けたラダーテープ８ａ、８ｂ
と、載置コードを設けないその他のラダーテープ９ａ、
９ｂとで構成し、さらに一群のスラットである下半分の
ブロックにおいて載置コードを設けたラダーテープ９
ａ、９ｂと、載置コードを設けないその他のラダーテー
プ８ａ、８ｂとで構成し、この複数群のスラット１を、
各群ごとに、独立して傾斜制御するようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、複数枚のスラットの各群が異方向の傾斜角度で開閉する異方向性 ブラインドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ブラインドは、周知の様に、光等からの遮蔽を複数枚のスラットを用いて垂直 方向で相互に重ねあわせることにより行うことから、従来のブラインドでは、複 数枚のスラットはすべて同一方向の傾斜角度で開閉するのが通常であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしブラインドを浴室の窓や装飾等に使用する場合、完全に遮蔽する場合は ともかく、外部の採光等を取り入れたい場合は、複数枚のスラットがすべて同一 の水平方向に向かって開き、遮蔽効果はなくなり、外部からは内部が丸見え状態 になってしまう。

【０００４】 従って、従来のブラインドは、遮蔽するか遮蔽しないかのかのいずれかの選択 しかできず、部分的に遮蔽し、部分的に開放して採光等を取り入れることは困難 であった。

【０００５】 無論、複数枚のスラットの傾斜角度を調節することで、遮蔽と採光とを調節す ることは幾分可能であるが、遮蔽と採光とがそれぞれ中途半端で、遮蔽と採光と を充分充足し得るものではない。

【０００６】 例えば、浴室の窓では、窓ガラスの上半分にブラインドを配置して採光の出し 入れを可能にする一方で、下半分はスリガラスにわざわざすることにより外部か ら見えないような工夫がなされていた。これは、透明の通常のガラスにブライン ドを取り付け、スラットを窓枠の下端部まで降ろした状態で開閉すると、充分な 採光を取り入れた場合、浴室の内部が丸見えとなり、一方、遮蔽の場合は、採光 ができず、二律背反の事態になるためである。ただ、窓ガラスの下半分をスリガ ラスにすると、コスト的に問題が多く、またデザイン的も好ましくない。

【０００７】 この考案の目的は、充分な遮蔽と採光とが上下方向において部分的に同時に達 成することができる異方向性ブラインドを提供する点にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案は、複数枚のスラットを上下方向に並べ、 当該スラットに設けたコード挿入穴に昇降コードを挿入し、この昇降コードをス ラット下端部に設けたボトムレールに止着し、ヘッドボックス内で長手方向に軸 支された回転軸に相反対方向に巻き付けられたスラット傾斜用の一対のラダーテ ープをスラットの幅方向両端縁にそれぞれ配置し、この一対のラダーテープ間を スラットの載置コードで連結してスラットを当該載置コードで保持し、回転軸の 正逆回転によりスラットの傾斜角度を変えるブラインドにおいて、上記回転軸を ヘッドボックス内に複数本軸支し、各々の回転軸に巻き付けた複数組の一対のラ ダーテープを、一群のスラットに対して、載置コードを設けたラダーテープと、 載置コードを設けないその他のラダーテープとで構成し、複数群のスラットを、 各群ごとに、独立して傾斜制御するように構成した。

【０００９】 なお、一群のスラットに対して、載置コードを設けないその他のラダーテープ は、載置コードを設けたラダーテープに比して、スラットを昇降コードにより引 き上げた際に、ブラインドの前後に弛んで広がるため、これを避ける手段として は、載置コードを設けないその他のラダーテープをスラットのコード挿入穴に昇 降コードとともに挿入することが望ましい。また、一群のスラットに対して、載 置コードを設けないその他のラダーテープは、スラットの幅方向の両縁部に設け たラダーテープ挿入穴に挿入する手段も採用することができる。

【００１０】

【作用】 この考案のブラインドは、複数枚のスラットを上下方向に並べ、当該スラット に設けたコード挿入穴に昇降コードを挿入し、この昇降コードをスラット下端部 に設けたボトムレールに止着し、ヘッドボックス内で長手方向に軸支された回転 軸に相反対方向に巻き付けられたスラット傾斜用の一対のラダーテープをスラッ トの幅方向両端縁にそれぞれ配置し、この一対のラダーテープ間をスラットの載 置コードで連結してスラットを当該載置コードで保持し、回転軸の正逆回転によ りスラットの傾斜角度を変えるブラインドにおいて、上記の回転軸をヘッドボッ クス内に複数本軸支し、各々の回転軸に巻き付けた複数組の一対のラダーテープ を、一群のスラットに対して、載置コードを設けたラダーテープと、載置コード を設けないその他のラダーテープとで構成したので、各々の回転軸の正逆回転に より、複数群のスラットを各群ごとに独立して開閉動作をすることができる。

【００１１】 従って、例えば浴室、ビル、喫茶店などの窓ガラスに設置しても、窓ガラスの 下半分は遮蔽したままで、上半分を開放し、充分な採光を取り入れることができ る。また特に、一般家庭においても使用することができ、太陽の移動等により日 がかげったところは採光をとり、まだ日があたっているところは遮蔽する様に自 由に調整することができる。

【００１２】 また特に、一群のスラットに対して、載置コードを設けないその他のラダーテ ープを、スラットのコード挿入穴に昇降コードとともに挿入した場合は、昇降コ ードを引き上げても、ブラインドの前後に、上記の載置コードを設けないその他 のラダーテープが弛んで広がることもない。

【００１３】 また、一群のスラットに対して、載置コードを設けないその他のラダーテープ を、スラットの幅方向の両縁部に設けたラダーテープ挿入穴に挿入する手段を採 用した場合でも、昇降コードの引き上げによるラダーテープの弛みを防止するこ とができる。

【００１４】

【実施例】 図１はこの考案に係る異方向性ブラインドの一実施例を示す斜視図、図２は同 要部拡大斜視図である。

【００１５】 図において、１は水平方向に複数枚並べられたスラット、２は当該スラット一 枚あたり長手方向の２か所に設けたコード挿入穴、３はこのコード挿入穴２に挿 入された昇降コード、４はスラット１の最下端に位置し、上記昇降コード３を止 着したボトムレール、５、６はヘッドボックス７内で長手方向に軸支された２本 の回転軸である。

【００１６】 回転軸５には、相反対方向に巻き付けられたスラット傾斜用の一対のラダーテ ープ８ａ、８ｂが、回転軸６には、同じく相反対方向に巻き付けられたスラット 傾斜用の一対のラダーテープ９ａ、９ｂが巻き付けられている。ラダーテープ８ ａ、８ｂ及び９ａ、９ｂは、スラット１の幅方向両端縁に配置されており、各一 対のラダーテープ８ａ、８ｂ及びラダーテープ９ａ、９ｂ間をスラット１の載置 コード１０で連結してスラット１を当該載置コード１０で保持している。

【００１７】 特に、この実施例では、図３に示す様に、上半分のブロックＡと下半分のブロ ックＢとに分け、上半分のブロックＡでは、ラダーテープ８ａ、８ｂには載置コ ード１０が設けられているが、その他のラダーテープであるラダーテープ９ａ、 ９ｂには載置コード１０が設けられておらず、かつラダーテープ９ａ、９ｂはコ ード挿入穴２に挿入されているため、ラダーテープ８ａ、８ｂを矢印方向に上下 動すれば、上半分のブロックＡのスラット１だけが下向きに傾斜し、因って上半 分のブロックＡの部分において採光を取り入れることができ、逆方向に上下動す ることで上半分のブロックＡの部分において遮蔽方向に傾斜するものである。

【００１８】 下半分のブロックＢでは、今度は、ラダーテープ８ａ、８ｂが、その他のラダ ーテープとして、図示の通り、載置コード１０のない状態でコード挿入穴２に挿 入される一方、上半分のブロックＡでコード挿入穴２に挿入されていたラダーテ ープ９ａ、９ｂが、スラット１の幅方向両端縁にそれぞれ配置され、載置コード １０が当該ラダーテープ９ａ、９ｂ間で設けられており、複数枚のスラット１を 当該載置コード１０で保持している。そして、ラダーテープ８ａ、８ｂとラダー テープ９ａ、９ｂは、ボトムレール４に止着されている。

【００１９】 なお、図１及び図２において、１１、１２は回転軸５、６を正逆回転させるた めのロッドであり、ロッド１１を正逆回転することで回転軸５が、ロッド１２を 正逆回転することで回転軸６が正逆回転し、これにより、回転軸５、回転軸６に それぞれ巻き付けられたラダーテープ８ａ、８ｂ、ラダーテープ９ａ、９ｂがそ れぞれ逆方向に上下動して上半分のブロックＡ、下半分のブロックＢの複数枚の スラット１がそれぞれ独立して開閉する。なお１３はヘッドボックス７内を通っ て引き出された昇降コード３、３を束ねるコード止めであり、１４はコード止め に連結された補助コードである。また１５はスラットクリップ、１６はテープホ ルダーである。１７はブラケット、１８はヘッドボックス７の端部キャップであ る。

【００２０】 従って、この実施例に係る異方向性ブラインドは、ロッド１２、１３を正逆回 転するとブラインドのスラット１の上半分の群と下半分の群が独立して傾斜又は 水平又は垂直方向に開閉するので、窓に取り付けた場合、下半分を遮蔽しつつ上 半分において採光を取り入れることができる。因って、浴室の窓や喫茶店或いは ビルの窓に取り付けた場合、必要に応じて遮蔽及び採光が同時に確保できるため きわめて便利である。

【００２１】 またこの実施例の異方向性ブラインドは、上半分のブロックＡではラダーテー プ９ａ、９ｂはコード挿入穴２に挿入されており、さらに下半分のブロックＢで はラダーテープ８ａ、８ｂがコード挿入穴２に挿入されているため、補助コード １４を引っ張って、昇降コード３を引っ張り、スラット１を上に上げた場合でも ラダーテープ９ａ、９ｂはコード挿入穴２で規制されているので、ブラインドの 前後に弛んで広がることがなく、見た目も、また取扱い上もきわめて好ましい。

【００２２】 なお、この考案は上記の実施例に限定されない。例えば、上記の実施例では、 スラットの群を上下２分割で独立して開閉する構成としたが、上下３以上に分割 する構成を採ることもできる。この場合は、回転軸を３本以上にする等、独立し た回転軸を採用すれば足りる。

【００２３】 要するに、載置コードを有しない領域を有するラダーテープの組み合わせによ りブラインドのスラットの開閉を各群ごとに独立する構成であれば足りるもので ある。従って、上記の実施例で採用している回転軸の回転手段であるロッド方式 も、これに限定されず、モーター回転などその他の手段あっても差支えない。ま た、上記実施例では、スラットの枚数は１１枚であるが、さらに多数枚のスラッ トを用いたブラインドであれば、一層遮蔽と採光との同時使用を効果的に達成す ることができる。

【００２４】 また、上記実施例では、下半分のブロックＢではラダーテープ８ａ、８ｂをも コード挿入穴２に挿入したが、上半分のブロックＡの最下端のスラット１に止着 して当該ラダーテープ８ａ、８ｂの終端を上半分のブロックＡの最下端のスラッ ト１としても差し支えない。この場合なら、下半分のブロックＢにおけるブライ ンド上昇時のラダーテープ８ａ、８ｂの幅方向への弛みは皆無となる。

【００２５】 なお、ブラインド上昇時のラダーテープの幅方向への弛みをなくす手段として は、他に、図４に示す様に、スラット１のコード挿入穴２の両サイド、すなわち スラットの幅方向の両縁部にラダーテープ挿入穴１９ａ、１９ｂを設け、これに 載置コードを設けないその他のラダーテープを挿入することが望ましい。この様 にすることにより、コード挿入穴２に挿入した前述のラダーテープに比して、ブ ラインド上昇時、スラット間に入るラダーテープを極力抑制することができ、外 観上極めて好ましい。

【００２６】

【考案の効果】

この考案は、上記の通り、複数枚のスラットを上下方向に並べ、当該スラット に設けたコード挿入穴に昇降コードを挿入し、この昇降コードをスラット下端部 に設けたボトムレールに止着し、ヘッドボックス内で長手方向に軸支された回転 軸に相反対方向に巻き付けられたスラット傾斜用の一対のラダーテープをスラッ トの幅方向両端縁にそれぞれ配置し、この一対のラダーテープ間をスラットの載 置コードで連結してスラットを当該載置コードで保持し、回転軸の正逆回転によ りスラットの傾斜角度を変えるブラインドにおいて、上記の回転軸をヘッドボッ クス内に複数本軸支し、各々の回転軸に巻き付けた複数組の一対のラダーテープ を、一群のスラットに対して、載置コードを設けたラダーテープと、載置コード を設けないその他のラダーテープとで構成し、複数群のスラットを各群ごとに独 立して傾斜制御するようにした異方向性ブラインドであるので、充分な遮蔽と採 光とが上下方向において部分的に同時に達成することができる。

【００２７】 従って、従来のブラインドと異なり、遮蔽するか遮蔽しないかのいずれの選択 をもすることができ、複数枚のスラットの傾斜角度を独立して調節することがで きるので、例えば浴室の窓にとりつけても、従来の様に、スリガラスを用いずと も必要な箇所には遮蔽することができ、きわめて便利である。

【００２８】 無論、浴室の窓だけではなく、喫茶店やビル等の窓や、室内の多彩な装飾用な どにも使用することができ、広範囲な用途があり、きわめて好ましい。

【００２９】 また、一群のスラットに対して、載置コードを設けないその他のラダーテープ は、スラットのコード挿入穴に昇降コードとともに挿入した場合は、スラット上 昇時に、載置コードを設けないその他のラダーテープが、ブラインドの前後に弛 んで広がることがなくなり、さらに好ましい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る異方向性ブラインドの一実施例
を示す斜視図である。

【図２】同要部拡大概略斜視図である。

【図３】同要部概念図である。

【図４】同その他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ スラット ２ コード挿入穴 ３ 昇降コード ４ ボトムレール ５ 回転軸 ６ 回転軸 ７ ヘッドボックス ８ａ ラダーテープ ８ｂ ラダーテープ ９ａ ラダーテープ ９ｂ ラダーテープ １０ 載置コード １１ ロッド １２ ロッド １３ コード止め １４ 補助コード １５ スラットクリップ １６ テープホルダー １７ ブラケット １８ 端部キャップ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数枚のスラットを上下方向に並べ、当該
   スラットに設けたコード挿入穴に昇降コードを挿入し、
   この昇降コードをスラット下端部に設けたボトムレール
   に止着し、ヘッドボックス内で長手方向に軸支された回
   転軸に相反対方向に巻き付けられたスラット傾斜用の一
   対のラダーテープをスラットの幅方向両端縁にそれぞれ
   配置し、この一対のラダーテープ間をスラットの載置コ
   ードで連結してスラットを当該載置コードで保持し、回
   転軸の正逆回転によりスラットの傾斜角度を変えるブラ
   インドにおいて、上記回転軸をヘッドボックス内に複数
   本軸支し、各々の回転軸に巻き付けた複数組の一対のラ
   ダーテープを、一群のスラットに対して、載置コードを
   設けたラダーテープと、載置コードを設けないその他の
   ラダーテープとで構成し、複数群のスラットを、各群ご
   とに、独立して傾斜制御するようにしたことを特徴とす
   る異方向性ブラインド。
2. 【請求項２】一群のスラットに対して、載置コードを設
   けないその他のラダーテープは、スラットのコード挿入
   穴に昇降コードとともに挿入されている請求項１記載の
   異方向性ブラインド。
3. 【請求項３】一群のスラットに対して、載置コードを設
   けないその他のラダーテープは、スラットの幅方向の両
   縁部に設けたラダーテープ挿入穴に挿入されている請求
   項１記載の異方向性ブラインド。