JP3018145B2 - 下水油分固化防止方法及び下水油分固化防止材 - Google Patents

下水油分固化防止方法及び下水油分固化防止材

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JP3018145B2
JP3018145B2 JP8048248A JP4824896A JP3018145B2 JP 3018145 B2 JP3018145 B2 JP 3018145B2 JP 8048248 A JP8048248 A JP 8048248A JP 4824896 A JP4824896 A JP 4824896A JP 3018145 B2 JP3018145 B2 JP 3018145B2
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポンプ付下水マンホ
ールの油分固化防止方法及びこれに用いる下水油分固化
防止材に関し、更に詳しくはメンテナンスが簡単なポン
プ付下水マンホールの油分固化防止方法及びこれに用い
る下水油分固化防止材に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道本管より低位にある民家などから
出される生活排水などの下水は、一旦ポンプ付下水マン
ホールに集められ、ポンプにより下水道本管へ汲み上げ
られている。生活排水などからの下水中には、油分が含
まれているので、これが酸化されるなどするとマンホー
ル内で固化する現象がある。この油分の固化物がポンプ
内に入るとその復旧に数時間を要することもある。それ
で、こうした異常事態を避けるため、ポンプ付下水マン
ホールの水底には2台のポンプが設置されると共に、1
〜3ヶ月に1回程度定期的にマンホール内を清掃するな
どして、ポンプ付下水マンホールは維持管理されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポンプ付下水マンホー
ルの清掃は、マンホールの壁、ポンプ等の表面に付着し
ている固形状の汚物を高圧水でたたき落とすなどして行
われるが、何分にもマンホール内は悪臭が漂っているな
ど劣悪な環境下にあり、維持管理業者からはマンホール
の清掃を必要としないか、あるいは清掃回数を大幅に減
らすことのできるポンプ付下水マンホールの維持管理方
法の出現が待望されていた。本発明の目的は、上記の点
に鑑み、メンテナンスが簡単なポンプ付下水マンホール
の油分固化防止方法及びこれに用いる下水油分固化防止
材を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意研究した結果、特定の微生物系油分固化防
止材を用いることにより上記目的が達成されることを見
い出し本発明に到達した。すなわち本発明は、バクテリ
ア、真菌、酵母の群から選択される1種以上の微生物を
含有する粉末状の微生物資材(A)からなることを特徴
とするポンプ付下水マンホールの油分固化防止材;バク
テリア、真菌、酵母の群から選択される1種以上の微生
物を含有する微生物資材(A)を徐溶化剤で固めた固形
物からなることを特徴とするポンプ付下水マンホールの
油分固化防止材;並びに、該油分固化防止材を下水マン
ホール中へ投入することを特徴とするポンプ付下水マン
ホールの油分固化防止方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、微生物資材
(A)はバクテリア、真菌、酵母などからなる微生物を
1種以上含み、更に酵素、培地および担体などを含んだ
粉末状のものである。液状の微生物製品は、粉末状の製
品よりも製品の保存安定性が劣るので本発明においては
好ましくない。本発明の粉末状の微生物資材(A)は実
質的に水分を含んでいない(約5重量%以下)ので、
(A)中の微生物は休眠(不活性)状態にある。微生物
資材(A)中に含有されてよい微生物としては、例えば
バチルス属(Bacillus)、ラクトバチルス属(Lactobac
illus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、エ
ンテロコッカス属(Enterococcus)、エンテロバクター
属(Enterobacter)、ニトロソモナス属(Nitrosomona
s)、ニトロバクター属(Nitrobacter)、セルロモナス
属(Cellulomonas)、シュードモナス属(Pseudomona
s)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、リゾー
プス属(Rhizopus)、アスペルギルス属(Aspergillu
s)、酵母(Yeast)等が挙げられる。これらの微生物は
2種以上併用することもできる。併用することによっ
て、同一環境下で共存して共同的に作用して(役割分担
して)有機物、悪臭物質などの分解に効果的に作用する
場合が多い。上記微生物の中では、バチルス属(Bacill
us)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ストレプ
トコッカス属(Streptococcus)、エンテロコッカス属
(Enterococcus),ニトロソモナス属(Nitrosomona
s)、ニトロバクター属(Nitrobacter)、リゾープス属
(Rhizopus)、アスペルギルス属(Aspergillus)、サ
ッカロマイセス属(Saccharomyces)の微生物が下水中
の油分などの有機物を発酵分解して下水を浄化する能力
の大きい点で好ましく、バチルス属(Bacillus)、ラク
トバチルス属(Lactobacillus)、ストレプトコッカス
属(Streptococcus)、エンテロコッカス属(Enterococ
cus)の微生物が更に好ましく、特にバチルス属のバク
テリアと、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、スト
レプトコッカス属(Streptococcus)からなる乳酸菌と
の併用系が最も好ましい。
【0006】本発明において、上記微生物の菌種とし
て、例えば下記のものが挙げられる。 (1)バチルス属(Bacillus) バチルス・ズブチリス(IFO(Institute for Ferment
ation Osaka :財団法人発酵研究所、以下同様)1371
9)、バチルス・ナットウ(IFO3013)、バチル
ス・リケニフォルミス(IFO12200)、バチルス
・コアギュランス(IFO12583)、バチルス・マ
セランス(IFO3490)、バチルス・メガテリウム
(IFO1208),バチルス・ポリミキサ(IFO1
3003)など。 (2)ラクトバチルス属(Lactobacillus) ラクトバチルス・カセイ(IFO12521)、ラクト
バチルス・アシドフィルス(IFO13951)、ラク
トバチルス・デルブリュッキ(IFO3202)、な
ど。 (3)ストレプトコッカス属(Streptococcus) ストレプトコッカス・フェカリス(IFO3971)、
ストレプトコッカス・クレモリス(IFO3427)、
ストレプトコッカス・ラクチス(IFO12007)、
ストレプトコッカス・サリバリウス(IFO1395
6)、ストレプトコッカス・サーモフィリス(IFO1
3957)、ストレプトコッカス・フェシアム(IFO
12256)など。 (4)エンテロコッカス属(Enterococcus) エンテロコッカス・フェカリス(IFO3971、IF
O3989)、エンテルコッカス・フェシアム(IFO
3128、IFO3535)など。 (5)エンテロバクター属(Enterobacter) エンテロバクター・アエロジニス(IFO12010、
IFO13534)など。 (6)ニトロソモナス属(Nitrosomonas) ニトロソモナス・ユーロパエア(IFO14298)な
ど。 (7)ニトロバクター属(Nitrobacter) ニトロバクター・アギリス(IFO14297)など。 (8)セルロモナス属(Cellulomonas) セルロモナス・フラビゲナ(IFO3754)、セルロ
モナス・ビアゾテア(IFO12680)、セルロモナ
ス・セラセア(IFO3748)、セルロモナス・ウダ
(IFO3747)、セルロモナス・ゲリダ(IFO3
748)など。 (9)シュードモナス属(Pseudomonas) シュードモナス・プチダ(IFO14164)、シュー
ドモナス・ニトロレデューセンス(IFO12694)
など。 (10)アグロバクテリウム(Agrobacterium) アグロバクテリウム・テュメファシエンス(IFO30
58、IFO12667)など。 (11)リゾープス属(Rhizopus) リゾープス・オリザエ(IFO4706)、リゾープス
・フォルモサエンシス(IFO4732)、リゾープス
・ジャポニカス(IFO4732)、リゾープス・デレ
マール(IFO4746)など。 (12)アスペルギルス属(Aspergillus) アスペルギルス・オリザエ(IFO30104)、アス
ペルギルス・ニガー(IFO31125)、アスペルギ
ルス・ウサミイ(IFO4388)、アスペルギルス・
ソーヤ(IFO4391)、アスペルギルス・テレウス
(IFO31217)など。 (13)サッカロマイセス属(Saccharomyces) サッカロマイセス・セレビシエ(IFO10217)、
サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(IFO11
67)など。
【0007】本発明において微生物資材(A)は、従来
より公知である例えば次のような方法で製造できる。す
なわち、上記の微生物(1種以上)、培地、担体の適当
量を水の中に加えて混合し、25〜50℃の温度で24
〜72hrs程度培養した後、例えばスプレードライ法
で乾燥して粉末化(水分約5%)して製造できる。培地
としては、魚粉、油カス、フスマ、麦汁など農水産物お
よびその廃棄物が使用でき、また、担体としては炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、珪藻
土、ゼオライト、オガクズなどの無機系または有機系粉
末が使用できる。こうして得られる微生物資材(A)中
には、通常培養中微生物により作られたプロテアーゼ、
アミラーゼ、ラクターゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、
セルラーゼなどの酵素が含まれている。本発明において
は、油分固化防止性を更に高めるために、上記以外の酵
素を微生物資材(A)に添加することもできるし、上記
と同じ酵素を後添加することもできる。
【0008】本発明においては、微生物資材(A)中に
占める微生物の含有量は、通常5〜70重量%、好まし
くは20〜60重量%である。5重量%未満では油分固
化防止性が低下し、70重量%を超えると粉末状微生物
資材(A)の製造コストが上昇する。
【0009】微生物資材(A)1g中に含まれる微生物
の全生菌数は、通常108〜1011程度であるが、
(A)中におけるそれぞれの微生物の生菌数は、下水を
効率よく浄化し、下水中の油分の固化を防止する観点か
ら次の範囲にあるのが好ましい。すなわち、 (1)バチルス属(Bacillus subtilis) :108〜1011/g (2)ラクトバチルス属(Lactobacillus) :106〜1010/g (3)ストレプトコッカス属(Streptococcus) :106〜1010/g (4)エンテロコッカス属(Enterococcus) :106〜109/g (5)エンテロバクター属(Enterobacter) :106〜109/g (6)ニトロソモナス属(Nitrosomonas) :106〜109/g (7)ニトロバクター属(Nitrobacter) :106〜109/g (8)セルロモナス属(Cellulomonas) :106〜109/g (9)シュードモナス属(Pseudomonas) :106〜108/g (10)アグロバクテリウム属(Agrobacterium) :106〜108/g (11)リゾープス属(Rhizopus) :106〜109/g (12)アスペルギルス属(Aspergillus) :106〜109/g (13)サッカロマイセス属(Saccharomyces) :106〜108/g
【0010】本発明においては、微生物資材(A)に少
量の水溶性有機化合物(B)を併用することにより、微
生物資材(A)の下水中への分散性を高めることができ
る。また、付随効果としては、微生物資材(A)が粉末
状の場合、水溶性有機化合物(B)で湿ることにより飛
散性が小さくなって、後記のように粉末状の微生物資材
(A)を水溶性または水崩壊性の袋に入れる際、微粉が
舞わないので作業環境が改善される。水溶性有機化合物
(B)としては、常温(約20℃)で液状で、水(20
℃)に対する溶解度が20以上の低揮発性有機化合物を
挙げることができ、その具体的な化合物としては、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、ヘキシレングリコールなどの炭素数2〜
6のアルキレングリコール(b1);グリセリン、ジグ
リセリンなどの炭素数3〜10の多価アルコール(b
2);ポリエチレングリコール、ポリ(プロピレン−エ
チレン)グリコールなどのポリエチレングリコール系化
合物(b3);炭素数4〜30の一価アルコール、炭素
数6〜30のフェノールの化合物、前記のアルキレング
リコール(b1)、前記の多価アルコール(b2)、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、エチレン
ジアミン、ジエチレンポリアミン、トリエタノールアミ
ンなどからなる活性水素含有化合物のエチレンオキシド
および/またはプロピレンオキシドを付加した官能基数
1〜8の水溶性アルキレンオキシド付加物(b4);水
溶性非イオン界面活性剤(b5);水溶性アニオン界面
活性剤(b6);水溶性カチオン界面活性剤(b7);
水溶性両性界面活性剤(b8)等が挙げられる。これら
の中では、アルキレングリコール(b1)、ポリエチレ
ングリコール系化合物(b3)、水溶性アルキレンオキ
シド付加物(b4)が、少量の使用量で微生物資材
(A)を低飛散性する効果が大きい点で好ましい。水溶
性有機化合物(B)の使用量は、微生物資材(A)に対
し、通常1〜10重量%、好ましくは3〜6重量%であ
る。(B)が1重量%未満では、微粉末を含む微生物資
材(A)を低飛散性にし難く、10重量%を超えると生
成物の粉体流動性が悪くなる。
【0011】本発明においては、必要により芒硝、無水
芒硝、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、ほう酸等の無機塩が増量剤
(C)として使用できる。増量剤(C)の使用量は
(A)と(B)の合計量に対し通常10〜900重量
%、好ましくは20〜300重量%である。本発明にお
いては、必要によりさらに香料、着色剤、抗酸化剤、紫
外線吸収剤、キレート化剤(金属補足剤)等の添加剤
(D)が使用できる。
【0012】微生物資材(A)と共に上記(B)〜
(D)の成分を使用する場合、これらの全成分を均一に
混合するのが好ましい。混合方法としては、特に限定さ
れないが(A)〜(D)の成分を混合槽に入れた後、均
一に撹拌、混合してもよく、あるいは先ず(A)〜
(D)の粉末状の成分を、例えばナウターミキサーなど
の粉体混合槽に入れた後、液状成分(例えば(B)成
分)を一括または分割にして入れて均一になるまで撹
拌、混合してもよい。混合時間は通常5〜120分程度
である。このようにして得られる粉末状の微生物資材
(A)は、例えばポリビニルアルコールなどの水溶性フ
ィルムなどから作られた水溶性袋、または例えば材質が
ロールペーパーと同じ紙などの水崩壊性の袋に入れられ
(例えば0.3〜2Kg程度)、シールされた後、好ま
しくは更に水不溶性のプラスチック袋(例えばポリエチ
レンフィルムなどの通常のポリ袋)で外装される。ま
た、本発明においては、微生物資材(A)は上記のよう
に粉末状のものだけでなく、塊状に固形物のものも使用
できる。微生物資材(A)が、塊状の固形物(例えば高
分子量ポリエチレングリコールまたはその変性物などの
徐溶化剤で微生物を固めたもので、溶解速度は5分程度
から30日と広範囲に変えられる)の場合には、球形ま
たは立方体などの形状で適度の大きさ(0.2〜1Kg
程度)に加工されたものが使用できる。このようにして
得られる微生物資材(A)中の生菌数(単位:個/g)
は、例えば標準寒天培地などの通常の培地を用いて、培
養条件を適当に選択して(例えば35℃X24〜72時
間)混和平面培養法などの公知の方法に準拠して測定で
きる。
【0013】本発明の方法においては、微生物資材
(A)が前記のように二重包装された粉末状の微生物資
材(A)の場合は、外装の水不溶性袋を取り外した後、
水溶性袋のままでポンプ付下水マンホールのマンホール
上部から水面上に投入して使用される。水溶性袋はマン
ホールへ投入後通常1〜180分程度で溶解し、粉末状
の微生物資材(A)は下水マンホール中へ徐々に分散す
る。また、微生物資材(A)が、塊状の固形物の場合に
は、同じようにマンホール上部から水面上に投入して使
用されるが、固形物は内部に気泡を含むなどして、比重
が1より小さいことが必要である。固形物の比重が1以
上であると、水底に沈んだ固形物が下水汲み上げポンプ
に吸い込まれてトラブルとなるからである。上記のよう
にして、微生物資材(A)が下水マンホール中に投入さ
れると、水と接触した微生物は休眠状態からさめ、マン
ホール壁面などの表面に着床して増殖、更に増殖した微
生物が下水中に浮遊などして活動を開始する。本発明の
方法において、適用できるポンプ付下水マンホールとし
ては、マンホール貯水槽の底面積が約15m2よりも小
さくて、且つ流入下水量が約50トン/日よりも少ない
比較的小規模のもの(例えば貯水槽の直径が0.9〜
1.8mの1〜4号マンホール)が好ましい。マンホー
ル貯水槽の底面積が約15m2を超えると、下水マンホ
ール中に貯まっている下水量当たりの微生物の着床可能
な表面積が小さくなって、油分固化防止性能が充分に発
揮することができず、また流入下水量が約50トン/日
を超えると、ポンプによる下水の汲み上げと共に浮遊微
生物も間断なく排出されて、下水中の微生物の増殖が追
いつかず油分固化防止性能を充分に発揮することができ
ない。ポンプ付下水マンホールへの微生物資材(A)の
投入量は、下水マンホールの規模および下水流入量によ
り決めればよく、通常水溶性袋に入ったものを0.5〜
1Kg程度、約1〜2回/月定期的に投入すればよく、
これよりも投入間隔が少なく(例えば3〜6回/年)て
もよい。微生物資材(A)が固形物の場合も同様であ
る。微生物資材(A)を定期的にポンプ付下水マンホー
ルへ投入することによって、下水マンホール内での油分
の固化速度を遅延させて、ポンプ付下水マンホールの清
掃回数を少なくすることができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、部および%は重量部、重量%を示す。はじめに、
実施例および比較例で用いた原料資材の組成を示す。 (1)微生物資材(A) (i)バイオ資材(a) 担体(炭酸カルシウム)を約50%含み、微生物として
バチルス・ズブチリス(IFO13719)8X109
/g、バチルス・リケニフォルミス(IFO1220
0)1X109/g、エンテロコッカス・フェカリス(
IFO3971)6X108/g、リゾープス・オ
リザエ(IFO4706)3X107/gの4属・種を
含有する微生物粉末資材 (ii)バイオ資材(b) 担体(炭酸カルシウム)を約50%含み、バチルス・ズ
ブチリス(IFO13719)5X109/g、バチル
ス・リケニフォルミス(IFO12200)1X109
/g、バチルス・ポリミキサ(IFO3020)1X1
9/gの3属・種を含有する微生物粉末資材 (2)水溶性有機化合物(B) (i)B−1 :プロピレングリコール (ii)B−2 :プルロニック型非イオン活性剤
(分子量1700のポリプロピレングリコールにエチレ
ンオキシドを付加した分子量2200のポリオキシアル
キレングリコール)
【0015】実施例1〜5 AからEのポンプ付下水マンホールを高圧水で清掃し、
2台の汲み上げポンプ、マンホール壁などに付着してい
る固化した油分を取り除いた。次に、表1に記載の配合
処方の粉末状の微生物資材がそれぞれ0.5Kg入った
サンプル(内装:ポリビニルアルコールの水溶性袋;外
装:ポリエチレン製袋)の外装の袋を取り外し、内装の
水溶性袋のまま予め決められた量を袋単位でそれぞれの
マンホールに投入し、次にマンホールの清掃が必要とな
るまで1回/月の間隔で微生物資材の投入を行った。下
水マンホール清掃直後には必ず同量の微生物資材を投入
して、同様の試験を繰り返して1年間試験を継続した。
1年間の試験データから清掃間隔日数(マンホール清掃
後から汲み上げポンプが異常を示すなどして、次にマン
ホールの清掃が必要となるまでの日数の1年間のデータ
の平均日数)を求めて、微生物資材投入前1年間の清掃
間隔日数(前記と同様)と比較した。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明らかなように、微生物資材を定
期的にポンプ付下水マンホールに投入することで、マン
ホール下水中の臭気を減らすことができ、さらに下水マ
ンホールの清掃間隔日数を投入しない場合と比較して約
1.3〜2倍以上に延ばせることが判る。また、マンホ
ールの直径の小さい、小規模下水マンホールほど清掃間
隔日数が長くなって、油分固化防止性能の大きい傾向の
あることが判る。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法は、水溶性袋または水崩壊
性袋に入った粉末状の微生物資材、もしくは塊状の微生
物資材をそのまま定期的(1ヶ月に1回程度)に下水マ
ンホールに投入するだけでよいなど、ポンプ付下水マン
ホールの維持管理が非常に簡単である。このように簡単
なメンテナンスを定期的に行うことにより、下水中の油
分が微生物の作用によって固化し難くなり、作業環境が
劣悪な下水マンホールの清掃回数を減らすことができる
と共に悪臭の発生を少なくして、清掃作業環境を改善す
ることができる。本発明の方法は、とくにマンホール貯
水槽の底面積が約15m2よりも小さい比較的小規模の
ポンプ付下水マンホール(マンホール直径が0.9〜
1.8mの1〜4号マンホール)において、清掃回数の
大幅な減少と清掃作業環境の改善(悪臭の低減)効果が
顕著であり、その実用的価値は極めて高い。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バクテリア、真菌、酵母の群から選択さ
    れる1種以上の微生物を含有する粉末状の微生物資材
    (A)からなることを特徴とするポンプ付下水マンホー
    ルの油分固化防止材。
  2. 【請求項2】 (A)が水溶性または水崩壊性の袋に封
    入されていることを特徴とする請求項1記載の油分固化
    防止材。
  3. 【請求項3】 (A)が、更に1〜10重量%の水溶性
    有機化合物を含む請求項1または2記載の油分固化防止
    材。
  4. 【請求項4】 バクテリア、真菌、酵母の群から選択さ
    れる1種以上の微生物を含有する微生物資材(A)を徐
    溶化剤で固めた固形物からなることを特徴とするポンプ
    付下水マンホールの油分固化防止材。
  5. 【請求項5】 (A)が108個/g〜1011個/gの
    バチルス属のバクテリアおよび約106個/g〜約10
    10個/gの乳酸菌を含有する請求項1〜4いずれか記載
    の油分固化防止材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の油分固化防
    止材を下水マンホール中へ投入することを特徴とするポ
    ンプ付下水マンホールの油分固化防止方法。
JP8048248A 1996-02-08 1996-02-08 下水油分固化防止方法及び下水油分固化防止材 Expired - Lifetime JP3018145B2 (ja)

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