JP3017836U - 電工ハンマー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気工事のステップル配線工事における迅速
さと簡素化、安全性を高めるためのもので、ハンマーの
柄の下部先端部にステップルをはさんで電線支持材に押
し付けてステップルを一旦仮止めし、次にハンマーで固
定するもの。またステップルを抜く必要が生じた時はハ
ンマー下部側面の金属片をステップルと電線の間にねじ
込み、ハンマーの柄を倒してステップルを抜き取るも
の。 【構成】 ハンマーの柄の下部にステップルをはさむ溝
（５）と、ステップルを抜き取る（３）を持ち、用途に
応じて使い分けるもの。 【効果】 この考案によりステップル工事の迅速さ、簡
素化、安全性の向上が図られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気工事におけるハンマーに係るものであり、詳しくはステップルの 打ち込み、抜き取り時に使用するハンマーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のハンマーとしては、ただの単純なハンマーでステップルを打ち 込むのみの技術が知られる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のハンマーはくぎ等を単純に打ち込むための汎用性ものであるので、特に 電気工事に多く使用されるステップル工事用としては作られていない。このため 電線を固定していくステップル工事は、木にくぎを打つよりもはるかに難しく、 高所では更に難しいものである。

【０００４】 また、ステップル工事の性質上、露出配線になることも多く、露出配線は工事 後の出来栄えが気に掛るところであり気ままな配線は許されない。しかしハンマ ーを右手に持つと、ステップルと電線の二つを左手だけで持たねばならない。そ の上、ステップルを等間隔に、電線をまっすぐにとしようとすると長時間が必要 である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は従来のこのような問題を解決するためになされたものであり、その目 的とするところは高所でも安全に、安定的に、短時間で確実なステップル工事を 実現しようとするものである。

【０００６】 そのためにハンマーの底部にステップルを差し止めることができる溝（５）を 持たせ、この溝にステップルの先を外側にして止める。ステップルは図２、３（ ７）の板状バネによって溝に止められる。（５）の溝の底部には図２、３（８） の補強硬質材を入れ、ステップルがハンマーの柄の中に埋まることを防止する。

【０００７】 またハンマー底部側面には金属鋼板（３）を取付ける。（３）には（６）のよ うな先を持たせ、この先の部分だけはハンマーの柄の面から２ミリほど離れるよ う作成する。

【０００８】 この（２）と（３）は硬質材料が要求され、ハンマーの柄に強固に取付ける必 要がある。ハンマーの柄全体が硬質の場合は一体成形が可能である。

【０００９】

【作用】

ステップルは（２）の溝（５）に、先端を外側にして入れる。（７）の板状バ ネはステップルが溝から容易に落ちることを防止する。作業者はハンマーの頭を 片手で持ってステップルを電線支持材（１０）に押し付け、仮止めする。

【００１０】 （３）の先端片（６）は電線とステップルの間にねじこませて入れることがで きるように作られ、てこの原理でステップルを抜くものである。

【００１１】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 図１はこの考案ハンマーの全体図である。溝（５）に挟んだステップルはハン マーを持つ手で電線支持材に押し付けられ、その力だけでステップルの先端は２ ミリから３ミリほど支持材に入り、仮固定できる。支持材の木質にもよるが、（ ８）が硬質であるかぎり、片手で仮固定することは容易である。図４の（９Ａ） は仮固定した状態を表わす。次にハンマーを柄に持ち変えてステップルを打ち込 み（９Ｂ）のように固定する。

【００１２】 なんらかの変更でステップルを抜く必要が発生した場合は、ハンマーの頭を持 ち（３）片の側を打ち込んだステップルの足の露出部分にそわせるようにして柄 を回転させる。図６の矢印は柄の軸の回転方向を表しており、この回転によって （３）の先端部の（６）は電線とステップルの間に入る。（６）は電線皮膜を傷 つけないように丸みをもたせ、また柄の面と２ミリほど離して作成する。図５の 上に描かれた（３）の断面図はそれを表す。次にハンマーを倒すと、てこの原理 で少ない力でステップルの足は浮き上がる。更に（６）を押し込み２段目に入れ る。（６）の２段目に入れる意味は、ハンマーの柄を起こすことにある。抜こう とするステップルが狭い所にあると柄を大きく倒すことができない。そこで柄を 起こして（６）の２段目まで入れ、再び倒すとステップルは抜けやすくなる。

【００１３】 ハンマーにはこのような溝（５）と片（３）が付くことになるが、ハンマーと しての効果はなんら失われない。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を有する。

【００１５】 ステップル工事でのハンマー、ステップル、電線の３つのものが、このハンマ ー使用により、ハンマーとステップルが１つになり、高所作業では安全性が増し 作業が迅速化される。

【００１６】 作業姿勢も安定し、配線の出来栄えが向上する。ステップルを無駄にすること も少ない。

【００１７】 ステップルの抜き取りは余計な時間と労力が必要であるが、このハンマーによ り時間と労力は最少限に押さえられる。

【提出日】平成６年１２月１９日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１３

【補正方法】追加

【補正内容】

【００１３】 ハンマーにはこのような溝（５）と片（３）が付くことになるが、ハンマーと しての効果はなんら失われない。柄の太さ等を勘案して（３）を２個取付けても 、（３）の反転型を背合わせにして並べても、ハンマーとしての効力は同じであ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】ハンマー底部の斜視図である。

【図２】ステップルはさみ溝とステップルの斜視図であ
る。

【図３】ハンマーの柄に取付けられたステップルはさみ
部分の断面図である。

【図４】電線支持材とステップル、電線の断面図であ
る。

【図５】ステップル抜き取り部とその断面図である。

【図６】電線を固定しているステップルとハンマーの柄
の軸の回転方向の図である。

【符号の説明】

１ ハンマー ２ ステップルはさみ部 ３ ステップル抜き取り部 ４ ネジ ５ ステップルはさみ部の溝 ６ ステップル抜き取り部の先端片 ７ ステップルはさみ用のバネ ８ ステップル支え底台 ９Ａ 仮止めステップル ９Ｂ 固定ステップル １０ ステップル支持材 １１ 電線

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成７年４月２８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気配線工事のステップル配線工事にお
   いて、簡単にステップルを打ち込むためのもので、図１
   ハンマー（１）の柄の底部を図２の（２）状に作り、こ
   の溝部（５）にステップル（９）を挟み込み、ハンマー
   の頭部を手で持って、そのままステップルの先を電線の
   支持材（１０）に押し付けてステップルを仮固定（９
   Ａ）させ、次にハンマーの柄を持ってステップルを打ち
   込み固定（９Ｂ）させることができるハンマー。
2. 【請求項２】 配線の変更等でステップルを支持材から
   抜く時に、簡単にステップルを抜き取れるようにしたも
   ので、図１ハンマーの柄の底部側面に（３）を取付け、
   ハンマーの柄をねじるように回転させ、その先端部
   （６）を図６のステップル（９）と電線（１１）の間に
   矢印の方向にねじ込み、ハンマーを倒すとてこの原理で
   ステップルを支持材から抜き取ることができるハンマ
   ー。